寺澤芳男の発言 (商工委員会)
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○寺澤国務大臣 製造物責任法案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
製品に起因する事故から消費者を保護するためには、事業者、消費者双方の自己責任をも踏まえつつ、事故の防止及び被害の救済から成る総合的な施策を講じる必要があります。
製品の欠陥に起因する事故が発生した際の被害救済については、民法第七百九条に基づいて紛争解決が図られることとなっておりますが、同条は過失責任の原則に立っており、被害者は製造業者の過失の存在を立証しなければなりません。
しかしながら、大量生産・大量消費の現代社会においては、製品の安全性確保は製造業者に依存する度合いが高まってきており、被害者の円滑かつ適切な保護という観点から、製品関連事故の分野において過失責任の原則を修正し、欠陥責任の考え方による製造物責任制度を導入すべきであるとの指摘がなされるようになってまいりました。
製造物責任制度の導入については、社会経済への影響など幅広い観点からの検討が必要であることから、政府といたしましては、関係審議会等において鋭意検討を重ねてまいりましたが、同制度の法制化を進めるべきであるとの結論が得られましたので、本法案を提出することといたした次第であります。
次に、この法案の要旨を御説明申し上げます。
第一は、製造物責任の導入であります。具体的には、製造業者、輸入業者等が、みずから製造、加工、輸入または一定の表示をし、引き渡した製造物の欠陥により他人の生命、身体または財産を侵害したときは、過失の有無にかかわらず、これによって生じた損害を賠償する責めに任ずるものとすることであります。ただし、いわゆる拡大損害が生じていない場合における欠陥のある製造物自体の損害については、除外することとしております。
第二は、免責される場合を定めたことであります。具体的には、研究・開発及び技術革新の阻害の可能性に留意し、製造物を引き渡したときにおける科学または技術に関する知見によっては欠陥の存在を認識することができなかった場合に製造業者等を免責する開発危険の抗弁を認めるほか、一定の場合に部品・原材料製造業者の免責を認めることであります。
第三は、責任期間を定めたことであります。具体的には、製造業者等の責任を早期に安定させることや欧米諸国の動向等を考慮して、製造業者等が製造物を引き渡したときから十年間とし、蓄積損害等については、損害の性質に応じた被害者の救済を図る観点から期間の起算点を損害発生時とすることであります。
加えて、法の目的、欠陥の定義等を明らかにし、国民にとってよりわかりやすい法律となるよう所要の規定を置いております。
以上がこの法案の提案理由及びその要旨であります。
何とぞ、慎重御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。