商工委員会
⚠️ 発言のコピー・転載時は出典元URL(kokkai.ndl.go.jpおよびkokkai-data.com)を必ず残してください。改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。
会
会議録情報#0
平成六年六月三日(金曜日)
午前十時四分開議
出席委員
委員長 白川 勝彦君
理事 逢沢 一郎君 理事 甘利 明君
理事 尾身 幸次君 理事 額賀福志郎君
理事 伊藤 達也君 理事 古賀 正浩君
理事 大畠 章宏君 理事 河合 正智君
浦野 烋興君 小川 元君
小此木八郎君 金田 英行君
熊代 昭彦君 田原 隆君
谷川 和穗君 中島洋次郎君
丹羽 雄哉君 野田 聖子君
浜田 靖一君 林 義郎君
武山百合子君 土田 龍司君
豊田潤多郎君 西川太一郎君
西村 眞悟君 山田 正彦君
吉田 治君 坂上 富男君
沢藤礼次郎君 関山 信之君
早川 勝君 松本 龍君
和田 貞夫君 赤羽 一嘉君
赤松 正雄君 佐藤 茂樹君
井出 正一君 枝野 幸男君
吉井 英勝君
出席国務大臣
通商産業大臣 畑 英次郎君
国 務 大 臣
(経済企画庁長
官) 寺澤 芳男君
出席政府委員
公正取引委員会
事務局取引部長 植松 勲君
経済企画庁長官
官房長 涌井 洋治君
経済企画庁国民
生活局長 坂本 導聰君
経済企画庁国民
生活局審議官 塩谷 隆英君
厚生省薬務局長 田中 健次君
通商産業大臣官
房長 牧野 力君
通商産業大臣官
房総務審議官 江崎 格君
通商産業大臣官
房商務流通審議
官 清川 佑二君
資源エネルギー
庁長官 川田 洋輝君
資源エネルギー
庁石油部長 鈴木 孝男君
資源エネルギー
庁公益事業部長 白川 進君
中小企業庁長官 長田 英機君
中小企業庁計画
部長 村田 成二君
委員外の出席者
法務大臣官房司
法法制調査部参
事官 戸田 信久君
法務省民事局参
事官 升田 純君
厚生省薬務局企
画課長 矢野 朝水君
農林水産省食品
流通局消費経済
課長 大隈 満君
商工委員会調査
室長 山下 弘文君
―――――――――――――
委員の異動
六月三日
辞任 補欠選任
中尾 栄一君 林 義郎君
野田 聖子君 浜田 靖一君
関山 信之君 坂上 富男君
野坂 浩賢君 沢藤礼次郎君
同日
辞任 補欠選任
浜田 靖一君 野田 聖子君
林 義郎君 中尾 栄一君
坂上 富男君 関山 信之君
沢藤礼次郎君 野坂 浩賢君
―――――――――――――
六月二日
製造物責任法案(内閣提出第五三号)
は本委員会に付託された。
―――――――――――――
本日の会議に付した案件
連合審査会開会に関する件
参考人出頭要求に関する件
石油公団法の一部を改正する法律案(内閣提出
第一八号)
ガス事業法の一部を改正する法律案(内閣提出
第四〇号)
製造物責任法案(内閣提出第五三号)
――――◇―――――
この発言だけを見る →午前十時四分開議
出席委員
委員長 白川 勝彦君
理事 逢沢 一郎君 理事 甘利 明君
理事 尾身 幸次君 理事 額賀福志郎君
理事 伊藤 達也君 理事 古賀 正浩君
理事 大畠 章宏君 理事 河合 正智君
浦野 烋興君 小川 元君
小此木八郎君 金田 英行君
熊代 昭彦君 田原 隆君
谷川 和穗君 中島洋次郎君
丹羽 雄哉君 野田 聖子君
浜田 靖一君 林 義郎君
武山百合子君 土田 龍司君
豊田潤多郎君 西川太一郎君
西村 眞悟君 山田 正彦君
吉田 治君 坂上 富男君
沢藤礼次郎君 関山 信之君
早川 勝君 松本 龍君
和田 貞夫君 赤羽 一嘉君
赤松 正雄君 佐藤 茂樹君
井出 正一君 枝野 幸男君
吉井 英勝君
出席国務大臣
通商産業大臣 畑 英次郎君
国 務 大 臣
(経済企画庁長
官) 寺澤 芳男君
出席政府委員
公正取引委員会
事務局取引部長 植松 勲君
経済企画庁長官
官房長 涌井 洋治君
経済企画庁国民
生活局長 坂本 導聰君
経済企画庁国民
生活局審議官 塩谷 隆英君
厚生省薬務局長 田中 健次君
通商産業大臣官
房長 牧野 力君
通商産業大臣官
房総務審議官 江崎 格君
通商産業大臣官
房商務流通審議
官 清川 佑二君
資源エネルギー
庁長官 川田 洋輝君
資源エネルギー
庁石油部長 鈴木 孝男君
資源エネルギー
庁公益事業部長 白川 進君
中小企業庁長官 長田 英機君
中小企業庁計画
部長 村田 成二君
委員外の出席者
法務大臣官房司
法法制調査部参
事官 戸田 信久君
法務省民事局参
事官 升田 純君
厚生省薬務局企
画課長 矢野 朝水君
農林水産省食品
流通局消費経済
課長 大隈 満君
商工委員会調査
室長 山下 弘文君
―――――――――――――
委員の異動
六月三日
辞任 補欠選任
中尾 栄一君 林 義郎君
野田 聖子君 浜田 靖一君
関山 信之君 坂上 富男君
野坂 浩賢君 沢藤礼次郎君
同日
辞任 補欠選任
浜田 靖一君 野田 聖子君
林 義郎君 中尾 栄一君
坂上 富男君 関山 信之君
沢藤礼次郎君 野坂 浩賢君
―――――――――――――
六月二日
製造物責任法案(内閣提出第五三号)
は本委員会に付託された。
―――――――――――――
本日の会議に付した案件
連合審査会開会に関する件
参考人出頭要求に関する件
石油公団法の一部を改正する法律案(内閣提出
第一八号)
ガス事業法の一部を改正する法律案(内閣提出
第四〇号)
製造物責任法案(内閣提出第五三号)
――――◇―――――
白
白川進#1
○白川委員長 これより会議を開きます。
内閣提出、石油公団法の一部を改正する法律案及びガス事業法の一部を改正する法律案の両案を議題といたします。
両案につきましては、去る一日質疑を終局いたしております。
これより両案に対する討論に入ります。
討論の申し出がありますので、これを許します。吉井英勝君。
この発言だけを見る →内閣提出、石油公団法の一部を改正する法律案及びガス事業法の一部を改正する法律案の両案を議題といたします。
両案につきましては、去る一日質疑を終局いたしております。
これより両案に対する討論に入ります。
討論の申し出がありますので、これを許します。吉井英勝君。
吉
吉井英勝#2
○吉井委員 私は、日本共産党を代表して、石油公団法の一部を改正する法律案及びガス事業法の一部を改正する法律案に対し、反対の討論を行います。
まず、石油公団法改正案であります。
