熊野英昭の発言 (商工委員会)
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○熊野政府委員 おとり広告とかあるいは比較広告とか悪質なものかどうか、こういうことだと思います。
おとり広告といいますのはどういうものをいうかといいますと、実は不当景品類及び不当表示防止法それから同法の告示に基づきまして、公正取引委員会がおとり広告とはこういうものだというのを説明しております。三つございます。
第一に、実際には取引することができない商品または役務が広告されているもの。要するに取引することができない商品。それから第二が、実際には取引する意思がない商品または役務が広告されているもの。取引する意思がないにもかかわらず広告している。それから第三が、商品または役務の供給量でありますとか供給の時期でありますとか、あるいは供給の相手が著しく限定されているにもかかわらず、その限定の内容が明瞭に記載されてないような広告というふうになっておりまして、こういうものにつきましては公正取引委員会により排除命令等のいわば行政規制の対象になっているところでございます。
他方、本法におきましても、例えば商品の数量について誤認させる行為につきましては第二条第一項第十号に規定があるわけでありますし、それから競争者の営業上の信用を害する虚偽の事実を流布するような行為は、これも第二条第一項第十一号において規制の対象としているところでございます。こういう意味におきまして、先ほど申し上げましたようないわゆるおとり広告がこれらに該当する場合には、当然のことに規制の対象となり得るわけであります。
事実、既に現行法のもとにおきましても、裁判所の判決の中に、広告に表示された商品の供給量等が著しく限定されているにもかかわらず、限定されていることが明瞭に記載されてない場合に、商品の数量について誤認させる行為として民事的請求の対象となり得るものを述べたものがございます。
それからまた、販売の意思がない商品を広告に使用して、広告した商品について虚偽の説明をする行為を行った場合に、これらを一体としてとらえて、競争者の営業上の信用を害する虚偽の事実を流布する行為として民事的請求を認めた事案もございます。
こういうふうに、おとり広告に関しましては、既存の不正競争類型に該当する場合には、この不正競争防止法におきまして民事規制の対象ともなり得まずし、それから他方、最初に申し上げましたように、公正取引委員会の広範な行政規制の対象とするというふうになっていることにかんがみますと、新たな不正競争類型として位置づけるかどうかにつきましては、なお判例の蓄積あるいは取引社会の実態を踏まえつつ、今後の検討課題とさせていただきたいというふうに思っております。
それからもう一点、比較広告について申し上げますと、比較広告の中には真実の情報に基づく比較広告もございます。この真実の情報に基づく比較広告は需要者に対して商品や役務の選択の情報を幅広く提供するというプラスの面もあるわけでありますから、これを一概に規制することは適当でないわけであります。したがって、比較そのものが問題なのではなくて、内容が虚偽であったりあるいは欺瞞性がある場合には悪質であるわけでありますから、こういうものについては内容等の誤認惹起行為、この第二条第一項第十号の規定あるいは信用棄損行為、第二条第一項第十一号の規定でございますけれども、この規定によって対応していくことが可能であるというふうに考えているところでございます。