栗原博久の発言 (内閣委員会)

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○栗原(博)委員 それでは、行政手続法につきましてお考えをお聞きしたいと思います。私の申し上げることは愚問の点もあるかもわかりませんが、まずその点についてお許し賜りたいと思います。
 この法律が今日、日の目を見るまでに多くの年月を経過しているわけでありますが、確かに昭和三十九年九月二十八日の第一次臨時行政調査会の「行政の公正確保のための手続の改革に関する意見」の中で、第一次の行政処分の行政手続、あるいはまた事後の救済手続、また苦情処理手続など、または行政立法手続を包括する統一的な行政手続の法律の制定が強く望まれ、その勧告がなされておって、その間、今日まで約三十年間、第一次、第二次、第三次と行政調査会があるわけでありますが、この間、社会のあるいはまた経済の大きな変遷を迎える中で、行政は敏速に、そしてまた透明性があって公正であり、かつまた公平で明確性が求められてまいっておると思うのであります。国際社会においても我が国の行政に対しまして、特にアメリカを初めとする国から苦情とか注文が高まっていることは事実であります。久しく懸案となっておりましたこの行政手続法案が本日、この衆議院の内閣委員会で審議入りしたことは、今日まで及ぶ間の関係各位の御努力に深甚なる敬意を表する次第でございます。
 とはいえ、この国民の久しい間の要望にもかかわらず、ついぞ今日まで実現を見なかった最大の抵抗の一つの要因として、やはりこの行政手続法の制定が所管の行政官庁の危惧とか、あるいはまた反発もあったのじゃなかろうかという認識もございます。この法律は、私は国民の立場から称賛をもって迎えなければならないものだと考えております。
 例えば、諸外国の例を見ましても、一九五二年にオーストリアでは一般行政手続法、あるいはまた一九四六年にアメリカでは行政手続法、あるいはまたドイツでも一九七六年に連邦行政手続法として制定を見ておりまして、我が国は国際社会に責任を持ってその活躍が期待されている中において、むしろ遅きに失したというような感じも私は否めないものであります。この法律の運用に当たって、この法律の趣旨を十二分に理解しながら行政運営に当たっていただきたいことをまずもって行政当局の皆様に御要請を申し上げる次第でございます。
 この法律が公正かつ透明で、そしてまた行政手続の確立に役立てるということだけではなくして、私ども国民の行政に対しての参加を保障しながら、また、私ども国民の権利利益の保護を図らなければならぬと思うのであります。また、行政改革等先ほど虎島先生もいろいろ申しておりましたけれども、やはり国民の行政に対する信頼を取り戻さなければならない。そしてまた、国民が行政に対して協力をするという大きな手だてでもあろうかと私は思うのです。
 そして、先ほど申しましたが、国際社会の中にあって、日米の貿易のインバランスをめぐる経済摩擦が大変顕著に目立っております。我が国の経済障壁の問題を絡めながら、アメリカ側より、私ども日本の行政の決定過程において不公正さがある、あるいはまた不明瞭であり、そして不透明であるという指摘が大きくされております。その中で、先般、平成二年六月二十八日の閣議了解事項で、こう言うアメリカに対しまして、我が国は行政指導について、要するに彼らの言われようとする問題について公明正大にやるということを閣議了解しております。
 こういう中で私は、国内的にも公的規制の緩和の問題とか、本来法律に定められていない手続に従って申請や処理や処分を行うことについて、行政指導という美名のもとでそれが多用されまして、かつ処分による審査とか処理の基準があいまいであったという声も国民から大きく漏らされていることは皆様も御承知であると思うのであります。この法律の運用に当たりまして、十二分にこういう経緯を踏まえて運用していただきたいと思います。
 そこで、お尋ねしたい点でございますが、この法律をいろいろ見させていただいたのですが、この行政手続法の中で、残念ながら、統一的な、また体系的な行政手続法としての包括的な運用がないのではないかという点も私は考えるのです。例えば、土地の規制行政の手段として一般処分の手続の問題、同じような、土地についての利用規整の計画策定手続の問題、あるいはまた、公共事業を実施するに当たりまして、その計画策定の手続の問題とか、行政立法に関する手続、そしてまた、行政処分の法律的な効果を確保するために強制執行等があるわけですが、その強制執行手続など、こういう問題がこの行政手続法において見送られているというような点が見受けられるのでありますが、なぜそういうふうになったかということをまずお聞きしたいと思うのであります。
 それからまた、この法律案の中では、申請に対する処分に対して敏速、透明、公正な処分を確保するということを旨といたしておりますが、次の点についてちょっとお聞きしたいと思います。
 それは、申請に対する処分の問題でございます。本法の第六条で、申請から処分に関して、「通常要すべき標準的な期間」とされておりますが、この「標準的な期間」という表現はかなりあいまいな気がいたします。私は何か努力目標の感を受けるのでございますが、なぜこのような表現になったかということ、より具体的な表現にならなかったかどうかということをお尋ねしたいと思います。
 次に、不利益処分の件でございますが、聴聞手続について、口頭により、処分を行わせる相手に対してその本人の主張及び立証の機会を与えることがありますが、これは行政庁との間に質問形式で行うことができるのかどうか。また、聴聞中に例えば聴聞者が資料を提示した場合は、その場でその資料を提示なされるのかどうかということ。この点をひとつお聞きしたいと思うのでございます。

発言情報

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発言者: 栗原博久

speaker_id: 33238

日付: 1993-10-19

院: 衆議院

会議名: 内閣委員会