虎島和夫の発言 (内閣委員会)
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○虎島委員 このほど文庫本でありましたけれども「訴訟社会」という本を読む機会があったのです。アメリカのことが主として書かれておりましたけれども、遠くはさかのぼって、ローマ帝国がいかに訴訟社会であったか、そのことが、対応を誤っていかに社会に活力がなくなったかというようなことが述べられておりました。それが実はゲルマン民族の大移動を誘発した一つの理由だというようなことも書いてあって興味深く読んだのですが、これを読みながら感じましたことは、我が国もそういう訴訟社会に向かいつつあるということを痛感するわけです。
このほど、九州の新聞を見ておりましたら、九州のある県では弁護士さんがいない。なぜかというと、弁護士さんが都市に集中してしまっておる。一方では、法廷に対する何と申しますか、問題提起の機会が非常にふえておる。これが円滑な地域社会なり、社会を動かしていくためには大変な阻害要件になっておるというようなことが述べられておりました。
これは弁護士の話でありますが、法曹一元化という立場からいけば、当然にこのような状況が、あるいは裁判官に、あるいは検察官に影響が及んでおると私は思うわけであります。そのことが、今述べられましたように、検事さんにおいては約八十名の定員不足、定員に対する実員不足が起こっておる、このようなことになっておるわけであります。
申すまでもありませんが、現在社会情勢が非常に複雑多岐にわたっておる。刑事事件も頻発をしておる。おぞましいですね。政治関係の事件も起こっておるわけでありますけれども。要するに、そういうことで犯罪件数等も、悲しいことだけれども、ウナギ登りに登りつつある。そういう中で、一体今のような検事の処遇で人材確保ができるのかということを憂えるわけであります。そういう意味では、特別職を担当される総務庁政府委員の所見もこの際承っておきたいと思います。
なお、時代の推移ということを申し上げますと、先般私は党の方の立場でカンボジアに参りました。PKOに参加する自衛隊諸君の活躍ぶりを見てまいったわけであります。あるいはまた、文民警察官の諸君が二名程度で丸腰で危険がいっぱい存在する集落まで入っていって、向こうの国会選挙等の選挙人名簿をつくっておるというさまを見、お話を承って、戦後いろいろ言われてきたけれども、今こういう若い人力が日本の戦後教育制度の中ではぐくまれてきたのかというので、本当に胸を熱くするような思いに駆られたのです。同時にまた、考えてみますと、我々の国家というのは、日本という国はああいう人力に、自衛隊の諸君に、あるいは文民警察等々に、身を挺して行かれる警察官諸君にそれなりの処遇をしているんだろうかという思いもいたしたわけであります。
きょうは特に特別職だけに限定してお話ししておりますので、その点は検察官の処遇改善あるいは自衛隊諸君の諸手当の改善等について、一般職の公安職職員との間に不均衡を生ずるような、なお改善を要するようなことはないのか。この点については所管庁、防衛庁いらっしゃいましたら防衛庁、あるいは総務庁人事局長等々、御所見をひとつ承ってみたいと思うわけであります。