労働委員会

1992-12-08 衆議院 全99発言

⚠️ 発言のコピー・転載時は出典元URL(kokkai.ndl.go.jpおよびkokkai-data.com)を必ず残してください。改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

会議録情報#0
本国会召集日(平成四年十月三十日)(金曜日)
(午前零時現在)における本委員は、次のとおり
である。
  委員長 川崎 寛治君
   理事 愛野興一郎君 理事 大野 功統君
   理事 住  博司君 理事 長勢 甚遠君
   理事 三原 朝彦君 理事 岩田 順介君
   理事 永井 孝信君 理事 河上 覃雄君
      赤城 徳彦君    小泉純一郎君
      佐藤 孝行君    田澤 吉郎君
      野呂田芳成君    林  義郎君
      平田辰一郎君    平沼 赳夫君
      船田  元君    池端 清一君
      岡崎 宏美君    五島 正規君
      鈴木  久君    外口 玉子君
      井上 義久君    中村  巖君
      金子 満広君    伊藤 英成君
      徳田 虎雄君
―――――――――――――――――――――
平成四年十二月八日(火曜日)
    午後一時十六分開議
出席委員
  委員長 川崎 寛治君
   理事 愛野興一郎君 理事 大野 功統君
   理事 住  博司君 理事 長勢 甚遠君
   理事 三原 朝彦君 理事 岩田 順介君
   理事 永井 孝信君 理事 河上 覃雄君
      赤城 徳彦君    平田辰一郎君
      平沼 赳夫君    池端 清一君
      岡崎 宏美君    鈴木  久君
      外口 玉子君    井上 義久君
      中村  巖君    金子 満広君
      伊藤 英成君
 出席国務大臣
        労 働 大 臣 近藤 鉄雄君
 出席政府委員
        労働大臣官房長 七瀬 時雄君
        労働省労政局長 若林 之矩君
        労働省労働基準
        局長      石岡慎太郎君
        労働省婦人局長 松原 亘子君
        労働省職業安定
        局長      齋藤 邦彦君
 委員外の出席者
        労働委員会調査
        室長      下野 一則君
    ―――――――――――――
委員の異動
十月三十日
 辞任         補欠選任
  伊藤 英成君     中野 寛成君
同日
 辞任         補欠選任
  中野 寛成君     伊藤 英成君
十月三十日
 短時間労働者の通常の労働者との均等待遇及び
 適正な就業条件の確保に関する法律案(永井孝
 信君外六名提出、第百二十三回国会衆法第二号
 )
十一月三十日
 労働行政の強化に関する請願(池端清一君紹介)
 (第八〇四号)
 同(鈴木久君紹介)(第八〇五号)
 同(金子満広君紹介)(第八六八号)
 同(五島正規君紹介)(第八六九号)
 同(岩田順介君紹介)(第九〇〇号)
十二月一日
 労災病院の全府県設置に関する請願(吹田愰君
 紹介)(第九九四号)
 労災ナーシングホームの増設と入居基準に関す
 る請願(吹田愰君紹介)(第九九五号)
 労災年金受給者の遺族補償制度の受給要件の改
 善に関する請願(吹田愰君紹介)(第九九六号)
 労災補償保険法等福祉諸制度改悪、後退の阻止
 に関する請願(吹田愰君紹介)(第九九七号)
 障害者の雇用率引き上げ、雇用完全実施、職域
 拡大及び指導の強化に関する請願(吹田愰君紹
 介)(第九九八号)
 労働行政の強化に関する請願(鈴木久君紹介)
 (第一一一九号)
 同(岡崎宏美君紹介)(第一一九七号)
 同(川崎寛治君紹介)(第一一九八号)
 同(五島正規君紹介)(第一一九九号)
 同外一件(中村巖君紹介)(第一二〇〇号)
 同外一件(岩田順介君紹介)(第一三七四号)
 同(川崎寛治君紹介)(第一三七五号)
 同(外口玉子君紹介)(第一三七六号)
同月二日
 労働基準法の改善に関する請願(鍛冶清君紹介)
 (第一七三四号)
 同(永井孝信君紹介)(第一七三五号)
 同(小沢和秋君紹介)(第一七三六号)
 同(金子満広君紹介)(第一七三七号)
 同(木島日出夫君紹介)(第一七三八号)
 同(児玉健次君紹介)(第一七三九号)
 同(佐藤祐弘君紹介)(第一七四〇号)
 同(菅野悦子君紹介)(第一七四一号)
 同(辻第一君紹介)(第一七四二号)
 同(寺前巖君紹介)(第一七四三号)
 同(東中光雄君紹介)(第一七四四号)
 同(不破哲三君紹介)(第一七四五号)
 同(藤田スミ君紹介)(第一七四六号)
 同(古堅実吉君紹介)(第一七四七号)
 同(正森成二君紹介)(第一七四八号)
 同(三浦久君紹介)(第一七四九号)
 同(山原健二郎君紹介)(第一七五〇号)
 同(吉井英勝君紹介)(第一七五一号)
 労働行政の強化に関する請願外一件(池端清一
 君紹介)(第一七五二号)
 同(金子満広君紹介)(第一七五三号)
 同外一件(外口玉子君紹介)(第一七五四号)
 同外一件(永井孝信君紹介)(第一七五五号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
十二月二日
 介護・看護休暇法の早期制定に関する陳情書外
 三件
 (第一五八号)
 労働行政の拡充強化に関する陳情書外二件
 (第一五九号)
 労働行政機関の職員の増員等に関する陳情書外
 三件
 (第一六〇号)
 労働基準法等の抜本的改善に関する陳情書外二
 件
 (第一六一号)
 労働時間の短縮と労働者の健康維持に関する陳
 情書外三件
 (第一六二号)
 女性の就業の支援に関する陳情書
 (第一六
 三号)
 パートタイム労働者の労働条件改善に関する陳
 情書外五件
 (第一六四号)
 駐留軍関係離職者等臨時措置法の期限延長に関
 する陳情書
 (第一六五号)
は本委員会に参考送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 国政調査承認要求に関する件
 労働関係の基本施策に関する件
     ――――◇―――――
この発言だけを見る →
川崎寛治#1
○川崎委員長 これより会議を開きます。
 国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。
 労働関係の基本施策に関する事項
 労使関係、労働基準及び雇用・失業対策に関す
  る事項以上の両事項について、その実情を調査し、対策を樹立するため、小委員会の設置、関係各方面からの説明聴取及び資料の要求等の方法により、本会期中調査を進めたいと存じます。
