村田誠醇の発言 (本会議)
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○村田誠醇君 私は、日本社会党・護憲共同を代表して、昭和六十三年度決算外二件及び平成元年度決算外二件に対し、いずれも是認することに反対の態度を表明いたします。
この議案の対象となった昭和六十三年度及び平成元年度は、リクルート疑惑と消費税の問題で国会は混乱し、第十五回参議院通常選挙では与野党の議席が逆転するなど、政局が大きく揺れた時期でもありました。とうした政情のもとでありながら、いわゆるバブル景気による花見酒に酔いしれた政府の財政運営には幾多の問題がありました。
以下、具体的に問題点を指摘し、是認することに反対の理由を申し述べます。
第一の理由は、不正不当な国費の使用に関する点であります。
会計検査院の決算検査報告を見ると、相変わらず国費のむだ遣い、ずさんな経理との指摘が今回も繰り返されており、その監督責任を問われている点であります。会計検査院に不当事項と指摘された金額は、昭和六十三年度で四十八億四千百二十七万円、平成元年度で百二億六千八百四十八万円に上っております。しかしながら、これらは実施検査率八・五%、九・二%の結果であり、この検査率から推測するならば全体ではどのくらいの金額に上るものなのか、まさに氷山の一角と言わねばなりません。政府は、国民の税金の使用について、再発防止に向け指導監督を徹底すべきであ万ます。
第二には、大型の補正予算を組んだ点であります。
昭和六十三年度に引き続き、平成元年度も経済は拡大基調にあり、民間設備投資は過剰ぎみで、労働力不足も顕著でありました。こうした中で二年連続大型補正予算が組まれましたが、この時点ではむしろインフレ対策として引き締め基調をとるべきであったにもかかわらず、これを怠り、それぞれ当初予算に対して大幅に税収超過が発生するというバブル景気に政府みずからが浮かれて、景気後退が将来発生して税収不足が起こったときの手当てという視点を忘れてまいなかったかという点であります。
第三は、経済のバブル状態を放置したことであります。
政府は、従来から円高不況対策の名のもとに内需拡大と金融緩和を続けてきました。その結果、地価が全国的に高騰し、資金は株にも流れ、いわゆるバブル経済が現出しました。企業等の財テクに走る兆候は、その時点でもはかり得たはずであります。的確な状況判断とともに適切な政策提起があってしかるべきでありましたが、それをなし得なかったのは政府の責任と言わざるを得ません。
また、公定歩合の操作にも問題がありました。あの時期に、長期間にわたり史上最低の金利水準を維持し続ける必要があったのであろうか。当時の経済分析に適正を欠き、金融引き締め策への転換が遅きに失したのではなかったでしょうか。日銀の対応もまたバブル経済の助長要因となったのであります。
さらに第四点として、国民生活の水準を後退させたことであります。
両年度とも、財政再建、赤字国債脱却の目標のもとに当初予算のシーリングは厳しく、社会保障費を初め国民生活・文教・科学技術関係費、中小企業対策費は軒並み抑制を受けたのであります。この反面で防衛費は異常な突出が続いており、冷戦終結に向かっている国際情勢をどう分析しているのかと疑したくなります。こうした生活水準後退、軍事優先の予算執行は、国民の期待を大きく裏切るばかりか、世界の動向に逆行するものと言わざるを得ません。
第五は、平成元年度補正予算で六基金の設置が急遽計上されたことであります。
税収の好調に浮かれてばらまきを行った結果、これが新規施策であるとするならば、なぜ当初予算に盛り込んだ上で十分な国会審議を受けなかったか、問題であります。
以上が両年度の決算の是認に反対する理由でありますが、さらに警告について付言したいと存じます。
本来、決算審査の使命は、政府の財政運営、予算執行上の問題点を集約し、以後の予算編成、政府施策に反映させることにあります。我が党は、審査の過程で、公務員の綱紀粛正、木曽岬干拓問題の早期解決、ODA検査体制の充実強化等を警告に盛り込むべく準備を重ねてまいりました。しかし、今回もまた警告を議決することができず、まことに残念であります。決算を是認しない場合は警告もすべきではないとする自民党の態度は全く不可解であり、納得できません。お互いに決算審査の原点に立ち返って、決算案件の是認否認を問わず、政府に警告すべきは警告し、改善すべきは改善させるという立法府としての基本的な立場を踏まえるようにしようではありませんか。
さらに、政府は、決算案件が国会で否認された場合、否認の理由として指摘された点については、警告されたと同様に、あるいはそれ以上に厳粛に受けとめ、確実に改善の措置をとるとともに、それを国会に報告すべきと考えます。
ところで、高齢化社会に向けて、公平な税制に裏打ちされた高負担の社会、言いかえると高福祉納得負担と言える社会を目指すとすれば、国民のいわゆる納税者意識を高めなければなりません。したがって、国会における決算審査のあり方がその効果を持つよう工夫され改善されなければならないと思うのであります。
この観点から、国会における決算審査のあり方について、この機会をおかりして二つの提案をいたしたいと思います。
その第一は、審議の質的な充実を図るため公聴会や分科会を開催し、その積極的活用によって決算審査への納税者の参加を飛躍的に拡大することであります。その第二は、会計検査院を充実するとともに、会計検査院のもと納税者による国の予算執行モニターのネットワークを全国的に整備、運用することであります。将来、決算案件を国会において正式な議案として位置づけるためにも、これらの提案が有効ではないでしょうか。
以上、若干の問題提起を付加いたしまして、私の反対討論を終わります。(拍手)