浜田卓二郎の発言 (政治改革に関する調査特別委員会)

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○浜田(卓)委員 自由民主党の浜田卓二郎であります。
 きょうは、政治改革の全般の考え方を中心にして少し議論を深めさせていただきたいと思います。
 政治改革とは一体何であるか。これは私は、あくまで手段であって、よりよい政治状況を実現するための努力である、またそうでなければならないと思うわけであります。言うまでもなく我が国は民主主義国家でありますから、我が国における政治改革とは、当然のことながら、いかなる政治の仕組みがよりよく民主主義を有効にかつ健全に機能させるかという観点から考えられなければならないと思います。
 今日、我が国で政治改革の必要性が緊急課題とされている理由は、政治の腐敗が言われて、国民の政治に対する不信が高まって、民主主義が健全に機能していないとする認識が急速に広まっていることにあると思います。いかにして政治に対する不信感を払拭し、民主主義を健全に機能させるかということが大きなテーマであるはずであります。
 しかし、問題はそれだけではないわけでありまして、今我が国のみならず多くの先進国で問われている問題が、民主主義の統治能力の問題であると思います。すなわち、民主主義政治のリーダーシップがいかに確保していけるかという問題でありまして、政治のリーダーシップが十分でなければ民主主義が有効に機能しているとは言えないと思います。我が国の現状について、言うまでもないわけでありますが、まず、今新たな国際秩序が模索されているわけでありまして、どのような新しい秩序がつくられるか、またその中で我が国がどのような役割を果たしていけるかという大きな外交的な課題があります。これを解決していくためには、私は、今申し上げた政治のリーダーシップというものが強く求められると言わなければならないと思うわけです。
 また、国内政治においても、バブル崩壊後の我が国経済の安定した軌道をどうやって取り戻せるかという現下の問題のみならず、高齢化の進展に伴い活力ある社会を将来に向けてどう確保していけるかこういう国内課題の解決に向けても大いなるリーダーシップが求められていると言わなければならないわけです。政治家が誤った行動をとらないように、また政治が腐敗しないようにチェックをする、そういう機能は極めて大事なわけでありますけれども、それだけでは民主主義は機能しないのであって、同時に政治のリーダーシップがきちんと確保されているかどうかが確認されなければならないと思うわけであります。
 こういう観点からいえば、我々が取り組もうとしている制度改革は、果たして政治改革の名に値するかどうかということは、一つは政治のリーダーシップが確保できるかどうか、そしてもう一つは、権力が乱用され腐敗しないためのチェック機能がきちんと組み込まれているかどうかという基準を当てはめて考えなければならないというふうに思います。
 また別の観点から、まあ同じことになるかと思いますけれども、政治の価値というものを考えた場合に、私は今までの中選挙区制の果たしてきた役割というものも決して無視をしてはならないと思っております。つまり、我が国がこの戦後の荒廃の中から今日の経済的な発展を実現し、かつその中で安定した社会福祉制度というものをつくり上げてきて、極めてレベルの高い成熟社会を実現をしてきた。その前提には、私は政治が安定をしてきたということがあると思います。そして、政治の安定した中で政策が継続的にとられてきたという面も私は大きな理由であったというふうに思うわけであります。
 こういうことを加えて考えますならば、これから我々が改革をして求めようとしている制度が果たして民主主義を有効にかつ健全に機能させているかどうか、さらには政治の安定性あるいは政策の継続性というもう一つの政治の価値が確保できているかどうか、こういう諸点から私はチェックされなければならないと思うわけであります。
 今我々は中選挙区制のもとで政治を行っております。そして、我が党が提出した案は小選挙区制であります。そして、社公案は小選挙区比例併用制の提案であります。あるいはまた、この中間の案というものもあり得るのかもしれません。したがって私は、これから行おうとする政治改革が、今申し上げた各種の点から、現行の中選挙区制よりもすぐれているという評価の制度にならなければ、これは何のための政治改革かということは極めて疑問になると思うわけであります。
 実は、我が党の野田委員そして中西委員から昨日御質問がありました。現行制度ではだめだと、もとに戻る橋を焼き切って、そういう決意で臨もうと。私はその決意の中身としてはそれで大いに結構だと思うわけであります。しかし、橋を焼き切ってどこに行くのだ、どういう制度であれば本当に橋を焼き切って進んでいけるのか、その点の吟味は冷静にかつ客観的になされなければならないと思うわけでありまして、私どもは、小選挙区制というのは、いろいろな角度から検討して、一つの目指すべき制度であり、中選挙区制を捨ててもそこに向かっていく価値のある方向であると考えているわけでありますけれども、それでは、野党の提案されている併用制、あるいはいろいろな折衷案というものはあり得るのかもしれませんけれども、それらが果たして現行中選挙区制よりもいい制度であるのかどうか、そこを吟味していかなければ、橋を焼き切ってしまっては大変無責任なことになるということも同時に考えるわけであります。
 ちょっと大まかな私の政治改革全体に対する考え方を申し上げたわけでありますけれども、この点について、この提案者の皆さんから、複数は要りませんけれども、それぞれお一人ずつ御意見をいただければありがたいと思います。

発言情報

speech_id: 112604573X00719930416_002

発言者: 浜田卓二郎

speaker_id: 11564

日付: 1993-04-16

院: 衆議院

会議名: 政治改革に関する調査特別委員会