田中宗孝の発言 (政治改革に関する調査特別委員会)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○田中参事 お手元の「政治改革に関する調査特別委員会の審議における主な論点」につきまして、概略を御説明申し上げます。
このペーパーは、四月十五日から四月二十八日までの間、八日間にわたりまして本委員会におきまして行われました審議のうち、各委員及び提出者である各議員の御発言から整理をいたしたものでございます。御発言の内容は大変多岐にわたっておりますが、ごらんいただきやすいように簡潔に整理をいたしましたので、必ずしもすべての論点を網羅的には掲げておらないものとなっているかと存じますけれども、御理解をいただきたいと存じます。
まず、一番といたしまして、「政治改革の決意」でございます。
ここで二項目掲げてございますが、「関係法案の今国会での一括処理」、それから「中選挙区制の廃止」でございます。自民党案、それから社会党、公明党案の両案の提出者におかれましては、共通の御認識であったものと理解をいたしておるところでございます。
二番でございますが、「政治改革の眼目」でございます。
政治改革の目標でございますとかあるいはキーワードというよう言葉が用いられた場面もあったと存じますが、ここでは四項目を掲げさせていただきました。「新しい時代環境のなかで責任ある意思決定を行い得る政治の実現」「国民の政治・政治家に対する信頼の回復」「政権交代の可能性の高い、緊張感ある政治制度の確立」「政党中心の選挙制度、政治資金制度の確立」でございますが、それ以外にもいろいろな御発言があったと存じます。
例えば、政治家の規範意識の問題、あるいは有権者の意識改革、それから党内民主主義の確立と派閥の弊害の除去、あるいは政治腐敗をもたらした社会構造そのものの改革、さらにまた国際的信用の確保の必要性などの御発言もあったと存じます。
三番でございますが、「選挙制度」の関係を整理いたしました。
まず最初に、「現行中選挙区制の問題点」でございます。ここではその内容を掲げてございませんけれども、内容的に御発言のありましたものを若干申し上げますと、政権を目指す政党にとって避けがたい同士打ちがあること、また、その結果として政策不在で個人中心となりがちな選挙となること、また、政党によりましては同一選挙区で複数の候補者を立てることが非常に難しいという面があること、それからまた、仕組みの問題といたしまして、得票率が正確に議席数に反映しない仕組みであること、あるいはまた、当選に必要な得票率が低い仕組みとなっていることなどの御指摘があり、さらにまた、現行中選挙区制のもとにおける定数配分の不均衡是正の問題につきまして、従来不均衡是正が十分にやられてこなかったというような問題、あるいはまた、この際、六十一年の国会決議による定数是正をまず行うべきだというような御論議などもあったところでございます。
次に、「衆議院議員の選挙制度についての考え方」でございますが、「議院内閣制の下における衆議院議員選挙」をどのようにとらえるかという観点から、一方では「政権の選択についての国民の直接の意思表示」に重点を置く考え方と、「民意の正確な反映と内閣に対するチェック機能の確保」に重点を置く考え方とがあったものと存じます。
また、これにつながる問題といたしまして、次に「民意の反映と集約」と掲げさせていただきました。民意のとらえ方の問題、あるいはまた国民の政治意識の多様化の問題、あるいは代表と代理との問題、さらに多党制あるいは二大政党制などに関する御議論があったところでございます。
さらに「単独政権と連立政権」に関する御議論がございまして、一般的な傾向といたしましては、小選挙区制では単独政権、比例代表制では連立政権となる傾向があるという御議論があり、さらに、連立政権につきましては、一方では、民意の正確な反映の結果として尊重すべきものなんだというような御議論もあり、他方で、選挙前から明らかにされていない。連立政権というものは国民が選択したものではないんだということ、あるいはまた、連立政権における責任の所在というものが非常に不明確になるというような御議論もございました。
「衆議院議員の選挙制度」につきまして「その他」の御論議といたしましては、「政党中心、政策本位の選挙」を実現する必要がある、あるいは「国民から見てわかりやすい」ものである必要がある、さらに「参議院議員の選挙制度との関係」を考える必要がある等の御議論がありまして、さらに、ここには書いてございませんが、完璧な選挙制度というものは存在しないのではないかというような御論議もあったところでございます。
