厚生委員会

1994-10-21 衆議院 全344発言

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会議録情報#0
平成六年十月二十一日(金曜日)
    午前九時五分開議
出席委員
  委員長 岩垂寿喜男君
   理事 衛藤 晟一君 理事 木村 義雄君
   理事 鈴木 俊一君 理事 戸井田三郎君
   理事 井上 喜一君 理事 石田 祝稔君
   理事 山本 孝史君 理事 網岡  雄君
      荒井 広幸君    岸田 文雄君
      岸本 光造君    熊代 昭彦君
      近藤 鉄雄君    志賀  節君
      塩崎 恭久君    住  博司君
      田中 直紀君   田野瀬良太郎君
      高橋 辰夫君    竹内 黎一君
      長勢 甚遠君    根本  匠君
      藤本 孝雄君    堀之内久男君
      松下 忠洋君    山口 俊一君
      青山 二三君    井奥 貞雄君
      岩浅 嘉仁君    小沢 辰男君
      岡田 克也君    野呂 昭彦君
      福島  豊君    桝屋 敬悟君
      矢上 雅義君    柳田  稔君
      吉田  治君    米田 建三君
      金田 誠一君    五島 正規君
      土肥 隆一君    森井 忠良君
      三原 朝彦君    岩佐 恵美君
 出席国務大臣
        厚 生 大 臣 井出 正一君
 出席政府委員
        厚生大臣官房長 山口 剛彦君
        厚生大臣官房総
        務審議官    太田 義武君
        厚生省社会・援
        護局長     佐野 利昭君
        厚生省老人保健
        福祉局長    阿部 正俊君
        厚生省児童家庭
        局長      佐々木典夫君
        厚生省保険局長 岡光 序治君
        厚生省年金局長 近藤純五郎君
        社会保険庁運営
        部長      横田 吉男君
 委員外の出席者
        経済企画庁調整
        局調整課長   野村  誠君
        大蔵大臣官房調
        査企画課長   坂  篤郎君
        大蔵省主計局共
        済課長     松川 忠晴君
        文部省高等教育
        局学生課長   北村 幸久君
        労働省職業安定
        局高齢・障害者
        対策部企画課長 太田 俊明君
        建設省住宅局住
        宅建設課長   那珂  正君
        厚生委員会調査
        室長      市川  喬君
    ―――――――――――――
委員の異動
十月二十一日
 辞任         補欠選任
  小野 晋也君     松下 忠洋君
  近藤 鉄雄君     志賀  節君
  塩崎 恭久君     田中 直紀君
  根本  匠君     岸田 文雄君
  堀之内久男君     岸本 光造君
  塚田 延充君     吉田  治君
同日
 辞任         補欠選任
  岸田 文雄君     根本  匠君
  岸本 光造君    田野瀬良太郎君
  志賀  節君     近藤 鉄雄君
  田中 直紀君     塩崎 恭久君
  松下 忠洋君     小野 晋也君
  吉田  治君     塚田 延充君
同日
 辞任         補欠選任
  田野瀬良太郎君    堀之内久男君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 国民年金法等の一部を改正する法律案(内閣提
 出、第百二十九回国会閣法第二六号)
     ――――◇―――――
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岩垂寿喜男#1
○岩垂委員長 これより会議を開きます。
 第百二十九回国会、内閣提出、国民年金法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。熊代昭彦君。
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熊代昭彦#2
○熊代委員 岡山一区選出の熊代昭彦でございます。国民年金法等の一部を改正する法律案につきまして質問をさせていただきます。
 今回の年金改正は、御承知のように、現在の年金世代の年金の充実をする、そして、将来の年金、現在の若者の方々の年金を安定させる、老後生活の柱としての年金を安定したものとして確保するというために、歴史的な大きな改正であるというふうに私は思うわけでございますけれども、最初に、これにつきまして厚生大臣の御所感をお伺いいたしたいと思います。
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井出正一#3
○井出国務大臣 公的年金制度は、長期にわたる国民の老後生活の基本的部分を確実に支えていくことが強く要請されておりまして、将来にわたり長期的に安定した制度を確立していくことが課題であります。
