長谷川徳之輔の発言 (土地問題等に関する特別委員会)

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○長谷川参考人 お答え申し上げます。
 私、実は、バブルの後の経済正常化へのシナリオが最も大事だと思います。残念ながら、この正常化へのシナリオが見えておりません。大部分の政策は、六十年以前の段階の前提に立ちまして、時間稼ぎ、こういうことになっておるかと思います。私は、時間稼ぎはかえって事態を悪くするだけだろうというふうに理解をしております。
 さらに、一番のポイントは、不良資産、これは百兆円とか百五十兆円とか二百兆円とか言われておりますが、これをどういうふうにして有効利用するかということがバブル崩壊の後の経済政策の最も大きなかぎだと思います。
 今のデフレは資産デフレといいますが、むしろローンデフレ、借金の大きさでつぶされている、こういう状況だと思います。この借金を処理しない限りはどうしようもないわけでございます。この借金を、今の政策では、共同債権買い取り会社が持って、右手から左手へ移しまして、とりあえず部分的に償却しましょう、こういうことだけでございまして、これを有効利用する手だてがございません。その手だてが本質的に必要だというふうに私は理解しております。
 その点、なぜ公共でなければならぬかといいますと、一つは、規模が非常に大きいという点でございます。二つ目は、実はこの土地はほとんどが虫食いでございます。多分、地上げの最中にいわば放置されたということでございまして、このままではとても使えないだろうと思います。そういう意味で、これは区画整理をするなり交換分合をするなり、何らかの対応をしなければならないだ
ろう。こうなれば、民間企業ではできないわけでございますから、どうしても公的な機関が何らかの対応をせざるを得なくなるだろうというふうに考えております。
 その場合に、有効利用するときに、これは企業の救済あるいは銀行の救済という点で出るのではなくて、もう少し、ここで年収五年分で住宅供給ができるという、その政策の方向としてこういうものを活用していくべきだろう。都心に住宅ができるのは大変結構なことだと思いますが、それができないのは地価が高過ぎるからであります。その地価が高過ぎるという点では、今、高い地価のために逆に有効利用が進まないわけでございまして、最終的にはアフォーダブル、使える水準になってこそ初めて使えるというふうに私は思います。
 この買収に当たっては、やはり今のような後ろ向きの方法ではなくて、ゼロクーポン債というのは要するに金利ゼロでもって買えるということでございます。金利ゼロで買いますれば、これは公団債とか開銀債とか債券でもって買えば、金利ゼロであればかなり長期で有効利用の計画はできると思いますね。その上に財投資金を投入するなりして住宅を建設したらいいじゃないか。そうしますと、今度は金融機関に金利が入ってきません。現在でも、実は金融機関は元本どころか金利も入ってこない状況でございますから、いずれにしても、これはほっておけばますます事態は悪くなるのです。最小限、ゼロクーポン債で買えば、金融機関にとっては元本だけは返ってくるわけでございます。
 こういうことで、公共が土地を確保できれば、これは、あとは公共がその目的に従って年収五年分で提供できる住宅を供給するなら、そこに財投資金を入れて公営住宅をつくってもいいでしょうし、公団住宅をつくってもいいと思うのですね。有効利用の手だては何ぼでもあると思います。
 地上げした土地は最もいいところにあるわけでございます。それはなぜ使えないかといえば、高いから使えないわけでございます。それで、不整形だから使えないわけでございます。高い地価を合理的な水準に戻し、不整形な土地を整形にし、有効利用を進め、都心に住宅をつくっていくということが物の本質的な解決になるというふうに理解しております。現在の状況では、それが時間稼ぎで先に先に延ばされて、負債をどんどん大きくしていって、ますますそういうことをやりにくくしているという状況でございますので、ぜひこのあたりは、いろいろな形があると思いますが、公的な介入をせざるを得ないし、しなければ解決できないというふうに私は理解をしております。
 以上でございます。

発言情報

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発言者: 長谷川徳之輔

speaker_id: 32864

日付: 1993-04-20

院: 衆議院

会議名: 土地問題等に関する特別委員会