次に、「単純小選挙区制」についてでございますが、以下に掲げてございます論点のうち、最初の四項目は単純小選挙区制を是とする立場からの論点、それから、それ以下は単純小選挙区制を否とする立場からの論点を整理させていただきましたが、是とする立場からの議論といたしましては、「政権を国民が直接選択できる。」「政権が安定する。」「政権交代の可能性が高い。」「候補者の顔が見える。」などの御論議がございまして、さらにまた、これ以外に申し上げますと、多数が全体を代表するという民主主義の原理を貫いたものであると、このような御論議があったところでございます。
これに対しまして、単純小選挙区制を否とする立場からの御論議といたしましては、「得票率と議席数の乖離が大きい。」いわゆる死に票が多いということでございますが、あるいはまた、現在の我が国の政治状況のもとにおきましては、「中小政党を事実上抹殺するもの」であると、このような御論議、それから「急激な政権交代による政策の継続性」が失われるのではないか、「地元密着型の選挙となり、かえって金のかかる選挙になりかねない。」のではないか、またこれ以外に、議席が固定化する可能性が高いのではないかなどの御論議があったものと存じます。
次に、「小選挙区併用型比例代表制」でございますが、同様に是とする立場からは、「民意が正確に議席数に反映する。」「二百の小選挙区において候補者の顔が見える選挙をする。」それとともに二百の小選挙区において政権の核ができることを期待する、無所属等候補者も立候補ができるようにするなどの御論議がございましたが、他方で、「小党乱立の恐れ」があるのではないか「定数五百のうち三百は顔が見えない。」のではないか、「超過議席の発生」についてどう考えるか、「国民から見てわかりにくい。」のではないかなどの御論議があり、さらに、制度の細目につきましてはそれ以外にも幾つかの御指摘があったと存じます。
次に、「単純小選挙区制と小選挙区併用型比例代表制との共通点」もあるのではないかという御論議もございました。三つ掲げてございます。「政党中心、政策本位の選挙制度」を目指すものだ。「相対多数の者を代表に選ぶ小選挙区を含んでいるものだ、「格差の解消」を目指すものだという点では共通しているという御論議でございました。
それから、「小選挙区の区割り」でございますが、適正な区割りが行い得るのか、あるいは第三者機関が区割り案を作成する場合にそれをどのように尊重するのか、何らかの担保措置が必要なのではないかなどの御論議がございました。
それから、「その他の選挙区制案」につきましての御論議もございまして、ここでは主なものを二つ掲げてございますが、「非拘束名簿式比例代表制」、民社党案でございますが、それと「小選挙区比例代表連用制」、民間政治臨調案でございますが、これらについての御論議がございましたが、ほかに小選挙区比例代表並立制、それから小選挙区二回投票制につきましての御論議もございました。
それから、「妥協の可能性」と掲げてございますが、このことにつきましての御論議もございました。
「選挙制度」につきましては、これ以外に「戸別訪問」でございますとか「立候補予定者のポスター等の規制」、また「党内民主主義の確立と候補者選定手続」、それから「地方の選挙制度」。
このほかに、衆議院議員の総定数でございますとか、政見放送や立会演説会のあり方の問題、それから公職の候補者等が選挙区において行う寄附の禁止の強化の問題などにつきましての御論議がございました。
四番でございますが、「政治資金制度」でございます。
「全般的事項」として幾つかの項目を掲げさせていただいておりますが、まず最初は、「政治活動に関する経費は、誰が負担すべきものか。」ということでございます。これに関連いたしましては、政治に金がかかるのか、かけているのかという論議、あるいは国会報告など必要不可欠な政治活動に要する経費もあるのでそれらの調達をどうするのか、あるいはまた、選挙制度の改革によって政治家個人が必要となる資金は現在よりも少なくなるのではないかなどの御論議がございました。
それから、その結果といたしまして、「党財政の充実の必要性」があるという御論議がございましたが、これに伴いまして、各政党の政治資金に関する対等条件の確保が必要だという御論議もございました。