反対理由の第一は、本法案が大企業優遇の現行制度をさらに拡充するものだからであります。石油・ガス油田の探査に対し、成功払い融資制度となっている現行制度に上乗せして、リスクが高いとは認めがたい天然ガスの採取、液化の事業段階に対してまで出資等の優遇制度を拡充するものであり、大企業優遇と言わざるを得ないものであります。
第二に、法案は、石油審議会部会の民間主導の三原則と称する原則のもとで、制度の利用に当たって、国は口を出すな、金は出せ、開発成果は民間で自由に処分するという、大企業にまことに好都合な運用方針を容認したものとなっているからであります。
第三に、こうした優遇制度の新設は、利益優先の現在の石油大資本や大手電力・ガス会社本位のエネルギー開発体制のもとでは、国費の乱用になりかねないものであるからであります。
次に、ガス事業法改正案に対する反対理由を述べます。
第一に、本法案は、鉄鋼、紙・パルプ、石油化学など製造業大企業の要求である自由契約・自由料金化の要求を最優先させて実現した、大企業のための規制緩和の法案であるとともに、大手ガス会社によるLNG転換の一方的な強行とあわせて、独占的な市場支配に奉仕するものだからであります。
第二に、都市ガス事業という公共サービス分野に、規制緩和を口実に、競争原理を導入することは、公益事業の性格を根本的にゆがめるものだからであります。すなわち、改正案の最大の目玉である認可料金及び供給区域の部分的な規制緩和は、ガス事業法の根幹とも言うべき総括原価主義、料金明確化及び公平の原則という料金決定の三原則を著しく侵食するばかりか、情報の公開を要求する国民の願いに逆行するものとなっており、極めて重大であります。
最後に、本法案は、結局は一般家庭、中小業者などに負担と犠牲を転嫁するものとならざるを得ないものであるからであります。その理由で反対であります。
以上、申し述べまして、討論を終わります。
この発言だけを見る →まず、石油公団法改正案であります。
反対理由の第一は、本法案が大企業優遇の現行制度をさらに拡充するものだからであります。石油・ガス油田の探査に対し、成功払い融資制度となっている現行制度に上乗せして、リスクが高いとは認めがたい天然ガスの採取、液化の事業段階に対してまで出資等の優遇制度を拡充するものであり、大企業優遇と言わざるを得ないものであります。
第二に、法案は、石油審議会部会の民間主導の三原則と称する原則のもとで、制度の利用に当たって、国は口を出すな、金は出せ、開発成果は民間で自由に処分するという、大企業にまことに好都合な運用方針を容認したものとなっているからであります。
第三に、こうした優遇制度の新設は、利益優先の現在の石油大資本や大手電力・ガス会社本位のエネルギー開発体制のもとでは、国費の乱用になりかねないものであるからであります。
次に、ガス事業法改正案に対する反対理由を述べます。
第一に、本法案は、鉄鋼、紙・パルプ、石油化学など製造業大企業の要求である自由契約・自由料金化の要求を最優先させて実現した、大企業のための規制緩和の法案であるとともに、大手ガス会社によるLNG転換の一方的な強行とあわせて、独占的な市場支配に奉仕するものだからであります。
第二に、都市ガス事業という公共サービス分野に、規制緩和を口実に、競争原理を導入することは、公益事業の性格を根本的にゆがめるものだからであります。すなわち、改正案の最大の目玉である認可料金及び供給区域の部分的な規制緩和は、ガス事業法の根幹とも言うべき総括原価主義、料金明確化及び公平の原則という料金決定の三原則を著しく侵食するばかりか、情報の公開を要求する国民の願いに逆行するものとなっており、極めて重大であります。
最後に、本法案は、結局は一般家庭、中小業者などに負担と犠牲を転嫁するものとならざるを得ないものであるからであります。その理由で反対であります。
以上、申し述べまして、討論を終わります。
白
白
白
白川進#5
○白川委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決まりました。
次に、ガス事業法の一部を改正する法律案について採決いたします。
本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
この発言だけを見る →次に、ガス事業法の一部を改正する法律案について採決いたします。
本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
白
白
白川進#7
○白川委員長 ただいま議決いたしました本案に対し、尾身幸次君外四名より、自由民主党、改新、日本社会党・護憲民主連合、公明党及びさきがけ・青雲・民主の風五派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
まず、提出者より趣旨の説明を求めます。尾身幸次君。
この発言だけを見る →まず、提出者より趣旨の説明を求めます。尾身幸次君。
尾
尾身幸次#8
○尾身委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。
まず、案文を朗読いたします。
ガス事業法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
政府は、本法施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。
一 規制緩和によりガスエネルギーの効率的利用がより増進するよう、液化石油ガスに関する法規制を含め、さらに規制緩和を推進すること。
二 規制緩和の対象となる大口供給の範囲の決定に当たっては、ガスエネルギー供給事業者に与える影響等も考慮して、総合エネルギー調査会都市熱エネルギー部会報告を踏まえ、当面、年間契約数量二〇〇万㎡以上とするとともに、みだりに変更しないこと。
三 一般ガス事業者の大口供給の実施が、その他の小口一般需要家への供給条件の悪化をもたらすこととならないよう、適正なコスト配分を確立するとともに、計画の審査等において慎重に配慮すること。
また、今般の制度改正により期待される一般ガス事業者の経営の合理化等の成果が、小口一般需要家を含め、ガス料金等に適切に反映されるよう措置すること。