 つきましては、衆議院規則第九十四条により、議長の承認を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
この発言だけを見る →
川崎寛治#2
○川崎委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。寺
この発言だけを見る →
川崎寛治#3
○川崎委員長 労働関係の基本施策に関する件について調査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。岩田順介君。
この発言だけを見る →
岩田順介#4
○岩田委員 質問に入ります前に、風邪をこじらせていましてせきを持っていますので、失礼になるかもしれませんけれども、よろしく御容赦をいただきたいと思います。
 まず、大臣に佐川問題に関して所見を賜りたい、こう思うわけです。
 私は、この秋にマレーシア、インドネシア、シンガポールに行ってまいりました。その目的は、PKO、日本の自衛隊をカンボジアに出した後かって日本が侵略をしたこれらの国々がどういうまなざしで日本を見ているかということに興味を持ちまして、三国の与野党の国会議員を初めそれぞれの国の政府の方々ともお会いをする機会を得てきたわけです。
 このPKO問題につきましては、かつて侵略をされた国々の方々という先入観がありますものですから、かなりいろいろな角度から批判もあるのではないかというように思って行きましたが、会った方々は政府及び議員の方々でありましたけれども、意外にクールというかさめた目で見られていまして、国連のもとで展開をするならば、それはいいではないかということが一つ共通していましたね。それから、もっと日本は貢献をすべきだ、彼らからいうと技術援助ですね、資金援助、とりわけアジアに対する、ASEANとは言わなかったですね、アジアに対するもっと積極的な働きかけを日本はすべきではないか、今がチャンスだ、日本のリーダーシップを発揮するチャンスだ、こういう意見も大体共通をしておりました。
 むしろ、これらの問題よりも彼らが関心を非常に示したのは佐川問題であるし、マラッカ海峡を通るであろう、当時は秋ですからマラッカ海峡を通るであろうプルトニウムの輸送問題について、関心というか大きな懸念を示していましたね。マラッカ海峡は通るべきでない、この海峡は海難事故が非常に多くて、もし一たん何かあるとどうするんだ、日本は公表もしないし問題ではないのか、ぜひとも通らないようにしてくれ。さらに、このプルトニウムを日本に輸入して日本が核兵器をつくるというようなことは考えてないけれども、大丈夫かというような指摘も明確にありましたね。それから、やはり佐川問題につきましては、日本の総理が誕生する過程におけるさまざまな出来事、とりわけ暴力団とのかかわりについて異常なほどの関心を示していましたね。
 つまり、それらを聞いてまいりますと、話をしてまいりますと、日本は先進国だし経済大国になったけれども、核兵器をつくるようなばかなことはしないだろうが、再軍備というか、かつてのような侵略するようなことはしないだろうけれども、しかし、日本の今の政治の状況を見るとこれはちょっと心配ですよというのが最後にやはり来るわけです。胸にきりを刺すような言葉が飛んでくるわけですよ。
 佐川問題に関しましては、世界のあらゆる国から新聞が論評を加えておりましたね。我々にとってはもういたたまれないような新聞記事もありました。私行ってまいりまして、ASEAN三国だったけれども、日本の政治の現状について極めてゆゆしい状況を彼らに提供した、かつてないほど日本の政治の品性というか品格を落とした出来事ではなかったかというふうに思いますね。以下多くは申し上げませんけれども、世界の枠組みが変わって、日本は新しく世界のリーダーとしてかっちりした評価をやはり得ていかなければならない状況、これは今がチャンスだとも言えるのですけれども、そのときに起きただけにこの事件は残念であった、こういうふうに思うのです。
 労働省にも、かなり国内的な問題についての質問もあったし、いろいろさまざまなことがあったのですけれども、世界に対するイメージ、非常に悪くなったという残念ながらそういう結果を持って帰ったのですが、大臣の所見をお伺いをしたいと思うのです。
この発言だけを見る →
近藤鉄雄#5
○近藤国務大臣 先生から佐川問題について御指摘がございました。
 申すまでもないことでありますが、政治の基本は政治に対する国民の信頼でございますから、佐川事件をめぐるさまざまな報道が国民の皆さんの我が国の政治に対する信頼を非常に損ねている現状を私は大変深刻に憂えるものでございますが、とりわけ、御指摘がございました海外における日本のイメージですね。私は、いわゆる暴力団というのを英語で何と訳されているのか、ギャングスターとなっているのかアンダーグラウンドパワーになっているのか、どういうふうになるのか、日本のいわゆる暴力団といったものは適当な言葉がないんじゃないかと思うのです。かつてはヤクザというのが日本語で外国語になっておったこともございます。ですから、どういうふうな訳され方をしているのか大変気になるわけであります。
 特に、お話がございましたように、これから国際的な舞台で日本の役割が大きくなっている、また日本に対する期待が大きくなりつつあるときに、まさに日本の政治の根幹に触れるような形で佐川問題がとかく報道されている、国際的に報道されているということについては憂慮すべきことだと思いますし、私も政治家の一人としてみずから自戒自省しているこのごろでございます。
この発言だけを見る →
岩田順介#6
○岩田委員 来年の夏はサミットですよね。日本で東京サミットをやるのですが、それに向けて、この事件がどういう展開をするか、解明されるかというのは日本にとっても大きな政治課題です。したがって、今の国会で議論されております佐川事件の究明というのは、非常に大事であることは言うまでもないですね。これが、きのうあたりの証人喚問でもそうですけれども、事件の解明をするということはもちろんですけれども、さらに、多くは政権与党の問題でもあるのですが、しかし単にそれにとどまらず、与野党含めてこの事件をどういうふうに乗り切っていくか、そして解明の後にどういう政治改革をやっていくのかということがまさに課題だろうというふうに思いますね。ぜひ大臣の決意をひとつ前向きに展開していただくように要望するわけであります。
 二つ目に、佐川問題自身に若干触れてみますと、この事件が構造的であるというふうに言われているのはもう御承知のとおりだと思います。例えば、暴力団との関係もさることながら、特定の政治家と政界の関係、いわゆる政治家と官の関係、それから財界との関係、つまり国が持っている許認可権という権限と、それを達成するためのお金もセットされておるわけですが、そういうことを考えるとき、やはり幾つか私なりにも疑問と問題を有するわけです。
