中川秀直の発言 (予算委員会)

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○中川(秀)委員 議論にしようとは思わぬのですが、やはり私は政治家が国民を過小評価してはいかぬと思うのです。また、国民も政治を過小評価したら、政治がなければどうなりますか。どんどんどんどん官僚の皆さんがお進めになっていって、これが必ずしも民意を反映しないことだってある。政治というのは極めて重要だという、自分たちの問題で考えていかなければ政治なんかよくなるわけない。
 同じように我々も、国民はこれだけもう賢いんだという判断でいろいろなそういう工夫をしていかないと、我々の政治としての権威もなくなるし、発展もないわけですよ。そういう意味で私は、首相公選もやるべきだということをかねて言っておりますし、それからまた、国民投票も、それから首相公選で選ばれた総理が役所の局長以上はポリティカルポインティーにすべきだ、こういう考え方を持っております。これは役所のOBも含めて任命する、広く民間からも任命する、そういう考え方を持っています。これは、いずれまた改めてゆっくり御議論をさせていただきたいと思います。
    〔後藤委員長代理退席、委員長着席〕
 時間がもう本当になくなってきてしまったのですが、消費税についてもいろいろお伺いしたいことが山ほどあるんです。もう時間がない。ともかく、直間比率ということは言っていませんとか、大蔵大臣の御答弁を聞いても随分変わってきたなという感じも多少するんですが、いろいろ審議のこともお聞きいただいて、直接税に法人税が入っておる問題とかいろいろな議論がここでもなされました。日本は直接税、決して高くないんだよという議論も行われました。
 いろいろな議論がありまして、この機械的試算も税の自然増収が入っておりませんね。それから、消費税の増収、我々は大体一%で二兆三千七百億と計算していたのですが、この計算によると少し下がってきておるのですね、この試算の数字は。その辺の御説明もいただかなければならぬなということやら、あるいはまた、先に増税ありきということではないということなんですが、ともかく、ここに使われている福祉ビジョンということが盛んに使われておるわけですけれども、これについてももうさまざまな議論がなされています。私も全くそうだな、こう思いますよ、福祉ビジョンの積算根拠というのは極めてあいまいですわ。厚生大臣、ちょっとお聞きになりますか。
 ともかく、九三年度で十七兆円だった公費負担が一挙に五兆五千億急増するケースを予想しておるわけですよ、これは。一挙に五兆五千億。そうでしょう。
 そして、その中身を見ると、例えば高齢者対策の公費負担増は三兆円、これに対して児童対策が四兆円、児童優先の内容であります。これはいいんです。ただし、その具体的な中身というと、ゼロ歳児の三分の一と一、二歳児の三分の二を保育園に収容する、小学生低学年の三分の二が放課後児童クラブを利用する、こんな社会像、家庭像なんですよ。そんなことは今までの日本の社会の、私ども子を持つ親としてイメージしてきたものを全く一新する内容ですわ。こういうことのための増税だったら、もうなおさら反対するという納税者だって出てこないとは限らない。
 それから、ともかく大ざっぱな試算であるということはいろいろあるのですね。成長率を五%と計算しておるが、果たしてそうなのか。これは年金制度でも、三十年間で運用利回りが一%違えば掛金は二割違いますよ。そういうこともありますよ。総合的に見ないと。
 それから、まあともかく、いろいろ保母さんや老人ホームの寮母さんを増員して、一人で三人のお年寄りをお世話することができるようになれば、それだけ現在介護を負担している三十万人の専業主婦なんかは別の仕事ができるということもあるんですね。それはいいことですよ。しかし、そうなってくると、その三十万人が支払う税金や社会保険料で、さらに十万人程度の福祉事業従事者の給料が払えるかもしれません。そういうことだってあり得ますよ、経済ですから、すべてに関連していくわけですから。そういう計算まで入っているかどうかですよ。私は幾ら読んでもわかりませんでした。
 それから、週一、二回のホームヘルパーのサービスを週三、四回にしたいということになれば、一人当たりにかける時間にもよりますけれども、ホームヘルパー二十五万人ぐらい要る。そのようなマンパワーが果たして大丈夫なのかということもある。
 私の知っている人がオーストラリアへ行きました。そして、二十五万ぐらいの都市へ行きました。人口の約一%がやはり要介護対象の高齢者なんですよ。だから、二千五百人ね、二十五万人で。そのうち約千人ぐらいは公的な施設なんです。あと千五百人は在宅なんですよ。それに対して何人の体制でやっているかといいますと、大体六十人ぐらいの体制なんです、ホームヘルパーが、二十五万人で。一人が大体二十五軒なんです。毎日一回行くんです、そのかわり。一人が二十五軒持っているんです、ホームヘルパーが、毎日。
 ただし、一軒の家へ行くのは二十分なんです。入浴指導と保健指導だけです。炊事、洗濯、掃除はしないんです。炊事、洗濯、掃除のヘルパーはだれがやるか。市民なんですよ。市の給食センターで学童につくる食事と一緒にお年寄りの在宅の千五百人の食事をつくるんです。市民が一人十軒持って、ホットプレートで配達するんです。そういうシステムだってやっている。そして、掃除もボランティア、それもボランティア。あすは我が身、親も世話になった、自分も我が身だとやっているんです。そんな福祉社会を築いていくということの中に初めて国民の理解が得られるので、またそうでなければ、日本の発展もない。
 もう時間が参りました。きょうは言いっ放しで終わります。真剣に考えてください。

発言情報

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発言者: 中川秀直

speaker_id: 765

日付: 1994-06-08

院: 衆議院

会議名: 予算委員会