なお、負荷調整契約制度については、本年一月の総合エネルギー調査会都市勢エネルギー部会報告に基づき、供給規程化を積極的に推進すること。
四 一般ガス事業者の自己の供給区域外への大口供給の実施に当たっては、その一般ガス事業者が不当に有利な立場を占めることとならないよう十分な審査を行うとともに、供給区域外における大口需要家への供給導管は、みだりに小口需要家に対するガス供給には使用せず、また、供給区域外に大口需要家への供給導管が敷設されているという理由をもって供給区域の拡張を行うことのないよう指導すること。
五 需要家のエネルギー選択の多様化を促進する見地から、一般ガス事業及び簡易ガス事業への新規参入の許可に際しては、供給先需要家の意向を最優先とし、その供給開始を速やかに実現するため、許認可事務の簡素化、迅速化を図ること。
また、大口供給について、一般ガス事業者以外の事業者によるガス事業への公平な参入を確保するため、託送制度の整備等を積極的に推進すること。
六 中小都市ガス事業者及び液化石油ガス販売事業者に対して、公平な競争条件の整備を図るとともに、その競争基盤を強化するため、政府として、税制、金融面での措置を含め、適切な合理化支援措置を検討すること。
また、液化石油ガス販売事業者が供給先六九戸以下の小規模導管供給を実施する場合についても、道路占有の特例措置等の支援措置を検討すること。
七 ガス事業における保安規制については、技術革新の動向等を踏まえ、適時適切に見直すとともに、ガス消費段階の事故をより低減するための安全確保策を徹底すること。
以上であります。
附帯決議案の内容につきましては、審査の経過及び案文によって御理解いただけるものと存じますので、詳細な説明は省略させていただきます。
何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
この発言だけを見る →まず、案文を朗読いたします。
ガス事業法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
政府は、本法施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。
一 規制緩和によりガスエネルギーの効率的利用がより増進するよう、液化石油ガスに関する法規制を含め、さらに規制緩和を推進すること。
二 規制緩和の対象となる大口供給の範囲の決定に当たっては、ガスエネルギー供給事業者に与える影響等も考慮して、総合エネルギー調査会都市熱エネルギー部会報告を踏まえ、当面、年間契約数量二〇〇万㎡以上とするとともに、みだりに変更しないこと。
三 一般ガス事業者の大口供給の実施が、その他の小口一般需要家への供給条件の悪化をもたらすこととならないよう、適正なコスト配分を確立するとともに、計画の審査等において慎重に配慮すること。
また、今般の制度改正により期待される一般ガス事業者の経営の合理化等の成果が、小口一般需要家を含め、ガス料金等に適切に反映されるよう措置すること。
なお、負荷調整契約制度については、本年一月の総合エネルギー調査会都市勢エネルギー部会報告に基づき、供給規程化を積極的に推進すること。
四 一般ガス事業者の自己の供給区域外への大口供給の実施に当たっては、その一般ガス事業者が不当に有利な立場を占めることとならないよう十分な審査を行うとともに、供給区域外における大口需要家への供給導管は、みだりに小口需要家に対するガス供給には使用せず、また、供給区域外に大口需要家への供給導管が敷設されているという理由をもって供給区域の拡張を行うことのないよう指導すること。
五 需要家のエネルギー選択の多様化を促進する見地から、一般ガス事業及び簡易ガス事業への新規参入の許可に際しては、供給先需要家の意向を最優先とし、その供給開始を速やかに実現するため、許認可事務の簡素化、迅速化を図ること。
また、大口供給について、一般ガス事業者以外の事業者によるガス事業への公平な参入を確保するため、託送制度の整備等を積極的に推進すること。
六 中小都市ガス事業者及び液化石油ガス販売事業者に対して、公平な競争条件の整備を図るとともに、その競争基盤を強化するため、政府として、税制、金融面での措置を含め、適切な合理化支援措置を検討すること。
また、液化石油ガス販売事業者が供給先六九戸以下の小規模導管供給を実施する場合についても、道路占有の特例措置等の支援措置を検討すること。
七 ガス事業における保安規制については、技術革新の動向等を踏まえ、適時適切に見直すとともに、ガス消費段階の事故をより低減するための安全確保策を徹底すること。
以上であります。
附帯決議案の内容につきましては、審査の経過及び案文によって御理解いただけるものと存じますので、詳細な説明は省略させていただきます。
何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
白
白
白川進#10
○白川委員長 起立総員。よって、本動議のとおり附帯決議を付することに決まりました。
この際、畑通商産業大臣から発言を求められておりますので、これを許します。畑通商産業大臣。
この発言だけを見る →この際、畑通商産業大臣から発言を求められておりますので、これを許します。畑通商産業大臣。
畑
白
白川進#12
○白川委員長 お諮りいたします。
ただいま議決いたしました両案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
この発言だけを見る →ただいま議決いたしました両案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
白
白
白川進#14
○白川委員長 次に、内閣提出、製造物責任法案を議題といたします。
これより趣旨の説明を聴取いたします。寺澤経済企画庁長官。
―――――――――――――
製造物責任法案
〔本号末尾に掲載〕
―――――――――――――
この発言だけを見る →これより趣旨の説明を聴取いたします。寺澤経済企画庁長官。
―――――――――――――
製造物責任法案
〔本号末尾に掲載〕
―――――――――――――
寺
寺澤芳男#15
○寺澤国務大臣 製造物責任法案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
