岩田順介の発言 (労働委員会)
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○岩田委員 時間が迫っておりますから、これ以上大臣の御見解を聞く時間がありませんが、今おっしゃられたように、もうけがどこに行ったかというのはいろいろ見方もありましょうが、これは設備投資に一番多く行っているでしょうね。それから、いろいろな資料を見てみますと、内部留保は随分ふえていますよ。給与、退職金などはぐんとふえまして、それから借金はずんと減って、銀行からの借り入れが少なくなって、利子も払って、それであの時代、バブルの時代は土地を買って設備投資をやってきたんでしょう。設備投資の過剰で、今固定費のはね返りであっぷあっぷ言っているというのは、これは大蔵省の各種資料でもはっきり出ていますよ。ただ、その原因は、原因というかそれらを展開できた主たる要因はエクイティーファイナンスであろうということもはっきりしていますね。先ほど申し上げましたように、自己資本の状況を見てみますと、そういったことが潤沢にやれた大企業とやれなかった中小企業では歴然としているということなんじゃないでしょうか。ですから、一様に企業がもうかっているとかもうかってないとかいう議論を私はしているのではないのですが、やはり依然として苦しい立場に置かれている中小企業対策を一体どうするのかということについては、もっと腐心をしていただきたい。
それから、大臣おっしゃったように、何回も申し上げますけれども、イザナギ景気、第一次・第二次円高不況、今次の局面は、例えば自己資本比率で見ましても、ことしの三月は三七・六ですよ、かってないような高さを示しているわけですね。これは過去のピーク時とことしの三月を比較しましても、非常に高いものを示しているわけですよ。
ですから、時間がないのでお聞きできなかったというふうに言いましたが、例えばことしの二月、ソニーの盛田さんが論文を出されて、やはり春闘を前にしていろいろ議論がありましたね。彼が言っている一つの思想というか、これからの日本の企業の戦略はこうあらなければならないということを私は引き合いに出して申し上げましたら、大臣は盛田さんの言われていることは一つの見識だとおっしゃいましたね。僕はやはりこういうものが一つ一つ検証されて、努力されていかなければ、なかなか大臣がおっしゃるように企業の側はそう発想の転換をするはずがないのではないかと思いますね。
だって、そうでしょう。もうけるときはがっぽりもうけて、その分は設備投資に回して、借金を減らして、給料は横並びで、もうかっておってももうからなくてもちょぼちょぼしか出さないという日本の企業の体質を一体どうするのか、今これが問われておるのではないですかね。ですから、先ほど言いましたように、僕は連合や労働組合に加勢して言っているわけでも何でもないのですよ。客観的に見ればそうでしょう。やがてこれは例えば海外との摩擦の要因にならぬとも限らない、いや、きっとなるでしょうよ、これは。
そういう意味で、大臣がおっしゃった点は僕は非常に評価していいというふうに思いますね。ぜひ日本の、日本というかこれから先の経営のあり方も含めて、とりわけ、もう一方では中小零細はやはり苦しんでいるということを申し上げておきたい。
それから、次の問題は減税、税制の問題です。
先般の大蔵委員会、予算委員会では、羽田大蔵大臣は二兆円の減税、千円ほどのものがサラリーマンの財布に入っても、きっとそれは呼び水にならぬだろうというふうにおっしゃいましたね。それはそれで、その言い方は一つの考え方ではあるでしょう。千円くらいではどうしようもない、ありましょうね。特に、大蔵省は赤字国債を出してまでも減税したくない。ですから、同じ消費を伸ばすためには企業も頑張れというふうに言っている今、そういうさや当てというか対立の入り口にあるのではないかというふうにも思うのですがね。
しかし、当の勤労者の生活実態というのは、もうこれは卑近な問題を言いますと、牛肉から豚肉、鶏肉になっていっているというのは、近くのスーパーの店長さんの話を聞いても明確にこうなっていますね。食生活の改善というか、後退、まさにこういう状況になっていますよ。ですから、そういう状況のときに、大蔵省は減税をやらない、企業はボーナスはこの二年間の赤字で軒並み昨年割れというふうになっていきますと、消費というのはますますかたくなっていくのではないですか、消極的になっていくのではないですかね。減税もやるし、ボーナスもやはりやらなければならぬ。どうせ企業に返ってくる金でしょう、大きく見れば。ですから、双方長期的な視野に立つべきだというふうに私は思うのです。
だから、大蔵大臣の答弁はありましたけれども、経済関係閣僚のお一人ですから、勤労者の立場に立って、減税もやる、先ほどの中小零細の状況も踏まえた民間投資というか、労働分配もやるという立場に大臣は立つべきだというふうに思うのですが、これはいかがでしょうか。