それから、「政治家の公私の峻別」が必要だという御論議。
さらに、ここには書いてございませんが、金のある者しか政治家になれないということであってはならないというような御論議もございました。
次のページでございますが、「政治資金の透明性」の確保、あるいはこれに伴いまして「政治資金に関する情報への国民のアクセスの確保」というような点からの御論議もございました。
そのほか、政治資金に関する監視機関の設置と政治活動の自由の確保の関係についての御論議もございました。
「政治資金」に関しましては、以上申し上げましたような「全般的事項」のほか、「個人献金」と「企業・団体献金」をめぐる問題につきましての御論議が大変多かったと存じます。
「個人献金」につきましては、一方では、個人献金の浄財によることが理想的だとする立場からの御論議もございましたが、しかしながら、その場合に、個人献金についても見返りを期待するという問題が起こる可能性があるのではないか、あるいはまた、我が国では個人献金がなかなか普及しないという基本的な問題があるのではないかというような御論議もございました。
次に、「企業・団体献金」についてでございますが、ここで掲げてございますのは、最初の三項目は企業・団体献金を全面的に禁止するという立場からの御論議、それ以下は政党に対するものなどに限定しようとする立場からの御論議が掲げてございます。
全面的に禁止すべきであるという立場からの御論議といたしましては、これまで「企業・団体献金は政治腐敗の温床となってきた。」「企業は利益を追求する団体である以上、見返りを期待するもの。」「企業・団体は参政権を持たない。」というような御論議がございまして、全面的に企業・団体献金を禁止したとしても、それは憲法上も許されることだ、このような御論議であったと存じます。
それで、これに対しまして、政党に対するものなどに限定をしようという立場からの御論議といたしましては、「企業・団体も政治的行為をする自由を有しており、政治献金はその一環」をなす行為であること、「企業は利益をあげるだけでなく、メセナ活動などを通じて社会に貢献」をしているものであること、「企業・団体献金にも節度が必要」である、「政党に対する政治献金についてこれまで特に問題が起こったことはない。」などの御論議がございました。
それから、「政治資金制度」に関しまして、「その他」の問題点といたしまして、「政治家個人が保有する政治資金についての公開制度」についての御論議がございましたほか、例えば、政治資金パーティーの扱いでございますとか、自民党案における五年間の経過措置の問題などがございましたが、これらは多くは企業・団体献金に絡むような問題であったのではないかと存じます。
次に、五番でございますが、「政党助成」でございます。
「政党助成の趣旨」といたしまして、幾つかの御論議がございました。政党中心の選挙や政治活動となることに伴う政党の役割の増大に伴って政党助成を行おうとするものだという御論議、それから、企業・団体献金の禁止をすることに伴ってその実効性を確保しようという立場からの御論議、それからまた、政党の政治的自由の観点から、公費による助成は行うべきものではないという立場からの御論議などがございました。
それから、「総額」でございますが、安易にふやすべきでない、あるいはまた公的助成に依存し過ぎることがあってはならないというような立場からの御論議、それから逆に、将来にわたって果たしてこれで十分な額であろうかというような御論議もございました。
そのほか、「国民の監視と批判」、あるいはまた地方議員の政治活動に対する公的助成などの御論議もございました。
六番でございますが、「制裁の強化」でございます。
「連座制の強化」につきましては、対象の範囲、それから立候補制限の期間などについての御論議がございましたし、「公職選挙法、政治資金規正法等の罰則の強化」に関連いたしましては、罰則の強化と並行して、政治家の倫理観についての御論議もございました。
七番といたしまして、「その他」でございますが、各般にわたる御論議がございましたが、ここではその主なものといたしまして、「女性の政治参加」「地方分権、許認可事務の見直し」「使途不明金に対する制裁課税等の措置」「指名競争入札制度」を掲げさせていただきましたが、それ以外にも、例えば、国会審議のあり方でございますとか、その他にも御発言、御論議があったものと存じます。
以上でございます。