早川廣中の発言 (政治改革に関する調査特別委員会)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○早川廣中君 早速でございますので、御意見申し上げたいと思います。
きょうの委員会につきましては、国民の関心も大変高まっていると思うのでありますが、私は、現在までの、いろいろなことが言われていますが、冷戦下における日本の一つの高度成長が終わった今日、大きな転換点を迎えている。これは、私は政治だけでないと思います。経済もそうだし、価値観もそうだし、いろいろな面で転換点を迎えているわけですから、政治においてもこれに対応するような一つの漸進的な改革というのはやっていかなければならないという意味で、国民に対して三代の内閣にわたって公約をしているわけですから、私は今国会において、どのようなことがあろうとという言葉はちょっとオーバーかもしれませんが、与野党各党のいろいろな御意見があるようですから、それはじっくり話し合って、妥協できる点は煮詰めて、その上で必ず採決をしていただきたい。
それで、私は、各党間のいろいろな利害、また大きな政党では、その党の中でも選挙制度については御意見が、個人の地位にかかわることですから、当然あってしかるべきだと思う。したがいまして、私は、むしろ党則を超えて採決をして、国民の前にやはりはっきりさせていただかなければ国民は納得できないのでないか、こういうふうに思っております。
次に、公選法の関係につきましては、総定数について二案あるようでありますが、私は、最初の四百七十一というのは公費を使う議員ですから、国民は、少ない人数の議員で立派な仕事をやってもらえるならそれでいいというふうに思っている人もたくさんいると思います。しかし、今もう一億二千万を超えた我が国の人口の現状からいって、必ずしも四百七十一の時点のものを今持ち出すというのはちょっとどうかなと思いますので、まあ五百人というのはかなり常識的な国民の世論ではないかというふうに思っております。
それから、配分の問題について、これは各党のいろいろな利害がぎりぎりのところでぶつかるのだろうと思います。しかし、私は、国民はそう見ていないと思う。投票制のことがありますが、要するに、国民はこれから厳しく政治というものを見ていくと思いますので、全国区が有利だから、地方区が有利だからということには私は絶対ならないと思う。これは必ず、一票制、二票制になることによってちょっと行使の仕方は違うと思いますが、国民は各党に対して厳正に見ていますから。そういう意味で、配分の問題については党のいろいろお考えがあるようですが、私は、政府案を基準として、多少の考え方はそうこだわることはないのではないかというふうに思っております。
次に、全国の比例の単位についてですが、これについては、県単位というのは、私はこれはちょっと整合性にも欠けると思うのですね。比例ですから、これはもう全国でやるのが常識だと思う。だから、国民の常識をないがしろにして無理押しするということは、やはり避けた方がいいのではないかというふうに思われます。
次に、二票制の問題ですが、これは私は正直言って、国民の中でも議論が分かれるところだと思うのです。というのは、二大政党が絶対的に正しいという考え方になれば、これは一票制が絶対整合性が合っているわけです。中央公聴会でもそういう御意見を述べた方が多々いらっしゃるようですが、そのとおりだと思うのです。
しかし、現実に我が国の政治というのは、戦後は、二歩前進して一歩下がるという形ですべて緩やかに、国民の中の摩擦を少なく、経済も政治も発展しようということで今日まで来ているわけですから、そういう意味で、現状においては二票制がやむを得ないのではないかというふうに思われます。
次に、戸別訪問の問題でございます。
これは、私は正直に言って、私も選挙にかかわってまいりましたが、実際は本音と建前が全然違う。戸別訪問は今禁止されていますが、戸別訪問をやらないで選挙を乗り切るということはほとんど不可能であると言われている。ですから、この点については、禁止なら禁止で、本当に守る意思があるのかどうか。守る意思がないのに、ただ建前上禁止の方がいいということ。
しかし、戸別を認めるについては、私は条件はあると思うのですね。これは、夜の夜中まで来られたり、多数の人が押しかけてこられたりされたのでは困りますから、私は、時間なりその他きちっとした条件をつけて、ルールをつけて、戸別訪問はむしろ解禁すべきだというふうに思っております。
あと、立候補の制限については、これはむしろ罰則の問題との関連ですから、後で触れたいと思います。
次は、政治資金規正法関係についてでありますが、今国民が一番関心を持っていることはここのことです。というのは、東北でも例に漏れず金権体質が、地方の時代だなんという中で、まさに代表的な事件が今続発しているわけであります。
このことは何なのかということでありますが、結局選挙にお金がかかる。しかも、これが個人の責任において調達をするということでありますから、この資金の調達の方法については、親の相続をいっぱいした人か、あるいは過去の仕事によっていろいろなコネがあって、お金をうまく集める方法が巧みな人が有利だというのが今までの選挙だと思うのですね。ここが一番国民が正してもらいたいというふうに今思っているところであります。
それで、その資金源はどこから出ているのかということでありますが、団体の問題もありますが、一番大きなのは企業であります。けさ新聞を見ましたら、企業献金をやめると官僚政治になるというような意見が、中央公聴会の中で述べた方の意見が出ておりました。私は、これにはびっくりいたしました。
