森暢子の発言 (文教委員会)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○森暢子君 高校教育の改革というのは本当に大事になってくると思いますね。
 それで、今の偏差値の、大臣もおっしゃいましたように、ただ知識だけ点数だけで人間をはかるということは、もうこれからは本当に大変な事態になるというひとつの警鐘を今回鳴らしているんだというふうに思います。五教科に重点を置いておりますので点数だけで評価し、そして人間をランクづけてしまう。どんなに申しましても、東大を頂点といたしましたピラミッド型の大学の図式というのはなかなか今の社会の中では崩れそうにもない、まずそれをどうしていくかということも大きな問題であると思います。
 今まで偏差値で輪切りされてきた子供たちがどういうことになってきたかということはもう御存じだと思いますが、私も学校現場におりまして、やっぱり無気力がまず一つ出てまいりました。どうせと言うんですね、どうせ僕はもう数学もできないし英語もできないしと。あきらめですね。そうすると、どこへ自分の存在感を示していくかということがいろいろな形であらわれできます。
 例えば、あなたは勉強できないけれども体力があるしスポーツができるからいいがと、こういうふうに担任は言うわけですね。あなたはよく走れるしいいじゃないの、こういうふうなことを言うんですね。じゃ、勉強もできないスポーツもできない子はどこで存在感をみんなに認めてもらうか。あなたは絵がかけるからいいじゃないかと。じゃ、絵も下手だと、そういうことになるとどうなるかということなんですね。本当に子供たちは行き場がなくなってくる。そして、自信喪失につながっていき、自信がないんだ、もうどうなってもいいんだと。しかし、親も担任も高校へ行きましょうと。あなたはこういうところに行ったら入れるから行きなさいと。行きたくない、勉強は嫌いだ、もっともっと自分がやりたいことがあるけれども、今の社会では進学しなきゃいけない。それで不本意入学。その中で、行ってみたけれども、何も自分は張り合いもない希望もない、だんだんと退学していく。そして、高校中途退学者が十二万、こういう現実を今つくり出してきているわけ
でありますね。
 私がある高校生の声を聞きましたら、その高校生の弟の話なんですけれども、弟は一生懸命勉強しているんだけれども、点数がとれない。しかし、高校へは行きたいんですと。先生とお母さんと相談しましたら、先生が、この点数ではあなたが希望している高校へは行けません、人間は大変いいんだけれどもねと、こうおっしゃったと言うんですね。それが担任の先生の言葉なんですね。それで、弟は高校へ進学したいんです、点数はとれないけれども高校へ行きたい。何か人間をはかるような受験ができないのかというのがそのお姉さんの切実な訴えだったわけです。これが本当ではないかと思うんですね。人間はいいんだけれども点数がとれない、それですべてその人の人格を決めてしまって、そしてランクをつけられるということに対する子供たちの叫びではないかというふうに思ったわけであります。
 そういうことで、文部省もいろいろと大英断を下されまして高校教育の改革の推進について第三次報告も出され、そしてそれを受けて、本日いろいろな新聞紙上で出ております、今お話をしていただいたような偏差値をやめる方向での動きがあったわけでありまして、文部省の大手術だと、このように思い大変評価をしているところでございます。
 しかし、具体的にどうするかが明らかにされていないんですね。大臣も一月二十六日の記者会見で、先生自身が汗をかいて指導してほしいということをおっしゃっておられます。もちろん、教師の姿勢が大事でございますが、じゃ具体的にどうしたらいいかはその地域の教育委員会や先生方に任せるということなんです。しかし、具体的にどうしたらいいか、何かお考えがあったらお示し願いたいと思います。

発言情報

speech_id: 112615077X00219930223_020

発言者: 森暢子

speaker_id: 10702

日付: 1993-02-23

院: 参議院

会議名: 文教委員会