熊野英昭の発言 (商工委員会)
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○熊野政府委員 ただいま委員御指摘のように、いわゆる一般条項方式、本法におきましては不正競争に当たる行為を限定列挙しているわけでありまして、したがいまして、その限定列挙されていないものでも、社会通念上不正競争になり得るようなものが規制の対象とならないから、そういうものもカバーするように一般条項を設けたらどうかという問題提起はかねてからあるわけであります。
その点につきましても、先ほど申し上げましたように、産業構造審議会の場で大変熱心にかつ慎重な御審議をいただいたところであります。これについては、積極論もあれば、消極論の両方の御意見がございました。また、国際的にも両方の対応があり得るわけであります。結論的に申し上げますと、昨年十二月に出されましたこの審議会の中間答申におきまして、今後、さらにその必要性でありますとか、あるいは導入した場合の問題点について検討を行っていくことが望ましいということで、当面はその導入を見送るということで成っているわけであります。
なお、最近いろいろな専門家の御報告もあるわけでありますけれども、一般条項を導入しておりますところのドイツにおいてその運用状況を見てまいりますと、裁判所の判断が下級審と上級審で異なるケースも多うございまして、一般条項のもとで必ずしも裁判所の判断が安定しているとは言えず、事業者の予測可能性を害しているといった弊害がいろいろ指摘されているところであります。これは、実は産業構造審議会の審議の過程でも非常に問題にされたわけでありますし、他方、我が国の法制がドイツの法制と違うとか、いろいろな専門的な理由もございます。不正行為法そのものに差しとめ請求を認めない立場をとっている我が国の法制と、それから不正行為法においても差しとめ請求を認めているドイツの法制との違いとか、そういうことも含めて、先ほど申し上げましたように、今後、勉強は続けていこう、いろいろ問題点も検討はしていこうということでありますけれども、さしあたりは一般条項を設けずに、むしろ社会通念上不正競争であるとコンセンサスが得られた行為につきましては、その都度、迅速に、機動的に本法の改正をお願いをいたしまして、そして個別条項を設けて対応していく方が、安定性と申しますか予測可能性と申しますか、それに対応できるのではないかというふうに考えて、そちらの方が適切ではないかというふうに考えている次第でございます。