 例えば、佐川の場合、七〇年、八〇年代というのは急速に成長いたしておりますよね。もう数倍というふうに、三千億から九千億に急成長するという産業ですけれども、普通一部上場する会社などの歴史の過程では、一度か二度大蔵の査察を受けるというのが、一般的にそうなっていますが、ここには一回も大蔵省は入っていませんよね、入っていません。入らないところか、いわゆる運輸省の場合は、だれが考えてもできないことを許可、認可、免許を与えていっています。これなどはやはり今後大変な大きな課題だというふうに思いますね。それから、地元の町長は何と職員を動員して、佐川のターミナル建設の土地の買収に動員かけて一生懸命やったなんという話は、これはちょっと近代国家とは言えないわけですね。
 労働省も、そういう意味では少しじゃなくて、佐川の労働条件の改善や労働省に関する監督業務についてはやはりちょっとおざなりであったということは、だれの目からも明らかなんですね。この点について、大臣、今後一体どういうふうにされていくのかというのをお聞きをしたいと思うんです。
この発言だけを見る →
近藤鉄雄#7
○近藤国務大臣 佐川グループが御指摘のようにいわば急成長を遂げたわけでございますが、その間にいわゆる労働基準法その他労働関係法令に違反したことがあったじゃないか、甘かったんじゃないか、こういうような御指摘がございましたけれども、実は労働省としてはことし十一月に行ったものを含めまして合計五回にわたる全国一斉監督を実施いたしました。そして、労働基準法その他関係法令に違反が認められた場合には、厳格にこの是正を求めてまいっただけではなしに、重大かつ悪質な法違反につきましては、司法処分を行うなど厳正な処分を行ってきたところでございます。
 そういうことで、私たちとしては佐川急便グループ所属事業場に対し適切に対処してきたと考えておりますけれども、今後とも引き続き的確な監督を実施し、重大かつ悪質な事案が認められる場合には、厳正に対処してまいる所存でございます。
この発言だけを見る →
岩田順介#8
○岩田委員 佐川のいわゆる労働条件、勤務時間を初めとする労働条件の改善というのは、これは単に佐川問題だけではなくて、次の労働基準法改正について今大変議論があるところでしょうけれども、これにも影響していくのではないかというふうに私は感じるのです。とりわけ、いわゆる労働時間が短縮できない、改善できない最大の業界というのは運輸業界だろうというふうに思うのです。佐川を放置しておったのでは改善もうまくいかないだろうということは言うまでもない思いますね。
 そういった点からも、今大臣がおっしゃいましたが、労働省からも今まで労働省が何を佐川にやったかというのをいただいておりますけれども、確かに改善をされたけれどもしかしまだまだ問題というのが多く残されているというふうに思うのです。これはやはりきちんと行政指導をやって一定のレベルまでやらないと、いわゆる横並びといいますか、何しろ佐川急便というのはあっという間に業界ナンバーツーまで上がった企業ですからね、それに対して行政官庁がきちっとやり得ていないということになれば、なかなか全体の指導もうまくいかないだろうということは言うまでもないと思うのです。そういう点について僕はもう一遍お聞きをしておきたいと思うのです。
この発言だけを見る →
石岡慎太郎#9
○石岡政府委員 道路貨物運送事業等自動車運送業における労働時間は、着実に短縮しているものの、御指摘のとおり他の業種と比べますとまだ相当長い実態にございます。
 このため、労働省といたしましては、拘束時間、運転時間の上限等を定めました「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」を告示いたしまして、指導を行ってきているところでございます。また、昨年三月には道路貨物運送事業を対象に労働時間短縮の目標、課題等を定めました「労働時間短縮指針」を新たに策定いたしまして、行政指導も行っているところでございます。
 それから、御指摘のように道路貨物運送事業に係るものも含めまして、週四十時間労働制への移行が今労働省の課題になっておりまして、現在、中央労働基準審議会におきまして鋭意検討を行っているところでございますが、この道路貨物運送事業の将来の労働時間をどうするか、これを真剣に中央労働基準審議会でも検討していただきまして、その建議を受けまして、労働省としては適切に対応してまいりたいと考えております。
この発言だけを見る →
岩田順介#10
○岩田委員 今局長からもお話がございましたように、同業界の時短問題というのは、他の業種に比べてまだまだ相当開きがあるというお話だろうと思いますね。
 こういうことはないと思いますけれども、もう一つ具体的なことをお尋ねをしておきたいと思います。
 十一月二十七日に金丸元副総裁の臨床尋問が行われましたが、その際に委員の方から、渡邉元社長があなたに献金の申し出をする背景は何かというふうに聞かれていますけれども、これに対して金丸元副総裁は、労働条件の問題などがあることは聞いていた、私が道路調査会の会長であるので何か期待があったのではないか、具体的に何かの見返りではなく、会社の将来のことを考えて決断したのではないか云々、こういうふうにあるのですよね。
 これは以前からいろいろ風聞として言われておったことなのですね。金丸さんが道路会長である、その配下というか組織下にある、傘下にあるいろいろな業界、トラック、いろいろありますね、これに改善命令を出したってなかなかそれはうまくいくはずがないという議論もありました。ここで何を言われているのかというのはよくわかりませんけれども、しかし、あの金丸さんでさえも労働条件の問題などがあるというのを明確に示された点が、これはなるほどと思わざるを得ませんね。こういうことがあって、遅々としてこの行政監督がおくれておったのではないかというふうにも思われなくもない記事なのです。これは金丸さんがおっしゃったことでよくわかりませんよ、もしそういうことがあれば大変なのですけれども。こういうのは、具体的にどうなのですか、労働省としてはひしひしと感じておった問題ですか。
この発言だけを見る →
近藤鉄雄#11
○近藤国務大臣 先生御指摘の金丸さんの発言、私も新聞等で知りましたものですから、内部でいろいろ調べてみてもらったわけでございますけれども、先ほど申しましたように、最近も労働省は非常に厳しい態度で監督に当たっておりますし、金丸さんがおっしゃったような形で労働行政が多少ゆがみを受けたというようなことは、全くなかったと私は理解をしております。
この発言だけを見る →
