羽田孜の発言 (予算委員会第二分科会)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○羽田国務大臣 私も竹内委員と一緒に、まさに国会議員のほとんどを議員としてあるいは政務次官、大臣として、また党の責任者としてこの問題に取り組んできたものでありまして、まさに同憂のものがあるということをまず申し上げたいと思います。
まず、御指摘のございましたように、今日本の農業というのを見ましたときに、本当に高齢化が進んでしまっておるということ、そしてやはり担い手というものが本当にわずかしか新しいものが参入しないという現実、それともう一つは、農業基本法以来相当長いことその精神にのっとりながら規模の拡大等農業が本当に自立てきるものをつくろうということでやってまいったわけでありますけれども、もろもろの社会情勢の変化という中にありまして、これが停滞しておったというのが率直なところであろうと思っております。
そういう結果、日本農業、農業が生産するいわゆる食糧の自給率、こういったものも穀物においてもカロリーにおいても非常に低いところになっておる。一億二千万という人口を抱える日本の国が先進国の中では最も低いカロリー、しかもカロリー自給率からいったら、先進国というよりは、世界百六十五カ国が国連加盟国だとするならば、私がかつて農林水産省に調べさせましたら百四十五、六番目くらいであろうというところまで実は低くなっておるというのが現状であるわけでございます。
そして、そういうことが進む中で、農村、あるいは農村というよりは農地というものがやはり荒廃してきておるということ、そのことによって災害なんかというものがやはり起こってきておるという現実というものを見たときに、あるいは農業がずっと伝承してきた、またそういう中から生まれてきた文化というものも、何か少し損なわれておるのじゃないか。あるいは地域社会というものがお互いに、例えば水田農業なら住民たちがお互いに協力しながらやっていく、そういう組織にも一つの陰りが見えてきているんじゃないのかということを考えましたときに、やはり昔から農は国の基なりということがあります、そういうものを振り返ったときに、やはり日本の農業というのは非常に難しい現状に今あるんだなということ。そして、そこにカロリーの自給率が下がったということは、それだけ輸入が多いわけでありますけれども、加えてまた、国際的な新しい秩序というものがつくられようという中にあって、いよいよ一つの転機を迎えておるということであろうと思っております。
そういう中で、私どもといたしましては、ただこれを嘆いていたんじゃ、あるいはだめなんだと言っておったんじゃ日本の農業というのは決して前に向かって進むことはない、本当に衰退していってしまうものであろう、ということは、国土もあるいは日本の社会というものも非常におかしなものになっていってしまうだろう、あるいは消費者に対しても安定した食糧、安全な食糧というものが供給できるのかということを考えたときに、今私たちはこの問題をただ嘆いているのではなく、真っ正面からやはりこの問題と取り組むときであろうというふうに私は考えております。
ですから、そういう中で中核的な農業は一体どうしていくのか、あるいは二種兼業農家はそういう中でどう位置づけるのか、あるいは老人の皆さま方の農業というものを一体どう位置づけていくのか、そして今度新しく参入する人たちをどうやって迎え入れていくのかということ、そして終わりに、そういった人たちが本当に生々と発展していくためにはやはり農村社会あるいは農村の皆さん方が生活する環境というもの、こういったものをきちんとしていくことが大切であろうというふうに考えておりまして、今農林水産省の中でも新しい食料・農業・農村政策検討本部というのを設置されまして、農業政策あるいは農村政策の総合的見直しというものを行っておるということでございまして、私どももこういった推移を見詰めながら一人の政治家としてこれからもこの問題に取り組んでいくと同時に、安心した食糧、それと同時に生産にいそしむ人たちあるいは地方に住む人たちが本当に誇りを持てるような農業と農村というものをつくり上げていくことが日本の健全な発展につながるであろう、このように考えております。