熊野英昭の発言 (商工委員会)

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○熊野政府委員 まず企業内における労務管理強化につながるんではないかというふうな御指摘だと思いますけれども、そもそも行き過ぎた就業規則でありますとかあるいは労働に関する管理規則といったものは、言うまでもありませんけれども労働基準法あるいは労働組合法その他の労使関係の基本を律する法律の問題であると認識しております。
 この法律におきます営業秘密の保護につきましては、企業の有するあらゆる情報の保護を図るということではなくて、企業の事業活動の中核的な役割を担うような、生産方法でありますとか販売方法といったふうな技術上、営業上有用性を有する情報に限定して法的保護の対象とするものであります。したがいまして、営業秘密として認められるためには秘密として管理されていることが要件とされているわけであります。したがって、従業員がこの情報は営業秘密であると認識できるように特定して管理されていることが必要でございます。例えて言えば、金庫の中に保管してあるとか、したがって一般の従業員は自由には閲覧できない、そういうことでございます。したがって、その従業員に対して必要以上に漠然と広範な範囲の情報について守秘義務を課しているだけではこの営業秘密には該当しないことになります。
 それから、よく言われるのは、退職従業員の行為が規制対象となって、その転職とか何かが問題ではないかということがあるわけでありますけれども、これも不正の利益を得る目的またはその保有者に損害を加える目的がある場合に限られておりますので、その目的の有無につきましては、単に営業秘密の保有者でありますところの企業側の利益のみならず、その元従業員でありました人の生活権の確保の問題でありますとか職業選択の自由といった観点からも十分に勘案されなければいけないということであります。
 こういうふうに考えますので、この規定の趣旨にかんがみまして、従業員の行動の自由に不当な影響を与えるようなことは全くないと考えているところでございます。事実、法律改正後、これまでそういった意味での問題が生じたというケースは聞いておりません。
 いずれにいたしましても、当省としてはこういった趣旨を常に周知徹底させる努力をしてまいりたい、その上でこの法律の適正な運用が図られるように遺漏なきを期してまいりたいというふうに考えているところでございます。

発言情報

speech_id: 112604461X01619930512_023

発言者: 熊野英昭

speaker_id: 15770

日付: 1993-05-12

院: 衆議院

会議名: 商工委員会