白川勝彦の発言 (政治改革に関する調査特別委員会)

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○白川委員 細川内閣が誕生して三カ月くらいになるんでしょうかね。しかし、細川内閣を俗に政治改革政権だなどと呼ぶ人は、いないとは私は言いませんが、かなり少ないだろうと思います。今もって非自民連立政権という言い方がかなり一般的なんじゃないかなと思うんです。そして、さっきから言葉に随分こだわっておりますが、言葉というのは、しかし国民は本質を見抜いているわけでございます。
 私は、今回また当選をさせていただいて、翌日から政治家として、党内にあっていろんな政権構想を含めて模索した者でございますけれども、活動した者でございますが、今各大臣がおっしゃったように、自民党の一党だけで政権をとるという、私、支配とか独裁と言われると、じゃ今までの日本の民主政治が、選挙制度がおかしいのかとなるので、一党支配だとか一党独裁という言葉は、自民党に籍を置く者としては全く私は心外なんですが、自民党だけが三十八年間政権を担当してきたというこの事実を、一たんおまえ政権の座からおりろ、おまえやっぱりいろいろ悪いことをしたという国民の雰囲気があったことは認めます。
 だから私は、例えばどなたかが一生懸命中心になったから、これだけの生まれも育ちも違う政党が集まって連立政権ができたんだと思いますが、そのためにだれが動いたなどと言うつもりはございませんが、その方の動きに比べたならば、自民党は極めてあの当時のんびりしていたんじゃないかと思います。それは、自民党全体の中に、まあ今回はいいと、今回は自民党は一度政権の座から離れた方がいいんじゃないかと、また離れざるを得ないんじゃないかと。それは、あらゆる無理をすれば、多数派工作をすれば、当時は二百四十九でございましたが、二百四十九はとれるかもしらぬけれども、それをしたのでは、また将来一緒にやる人たちとの芽をつぶすことにもなるというようなことも私はあったと思うんです。
 ですから、この連立政権というのは、非自民連立政権で私はよかったと思うんです。そして、そこを国民が支持したわけでございまして、あえてこれを何か束ねる一本の大義名分が必要だとかということは、当時の政治状況としてなかったと思うのでございますが、しかしそれでは余りにも丸裸過ぎて、何か浴衣ぐらいは羽織らなきゃいけないだろうというので出てきたのが実はこの選挙制度の改革という、これはなかなか一党においても意見をまとめることができないのが、生まれも育ちも違う、いろんな意見を持っているところに、とにかくこれをのまなきゃ連立政権にはならないんだ、あるいは逆に、これがのめなければ連立政権はおしまいだというようなところになっていったんじゃないのかなという気も外から見ていていたしますし、今も思います。
 七月二十九日の非自民七党党首会談で合意した「連立政権樹立に関する合意事項」とその覚書というのを見ますと、非常におもしろいのでございますが、この第一番に、比例代表並立制その他を含めた抜本的な政治改革関連法案を本年じゅうに成立させる、これは確かに書いてありますが、それ以下の二からのことについてよく見ますと、多分これは民社や公明党さんあるいは新生党さん、そんなに異論がなかったと思うのですが、実際政権を担当しても、どうも具体的に仕事をやろうとなると不安があるというふうに目されて、しかもこれが幸か不幸かわからぬけれども第一党だ。そごがあっちゃ困るというので、この人たちが変なことというか、連立の調和を乱さないようにということで、こういうことはしちゃいかぬですよというようなのがほとんど書いてあるわけでございます。
 一例を挙げれば、第三項の「徹底した安全管理の下におけるエネルギーの安定的確保に責任を果たすものとする。」これは原発を指しているのだと思いますし、第二項の「外交及び防衛等国の基本施策について、これまでの政策を継承しつつこれはきっと日米安保・自衛隊問題を指しているのだと思いますし、第五項の⑩の「PKO等の国際貢献」、これをやるのですよと。それは一年前あれだけ反対したのですから、これは素直にできないのは当たり前のことで、それはしかしやめられては困りますよということで、要するに、社会党さん、これはしちゃいかぬですよということを書くのが実は主たる目的であって、連立政権の理想を高らかに掲げるというようなどうも合意事項でないような気がするのです、私は。
 さて、そこでまたさっきの議論に戻りますが、非自民連立政権ということで何ら非難されるべき筋合いもないのだし、自民党はそれなりの責めを負ってもしょうがない事実があったと私は思うのです。しかしそこに、裸じゃ申しわけないというので浴衣を着た。しかしこのとき着るべき浴衣が、一つの政党においてもなかなか集約しにくいものを、生まれも育ちも違う、したがって選挙制度に対する考え方もいろいろと違うものを、これでどうかという形で突きつけたこと自身がフェアでないのじゃないか、あるいは問題の本質から離れているのじゃないかという気が私はしてしょうがないのです。
 そういう点について、今苦渋に満ちた発言をしたところもあるし、さらっと、いや、こんなもののめましたというところもありましたが、自由を守るとか民主主義を守るということはだれもが言います。政治倫理を確立する、だれもが言いますが、それは言葉に意味があるのではなくて、その言葉を守るためにどういう行動をするかというところにその人の、本当に自由を守ろうとしているのか、民主主義を守ろうとしているのか、政治倫理の確立に熱心なのだろうかという真価が問われていると私は思うのでございます。
