中西輝政の発言 (予算委員会公聴会)
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○中西公述人 お答えいたします。
冷戦後の国連のあり方というものは、まさに今おっしゃられたとおりだろうというふうに私も認識しております。その上で先ほどの私の公述の中で申し上げましたとおりさまざまな問題がそういう状況にありますが、今冷戦が終わって数年たった状況の中で宙ぶらりんの形ですべての秩序の枠組みが十分な安定をしない、そういう現状でございます。そういった意味で、こういうさまざまな安定化をもたらす枠組みに対して我が国がどのようにその役割を果たしていくか、非常に重要な瀬戸際といいますか分岐点にあるという認識が非常に重要だろうという気がいたします。
そういう上に立って、現状のこの世界各地のさまざまな地域紛争、民族紛争その他の噴出状況というものを見てみますと、やはり各国さまざまな事情はあろうかと思いますけれども、私といたしましては、日本がどういう選択をするかということに非常に大きく世界全体の流れがかかってきている。ましていろいろな国が今よく言われますとおり内向きに志向を強めているという時代に日本の対応というものが実は非常に重要でありまして、各国押しなべて深刻な国内問題を抱えている状況の中で日本の国内問題というものを比較相対的に見てみますと、これはそれほど深刻なものではない、つまり我々は余裕のある立場に立っているという認識が非常に重要だろうと思います。
こういう認識の上で私なりの考えを申し上げますと、恐らく現行の憲法の中で我が国がどれだけの平和維持活動に参加できるかという問題、憲法解釈、さまざまな解釈の仕方があろうかと思いますが、私は国連という存在に関してはやはり現在の憲法の中で特別な地位を与えられているという認識が非常に重要だろうと思います。
したがいまして、恐らく例えば湾岸戦争の際に行われた多国籍軍という試み、この中で後方支援という日本の役割というものを考えますと、私はやはり軍事力あるいは軍隊機能というものは指揮権の問題が非常に重要なメルクマールであろうかというふうに思います。そういった場合に例えば多国籍軍の指揮権の中に入って日本が後方支援を行うということは、これは現行憲法の中ではできないだろうというふうに思っております。したがって、自発的協力としての後方支援というものは可能であったと思います。ここのところが非常に重要だろうというふうに私は考えておりました。
現在、多国籍軍型の日本の平和維持活動の協力というものは恐らく求められているといいますか先ほどの浅野先生の質問の中では恐らくもっと国連が中心になった平和維持活動の側面だろうと思います。そういった面では私は、国連が指揮権を持つ、恐らく憲章四十三条あるいは事務総長がPKO活動の中で指揮権あるいは指揮権に似た権限を持つ、そういう状況の中では我が国の憲法は、我が国の決定として、選択としてこれに協力するということは、軍事力の使用の態様いかんにかかわらず禁止していないだろうというふうに見ております。
それから、PKFの解除という問題に関しましては、これは法律の中に期限が設けられているわけでありますが、その中で法律上の手続等が論じられるべきだろうとは思いますけれども、私といたしましては、現状の、先ほど申し上げましたような世界秩序の状況を考えてみますと、恐らくこの問題は早期に、日本として昨年の立法の過程で論じられた前提が変わったという形の論議が起こってくる、起こってきて当然だろうというように見ております。現在の国連のさまざまな平和維持活動全体が、先日のガリ事務総長の訪日の中でもさまざまに論じられましたとおり、前提そのものが大きく変わっているという認識の中で考えていく必要があろうかと思います。