谷村啓介の発言 (本会議)
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○谷村啓介君 私は、日本社会党・護憲民主連合を代表して、ただいま議題となりました地方交付税法等の一部を改正する法律案及び一九九三年度地方財政計画につきまして、総理大臣並びに関係閣僚に質問をいたします。
日本経済は引き続き低迷しており、資産価格の下落もあって厳しい状況に直面しているということであり、政府がしきりに景気対策を講じても、一向に景気回復の兆しは見えてまいりません。私は、景気回復の足取りが遅い一因として、国民の政治不信の蔓延を指摘せざるを得ないのであります。政局の混迷、政治への信頼の喪失が景気対策への不信を招いているのではないでしょうか。政府は、佐川疑惑の徹底究明にほおかぶりし、景気対策として予算案の早期成立を要請をしております。しかし、景気回復にとって政治への不信が足かせとなっているのであり、何よりも佐川疑惑の徹底解明と政治腐敗の根絶に全力を挙げていかなければならないと考えますが、総理の御見解をお伺いをいたします。
また、佐川疑惑事件を契機に、全国の二千五百を超える自治体議会で意見書や決議が採択をされ、政治の浄化と改革を求める国民の声が表明されておりますが、総理はこれについていかがお受けとめになっていらっしゃるのか、あわせてお答え願いたいのであります。
今日、中央集権型の縦割り型政治構造が、許認可権、補助金、税制、起債権限、機関委任事務など広い分野で深く根を張っており、政財官の癒着と言われる政治腐敗の温床となっておるのであります。ロッキード、リクルート、佐川汚職事件は、まさにその象徴であります。この腐敗の根源を断つには、自治と参加の原則に立つ分権型政治の推進が不可欠であります。
今こそ民主主義の再生と活性化を図るため、大胆に中央の権限を自治体へ移譲し、中央権力の制限と縮小、廃止を計画的に推進していかなければなりません。政治改革というと、とかく選挙制度論議に矮小化されがちでありますが、政治改革の重要な柱として、中央集権にメスを入れ、参加、分権の政治システムへの変革をいかに切り開いていくかということを忘れてはならないのではないか。総理の地方分権に対する認識と決意をお伺いをいたします。(拍手)
さて、九三年度予算編成に向けては、不況による税収難から、大幅の要調整額が指摘され、大蔵省サイドから交付税における特例減額の実施が取りざたされておりました。結果として、九三年度の地方財政対策は、歳入難に悩む国が、予算編成をするに当たって、いかに負担を地方に転嫁するかということに尽き、地方交付税の特例減額を初め、地方に負担を強いるものとなっているのであります。
九三年度の地方財政の見通しは、国を上回る伸びを示してはいるものの、地方税収見込みは八七年度の円高不況以来の低水準となっており、とりわけ道府県税では四・二%の城となるなど、非常に厳しい見通しとされております。この税収減と交付税のマイナスによって、一般財源の比率は六八%と、昨年度に比べ一・四%低下をしてしまっております。また、地方債が大いに伸ばされているのが特徴的で、初めて十兆円の大台を超え、地方債依存度が約八・一%と前年度より増加しておるのであります。
政府は、八四年度以降の平均値を見ると、一般財源比率、地方債依存度とも現時点では財政悪化という状況にはないと説明をいたしておりますけれども、余りに地方債に依存するなら、結局、赤字国債を国が発行できないツケを地方債に転嫁したのと変わりはなく、将来の財政危機を招来しないとも限りません。また、地方債の償還に充てる公債費も六兆五千五百億円と増加していることから、このままでは今後の財政硬直化をもたらすおそれもあるのであります。
また、地方債務も一年で十兆円もふえ、九三年度は八十一兆円になるということですが、債務増のペースが余りにも早過ぎるのではないでしょうか。しかも、政府の判断で地方債を抑制したり、どんどん発行したりというのは、国の御都合主義と言わざるを得ないと思うのであります。
地方財政の見通しについての御認識と地方債の発行についての御見解を、総理と自治大臣にお伺いしたいと思うのであります。(拍手)
次に、地方交付税の特例減額についてお尋ねをいたします。
九三年度の地方交付税は、法定額では十五兆九千八百億円とされておりましたが、附則第三条に基づく四千億円の特例減額のほか、さまざまの措置がとられ、出口ベースで十五兆四千三百五十一億円、対前年度約二千四百四十一億円の減少、比率にして一・六%城となっておるわけであります。三年連続して附則第三条に基づく特例減額が講じられましたが、これは総額確保を求める地方団体の意に反するものであり、また両院の地方行政委員会の意思をも踏みにじったものとして、まことに遺憾と言わざるを得ないのであります。
