永井紀昭の発言 (法務委員会)

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○永井(紀)政府委員 ただいま委員御指摘のとおり、憲法第七十九条第六項と憲法第八十条第二項によりますと、裁判官は定期に相当額の報酬を受けるものとされておりまして、「この報酬は、在任中、これを減額することができない。」こういう規定になっております。また、裁判所法第四十八条におきましても、裁判官はその意思に反して報酬の減額をされることはないというふうにされているわけでございます。
 これらの規定の趣旨と申しますのは、個々の裁判官に安定した一定額の報酬を保障することによりまして、裁判官が経済的事情に左右されることなくその職務に専念できるようにしようとするものでございまして、裁判官の身分保障を具体化し、ひいては司法の独立を保障しようとするものである、こういうふうに解されているわけでございます。
 このような憲法の趣旨から今回の裁判官の介護休暇制度について見ますと、この介護休暇制度は、裁判官がその家族を介護するために職務に従事しないことを認める休暇制度でありますが、介護休暇制度そのものは、民間労働者に普及しているのみならず、今回一般職の国家公務員にも同様の法整備が予定されているなど、勤労者に退職せずに相当期間にわたって家族の介護に専念できるという、いわば恩恵的な地位を与える無給の休暇制度として社会的にも確立されたものと考えられます。このような制度を利用する裁判官がいわばその自由意思に基づきまして職務から離脱して無報酬の状態になるものでございまして、これが例えば外部の判断で、あるいは圧力によって左右されるというものではございません。したがいまして、このような介護休暇制度を裁判官に導入いたしましても、裁判官が職務に専念することを脅かすおそれはございませんし、その独立性を侵害するおそれもないということが言えようかと思います。
 こういうことで憲法に違反するものではないと考えられるわけでございますが、ちなみに、実はこの点は、平成三年の裁判官の育児休業に関する法律の制定の際も議論がございまして、育児休業の期間中裁判官は報酬等を受けないとするということになっておりまして、この点は国会等でも御論議をいただいたところでございまして、この点につきましても、国会の方では憲法に違反するものではないと解されているところでございます。

発言情報

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発言者: 永井紀昭

speaker_id: 18191

日付: 1994-06-07

院: 衆議院

会議名: 法務委員会