 そこで、選挙制度というのは、どういう自由を守る、どういう民主主義を守るかというものの言うならば手続法です。その手続法の基本が公職選挙法でございまして、この意見は、私らは理想はこうだと思いますけれども、まあ連立政権の条件で、そしてそれを断ると連立に参加できない。もっとありていに言えば、大臣を例えば二つ提示されているけれどもこれがパアになるというようなことでのませるべき問題でもなければ、のむべき問題でもない。もしそんなことでそれをいいかげんにするような政党がいたとしたならば、私は、そういう政党が自由を守るとか民主主義を守ると言う言葉を信用したくないのであります。どうかひとつ、自民党も責めません、連立与党の中で、例えばいろいろ議論したけれどもどうしてもこれは本音は反対なんだったら、それでいいじゃないでしょうか。そのかわり、自民党の中にもこれで結構だと言う人がおります。
 そういう意味で、私は、こういうような問題というのは、連立与党の条件としたこと自身が政治史にとっての一つの汚点だろうと思いますし、こういう問題は最終的にいろいろな処理の仕方があるだろうと思いますけれども、これは党議で練る、これに違反したならばおまえは我が党の党員としてはふさわしくないなどということは、最もそういうことになじまない性質の問題なんじゃないのかなと思います。
 だから、私は自民党の中でも主張しておりますが、こういう問題は、党というのが関与しちゃならぬとは言わぬけれども、政治家個人の、一人一人の信念というのが最後は一番大事なんじゃないだろうか。そこで出てきた合意が本物である。党がそれぞれ五十一対四十九で固め、全党が一致しました、今の状況はそうですね。共産党を除いては、表面上は全部小選挙区比例代表並立制という形にしてしまっているわけでございますが、私は、我が党の中の雰囲気を見ると、これが一〇〇%本当に固まったなどという感じはいたしません。そういうことを含めて、私は、連立与党の中でその辺がどうなんだろうかとお聞きしたいと思うし、そうであるはずがないと思っております。
 そういう面では、社会党がこの前委員長選挙を見せてくれましたが、さすが長い間第一党だという形で私は見ていたのですが、ああいう意見があって、しかもああいうのがどうであれオープンで行われることが立派だと思うのでございます。どうかほかの党もそれらのことを加味して、同じことをしろとは言いませんが、きょうは委員長の皆さんがいらっしゃるわけでございますので、議員の一人一人の意見を最後は大事にするんだよというのがこの問題の基本かなと私は思います。
 長時間にわたりまして愚説を長々と拝聴していただきましたことに感謝を申し上げ、残りの時間は郵政大臣にいただいて、質問したいことがありますので、お引き取りいただいて結構でございます。ありがとうございます。
 それでは神崎郵政大臣、済みません、長時間お待たせいたしましたが、同時に政治家でございますのでお許しをいただきたいと思います。
 さて、いろいろテレビ朝日問題が経過しておるようでございますが、私が仄聞いたしたところによりますと、テレビ朝日側では報道局長もしくは社長その他がそれぞれ辞職もしくは減俸というような処分をされたと聞いておりますが、これこそマスコミあるいはテレビ朝日の社の名誉をかけた問題でございますから、例えば俗に、同僚議員が追及したような事実が全く事実無根だというならば、逆にメンツにかけてもこういうことはしないと私は思うわけでございます。そういう中で認められたということは、そういう事実があったということか、あるいはあったということをいずれ立証されるであろう証拠がある、だからもうこれ以上否認してもだめだということが私はあったんじゃないかなと思うわけでございます。
 そんな前提に立って、椿氏の各種発言のようなことがあったとするならば、結果としてはテレビ朝日の政治に絡む報道番組が公正中立さを害し、不偏不党であるという中立性を害した、こういう疑いがあるわけでございますが、これらの事実についてお聞きしたいのと、時間がございませんので、最後に、こういう発言をしたかどうかということがそれ自体一つの大きな問題だと思いますが、放送法にあります、放送法第三条の二の「政治的に公平であること。」「意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること。」こういうことに反した疑いがあるわけでございますが、これに反しますと、放送法に違反したということで、「三箇月以内の期間を定めて無線局の運用の停止を命じこというその他の行政罰というのが法律上は規定されているわけでございます。
 また、こういう事実があれば、厳正な法の執行という立場で郵政省としてはこれをせざるを得ないと思うわけでございますが、しかし、これは椿報道局長がどういうことを言ったか言わないかという問題じゃなくて、放送された番組が放送法二号、四号に反したかどうかということが問題になると思うわけでございます。そして、それを郵政省が調査をして、違反しましたねという認定をして行政罰に至るわけでございますけれども、それらを放送法上はどういう手続で保障し、仮に手続法的にきちんと保障されていなくても、事実上はどういう努力をして、テレビ朝日の今回の総選挙前の報道が放送法の規定に反しているのかどうか、これをどういう手続と、そして手続法的には保障されなくてもどういう努力をしてやってまいりたいのか、その辺のことを、ちょっと時間がありませんので概括で恐縮でございますが、二、三点あわせてお答えをいただきたいと思います。

発言情報

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発言者: 白川勝彦

speaker_id: 9570

日付: 1993-10-20

院: 衆議院

会議名: 政治改革に関する調査特別委員会