政府は、公経済バランス論ということで、地方の固有財源を一方的に、協力しろということで削減しましたが、実際の権限と税源は国が握っており、国と地方は対等であるとは言えません。この現状を変えることなく車の両輪とするのは、余りにも国に都合がよ過ぎるのではないでしょうか。仏の顔も三度と申しますが、しかも地方は九二年度補正で一兆五千億円もの借り入れを行ったばかりであります。にもかかわらず、国に貸し付けるのはどういうことなのか。一体、地方には国に貸すだけの余裕があるのか。三年連続の特例減額は大きな禍根を残すものとなっており、私は、改めて減額の理由についてお尋ねするとともに、地方の念願である特別会計への直入を提案いたしたいと考えますが、総理と大蔵、自治両大臣のそれぞれの御所見をお願いをいたしたいと思うのであります。(拍手)
さて、この際、加えてぜひ大蔵大臣にお尋ねをいたしておきたいわけでございますが、かねてから大蔵省は予算説明の中で地方財政余剰論あるいは富裕論、こういったことで攻めてまいったのであります。さすがに地方行政委員会等で大きな議論になりました。ことしの予算説明を見ますと、余剰論、富裕論ともこれは消えまして、公経済バランス論を前面に出されておるわけであります。もちろん、こういった認識の方がむしろ余剰論、富裕論よりもいいことはわかっておりますけれども、地方財政の状況に対して大蔵省の認識の変化があったのか、あったとすればどういう理由なのか、ぜひこの際、お伺いしておきたいと思うのであります。
続いて、国庫補助負担金についてお尋ねいたします。
私は、補助金の一般財源化そのものは自治、分権に資するものであり、むしろ奨励零細的な補助金は速やかに一般財源化すべきであると考えます。しかし、今回、内容的に見ても、厚生、文教関係を中心に約一千五十億円の一般財源化がなされましたが、赤字国債発行回避のための地方一般財源化であり、まさに、単なる負担の転嫁である意味合いの強い、動機不純の、理念なき一般財源化と言わざるを得ないのであります。厚生省にしても、文部省にしても、補助金を一般財源化し地方への負担を押しつけなければ自前の政策経費を捻出できないということですが、シーリング方式という画一的な予算編成自体に問題があるのではないでしょうか。予算編成のあり方について、総理並びに大蔵大臣のお考えを承りたいと思うのであります。(拍手)
一般財源化に当たっては、単に交付税措置するからというだけでなく、超過負担の解消や権限移譲の推進を含め、交付税の充実、算定費目の拡充、国と地方の事務配分、税源配分の改革を展望して行っていく必要があります。たばこ税が交付税算定税目となったように、交付税算定税目の拡充や税率の引き上げは十分検討に値すると言えるのではないかと考えますが、自治大臣、いかがでしょう。
国民健康保険については、事務費負担金の一部の一般財源化に加えて、保険基盤安定制度にかかわる暫定措置として、九三、九四年度に限り国庫負担二分の一が定額の百億円とされ、これに伴い四百六十億円の地方負担が発生しておるのでございます。しかもこれは、大蔵原案内示後に急浮上した見直しでありますが、十分な論議を経たのでございましょうか。しかも、伝えられるところでは、予算編成の越年を防ぐためのみ込まされた、そういうものと言われ、地方団体からも大きな不満が出ているように、これでは、地方への単なる負担転嫁としか言いようがないのであります。
国保財政安定化支援事業の拡充、高額医療費共同事業の二年間継続など、一定の改善措置は講じられているとしても、国庫負担の削減をねらい、国の責任を回避する極めて筋の悪いものであり、なし崩し的な地方負担増につながるおそれもないとは言えないのでございます。国にはナシ目プルミニマムを維持するための責任があるはずであり、地域住民の貴重な社会保険である国民健康保険についてどのようにお考えになっていらっしゃるのか、大蔵大臣と厚生大臣にお伺いいたしたいと思うのであります。(拍手)
さて、今回の地財計画で特に挙げておきたいことは、森林・山村対策のための経費の創設であります。
森林の公益的機能を維持し、山村の活性化や人口定住を図っていくため、交付税、地方債による抜本的森林・山村対策が求められておりましたが、森林の公有化推進、公有林の適切な管理、森林整備担い手対策基金の設置、林道等の整備のための経費として千八百億円が創設されたことは、まことに時宜を得たものであると評価をいたすものであります。森林・山村対策創設の経緯と今後の推進の手法について、自治大臣の御所見を承りたいと思うのであります。
また、九三年度から福祉八法改正に伴う措置権移譲がスタートし、また「高齢者保健福祉推進十か年戦略」を地域の実態に即してきめ細かく実施するための地方老人保健福祉計画づくりが進んでおりますことは御承知のとおりであります。多くの自治体から、計画を実現するための財源がなければ絵にかいたもちではないかという声が寄せられておるところであります。地域福祉の推進に当たって、自治体の役割には大きなものがあると思われますが、そのためにも的確な財源保障が必要ではないかと考えるわけでありますが、自治大臣の御所見を、そしてまた決意もぜひお聞かせ願いたい、こう思うのであります。
以上、地方交付税を初め地方財政についてお尋ねしてまいりましたが、改めて、分権の推進と財政の確立は地方自治を発展させる車の両輪であることを強調したいと思うのであります。その上で、国と地方も本当の意味での公経済における車の両輪となり得るのであります。地方財政似、常に地方自治の発展と表裏一体の関係であることを忘れてはならず、総理初め関係閣僚の地方自治と地方財政についての……