岩田順介#12
○岩田委員 あってはならぬわけで、いささかもそういうことを周辺に感知させないような姿勢をひとつとり続けていただきたいものだというふうに思うところです。
 次に、大臣に経済動向と雇用失業情勢問題についてお聞きをしてまいりたいと思うのです。
 とうとう有効求人倍率が一・〇を割りましたね。それから七月——九月のGNPも前期比で〇・四%減ですね。年率で一・六%減。今回の総合経済対策を見込んでみましても、経済成長というのは三%を割る、一%台である。こういうふうに下方修正をしなければならない状況になっていったと思うのですけれども、今後の景気問題、景気の動向をどういうふうに推移するとお考えなのか、雇用失業情勢についてどういう認識を持っておられるのか、お聞きをしたいと思います。
この発言だけを見る →
近藤鉄雄#13
○近藤国務大臣 現在の景気調整過程をできるだけ早くもとへ戻したい、こういうことで政府としては、ことしの四月以来、緊急経済対策、総合経済対策を発表して、また、公共事業の前倒し等さまざまな手を打ってまいったわけでございます。それをさらに具体的に進めるためにこの国会におきまして補正予算の審議をお願いいたしまして、何とかこの八月末に決定いたしました十兆七千億の公共事業を含む景気対策をさらに強力に推進してまいりたい、こう考えておるわけでございます。
 御指摘のとおり昨今のデータは必ずしも好ましくはない。完全失業率は二・二%と依然として低水準にございますけれども、有効求人倍率が四年五カ月ぶりで一を割って、今の状況が続くとさらにこれが下がってくるのではないか、こういう心配もございますので、労働省も実は今度の補正予算の中にも五百億労働省関係の施設改善費を取り込んでおります。
 ただ、先生、これは率直に言って、全体の景気の中といいますか国民総需要に占める政府支出の割合というのは、国・地方を集めても七%ちょっとぐらいでございますから、これを幾ら増加しても全体の景気の活性化にはなかなか荷が重い。結局、民間設備投資や民間消費といった民間経済活動が、その政府の施策を一つのきっかけにして、それを刺激にしてまさに設備投資、消費が動いてくる、これが動かないとなかなか景気は我々の希望どおりに回復しないというのが現状でございます。
この発言だけを見る →
岩田順介#14
○岩田委員 いや、そのとおりいかなかったのですね。うまくいかなかったのですね。投資の落ち込みが非常に厳しい。これは言うまでもないのですが、九〇年度当初から始まった株価の下落、それに昨年夏の金融不祥事、こういったものが重なった。世界経済の枠組みが変わった。バブルがはじけて何層にも重なっていったわけですね。かってない構造じゃないかというふうにも言われているのでありますが、大臣もおっしゃったように一生懸命やられた。
 例えば、三月には緊急経済対策というものを打ち出されたわけですね。それでも株が上がらない。一万五千円を割り込んだ。あわてて緊急な株価対策もやられた。それでも上がるどころか落ちつきもしない、こういう状況が続いた。慌てたかどうか知りませんけれども、やはり総合経済対策というふうになっていったわけですね。
 当初から経企庁だとか政府だとか総理周辺だとか、労働大臣のお話は聞いたことはございませんけれども、経済は堅調であるとか、雇用は堅実に進んでいるとか、心配ないというふうにずっと続けてこられたのですよ。しかし、民間を含めていわゆる企業サイドというのは余りそれを信用していなかったと思いますね。くるくる変わるというか、こんなに厳しい状況が予測されるにもかかわらず株はいっか上がるであろう、これが上がらない、消費の拡大もやがて、これも上がらない。やはり今日の景気不況という一種の混乱を招いた原因というのは、政府の経済見通しの甘さにあったということは僕は指摘せざるを得ないというふうに思うのです。
 例えば、宮澤総理も何回か祈るような気持ちで記者会見をされておると思いますよ。七、八月が底だろうというふうに言いますけれども、しかし日銀などが発表したいわゆる調査報告を見ると、来年の三月以降までずれ込むだろう。いろいろまだありますが、その政府の経済見通しの認識の甘さが大きいんじゃないかと思いますが、大臣、いかがですか。
この発言だけを見る →
近藤鉄雄#15
○近藤国務大臣 現在の不況についていろいろなことが言われております。先生もおっしゃったように、これはバブル崩壊後の複合不況であるとか、大蔵大臣は複雑骨折だと、いろいろな言い方がございますが、私はそういう言い方は全部正しいと思います。同時に、今度の不況のべーシックス、基本は、過剰投資による過剰生産ですね。そして、結果的には、国民も自動車やテレビや洋服や靴やいろいろな物を相当豊富に持ってしまった。だから、気がついたら企業も過剰設備だった、気がついたら国民もいろいろな物を買い込んでおった。したがって、バブルが消えた途端にずっと冷え込んできたのが現在の不況の深刻さである、こういうふうに私は考えておりますので、政府の経済政策の甘さということも、私はそういう批判はまさにそうであったと思います。
 同時に、あえてこの際申し上げますけれども、民間企業の方々も毎年十数%ずつ設備投資を続けられたわけですね。考えてみると、毎年十数%設備投資を続けてそれだけ生産能力が拡大したときに、それだけ拡大した生産能力を一体どこが吸収するのか、どこにマーケットがあったのかということについての見通しが、政府も甘かったけれども民間の企業の方々も甘かったのではないかというふうに私は考えますので、したがって、こうした過剰設備状況が解決するためには、やはり多少の時間がかかる。公共事業でいろいろ内需拡大はいたしますけれども、先ほど言いましたように、国民総需要に占める公共事業の割合は国・地方を通じて七%前後ですから、これだけでは日本みたいな大きな経済を押し上げるわけにはなかなかいかないということで、多少の時間が現在かかっている。
 しかし、これ以上この景気の落ち込みをなくするように、労働省は御案内のような雇用調整助成金というものを出して、そして企業の方々が一部過剰雇用の状況を解雇という形で調整されないように企業内で何とか支えていただく、そういうことで、消費の落ち込み、雇用の落ち込みをこれ以上悪化することを何とか防衛をしておるといいますかサポートをしておる、こういうことでございます。
この発言だけを見る →
岩田順介#16
○岩田委員 そういうことだったと思いますけれども、しかし、バブル時代の状況は異常であったということは、だれしもその当時から知っているわけですよ。日本の国内で三百万台程度の車しか売れないところに六百万台の設備投資をしてきたわけですから、異常が異常を繰り返すことは大体想定できたんじゃないかと思いますよ。
