衛藤晟一の発言 (厚生委員会)

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○衛藤(晟)委員 精神保健法について質問させていただきたいと思います。
 精神保健対策は、精神障害者の社会復帰の促進に関する社会復帰対策と、医療を必要とする精神障害者に対して人権に配慮した適正な精神医療を提供するという医療対策、この二点から構成されておりますが、両者は精神保健対策を支える車の両輪として極めて重要なものであります。
 そこで、以下、精神障害者の社会復帰対策及び医療対策について質問申し上げたいと思います。
 まず、社会復帰対策について質問をさせていただきます。
 精神障害者の社会復帰対策は、五年前の昭和六十三年七月の法改正において、初めて精神障害者の社会復帰施設が精神衛生法から保健法に盛り込まれました。その意味で、前回の法改正にかかわったところの昭和六十三年というのは、精神障害者の社会復帰対策元年とも言うべき記念すべき年であったというぐあいに思います。
 しかし、その間、五年がたったわけでありますけれども、精神病院においてもいろいろなことがありました。過去においては宇都宮病院事件等の人権上の問題等もありましたし、今後の精神医療というのは、精神障害者の人権に配慮した適切な医療が望まれているというぐあいに思っております。
 そこで、この人権に配慮した適正な精神医療を確保するためには、入院を必要とする精神障害者に対して、しっかりと入院による適正な医療の機会を提供するということが必要でありますとともに、既に入院医療を終了して退院することが可能となった精神障害者については、速やかに退院をさせて適正な社会生活を営ませていくという、この基本的な考え方が重要ではなかろうかというぐあいに思っております。
 過去、厚生省が五十八年に行った精神衛生の実態調査によりますと、精神病院において入院中の精神障害者について、条件が整えば退院の可能性があるという回答をなされたものは全体の二二%というぐあいに聞いております。現在の精神病院における入院患者数、おおむね三十五万人でありますから、そうすると七万七千人の精神障害者の方が条件が整えば退院の可能性があるということになるわけであります。
 精神障害者の社会復帰施設は、精神病院において入院医療が終了した精神障害者が一日も早く社会生活に適応することができるように、日常生活上の訓練や指導などのサービスをきめ細かく提供するものでありまして、精神障害者の社会復帰の促進を図り、そして、精神保健法の目的を達成するためにもどうしても不可欠の施設であります。今後とも一層その整備を促進していくことは必要であるというぐあいに考えています。
 精神保健法の施行から見ますと、今年で丸五年を迎えるわけでありますけれども、これまでにおける精神障害者の社会復帰施設、精神障害者援護寮、精神障害者福祉ホーム、精神障害者の授産施設等の整備状況というものを見ますと、援護寮は、昭和六十三年には施設五カ所、定員百名というのが、四年後には施設が四十六カ所、定員九百というぐあいになっております。それから福祉ホームの方は、六十三年には三十一カ所の施設、総定員が三百十名であったものが、四年後には施設数で六十四カ所、定員数で六百四十というぐあいになっております。それから授産施設の方は、六十三年には十二カ所、二百四十人、それが四年後には五十一カ所、一千名となっております。
 そうすると、これで全体措置できる方々というのは二千五百四十名というぐあいになるわけでありまして、条件が整えば退院の可能性があると見込まれる方々が七万七千人いらっしゃるということになると、このギャップは余りにもひどいわけであります。五年間たった今も、昨年を見ましてもこういう状況でありまして、ことしも大分この施策というのは進もうとしているところでありますが、飛躍的にふえているというような状況ではないわけであります。
 これだけ社会復帰施設というものに五年間力を入れて努力をしてまいりましたけれども、そういうところは評価するのでありますが、いまだ大変な不足を来しているというのが実情ではなかろうかと思います。今後とも積極的に整備を促進していく必要があるというぐあいに思うところであります。
 しかし、先ほどから申し上げますように、数値で見ると、七万七千の対象者と現在措置している二千五百四十名というのでは余りにも差があり過ぎる。進展が遅々として進んでいないとも言えるわけでありますので、その原因は何であるというように考えるのか。また、今後とも精神障害者の社会復帰の促進を図るために、積極的に施策を展開していかなければいかぬと思うわけでありますけれども、これにつきまして厚生省の御見解を承りたいと思います。

発言情報

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発言者: 衛藤晟一

speaker_id: 29370

日付: 1993-06-02

院: 衆議院

会議名: 厚生委員会