清水湛の発言 (法務委員会)

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○清水(湛)政府委員 お手元に差し上げてあります法律案関係資料の中に総トン数等の経緯に関する資料がたしかあったと思います。これは運輸省からいただいた資料でございますけれども、確かに委員御指摘のように日本船舶の総トン数は減少傾向にあるようでございます。しかし、このことと今回の法改正とは全く関係がないというふうに私どもは考えております。今回の法改正は、あくまでも現在の実情に応じた国際ルールを取り入れるということを目的とするものでございまして、この改正法が今後日本の船舶総トン数の推移に直接影響を与えるというようなことは考えられないというふうに思います。むしろ逆に、国際的に広く受け入れられておりますヘーグ・ヴィスビー・ルールを取り入れるということが我が国海運界の国際的な信用を高めてより一層の発展に寄与するのではないかというようなことも考えられるわけでございます。
 それから、我が国の船舶の総トン数の考え方についてはいろいろな見方もあるわけでございまして、外国籍という形で船舶を所有している、つまり国籍を外国に置きながら実質的な所有は日本の船会社である、いわゆる便宜置籍船という言葉がございますけれども、そういう面からも考える必要があるのではないかというふうに思うわけでございます。
 それから、今回の法改正は、一九二四年条約をヘーグ・ルール、それから一九六八年条約をヴィスビー・ルールと申しまして、ヘーグ・ルール、ヴィスビー・ルールを包摂する形で一九七九年条約ができているわけでございます。これに対しまして、実はこのヘーグ・ヴィスビー・ルールというのは運送人を有利に扱い過ぎているというような意見が出まして、主として運送人国ではなく荷主国のグループが、もっと荷主に有利な国際海上物品運送法制をつくるべきだということで、一九七八年にドイツのハンブルクで海上物品運送に関する国際連合条約というものが策定されたわけでございます。これは俗にハンブルク・ルールと言われているわけでございまして、今回の改正はハンブルク・ルールの採用を目的とするものではございません。
 ハンブルク・ルールについては、これは二十カ国の締約国等を得て本年十一月一日発効の予定でございまして、今回実質的に採用をお願いしておるヴィスビー・ルールとはかなり内容の異なったものになっております。ハンブルク・ルールというものが作成された経緯等から見ましても荷主国に有利な条約になっているわけでございます。例えば運送人の責任限度額についても、今回採用をお願いしているヴィスビー・ルールよりかは大体二五%高くなっているとか、あるいは先ほど来問題になっております航海上の過失免責を認めないとか、あるいは火災についても運送人は損害賠償責任を負うとかというようなもろもろの点があるわけでございますけれども、そういう意味では荷主側に有利な条約になっておるわけでございます。
 しかしながら、世界の貿易はヘーグ・ヴィスビー・ルールというものによって既に相当数が行われており、主要海運国、先進国はすべてこのヘーグ・ヴィスビー・ルールに加入をするという状況になっておりますので、私ども日本といたしましても、とにかくこのヴィスビー・ルールには加入する必要がある、こういうふうに思うわけでございまして、この点について船主の団体等も異論がないというふうに考えているところでございます。

発言情報

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発言者: 清水湛

speaker_id: 6478

日付: 1992-05-26

院: 衆議院

会議名: 法務委員会