製品に起因する事故から消費者を保護するためには、事業者、消費者双方の自己責任をも踏まえつつ、事故の防止及び被害の救済から成る総合的な施策を講じる必要があります。
製品の欠陥に起因する事故が発生した際の被害救済については、民法第七百九条に基づいて紛争解決が図られることとなっておりますが、同条は過失責任の原則に立っており、被害者は製造業者の過失の存在を立証しなければなりません。
しかしながら、大量生産・大量消費の現代社会においては、製品の安全性確保は製造業者に依存する度合いが高まってきており、被害者の円滑かつ適切な保護という観点から、製品関連事故の分野において過失責任の原則を修正し、欠陥責任の考え方による製造物責任制度を導入すべきであるとの指摘がなされるようになってまいりました。
製造物責任制度の導入については、社会経済への影響など幅広い観点からの検討が必要であることから、政府といたしましては、関係審議会等において鋭意検討を重ねてまいりましたが、同制度の法制化を進めるべきであるとの結論が得られましたので、本法案を提出することといたした次第であります。
次に、この法案の要旨を御説明申し上げます。
第一は、製造物責任の導入であります。具体的には、製造業者、輸入業者等が、みずから製造、加工、輸入または一定の表示をし、引き渡した製造物の欠陥により他人の生命、身体または財産を侵害したときは、過失の有無にかかわらず、これによって生じた損害を賠償する責めに任ずるものとすることであります。ただし、いわゆる拡大損害が生じていない場合における欠陥のある製造物自体の損害については、除外することとしております。
第二は、免責される場合を定めたことであります。具体的には、研究・開発及び技術革新の阻害の可能性に留意し、製造物を引き渡したときにおける科学または技術に関する知見によっては欠陥の存在を認識することができなかった場合に製造業者等を免責する開発危険の抗弁を認めるほか、一定の場合に部品・原材料製造業者の免責を認めることであります。
第三は、責任期間を定めたことであります。具体的には、製造業者等の責任を早期に安定させることや欧米諸国の動向等を考慮して、製造業者等が製造物を引き渡したときから十年間とし、蓄積損害等については、損害の性質に応じた被害者の救済を図る観点から期間の起算点を損害発生時とすることであります。
加えて、法の目的、欠陥の定義等を明らかにし、国民にとってよりわかりやすい法律となるよう所要の規定を置いております。
以上がこの法案の提案理由及びその要旨であります。
何とぞ、慎重御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。
この発言だけを見る →製品に起因する事故から消費者を保護するためには、事業者、消費者双方の自己責任をも踏まえつつ、事故の防止及び被害の救済から成る総合的な施策を講じる必要があります。
製品の欠陥に起因する事故が発生した際の被害救済については、民法第七百九条に基づいて紛争解決が図られることとなっておりますが、同条は過失責任の原則に立っており、被害者は製造業者の過失の存在を立証しなければなりません。
しかしながら、大量生産・大量消費の現代社会においては、製品の安全性確保は製造業者に依存する度合いが高まってきており、被害者の円滑かつ適切な保護という観点から、製品関連事故の分野において過失責任の原則を修正し、欠陥責任の考え方による製造物責任制度を導入すべきであるとの指摘がなされるようになってまいりました。
製造物責任制度の導入については、社会経済への影響など幅広い観点からの検討が必要であることから、政府といたしましては、関係審議会等において鋭意検討を重ねてまいりましたが、同制度の法制化を進めるべきであるとの結論が得られましたので、本法案を提出することといたした次第であります。
次に、この法案の要旨を御説明申し上げます。
第一は、製造物責任の導入であります。具体的には、製造業者、輸入業者等が、みずから製造、加工、輸入または一定の表示をし、引き渡した製造物の欠陥により他人の生命、身体または財産を侵害したときは、過失の有無にかかわらず、これによって生じた損害を賠償する責めに任ずるものとすることであります。ただし、いわゆる拡大損害が生じていない場合における欠陥のある製造物自体の損害については、除外することとしております。
第二は、免責される場合を定めたことであります。具体的には、研究・開発及び技術革新の阻害の可能性に留意し、製造物を引き渡したときにおける科学または技術に関する知見によっては欠陥の存在を認識することができなかった場合に製造業者等を免責する開発危険の抗弁を認めるほか、一定の場合に部品・原材料製造業者の免責を認めることであります。
第三は、責任期間を定めたことであります。具体的には、製造業者等の責任を早期に安定させることや欧米諸国の動向等を考慮して、製造業者等が製造物を引き渡したときから十年間とし、蓄積損害等については、損害の性質に応じた被害者の救済を図る観点から期間の起算点を損害発生時とすることであります。
加えて、法の目的、欠陥の定義等を明らかにし、国民にとってよりわかりやすい法律となるよう所要の規定を置いております。
以上がこの法案の提案理由及びその要旨であります。
何とぞ、慎重御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。
白
白
林
林義郎#18
○林(義)委員 本論に入ります前に、端的に一つ問題を取り上げて、お尋ねをいたしておきたい問題があります。
それは血液の問題でありますが、エイズの問題であるとか、いろいろ問題がやかましくなっているときであります。生血の輸血、保存された血液の輸血、血液製剤といろいろございますが、加工物になるかいろいろと議論があったところでありますけれども、本法案におきまして、これらの扱いについてはどういうふうにやっておられるのか。
また、血液事業というのは日本赤十字社がやっておられますけれども、この辺との調整の問題は一体どうか。この問題について、端的にまずお尋ねをいたしたいと思います。
この発言だけを見る →それは血液の問題でありますが、エイズの問題であるとか、いろいろ問題がやかましくなっているときであります。生血の輸血、保存された血液の輸血、血液製剤といろいろございますが、加工物になるかいろいろと議論があったところでありますけれども、本法案におきまして、これらの扱いについてはどういうふうにやっておられるのか。
