渡辺秀央の発言 (逓信委員会)
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○渡辺(秀)国務大臣 お答え申し上げます。
森委員の質問いただいた課題は、本日御審議をいただくNTT法のいわゆる基本的ベースになる御質問でございますので、若干時間をいただきますが、私の現状に対する考え方等を申し述べたいと思うわけでございます。
御承知のように、今お触れになりましたが、六十年に電気通信事業分野への競争原理の導入と、いわゆる電電公社民営化を柱とする電気通信制度改革を実施いたしたわけであります。この改革は、工業化社会から高度情報社会に向けて大きな転換期を迎えようとしている時代においては、電気通信事業がいわゆる豊かな国民生活の実現、産業経済の活性化のために先導的役割を果たすことが期待されていることを踏まえて、二十一世紀の高度情報社会を形成していくためには電気通信事業の一層の活性化、効率化を図ることが非常に大切なことである、こういう基本的な考え方から行われたわけでありまして、言うならば、当時は若干の異論のあったところですが、大方のいわゆる同意の中で、大きな流れの中でこれが実現していった
というふうに思うのです。
その後、電気通信市場には多数の新規事業者が参入いたしまして、その数は第一種電気通信事業者七十社、あるいはまた第二種電気通信事業者が千社を超えて、我が国は世界的に見ましても米国と並んで最も競争体制が進展した市場を現在形成しているということであろうと思います。また、競争導入による電気通信市場の活性化によって市場も非常に着実に拡大をしている。いわゆる高度情報社会という時代と相まちまして、しかもまだ経営、営業努力、こういうものと相まって市場規模は非常に大きくなってきている。金額的に見ますと、第一種電気通信市場は六十年の五兆一千五百億、二年には六兆三千二百億円になっているわけです。第二種電気通信市場は四千四百億から一兆二千九百億円に拡大しまして、日本の産業分野の活性化に大変な貢献をしてきたと思っておるわけでございます。
制度改革以降、各事業者の経営努力と光ファイバーを初めとする急速な技術革新によりまして国際料金、長距離料金、自動車電話料金などあらゆる分野において電気通信料金は今着実に、森委員がおっしゃるように低廉化している。国民利用者の利便が非常に大きく向上したというふうに私は高く評価をいたしているわけでございます。
以上、申し述べましたように、六十年の制度改革の趣旨は着実に実現してきている。この目的、趣旨に沿って極めて順調にきていると言っていいと思うのです。今後の政策展開に当たりましては、競争市場の一層の活性化のために、平成二年のNTTの在り方に関する政府措置に基づいて公正有効競争の推進を今後とも図っていくことが必要であるということがまず第一点でありまして、第二点としては、NCCは引き続き設備投資が必要であり、各社がその経営基盤を確立するになお時間を要するというふうに認識をいたしております。
一方、いわゆる独占状態であったNTT、KDDは、今申し上げたように、競争が進展する中で、その経営状況においてはこれまでにない厳しい面も出てきております。このため、一層の経営努力によって基幹的電気通信事業者としての国民利用者の期待にこたえていただきたい。また、その御努力も労使一体でやっていることも私はよく承知しているところでもございますし、その期待にどうぞひとつこたえていただきたいと考えているわけでございます。
今後とも電気通信事業が社会経済において重要な役割を果たしていく公共性の高い事業であることを踏まえて、二十一世紀の光ファイバー、ネットワーク時代を展望し、お互いの切磋琢磨の中で電気通信事業者の経営の向上とサービスの向上が実現するよう、政府としても格段の努力をいたしてまいりたい。
以上、今日のこの七年後の現状を私はまず総括的に申し上げましたが、大方、当時抱いた期待感の中で今日推移している。しかし、競争相手が出てきたわけですから、当然今までの公社時代と同じような考え方でいけば競争に負けてしまうということでもありますし、そこで今日見られる労使一体の極めて理想的な形が、このNTTという国家的あるいはまた世界的な規模の企業というものを非常にエネルギッシュに支えながら順調な国民の利用者に対するサービスの向上にも努められて、技術の革新にも努められて非常に努力をしておられる。成果が上がりつつある一方、そういった周辺の環境面における厳しい状況にも対応した合理化、活性化、そういう方向に向かっても努力しているということについては私は評価をしつつ、今最後に申し上げたように、我々も大いにこれからひとつ御援助あるいはまた一緒にこの目標を完遂するために、成果をあらしめるために努力をいたしてまいりたいと思っておる次第でございます。