 それから、景気が悪くなったら公共投資と言いますけれども、これも悪循環ですね。もうかったときにいわゆる設備投資をだあっとやっていく、設備投資に公共事業が追いつかないという側面をずっと日本は持ってきているわけですから、何月には底をつくとか何月には明るくなるとかということだけじゃなくて、今大臣がおっしゃったように、企業側の経営スタンスというか経営思想のあり方も含めてそこは誤りじゃなかったか、そういう意味で私は申し上げたつもりです。
 今、雇用問題を言われまして、解雇が出ないようにとかいう問題が出ましたけれども、その問題についてついでに触れてみたいと思うのです。
 大体一九七五年のオイルショック、八六年の円高、九二年の今日のほぼボトム記録をとってみますと、何らかの形で雇用調整をしている企業の割合は、七一がオイルショックのときです。それに比べまして、円高のときは四〇、今日は三一をちょっと回っているくらいだろうという統計が出ています。まだ過去の二回のいわゆる雇用調整をやった時期と比べるとやや緩やかに推移していますね。しかし、残業時間の規制等は八六年の円高に追いついています。これは来年追い越すんじゃないかと思われますが、こういう状況ですね。それから休日等の増加は、きっちりした数字は出ていませんけれども、これは時短の問題もあるのでしょうか、追い越していくと思います。さらに、臨時工だとか臨時職員、これらの再契約の停止だとか解雇が若干目立ち始めたという状況じゃないでしょうか。労働省はパートを含めてこの実情をつかんでおられるのか。
 それから、今大臣がおっしゃったように不況対策等を含めてやっていくと思われますけれども、それだけでは実効性というか不足じゃないかと思います。企業側に何をアプローチするのか、企業側に何を要請していくのか。これはたくさんあるでしょう。時短の問題も世界の趨勢だし、さらには、いわゆる労働人口だって日本は非常に危機的な状況をやがて迎えるわけですから、したがって、不況の時代の今日はそういう行政指導をするに悪い時期なのかいい時期なのかという判断があるでしょうけれども、私は、この苦しい時期に労働省も企業にアプローチするところは積極的にやっていくという姿勢も必要だと思うのですが、この二点についていかがでしょうか。
この発言だけを見る →
齋藤邦彦#17
○齋藤(邦)政府委員 最近の雇用情勢を第一次オイルショックの時期あるいは円高不況期と比較をいたしますと、確かに何らかの形の雇用調整を実施しております企業数は当時の水準まで行っていない。それから、残業その他が中心でございますが、当時と比較しまして希望退職者の募集とか解雇というような事態は今のところ避けられておるという意味におきまして、その当時の水準にはまだ行っていないと思っております。ただ、全国の情勢をいろいろ把握をいたしてみますと、その都市その都市の産業によっても違いがございますけれども、雇用調整は幅広い形で行われていることは事実だろうと思います。さらにまた、今後の景気の動向いかんにもよりますけれども、こういう雇用調整といったものが一層高まる可能性もあると思います。
 これに対しまして、どのような対応策を講ずるかということでございますが、一つは、やはりできるだけ失業というような形での雇用調整が行われないように、雇用の維持をそれぞれ各企業、事業主の方に努力をしていただくことが基本にならなければならないというふうに思います。そのために、私ども雇用調整助成金の支給要件を緩和いたしましたし、対象業種といたしまして、既に十月、十一月、十二月合わせて四十七業種指定をいたしました。それからまた、さらに現在一月の指定に向けて作業を進めておりますが、そういうような努力が一つあるというふうに思っております。
 それから、もう一つといたしまして、そういう政策的努力とは別に、個々の各企業の皆さん方にやはり雇用維持の努力、あるいはできるだけ多くの方をまた雇っていただく、中小企業には依然としてさらに根強い人手不足感が残っておるところもございますので、そういう意味で、そういうようなところに対して求人をお願いするというような努力、あるいはまた逆に求職者の方々に適切な求人の紹介をして、失業されている方には一日も早く就職口を見つける努力が必要になってくるというふうに私ども思っております。
この発言だけを見る →
岩田順介#18
○岩田委員 幾つか資料をいただきまして、見ますと、バブルがはじけて二年連続減収であるということが一般的に言われていますけれども、後ほど若干大臣にお尋ねをしたいと思っている点があるのですが、やはり中小と大企業というのは雲泥の差が出ていますね。いろいろなところで差が出ていますね。例えば、自己資本比率で見ましても、大企業というのは三六%ぐらいの水準を保っている、保っているというよりもぐんとよくなっているのですよ。それから、中小企業は過去のよかったときも悪かったときもやはり低水準をずっといっていますね。ぜひこの点は考慮に入れていただいて、中小、零細、中堅の企業の保護というか育成には格段の力を入れる、そして今日の景気の状況を雇用にしわ寄せをしない、こういうかたい決意でひとつ臨んでいただきたいというふうにお願いをしておきたいと思います。
 これに関連して先日、これは十一月の二十日ですか、大臣がどこかで発言をされたことが大変論議を呼んでいると思います。つまり、賃上げにつきまして大臣が触れておられますね。二つ言われている内容があると思います。景気を拡大する、消費を拡大しなければならない、そのためには民間も頑張ってもらわなければならぬというのが一つでしょう。もう一つは、じゃ、その財源をどうするかといったときに、必ずしも企業というのは損をしていない。これはいろいろな見方があるでしょうね。各社、決算報告を見ていますと、ぐんともうけたところはないわけですからね。先ほど私が申し上げましたように、単年度で見たらそうなのだけれでも、二年前が異常だったということはひとつ頭に置いていかなければならぬじゃないかと見ることも一つの見方だろうと思いますね。財源はストックしているじゃないか、こう大臣おっしゃった。
 これは議論が展開するところですが、山岸連合会長は大臣の発言に対して、うれしくもあるしうれしくもないというようなコメントをされておりますけれども、私もどっちが勝つか、どっちかに加勢をするというような立場で言っているわけではないのです。これは大事なことだと思いますので、真意を短く言っていただけませんか。
この発言だけを見る →
近藤鉄雄#19
○近藤国務大臣 先生のお目にとまって恐縮でございます。