また、血液事業というのは日本赤十字社がやっておられますけれども、この辺との調整の問題は一体どうか。この問題について、端的にまずお尋ねをいたしたいと思います。
田
田中健次#19
○田中(健)政府委員 お尋ねの血液製剤についてでございますが、これは血液に加工を加えました製品でありまして、そういうことから製造物に含まれまして、この製造物責任法の対象になるわけでございます。
ただし、輸血用の血液製剤、これは全血製剤とそれから血液の成分製剤をいうわけでございますが、この輸血用の血液製剤の欠陥につきましては、次に申し述べますような製品の特性等の事情を総合的に考慮をして判断する必要があるわけでございます。
その一つは、生命の危険に際して使用されるものでございまして、ほかに代替をする治療法がなくて、極めて有用性が高いというのが第一点。それから第二点は、輸血によりますウイルス等の感染や免疫反応等によります副作用が生ずるおそれがある旨の警告表示がなされております。それから三番目に、この輸血用の血液製剤は、世界最高水準の安全対策を講じた上で供給をされておりますが、技術的にウイルス感染や免疫反応等によります副作用の危険性を完全には排除できない、こういうような実情にあるわけでございます。
したがいまして、現在の科学技術の水準のもとで技術的に排除できないウイルス等の混入や免疫反応等による副作用は欠陥に該当しないものと考えております。
それから、現在、輸血用の血液製剤は日本赤十字社が公的な立場で一手に製造しておる、こんな状況でございます。
この発言だけを見る →ただし、輸血用の血液製剤、これは全血製剤とそれから血液の成分製剤をいうわけでございますが、この輸血用の血液製剤の欠陥につきましては、次に申し述べますような製品の特性等の事情を総合的に考慮をして判断する必要があるわけでございます。
その一つは、生命の危険に際して使用されるものでございまして、ほかに代替をする治療法がなくて、極めて有用性が高いというのが第一点。それから第二点は、輸血によりますウイルス等の感染や免疫反応等によります副作用が生ずるおそれがある旨の警告表示がなされております。それから三番目に、この輸血用の血液製剤は、世界最高水準の安全対策を講じた上で供給をされておりますが、技術的にウイルス感染や免疫反応等によります副作用の危険性を完全には排除できない、こういうような実情にあるわけでございます。
したがいまして、現在の科学技術の水準のもとで技術的に排除できないウイルス等の混入や免疫反応等による副作用は欠陥に該当しないものと考えております。
それから、現在、輸血用の血液製剤は日本赤十字社が公的な立場で一手に製造しておる、こんな状況でございます。
林
林義郎#20
○林(義)委員 この質問をやりたいのですが、同僚議員がやるという話でもありますし、私はこの問題はおいておきまして、一般論を少しやらせていただきたい、こう思います。
製造物責任は、欠陥を要件とする無過失責任とされているが、無過失責任の問題というのは民法学におきまして古くから議論されておったところであります。長い歴史を持った議論でありまして、民法の制定のときの梅謙次郎先生の中にもちょっと話が出ておる。また、大正五年に、岡松参太郎さんという先生がおられまして、大変難しい御勉強をしておられる。こんな厚い本がありまして、「無過失損害賠償責任論」というのがあります。その後、民法学者の中でもこの問題は非常にいろいろな角度から取り上げてきておられるところでありますし、先ほど提案理由の説明がありましたように、いろいろな問題があるということは事実であります。
そもそも、不法行為制度は、他人の行為や設備で損害を受けた場合に、その他人に帰責根拠があるときにその損害を償わせるものである。しかしながら、基本的にいいますと、近代法においては、これはローマ法以来の大原則であるところの「過失なければ責任なし」という言葉に示されておりますように、過失責任を原則としておるのが今までの体系であります。行為者は十分な注意を払う限り不法行為責任を負わされることなく、個人の自由な活動が保障される、これは近代社会の大原則だろうと私は思うのです。
しかし、同時に、一方で企業社会が進展し、また、科学技術が進歩するのに伴いまして、法律の指導原理も個人の自由な保障から社会共回生活全体の発展にシフトし、過失責任の原則も修正されるようになってきたというところでございます。企業の社会的責任ということもありまして、いろいろな問題がある。企業の社会的責任の中で、大企業の中におきますところの企業内部の問題、従業員の問題であるとかいろいろな社内におけるところの問題、それと同時に企業の対外的責任の問題、消費者等一般社会との関係というものが見直されるようになってきたというふうに私は思っておるところであります。前者の問題は、社会保障制度であるとか健康保険制度であるとかあるいは労働災害の問題であるとか、いろいろな問題があると私は思いますが、やはり対外的な問題というのはこの無過失賠償責任の問題が上がってくるのではないか、こう思っております。
そこで、それでは過失責任というものを全部やめてしまう、すべての分野で無過失責任としたり、結果が発生すればすべて加害者の責任というわけにはなかなかいかないと思います。個人の意思や活動の自由、それによって我々の生活の利便性は一方では増しておるが、この個人の意思や活動の自由と、社会に起こってくるところの損失をだれがどういうふうに負担するのが社会としていかなる形をとれば公平であるか、妥当であるかという二つの要請の兼ね合いについてどう考えるかという政策的な、むしろ政治家が判断しなければならないような問題であるというふうに私は考えておりますし、製造物責任につきましても、このような流れの中でとらえるべき問題であるというふうに思います。
昭和五十年の九月には、民法学の泰斗でありました我妻先生を中心にして、いわゆる要綱試案が発表されました。また、国民生活審議会におきましても、昭和五十年、五十一年、五十六年と三度にわたりまして報告を取りまとめ、平成三年の第十三次国民生活審議会、さらには通産省の産業構造審議会と、関係各省で本格的な検討が始まったものだというふうに承知しております。