私も、わずかな期間でしたが、行政の責任者として運営をしてみましたが、企業の献金にきれいな献金なんというものはあり得ないと思う。これは必ず何か目的――というのは、企業というのは利益団体ですから。企業は社会奉仕団体ではありませんから。そんな項目があったら、そんな会社はつぶれてしまうわけです。これは利益団体でありますから、利益を求める企業からもらう金がきれいだなんということはあり得ないわけですから、私は、これをきちんと……。
それならば、それを禁止して何で官僚政治になるとおっしゃった方がいるかというと、私は行政の責任者としてわずか四年間でありましたが、官僚といいますか役人の人は、行政のトップの人が選挙で選ばれてくる。この人のことを――要するに民間から来た陳情が正しい陳情ならいいわけですね。それが正しくない陳情に対しては、官僚の人たちは当然抵抗するので、ある意味では官僚政治というのは、正しいことをやろうと官僚一人一人は思っておるのです。しかし、それが国民から見た場合に逆に見える。官僚の独善的なように見える場合もあります。そこはやはり政治の人たちが、自分たちが正しい行動、正しい陳情をやっていれば官僚の人は納得するはずです。
ですから、その意味での官僚政治というのは私は正しい。選挙をやっている人が上に立って、ひん曲げるからみんな抵抗するんだというふうに考えなければならない、こういうふうに思っています。
そういう意味で、企業献金は、急にやるということについては、日本の国はなるたけ穏便に国民に納得をしてもらうという制度ですから、その辺はよく話し合っていただきたいと思いますが、その辺はいつの時点かでははっきりとすべきである。
罰則の強化についてもそうだと思いますが、私は、罰則については、やはりきちっと守るという意識がなければ、うまくやれば罰則を逃れるのだ。こういう法案をつくればこういうふうに逃げる。何か規制ができるとそれを研究して、しかも本になって売り出される。こうやればうまく選挙をやれますよなんて手引が出てくるわけです。そういうものが出てきて裏かく、裏かくですから、これは僕は大変なことだろうと思いますが、しかし、厳しくやればやはりそのように効果が上がっていくのだろう、こういうふうに思っております。
次に、政党助成についてでありますが、私は公的助成、大賛成なのですが、国民は、公的助成を出すと監視が厳しくなると思う。自分たちが納めた税金がこうされるということに対しては、国民は非常に厳しい。ところが、何か大企業かどこからかわからないけれども、どこにあるかわからないような金を使った場合には、国民は案外ありがたがるのですね。あの先生は偉い先生だ、冠婚葬祭に必ず電報を打ってくれて、出席をしてくれて、あれだこれだと。そういうものに無条件に感謝する国民がいるということです。僕は、全部だとは言いませんが、そういうことを喜ぶ人は、二、三割は地方ではもう常識ですね。
だから、そういうものを打破していくためにも、公的助成というのは、これはどこが絶対いいという金額はないと思うのですが、しかし、今提案されている範囲内では、国民は、そのお金を正しく使ってもらいたいということで、また政党がそれをいいかげんな運用をしてもらいたくない、こういうふうに思っていると思います。
最後に、地方の選挙ですが、私は、選挙そのものを全部公営化すべきだと思うのですね。ポスターについてはこう、宣伝カーについてはこう、政見発表の場があればこういうふうにするというふうに、全部公営化の道へ持っていけば、地方政党を――あえて言えば、地方政党も認めてもらわなければ、地方では実際困る面が出てくると思うのです。地方政党を認めた上で、それで党にお金をやるより、選挙そのものを公営化するということで正常化していくべきだ、こういうふうに思います。
あと、どうも時間がぎりぎりになったようなので、結論のところを簡単に申し上げたいと思います。
私は、幾らどんな制度をつくろうと、まず選挙をやっている候補者の自覚の問題、これがまず第一番目だと思います。自覚のない、裏をかこうなどと思う選挙をやっている限り、幾ら制度を直そうと、こんなものどうにもならないのではないかというふうに思う。
しかし、候補者が何で自覚を持てないかというと、先ほど言いましたように国民側にも、まあ二、三割だか、はっきり統計をとったわけではありませんから無責任な数字は申し上げませんが、国民側にも選挙というものを、政治をどういうふうにするのかという自覚が足りない人がいる。これが問題で、最後に申し上げたいのは、きょうはマスコミの方も来ていらっしゃるというので、私も実はここまではるばる遠くから来てみたのです、私が一番遠かったようですが。
それは、選挙報道に対して、マスコミが正しく報道しない。もう何か予想みたいな記事がはんらんする。それで、それがまた左右するのですね。選挙事務所に行ったら活発だなんて。活発だというのは、お金をたくさん使って人をたくさん雇えば活発になるに決まっているのですから。正しくやる人を評価しない。これは私は、日本のマスコミがまだまだ政治に大した見識がないというふうに思っておりまして、はっきり言いますが、選挙に携わる人、国民、マスコミ、この三つがはっきりと目覚めない限り、選挙制度なんて幾らいじってみてもどうにもなるものではないと思います。
しかし、そう言っていてもなりませんから、今回は比例区が入るというのは、私は評価できると思うのです。というのは、今日本の国は、選挙運動に毎日タッチしなくても、国のためにやれる国会議員を出さなければ、世界のトップにランクされてきたこの経済を保つような日本の外交をやっていけないと思います。
そういう意味で、私はこの法案が一日も早く通って、それで立派な見識を持った人が日本の外交に携わって、日本の今の不況というのは外交と大きく関連しているわけでありますから、国内だけの不況だとは思っていただきたくないということを申し上げまして、私の意見の陳述としたいと思います。
以上でごさいます。