 私は、先ほど来申し上げておりますように、国民総需要の中で占める民間の割合が大きい、二割が設備投資であって六割が消費。二割の設備投資はもうバブル時代に相当投資してしまって今さらそうふえないでしょう。そうなると、あとの六割の民間消費が拡大するようなそういう戦略をことしから来年にかけて、国も一生懸命考えますが、しかし、やはり経済発展のメジャープレーヤーである財界もそうですし、それからもう一つのメジャープレーヤーは労働組合だと私は思うわけでありますが、そういう経済のメジャープレーヤーの財界も、経済団体も、組合の方々も、どうしたら来年度の消費を拡大することができるかということについてお互い知恵を絞ってみるべきじゃないか、こういうことでございます。ただ厳しいから厳しいからということばかりでは、もうただでさえ慎重な消費態度がさらに一段と冷え込んでしまったら、なかなか景気はよくならない。個々の賃金とかボーナスは、それはもう文字どおり会社単位で労使の方々が真剣に議論してお決めになることでありますから、それに対して労働大臣としてとやかく言うことは全くない、ただ、客観的な事実関係を申し上げただけであります。
 第二点として、バブルのときにため込んだじゃないか、それを使っていいという話をしたら、いや、そんなことはない、もう厳しいので、そんなことは世の中を知らない大臣の言うことだ、こういう話でございますが、私は政治家でありますから、経済人と比較しておれの方が経済をよくわかっている、経済人がわからないなどと、そういう大それたことを申し上げることは全くないのであって、それは政治家なんかよりは、大臣なんかよりは経済界の方々の方が、自分の経営ですから百もわかっていらっしゃるのは当たり前なんだけれども、ただ申し上げたいのは、今厳しいことはわかります、だけれども、過去五年、八七、八八、八九、九〇、九一、五年間は増収、増益という事実があるんですね。これは、上場企業の経常収支の黒字を集めてみると、何と五十兆円あるんですよ。あることは事実なんです。それはどこに行ったんでしょうかねということを私は申し上げるのです。どこに行ったんでしょう、これは。もうかっておるのは事実なんですよ、五年間。どこへ行ってしまったんでしょう。
 そこから先を言うと多少あれがありますが、先生のお話でございますからあえて申し上げますが、この五年間の同じ企業グループの設備投資が大体四十兆なんですね。だから、利益四十兆を積んでいるんです、経常利益。だけれども、大体それがそのまま全部設備投資に入ってしまっているんですね。そのこと自体が現在の設備過剰、過剰生産の大きな原因であることは事実なんじゃないでしょうか。
 だから、そういうことを踏まえてひとつ関係者の方々がいろいろお考えいただきたいという問題提起をしているわけでございますが、どうするかということは私の言うことではないけれども、事実四十兆の利益が積んであって、四十兆の設備投資をしてしまっているんですね。しかし、その設備投資が正しかった設備投資であったら、今のような不況は来なかったのではないでしょうか。
この発言だけを見る →
岩田順介#20
○岩田委員 時間が迫っておりますから、これ以上大臣の御見解を聞く時間がありませんが、今おっしゃられたように、もうけがどこに行ったかというのはいろいろ見方もありましょうが、これは設備投資に一番多く行っているでしょうね。それから、いろいろな資料を見てみますと、内部留保は随分ふえていますよ。給与、退職金などはぐんとふえまして、それから借金はずんと減って、銀行からの借り入れが少なくなって、利子も払って、それであの時代、バブルの時代は土地を買って設備投資をやってきたんでしょう。設備投資の過剰で、今固定費のはね返りであっぷあっぷ言っているというのは、これは大蔵省の各種資料でもはっきり出ていますよ。ただ、その原因は、原因というかそれらを展開できた主たる要因はエクイティーファイナンスであろうということもはっきりしていますね。先ほど申し上げましたように、自己資本の状況を見てみますと、そういったことが潤沢にやれた大企業とやれなかった中小企業では歴然としているということなんじゃないでしょうか。ですから、一様に企業がもうかっているとかもうかってないとかいう議論を私はしているのではないのですが、やはり依然として苦しい立場に置かれている中小企業対策を一体どうするのかということについては、もっと腐心をしていただきたい。
 それから、大臣おっしゃったように、何回も申し上げますけれども、イザナギ景気、第一次・第二次円高不況、今次の局面は、例えば自己資本比率で見ましても、ことしの三月は三七・六ですよ、かってないような高さを示しているわけですね。これは過去のピーク時とことしの三月を比較しましても、非常に高いものを示しているわけですよ。
 ですから、時間がないのでお聞きできなかったというふうに言いましたが、例えばことしの二月、ソニーの盛田さんが論文を出されて、やはり春闘を前にしていろいろ議論がありましたね。彼が言っている一つの思想というか、これからの日本の企業の戦略はこうあらなければならないということを私は引き合いに出して申し上げましたら、大臣は盛田さんの言われていることは一つの見識だとおっしゃいましたね。僕はやはりこういうものが一つ一つ検証されて、努力されていかなければ、なかなか大臣がおっしゃるように企業の側はそう発想の転換をするはずがないのではないかと思いますね。
 だって、そうでしょう。もうけるときはがっぽりもうけて、その分は設備投資に回して、借金を減らして、給料は横並びで、もうかっておってももうからなくてもちょぼちょぼしか出さないという日本の企業の体質を一体どうするのか、今これが問われておるのではないですかね。ですから、先ほど言いましたように、僕は連合や労働組合に加勢して言っているわけでも何でもないのですよ。客観的に見ればそうでしょう。やがてこれは例えば海外との摩擦の要因にならぬとも限らない、いや、きっとなるでしょうよ、これは。
 そういう意味で、大臣がおっしゃった点は僕は非常に評価していいというふうに思いますね。ぜひ日本の、日本というかこれから先の経営のあり方も含めて、とりわけ、もう一方では中小零細はやはり苦しんでいるということを申し上げておきたい。
 それから、次の問題は減税、税制の問題です。
 先般の大蔵委員会、予算委員会では、羽田大蔵大臣は二兆円の減税、千円ほどのものがサラリーマンの財布に入っても、きっとそれは呼び水にならぬだろうというふうにおっしゃいましたね。それはそれで、その言い方は一つの考え方ではあるでしょう。千円くらいではどうしようもない、ありましょうね。特に、大蔵省は赤字国債を出してまでも減税したくない。ですから、同じ消費を伸ばすためには企業も頑張れというふうに言っている今、そういうさや当てというか対立の入り口にあるのではないかというふうにも思うのですがね。