こうして、言うところの製造物責任制度問題の本質についての認識、この問題につきましてまずどういうふうに考えているのか、若干法律論でありますから、法務省の方から御見解を賜りたい、こう思います。
この発言だけを見る →製造物責任は、欠陥を要件とする無過失責任とされているが、無過失責任の問題というのは民法学におきまして古くから議論されておったところであります。長い歴史を持った議論でありまして、民法の制定のときの梅謙次郎先生の中にもちょっと話が出ておる。また、大正五年に、岡松参太郎さんという先生がおられまして、大変難しい御勉強をしておられる。こんな厚い本がありまして、「無過失損害賠償責任論」というのがあります。その後、民法学者の中でもこの問題は非常にいろいろな角度から取り上げてきておられるところでありますし、先ほど提案理由の説明がありましたように、いろいろな問題があるということは事実であります。
そもそも、不法行為制度は、他人の行為や設備で損害を受けた場合に、その他人に帰責根拠があるときにその損害を償わせるものである。しかしながら、基本的にいいますと、近代法においては、これはローマ法以来の大原則であるところの「過失なければ責任なし」という言葉に示されておりますように、過失責任を原則としておるのが今までの体系であります。行為者は十分な注意を払う限り不法行為責任を負わされることなく、個人の自由な活動が保障される、これは近代社会の大原則だろうと私は思うのです。
しかし、同時に、一方で企業社会が進展し、また、科学技術が進歩するのに伴いまして、法律の指導原理も個人の自由な保障から社会共回生活全体の発展にシフトし、過失責任の原則も修正されるようになってきたというところでございます。企業の社会的責任ということもありまして、いろいろな問題がある。企業の社会的責任の中で、大企業の中におきますところの企業内部の問題、従業員の問題であるとかいろいろな社内におけるところの問題、それと同時に企業の対外的責任の問題、消費者等一般社会との関係というものが見直されるようになってきたというふうに私は思っておるところであります。前者の問題は、社会保障制度であるとか健康保険制度であるとかあるいは労働災害の問題であるとか、いろいろな問題があると私は思いますが、やはり対外的な問題というのはこの無過失賠償責任の問題が上がってくるのではないか、こう思っております。
そこで、それでは過失責任というものを全部やめてしまう、すべての分野で無過失責任としたり、結果が発生すればすべて加害者の責任というわけにはなかなかいかないと思います。個人の意思や活動の自由、それによって我々の生活の利便性は一方では増しておるが、この個人の意思や活動の自由と、社会に起こってくるところの損失をだれがどういうふうに負担するのが社会としていかなる形をとれば公平であるか、妥当であるかという二つの要請の兼ね合いについてどう考えるかという政策的な、むしろ政治家が判断しなければならないような問題であるというふうに私は考えておりますし、製造物責任につきましても、このような流れの中でとらえるべき問題であるというふうに思います。
昭和五十年の九月には、民法学の泰斗でありました我妻先生を中心にして、いわゆる要綱試案が発表されました。また、国民生活審議会におきましても、昭和五十年、五十一年、五十六年と三度にわたりまして報告を取りまとめ、平成三年の第十三次国民生活審議会、さらには通産省の産業構造審議会と、関係各省で本格的な検討が始まったものだというふうに承知しております。
こうして、言うところの製造物責任制度問題の本質についての認識、この問題につきましてまずどういうふうに考えているのか、若干法律論でありますから、法務省の方から御見解を賜りたい、こう思います。
升
升田純#21
○升田説明員 製造物責任制度の問題につきましては、委員御指摘のとおり、非常に重要な政策問題であると考えております。
まず、先ほど御紹介のありました民法が採用しております過失責任主義と申しますのは、明治三十一年施行の民法により採用されまして、ほぼ百年を経過しております。その大原則をこの製造物責任制度が変更するという内容になっておりまして、そういう意味で非常に重要な問題であろうと考えられるわけでございます。
そもそも製造物責任制度が、製品関連事故につきまして、製造業者等の過失を要件としないで、当該製造物の欠陥を責任原因としまして製造業者等に損害賠償義務を負わせるということにいたしましたのは、大量生産・大量消費という現代社会におきまして、製品の安全性の確保は、製品につきましての知識あるいはその技術を製造業者が独占し、それに依存しているという度合いが非常に高いということ、製品の利用者は製造業者等が製品の安全性を確保しているということを信頼してその製造物を利用しているということ、あるいは製造業者等がその製造物の製造等によりまして利益を得ているものであるという実情を踏まえまして、製造物の欠陥によりまして損害が発生しました場合にはその損害を製造業者等に負担させ、被害者の円滑かつ適正な救済を図ることが適切であるというぐあいに考えられてきたからでございます。
しかし、他方、先ほど申し上げましたように、過失責任制度におきます個人の意思あるいは活動の自由の保障、重要な問題の調整が必要であるというぐあいに考えられるわけでございます。
この発言だけを見る →まず、先ほど御紹介のありました民法が採用しております過失責任主義と申しますのは、明治三十一年施行の民法により採用されまして、ほぼ百年を経過しております。その大原則をこの製造物責任制度が変更するという内容になっておりまして、そういう意味で非常に重要な問題であろうと考えられるわけでございます。
そもそも製造物責任制度が、製品関連事故につきまして、製造業者等の過失を要件としないで、当該製造物の欠陥を責任原因としまして製造業者等に損害賠償義務を負わせるということにいたしましたのは、大量生産・大量消費という現代社会におきまして、製品の安全性の確保は、製品につきましての知識あるいはその技術を製造業者が独占し、それに依存しているという度合いが非常に高いということ、製品の利用者は製造業者等が製品の安全性を確保しているということを信頼してその製造物を利用しているということ、あるいは製造業者等がその製造物の製造等によりまして利益を得ているものであるという実情を踏まえまして、製造物の欠陥によりまして損害が発生しました場合にはその損害を製造業者等に負担させ、被害者の円滑かつ適正な救済を図ることが適切であるというぐあいに考えられてきたからでございます。