 今回の改正案は、今後人口の急速な高齢化等が見込まれる中で、活力ある長寿社会の実現に向けて、高齢者の雇用を促進していくとともに、年金制度もこれと連携のとれた仕組みとすること、また、将来の現役世代の負担が過重なものとならないよう給付と負担のバランスを図ることという観点から、制度全般にわたり必要な見直しを行うものであります。
 このように、今回の改正は、二十一世紀の超高齢社会にふさわしい制度とするため不可欠なものでありますとともに、六十歳代前半の年金の見直し、ネット所得スライド制の導入等の内容を含む画期的なものでございます。年金制度の安定のために大きな意味を持つ改正と考えております。
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熊代昭彦#4
○熊代委員 大臣もただいまおっしゃいましたように、大変に大きな改正であると思います。人口が急速に高齢化する中で、生まれてくる子供の数は非常に減っている、超高齢社会を迎えるというような状況の中で、今保険料を払っていても自分の年金は将来本当にもらえるのだろうかというようなつぶやきが若者の間に聞かれるような昨今でございます。
 私も初めての選挙を戦わせていただきまして、厳しい状況ではあるけれども、しっかりとした改正をやっていけば、良薬口に苦いという面もあるかもしれないけれども、しっかりとした改正をやっていけば、これは絶対心配ないんだ。特に私は、私ごとで恐縮でございますが、年金の熊代、こう銘打たせていただきまして、年金の熊代、福祉の熊代ということで選挙を戦わせていただきました。私が当選すれば年金は絶対に大丈夫だ、しかし、万一私が落選したら年金は危ないかもしれないと申し上げておりました。
 しかし、これは冗談三分で本気七分というようなつもりでやってきたわけでございますが、私ばかりではなくて、この改正に携わられました厚生大臣初め事務当局の方々、そして前連立政権の方々も、この中身について本当に御苦労いただいたと思います。それから、新しい我々の政権につきましても、本当にこれにかかわった方々は、歴史的な重大な年金の確保のために大きな働きをされたのではないかというふうに思っているわけでございます。そういう意味で、現在の厚生委員の先生方が万一落選されるようなことがありますと、本当に年金は危ないというような気もいたすわけでございます。
 一つ一つの中身に触れることは、既に周知の事実が多いわけでございますので省略させていただきますが、重点的なことについて少しお伺いいたしたいと思います。
 議論の本論に入る前に、この中身について、超高齢化社会の雇用状況に合わせて思い切った改正をするということでございます。これは、ある意味では厳しく見えるわけでございますけれども、それとともに、例えば、女性に対しまして育児休業をとるという場合に保険料を免除する、そういう中身も含まれておりまして、これは実は非常に大きな中身ではないかと思います。
 それで、事務当局にお伺いいたしたいのですけれども、この保険料の免除、平均的には大体一月に幾らぐらいになるのでございましょう。
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近藤純五郎#5
○近藤(純)政府委員 何の免除料ですか。ちょっと……(熊代委員「健康保険料と、あと厚生年金保険料」と呼ぶ)ちょっとお待ちください。申しわけございません。
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熊代昭彦#6
○熊代委員 詳しい数字は後ほどお伺いしたいと思いますが、平均月額二万円ちょっとになるはずでございます。そういう大きな改正もあるということでございまして、極めて前向きな改正も繰り込んでいただいているわけでございます。
 そういう基本的な認識の上に立ちまして、しかし、この時点におきまして、改正でございますから一挙にすべての改正をやることはできないということでございますので、一歩一歩前進していくという意味で、現時点での改正の中身を確認するとともに、将来まだ検討するべき事項ということもあわせてお伺いしたいと思います。
 一つは、改正そのものに関係ございませんが、年金と経済運営の関係についてでございますけれども、将来の年金が大丈夫か。制度的には大丈夫な工夫がこの中に含まれているわけでございますけれども、しかし、経済が例えば破綻した場合に、経済運営が破綻した場合に年金だけが大丈夫、福祉だけが大丈夫ということはないわけでございまして、これはしっかりした経済運営を私どもはやっていかなければならないということでございますしっかりとした経済運営をすることが年金財政の前提条件であります。
 それで、現在景気にやや明るさが見えてきたものの、やはりまだまだ中小企業の設備投資は出てこないとか、経済について大変不安がございます。一ドルは百円を割ってしまった。円が強くなり過ぎまして、購買力平価ですと百二十数円、百二十円ちょっとと言われておりますけれども、それと大きく乖離してきたということがございます。
