熊代昭彦の発言 (厚生委員会)

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○熊代委員 経済の運営をしっかりしていただければ、年金制度は将来にわたって今度の改革で大丈夫な礎石が敷かれるというふうに思います。私自身といたしましては、やはり一ドルを購買力平価に近い百二十円前後に押し戻すというような思い切った需要喚起対策が必要であると思います。
 そういうことも考えていただきまして、経済がまた幸いにして回復しまして景気過熱ぎみになるというようなときには、思い切った行財政改革で支出を減らしても、そこから必要ならば消費税を上げるというようなことでも、立派に経済は運営できるわけでございますので、そういう観点からしっかりした経済運営をしていただきまして、年金の安定にも資していただきたいというふうに思うわけでございます。
 次に、年金の支給開始年齢につきまして、一、二のことをお伺いいたしたいと思います。
 我が国の定年は、これは企業ごとの定年でございまして、実際に働く年齢とは違いますけれども、六十歳に今近づきつつある。しかし、我が国よりもはるかに雇用状況の悪いヨーロッパ各国、アメリカは大体六十五ぐらいであるということでございまして、これにつきまして二〇〇一年から一三年までかけて六十五歳にするという案が盛り込まれておりまして、これは非常に卓見であると思うのです。
 なぜ卓見であるかと申し上げますと、年金は、掛金に応じまして、貢献に応じまして、そして世代間扶養を加えまして支給されるものではありますけれども、それとともに、退職後の所得を補うというものでございますので、ある意味で、その年齢が来れば退職していただくということですね。フル年金が出ますと退職していただく、こういうシステムでございます。年金制度が六十であれば、六十を超えて雇用を続けていこうという企業はまずあらわれないということでございまして、これはやはり定年を延ばす、何らかの意味で、再雇用も含めて延ばしていくというためには、年金の支給開始年齢そのものが上がってこなければいけないのだといういわば逆の発想があると思うのです。
 鶏が先か、卵が先かという話がございますが、現在ちょっと雇用情勢が悪くなっておりますので、どうも年金の支給開始年齢と定年と乖離するのじゃないか、そういう心配が非常に大きくなっておりまして、今回も別個の給付が入れられておりますけれども、六十歳から六十五歳ないしは六十一歳の間に入れられておりますけれども、我々は非常な不確定情報下に行動しておるわけでございますから、スペースシャトルを打ち上げるような正確な計算で物事をやっているわけではございませんので、みずからの利益のためにと思って考えることがかえってみずからの利益にならないということもあるわけですね。みずからの団体の利益のためというふうに思っていることもみずからの団体の利益にならないということもありまして、私自身はこの例はそれに非常に近い例だというふうに思います。
 人口構成からいいまして、若者の数がこれから著しく減ってくる。二十歳に達する人の数をはかりますと、年々五万とか七万とか減ってくるわけですね。そういう意味で、若年労働力が非常に減るという中で、もし制度的制約さえなければ定年というのはどんどんどんどん上がっていくんじゃないかというふうに思います。それには年金がやっぱり先取りして目標を定めていかなければならないということでございます。目標を定めればそれに応じていく。
 一番困るのは、私はやっぱり経営者の方だなと思いますね。経営者の方は、ある年齢で高い給料の人にやめていただいて、それで若い人を雇った方が有利であるということでございますが、経営団体の方はそれでもやる、労働力状況から見てやらざるを得ない、それから保険料負担から見てもやらざるを得ないという二重のことでやると言っておられますので、労働組合を代表される方々にもぜひよろしくお考え願いたいと思いますけれども、そういう半面があると思います。
 私自身は、ですから、まず人口の構造の移り変わりに従いまして年金の支給年齢を動かす計画を立てる、今回の改正が非常にいい線をいっていると思いまして、さらにこれを延ばすとか、二〇一三年になりましてもさらに延ばすというのはかえってマイナスになるんじゃないか、労働者のためのマイナスになるんじゃないか、そういうような考えを持っているわけでございますが、この点に関しまして労働省さんのお考えをお伺いしたいと思います。

発言情報

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発言者: 熊代昭彦

speaker_id: 28976

日付: 1994-10-21

院: 衆議院

会議名: 厚生委員会