 しかし、当の勤労者の生活実態というのは、もうこれは卑近な問題を言いますと、牛肉から豚肉、鶏肉になっていっているというのは、近くのスーパーの店長さんの話を聞いても明確にこうなっていますね。食生活の改善というか、後退、まさにこういう状況になっていますよ。ですから、そういう状況のときに、大蔵省は減税をやらない、企業はボーナスはこの二年間の赤字で軒並み昨年割れというふうになっていきますと、消費というのはますますかたくなっていくのではないですか、消極的になっていくのではないですかね。減税もやるし、ボーナスもやはりやらなければならぬ。どうせ企業に返ってくる金でしょう、大きく見れば。ですから、双方長期的な視野に立つべきだというふうに私は思うのです。
 だから、大蔵大臣の答弁はありましたけれども、経済関係閣僚のお一人ですから、勤労者の立場に立って、減税もやる、先ほどの中小零細の状況も踏まえた民間投資というか、労働分配もやるという立場に大臣は立つべきだというふうに思うのですが、これはいかがでしょうか。
この発言だけを見る →
近藤鉄雄#21
○近藤国務大臣 所得税の現在の水準が高いか低いかという議論は、これは国際的比較もございますし、多少時間をおいて長期的な視野で考える、例えば直間比率をどう改善するかという問題も含めて。
 ただ、私は、まさに今当面景気対策として所得税減税どうかという議論であれば、ボーナスも余りぱっとしない、ベースアップもぱっとしない、その分は減税でどうだ、こう言われても、どうでしょう、一般の勤労者の方々は、そんなに厳しいなら貯金をしよう、民間金融機関よりも郵便貯金にということになってしまいますと、減税分がすぐに消費に、厳しい状況だとそうばっと出てこないんじゃないかという感じを持っていまして、例えばボーナスもふえる、賃金も上がる、それに追い風で所得税減税なら今度は景気がいいから出てきますけれども、厳しい厳しい、その分は所得税減税ということはどうかなという感じを私はちょっと持っているわけでございます。
 そこで、時間もありません、はしょりますけれども、私は、減税するなら具体的な支出に関連した減税がいいのじゃないかと思うのです。端的に言って、今住宅環境は依然として非常に悪いですから、だから、住宅を融資を受けてつくられる方についての、よく言われますけれども、利子分の所得控除、現在はそれはできないけれども、三千万までは二十五万限度の税額控除がございますから、そういう支出に関連した所得税減税というものを住宅を中心に思い切って、場合によっては短期的な時限立法としてこれをやる、こういうことが支出の拡大につながるのであって、住宅投資につながって、それがそれ以外のいろいろな消費を引きずっていく、こういうふうに私は考えますので、一般減税よりも何か目的を持った減税というのが短期的な景気対策としては必要ではないか、こういうことを先ほど予算委員会でも御答弁申し上げた次第でございます。
この発言だけを見る →
岩田順介#22
○岩田委員 これで終わりますけれども、大臣、そこまでおっしゃるのだったら、それはぜひ実現をしていただきたい。平成五年の税制改正に対して労働省は十九項目ぐらいから成る要望書を出されておりますが、これは期待をしていると思いますね。
 今住宅問題に関しておっしゃいましたけれども、できれば検討していただきたいのは、今こういう状況の中で勤労者が一番頭を悩ましているのは住宅と自動車のローンじゃないかと思うのですよ。住宅のローンの繰り延べぐらいは、この際時限立法としてどうするか考えていただきたい。金融はそれぐらいの余裕は僕はあると思います。これを要望して終わりたいと思います。
この発言だけを見る →
川崎寛治#23
○川崎委員長 伊藤英成君。
この発言だけを見る →
伊藤英成#24
○伊藤(英)委員 まず最初に、先ほども若干話も出ましたけれども、来年の春闘と最近の景気対策等について伺いたいと思います。
 まず、来年の春闘での賃上げについてでありますが、特にこういう景気低迷あるいは消費意欲が一段と冷え込んでいる、こういう状況の中でありますけれども、この春闘の問題について労働大臣としてどういうふうに考えられるか、その効果、意義等についてまずお伺いしたいと思います。
この発言だけを見る →
近藤鉄雄#25
○近藤国務大臣 春闘における賃金決定は、これはあくまでも個々の企業において労使が話し合って決めることでございますから、労働大臣としてまた政治家として、とかくそういった民間が自主的にお決めになることについて物を申す立場ではないわけでございます。
 ただ、いろいろ私の発言が新聞等で伝えられておりますけれども、その趣旨は、当面来年の景気をどうしたら回復するかというそういう戦略について申し上げれば、みんな厳しいから厳しいからと言って横並びに、ボーナスもだめだ、ベースアップもだめだということでは、ただでさえも冷え込んでいる消費をさらに冷え込ませて、そして景気を一段と悪くする危険もあるのじゃないか。ですから、個々の産業、個々の企業でそれぞれ違うわけでございますから、お決めになるのは結構なんだけれども、しかし、単に横並びで物を決めないで、いいところはいい、悪いところは悪いと、それなりに現実的な対応をしていただいて、全部悪いから全部だめだというような形では、どうも来年の経済運営についてはさらに厳しさを増すのではないかということを申し上げた次第でございます。
この発言だけを見る →
伊藤英成#26
○伊藤(英)委員 今日までも労働大臣は、日本の経済の状況を見ながらいろいろと見識のある発言をされているわけでありますけれども、ぜひ頑張っていただきたいな、こういうふうに思っております。
 それにも関連するのですが、先ほど、最近の日本の経済運営の問題につきましていろいろと大臣からもお話があったりいたしました。例えば、最もベーシックなものは民間企業の過剰投資あるいは過剰生産というような話をされておりました。そういう側面もなきにしもあらずなんだけれども、必ずしもそういうふうに思っていいのかなというふうに私は思っております。
 それは、日本の経済というのは、世界的に見ればかなりよくできた混合経済ですね。そういうふうなことを考えてみたときに、余り民間、民間ということだけ言っていたのではいかぬのではないか、こういうふうに思います。特に、労働大臣という立場から見ましてもあるいは国務大臣という立場からしても、働いている人たちの状況等々をいろいろ考えて発言されるのだと私は思うのですが、大変な大型景気、バブル景気というような状況があったりした。そしてそのために人手不足等も大変あったりいたしました。違法な状況も含めて、あるいは人材派遣業というような話も結構あったりした。あるいは不法就労者もいろいろあったりしましたよね。そして今、今度は大変な不況だという状況ですよ。有効求人倍率も一を割っている。大変だ大変だという話をしたりするのですが、何でこんなふうになったのだろうかといったときに、先ほど申し上げたように、ただ企業だけの責任にしていいのだろうかということであります。