しかし、他方、先ほど申し上げましたように、過失責任制度におきます個人の意思あるいは活動の自由の保障、重要な問題の調整が必要であるというぐあいに考えられるわけでございます。
林
林義郎#22
○林(義)委員 今基本的なお話が法務省の方からありましたが、先ほど申しましたように長い歴史のある問題でございます。そういった経緯につきまして企画庁長官にお伺いしたいのですが、まず、我妻先生の要綱試案の特色と評価につきましてどういうふうに考えておられるのか。あの発表時の状況と、その後やはり二十年間の判例というものがあるわけでありますから、その辺の判例の進展について触れていただければありがたいなと思います。
この発言だけを見る →寺
寺澤芳男#23
○寺澤国務大臣 製品関連事故の損害賠償につきましては、やはり現代社会にふさわしい責任原理が必要であり、その際、個人の意思や活動の自由の保障と損害の公平な分担という二つの要請の兼ね合いをどう考えるかが基本的な視点であるという点において、先生の御意見と同じような認識を私も持っております。こうした視点のもとで、平成三年以来長きにわたって幅広い観点から本問題の検討に携わってこられた先生の御高見に感服をいたしております。
今の後段の先生の御質問につきましては、事務当局からお答えさせていただきます。
この発言だけを見る →今の後段の先生の御質問につきましては、事務当局からお答えさせていただきます。
坂
坂本導聰#24
○坂本(導)政府委員 ただいま委員の御指摘のありました我妻先生が中心におまとめになりました要綱試案でございますが、これは昭和五十年という早い時期に、大量生産あるいは大量消費の現代社会における消費者の円滑かつ適切な救済という観点から、製品関連事故の分野における損害賠償責任について過失責任の原則を修正し、欠陥責任を導入するという考え方を取りまとめ、我が国で初めて具体的な条文の形で発表されたものであると理解しております。
この発言だけを見る →林
林義郎#25
○林(義)委員 あの我妻さんの要綱試案は、拝見しますと、いわゆる開発危険の抗弁の問題であるとかいうものは入れない。それからまた、法律上の推定の問題なんかも相当踏み込んだお話がその中にはしてあると思うのです。そういったような違いはいろいろあると思いますが、こうしたことが二十年前にされた。私は、その後の状況を見ますと、やはりいろいろなことを考えていかなければならないと思うのです。
まず第一に考えていかなければならないのは、言われていますのは、アメリカにおけるところの製造物責任が非常に巨大なものであった、大変なものであったということでございまして、日本でもその辺を懸念しているところがあると思います。アメリカでは、一九六三年、カリフォルニア州の最高裁で厳格責任が採用されて以来、六〇年代後半から七〇年代半ばにかけて各州の裁判所で採用されるようになってきましたが、一方で、七〇年代と八〇年代の半ばに二度にわたっていわゆる製造物責任危機というものがあったわけであります。訴訟件数が、連邦地裁ベースでいいますと、七四年の千五百七十九件が八五年には一万三千五百五十四件と、七倍も八倍もふえてきた。賠償額も増加し、また、そういった損害賠償制度がありますから、保険でもってこれを引き受ける、こういうことである。ところが、とてもじゃない、保険会社も引き受けができないので、引き受け停止をするというような形になりましたり、一部製品の生産停止等が起こってきたところであります。
寺澤さんはアメリカに長くおられましたから、アメリカでの御経験も豊富でありますし、そういったことを踏まえましてどういうふうに受けとめておられるのか、端的にお尋ねをいたしたい、こう思います。
この発言だけを見る →まず第一に考えていかなければならないのは、言われていますのは、アメリカにおけるところの製造物責任が非常に巨大なものであった、大変なものであったということでございまして、日本でもその辺を懸念しているところがあると思います。アメリカでは、一九六三年、カリフォルニア州の最高裁で厳格責任が採用されて以来、六〇年代後半から七〇年代半ばにかけて各州の裁判所で採用されるようになってきましたが、一方で、七〇年代と八〇年代の半ばに二度にわたっていわゆる製造物責任危機というものがあったわけであります。訴訟件数が、連邦地裁ベースでいいますと、七四年の千五百七十九件が八五年には一万三千五百五十四件と、七倍も八倍もふえてきた。賠償額も増加し、また、そういった損害賠償制度がありますから、保険でもってこれを引き受ける、こういうことである。ところが、とてもじゃない、保険会社も引き受けができないので、引き受け停止をするというような形になりましたり、一部製品の生産停止等が起こってきたところであります。
寺澤さんはアメリカに長くおられましたから、アメリカでの御経験も豊富でありますし、そういったことを踏まえましてどういうふうに受けとめておられるのか、端的にお尋ねをいたしたい、こう思います。
寺
寺澤芳男#26
○寺澤国務大臣 先生御指摘のとおりでありまして、アメリカにおいては製造物責任訴訟が非常に多いわけであります。七〇年代半ば及び八〇年代半ばの二度にわたって保険料が急に上がりまして、一部では保険会社が引き受けない、引き受け拒否も発生しております。いわゆる製造物責任危機ないしは保険危機として深刻な問題が生じたと言われております。これは懲罰的賠償制度であるとか陪審制度あるいは弁護士成功報酬制度など、アメリカ独特の民事司法上の制度によるところが非常に大きいのではないかと私は認識しております。
この発言だけを見る →林
林義郎#27
○林(義)委員 今お話がありましたように、アメリカで大変な大きな問題になってきている。今アメリカの議会でも、これだけのことをやっているのは少し行き過ぎではないか、少し修正をしていかなければならないのではないかという形で議員の中から提案をしていますが、アメリカの訴訟社会ではなかなかうまくいかないということも聞いておるところであります。