 それで、年金との関係でやや不安に思うことは、大蔵省というのは問題でございましょうけれども、大蔵省を中心に政府の経済対策というのは、公共事業について大いに増していく、公共事業をふやす、しかし、その他の経費は年々厳しく絞っていくということでございまして、ことしも経常経費は一〇%の削減というようなことでございます。
 しかし、公共投資優先というのは、一つはこれは需要創出効果が高い。モデルでいえば一・四倍の需要創出効果があるというようなことでございます。乗数一・四だ。一般的な経費はそうではない、一ちょっとだろうというようなことでございました。それからもう一つは、公共事業は将来に資産を残すというようなことでございましょうけれども、モデル自身が、例えば土地買収に大変時間がかかる、そういうようなことも含まれていないわけですね。余りにここにばかり金が集中されますと、大変手間取ってくる。公共事業も大切でありますけれども、公共事業のほかにも、科学技術の振興であるとか教育であるとか福祉の充実であるとか、非常に重要な面があると思います。これらも立派に消費の創出に役立つ。
 現在、一番の問題は、ISバランスが崩れたと言っておりますけれども、投資と貯蓄のバランスでございます。投資が少ないということでございますけれども、十分に消費がないところで投資をする人は、これは正常の判断をしないわけでございますから、やはり投資を導き出してくるためには十分な消費がなければならない。
 高齢化社会を迎えまして福祉に大変金がかかるという試算がございますが、これは将来の問題でございまして、現在は消費が十分ないわけですね。将来と現在を混同してはいけないのではないかというふうに思います。専門家は非常に勉強されるので、優秀な専門家は本当に勉強されますので、余りに勉強されて将来のことを現在のことにしてしまうということが、我が国の経済、我が国自身にとってはそれほど問題ではありませんが、世界にとって非常に問題である。我が国にとりましても、円が高くなり過ぎたということで、極めて大きな問題、産業の空洞化が出てきたということでございます。
 そういうことで、ここは少し固定観念を見直さなければ本当の景気回復はないのではないかというような気がいたすわけでございますが、経済企画庁さんのこの点についての御見解をお伺いいたしたいと思います。
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野村誠#7
○野村説明員 経済企画庁調整課長でございます。
 今先生御指摘のとおり、政府としては、我が国経済の景気回復を一日も早く達成するとともに、中長期的にも内需中心の安定成長路線に戻すことが、財政の観点のみならず国内均衡、対外不均衡、いずれの点からも極めて重要と考えております。
 このため、これまでさまざまな内需拡大策をとってきております。その中には、公共投資のみならず大規模な所得減税、この六、七月に実施されました所得減税、さらには住宅投資や民間設備投資の促進策といった政策も含まれております。現在景気にやや明るい兆しか見え始めておりますのも、やはり消費が今のところは回復してきているということが重要でございます。
 今後とも、平成六年度予算の円滑かつ着実な執行等を進めることによりまして、先生御指摘のとおり、内需を中心とした持続的成長の確保に努めてまいるということが大事だと思っております。
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熊代昭彦#8
○熊代委員 経済運営そのものにつきましては経企庁が統括しておられると思いますが、大蔵省さんの方も、予算、財政政策という面で、あるいは税制政策という面で、非常に大きく景気の動向につきまして責任を持っておられるというふうに思うわけでございますけれども、税制改革が一応の決着を見まして、今法案が審議されているところでございますので、この税制改革の決着後の、大蔵省さんプロパーの、景気回復に向けてどのようなシナリオを考えておられるか。円高下の産業の空洞化が非常に心配されている、そういう状況の中でどのようなシナリオを考えておられるか、お伺いできたらお伺いしたいと思います。
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坂篤郎#9
○坂説明員 大蔵省の調査企画課長の坂でございます。
 先生の御質問、大変広範にわたっておりまして何か難しいのでございますが、まず最近の景気の現状と申しますか、それにつきましては、今経企庁の野村課長からもお答えになりましたけれども、最近、個人消費が若干持ち直しの動きが広がりつつあるようだ。それから、例えばIIP、鉱工業生産指数などを見ましても、生産の方も若干ここのところ持ち直しをしている。それから、企業マインドと申しましょうか、業況感と申しましょうか、そういったものもこれはかなりはっきり改善をしつつあるといったことで、いろいろなところを見ますと明るさが大分一時に比べると広がってきておる、そういうことで、全体としまして、緩やかに景気は回復の方向に向かいつつあるということではなかろうかと思っております。
 ただ、他方、先生御指摘のように、最近の為替相場の動向等につきましては若干懸念すべき要因も見られるということでございます。
