渡部一郎の発言 (政治改革に関する調査特別委員会)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○渡部(一)議員 委員が自民党の議員であるという枠を超えて、また提出者のかなり拘束されている立場を超えて所論をお述べになりましたことに対して、敬意を表したいと存じます。といいますのは、私ども、ここのところで真っ二つの議論で論じているわけでは決してない。いろいろなニュアンスを持って議論しているわけであります。であるからこそ、討議の間に次の協調のための伏線が張られているものだと私は信ずるからであります。
 それで、私は、今委員がお話しになった代表、代理と多少議論が分かれている点についてひとつ申し上げておきたいと思うのでございますが、これは上智大学の西平先生あるいは慶応大学の小林先生等の御所論でありますので、ちょっとこれは受け売りのたぐいで恐縮なのでございますが、小選挙区制というものが原理的に国民を代表しないということにつきましては、既にフランスにおきましてコンドルセという人が二百年前に論及されて以来、その論議は破られていないのであります。
 それが、なぜ小選挙区制が欠陥であるかと申しますと、二遍にわたって二度にわたって代表というものを選ぶシステムにあるわけであります。一回目、例えば五一%であったといたしますと、もう一回その人たちが集約されて、代表制民主主義と称してもう一回投票いたしますと、五一%の五一%ということになるわけであります。そういたしますと、結局、機械的に計算いたしますと、もちろん五一%なんという低い場合はないのかもしれませんが、五一%という最低の場合が二遍続きますと、実に二度の投票によりまして二六%しか国民を代表しないということになるわけであります。これは、〇・五一を二乗してごらんになればすぐわかることでございます。こうなりますと、こういう形で選ぶ、つまり多数決型の選挙を代表を選ぶ際につくるといたしますと、こういう致命的な欠陥が生じてくるわけであります。
 したがって、保守党あるいは労働党等のイギリスの議会を見ていく場合に、しばしば全体の票数と逆転した政権が誕生してしまう。つまり、多数派の労働党に対する得票があるのに、少数党で少数得票の保守党の方が政権を握ったり、その道さが生じたりする。これは奇現象として、奇現象というのは奇妙な、奇怪なという意味でありますが、こういう現象があらわれることは認められてきたのであります。じゃ、どうしてその小選挙区制というのがはやったかというと、各国において明らかにイギリスの植民地政体というもの、イギリスの制度を無批判にまねした。そして、まねしてまた同じようなことが続々あらわれてきたという歴史的な考察が必要なのではないかと思うのであります。
 私どもは、今国民を正確に代表する、なるべく正確に代表するようにしなければならない。その正確に代表するという点について、委員はまことに率直に御理解を示されましたが、私は貴重な御意見ではないかと存じます。その点に立たれましてこの討議を考察していかれますならば、別の面のまた提案があってしかるべきだろうし、それに結びつくものと私は理解しているわけでございます。

発言情報

speech_id: 112604573X00819930420_018

発言者: 渡部一郎

speaker_id: 28576

日付: 1993-04-20

院: 衆議院

会議名: 政治改革に関する調査特別委員会