それで、今お話がありましたが、民事におけるところの陪審制度、これはアメリカの憲法がありますから、アメリカで陪審制度をやめろというわけにはなかなかいかないのだろう、私はこう思いますが、我々から見ると、陪審という形でやるのはやはり問題がある。裁判というものはやはり公正な形での判断を下すということですから、それにふさわしいような形にやってもらうということが必要ではないか。陪審で、順番で、くじでもってこうやって判断をする。それは確かにアトランダムでやればそういった方は出るかもしれませんが、やはりおのずから知識のある方に判断をしてもらう、常識のある方に判断をしてもらうというのが裁判の本質だろう、こう思います。また、そういったような点から問題がありますが、日本ではこういったことを一体どういうふうに考えるのか。
それから、お話がありましたように、懲罰的損害賠償制度というのがアメリカにありまして、日本では出たところの損害を賠償する、こういうことがありますが、それを懲罰的にやる。例えば、独禁法なんかも被害額のあったところのものの三倍をやれとかなんとかというような話がありましたり、また、弁護士の成功報酬制度などという形で大変巨額の弁護士報酬が出てくる。これは、一つにはやはりアメリカに弁護士が非常に多いということにもなるのかもしれません。訴訟社会でありますから、お互い弁護士が競争してやっていく、こういうふうなことでありますけれども、こうしたようなこともいろいろとあると私は思いますが、これにつきまして我が国では一体どういうふうに考えてやるのか。
そういったような問題について、アメリカとの対比を中心にしながら、法務省の方から御説明いただければありがたいと思います。
この発言だけを見る →それで、今お話がありましたが、民事におけるところの陪審制度、これはアメリカの憲法がありますから、アメリカで陪審制度をやめろというわけにはなかなかいかないのだろう、私はこう思いますが、我々から見ると、陪審という形でやるのはやはり問題がある。裁判というものはやはり公正な形での判断を下すということですから、それにふさわしいような形にやってもらうということが必要ではないか。陪審で、順番で、くじでもってこうやって判断をする。それは確かにアトランダムでやればそういった方は出るかもしれませんが、やはりおのずから知識のある方に判断をしてもらう、常識のある方に判断をしてもらうというのが裁判の本質だろう、こう思います。また、そういったような点から問題がありますが、日本ではこういったことを一体どういうふうに考えるのか。
それから、お話がありましたように、懲罰的損害賠償制度というのがアメリカにありまして、日本では出たところの損害を賠償する、こういうことがありますが、それを懲罰的にやる。例えば、独禁法なんかも被害額のあったところのものの三倍をやれとかなんとかというような話がありましたり、また、弁護士の成功報酬制度などという形で大変巨額の弁護士報酬が出てくる。これは、一つにはやはりアメリカに弁護士が非常に多いということにもなるのかもしれません。訴訟社会でありますから、お互い弁護士が競争してやっていく、こういうふうなことでありますけれども、こうしたようなこともいろいろとあると私は思いますが、これにつきまして我が国では一体どういうふうに考えてやるのか。
そういったような問題について、アメリカとの対比を中心にしながら、法務省の方から御説明いただければありがたいと思います。
升
升田純#28
○升田説明員 製造物責任制度の抱えております大きな問題の一つといたしまして、米国におきまして製造物責任危機と言われる問題が生じていると指摘されております。そして、その原因といたしましては、御指摘のような米国特有の陪審裁判制度、懲罰賠償制度あるいは弁護士の成功報酬制度というのが大きな原因だと指摘されているわけでございます。
これに対しまして、我が国においてはどうかと申しますと、陪審裁判というのは行われておりませんし、また、損害賠償におきましても懲罰的賠償制度というのも採用されておりませんし、弁護士報酬制度というものも米国におけるような形では存在してないということになっております。したがいまして、製造物責任制度を導入いたしましても、我が国において米国におけるような問題が生ずるおそれはないと考えております。
この発言だけを見る →これに対しまして、我が国においてはどうかと申しますと、陪審裁判というのは行われておりませんし、また、損害賠償におきましても懲罰的賠償制度というのも採用されておりませんし、弁護士報酬制度というものも米国におけるような形では存在してないということになっております。したがいまして、製造物責任制度を導入いたしましても、我が国において米国におけるような問題が生ずるおそれはないと考えております。
林
林義郎#29
○林(義)委員 次に、アメリカの問題を挙げましたけれども、ヨーロッパの方の事情はどういうふうになっているのか、御説明をいただきたいと思います。
アメリカがそういうふうになりましたし、ヨーロッパ各国、それぞれあります。アメリカと同じような英米法の国、イギリスはそうでありますが、判例法の国でのイギリスの扱い方。それから、大陸法でも独法と仏法と違いますし、先ほど申しました岡松先生の話なんかも、フランス法の中での考え方を少し取り入れてやるというふうな話がありますが、やはり各国の法制にはそれぞれ違いがあるわけであります。違いがありますが、その中でやはりヨーロッパ共通の事項としてのECというようなものがありますから、EC指令も出ている。こういったような制度はヨーロッパではどういうふうになっているのか、状況につきまして御説明ください。
この発言だけを見る →アメリカがそういうふうになりましたし、ヨーロッパ各国、それぞれあります。アメリカと同じような英米法の国、イギリスはそうでありますが、判例法の国でのイギリスの扱い方。それから、大陸法でも独法と仏法と違いますし、先ほど申しました岡松先生の話なんかも、フランス法の中での考え方を少し取り入れてやるというふうな話がありますが、やはり各国の法制にはそれぞれ違いがあるわけであります。違いがありますが、その中でやはりヨーロッパ共通の事項としてのECというようなものがありますから、EC指令も出ている。こういったような制度はヨーロッパではどういうふうになっているのか、状況につきまして御説明ください。