 それでは、日本の経済をどうやって運営してきたのだろうか。例えば金融、財政面はどうだったのだろうか。金融面に関していえば、例えば公定歩合等の動きは、もう今さら申し上げるまでもなく、日銀総裁までが、ああ間違っていたという意味で反省をされたと私は思うのですね。じゃ、財政政策はどうだったのだろうか。
 私はこの間の十二月一日の予算委員会でも申し上げましたけれども、最近の日本はどんな予算を組んできたのだろうかということであります。当初予算を組む、大変な景気だ、そして税収はぼんぼん上がる。このころの日本はどんな補正予算を組んできたのだろうかといいますと、今私たちが、例えば所得減税を一兆五千億あるいは二兆円、こう言ったりしておりますが、その財源がない、その財源がないという話ですよね、今。
 しかし、じゃ最近の補正予算はどんな予算を組んできたかといいますと、八七年は当初予算に対して四兆一千億の補正予算を組んでまいりました。八八年は五兆一千億、八九年は五兆九千億、九〇年が三兆四千億、いわば五兆円くらいの補正予算を組んでやってきたのですね。税収が上がった。そうしたらそれを単年度主義ということでぼんぼん使ってきた。まさに山はますます高くなるような政策を実行してきた。こんなことをしておれば、山が高ければ谷は深くなるのは当然でありますよね。
 日本には、例えば決算調整資金制度というのが、昭和五十二年だったでしょうか、できました。使ったのは一回だけですよね。お金が余ったときにそこにプールをして、そしてそれを使うようなシステムをもっと本気でつくり、あるいは運用しなければなりませんね。しかし、そんなことを我が政府はあるいは私たちは実行してこなかったわけです。
 私は、日本の経済というのは混合経済で結構うまくやってきている、こう言いましたけれども、今のようなことがうまくコントロールできなくてどうして経済運営がうまくできるのだろうか、あるいは、そこに働いている勤労者は本当にそれなりに安定した生活ができるのだろうかと考えたときに、国務大臣としてもあるいは労働大臣としても、過去のことについては終わったことでありますが、今後のことを考えればこの問題は私は極めて重大なことだと思っているが、いかがですか。
この発言だけを見る →
近藤鉄雄#27
○近藤国務大臣 私は、民間設備投資は日本の経済発展に非常に大きな役割を果たしてきた、まさに日本の高い成長率も、また国際的な産業の競争力も、また国民生活の向上も、この基礎的な、技術的な力をつけてくれたのはまさに日本のたくましい民間設備投資だったと思いますので、これを評価することには人後に落ちないつもりでございます。
 ただ、先生、同時にやはり物事には限度というものがありまして、毎年十数%設備をずっと伸ばしていって、そして十数%キャパシティーが伸びてきた場合に、そのマーケットがどこにあるんだといえば、それは従来みたいにどんどん海外に売り込んでいけばマーケットは無限に拡大するかもしれませんが、しかしそれがいろいろな国際的な状況から許されないとしていけば、結局国内にマーケットを拡大していかなければならない。
 そうなると、結局経済発展を支えるのは、そのダイナミックな力としては設備投資だけれども、さらにこれを吸収していくのは民間消費なんですね。そして政府も、まさにソーシャルインフラ、社会基盤整備でありますから、結局社会基盤整備と民間消費というのが最終的な経済の生産力をうまく吸収して、そして均衡発展をしていくわけでありますから、その点を考えていくと、これまでのバブル時代はどっちかというとウエートが設備増強の方に偏り過ぎて、それを国民生活の向上という形で受けとめていく体制がおくれてきたんじゃないか。
 ですから、宮澤内閣はまさに今生活大国を目指そうということで、労働時間短縮だとか、それから勤労者が住宅を持てるようにする、いろいろなことを考えて、公共事業をふやそうということで、何とかこの膨れ上がった生産力を国内の生活向上に引きずり込もうと努力しているが、いまいちまだそれがうまくマッチしないというのが、現在の不況がなかなか解決しない一つの大きな要素ではないかというふうに考えている次第でございます。
この発言だけを見る →
伊藤英成#28
○伊藤(英)委員 今の点はこれからの問題と考えればよろしいのですが、私が申し上げたのは、いわゆる財政運営のあり方として、過去数年の状況というのはやはり反省すべきではないかということなんですね。先ほど申し上げたように極めて景気がいいとき、大型景気が続いているときでありますから、本来は政府支出は公共事業等も含めて若干抑えぎみの方がいいわけですね。にもかかわらず、そういうときに拡大予算を組んできたんですよ、そういう補正をやってきたんですよということではないかと思うのですね。
 これはもう十何年前でありますが、かつて日本のある財政学者がこう言ったのです。私がさっき申し上げたような意味で、いいときに若干プールをしそれを悪いときに使うというような発想ができないならば、日本にフィスカルポリシーなんというものはあり得ないと。せめて日本も早くそういうふうになりたいものだという趣旨で言ったのだと私は思うのです。それから二十年近くになるのですが、ここ数年の状況の財政運営は明らかに間違っていた、だから、今後のために、そういう反省の上で対処すべきではないだろうかという意味で私は申し上げたのですが、いかがですか。
この発言だけを見る →
近藤鉄雄#29
○近藤国務大臣 先生の御指摘のことはわかりますし、これはまさにいろいろ議論の分かれるところでございます。
 ここから先は個人的な考えになりますけれども、私はまさにバブル時代の原点における経済企画庁長官をして、過剰流動性処理ということで内需拡大。しかし、そういった効果が株や土地を上げて、それが設備投資や民間の需要に行くよというような話をもう六、七年前にやっておった一人でございますので、あえて反省の意味を込めて申し上げますが、私は、むしろ間違いは、さっき言いました社会公共投資がおくれているのですね。これはまさに財政がすべきだったと思うのです。それをどちらかというと、大蔵というか我が国の財政当局は、財政再建の方にウエートを置いて、そしていろいろな起債の、国債の償還にそっちをつけた。そうすると、その金があふれてきて、経済発展のいわば主力をマネタリー、金融政策に任せちゃった。それが低金利を招き、民間設備投資を招来したというのが実は私の解釈でございまして、財政はむしろ税で取って、それをきちっと、東京は土地バブルの問題があるとすれば、地方のまさに道路や交通など、いろいろな社会基盤整備に積極的に財政を持っていけば、中央における土地バブル、株バブルはなかった、したがって、民間設備投資も過剰にヒートアップしなくてもよかったんじゃないかというのが、私、反省を込めて考えておる次第でございます。
この発言だけを見る →
← 戻る