 政府といたしましては、このような景気の回復への動きが始まっておりますので、これをより確かなものとして、我が国経済を本格的な回復軌道に乗せるということを目指しておりまして、そのために六年度予算の着実な執行でございますとか、その他、今後とも適切な経済運営に努めてまいりたいというふうに考えているわけでございます。
 今後でございますけれども、ただいま申し上げましたように、若干景気も回復の方向に向かっているということでございますし、住宅投資でございますとか、あるいは累次の経済対策の効果で政府の投資も景気の下支えをしているという中で、また今先生御指摘のように、所得減税につきましても来年度も続けるということが決まっているわけでございますが、所得減税の効果もございまして、個人消費も回復がより確かなものになってくるのではないかというふうに見ているわけでございます。
 まさに先生御指摘のとおり、個人消費が回復しできますと、生産面にもよりよい影響を与え、さらに企業収益も最近若干改善の兆しか出ているようでございますが、改善をしてくるということになりますと、設備投資、この設備投資は今も一部の産業では動意が見られますが、全体としてはやや減少ぎみでございます。この設備投資にもいずれ動意が出てくるのではなかろうかというふうに見込んでおりまして、我が国経済は本格的な回復軌道に移行していくのではなかろうか。全体として、今までの景気対策あるいは減税といったことも全部組み合わせまして、だんだんよくなってくるのではなかろうかというふうに見ているところでございます。
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熊代昭彦#10
○熊代委員 大体回復軌道に乗ってきたということでございますけれども、現実問題としてはまだまだ大変に心配であろうというふうに思います。
 重ねてお伺いして申しわけございませんが、一ドル百円を切った状況で、我が国の産業はこのままずっと続いて耐えられるだろうかどうだろうかということでございます。これは経企庁さん、大蔵省さん、それぞれ公式の見解ということではないと思いますけれども、感想として一日だけお伺いできれば幸いでございます。
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野村誠#11
○野村説明員 経済企画庁でございますのでやや理屈っぽくなるかもしれませんが、為替レートは、中長期的には各国の物価上昇率や経済成長率といった、いわゆるファンダメンタルズと呼ばれている経済要因を反映して決定されるわけでございますけれども、時期によりましては内外の金利差に基づく資本取引の動向であるとか経常収支の動向だとか、あるいはさまざまな市場の思惑といったもので影響を受けることがあると思います。現在の動きもかなりこういったファンダメンタルズと離れた部分で動かされている部分が多いと思っておりますので、そもそもこの百円を割った水準が続くものなのかどうか、これも一概に言えないものと思っております。
 いずれにいたしましても、為替の動きというのが国内経済に対する影響は、これはいろいろ深刻でございますので、十分注意してやってまいりたいと思っております。
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坂篤郎#12
○坂説明員 先生御指摘のように、一時百円台になっていたのですが、またこのところ百円台を割りまして九十七円とか八円とか、それくらいになっているわけでございます。
 円高と申しますのは、輸出入両面から経済に影響を与えるのだというふうに思っておりますけれども、したがいまして、いずれにいたしましても輸入品が安くなるといったことで景気に、経済にいい影響も片っ方であるわけでございます。他方、輸出企業の円建ての手取りが減少する、あるいは手取りを減少させないためには例えばドルベースでいうと値上げをしなければいけないということがございますので、売れ行きが鈍る可能性があるということで、企業収益を圧迫するということがございます。そういう意味で、せっかく今緩やかながら回復に向かっている景気の動向に影響を与える可能性があるのはおっしゃるとおりでございまして、私どももそのような懸念は若干有しているところでございます。
 ただ、幸いと申しますか、先ほど御説明いたしましたように、我が国経済は緩やかに今回復を続けておりまして、私どもとしてはそういった動きを、先ほども御説明いたしましたように、より確実なものにしていくような努力を続けていきたいというふうに考えているわけでございます。
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熊代昭彦#13
○熊代委員 経済の運営をしっかりしていただければ、年金制度は将来にわたって今度の改革で大丈夫な礎石が敷かれるというふうに思います。私自身といたしましては、やはり一ドルを購買力平価に近い百二十円前後に押し戻すというような思い切った需要喚起対策が必要であると思います。
 そういうことも考えていただきまして、経済がまた幸いにして回復しまして景気過熱ぎみになるというようなときには、思い切った行財政改革で支出を減らしても、そこから必要ならば消費税を上げるというようなことでも、立派に経済は運営できるわけでございますので、そういう観点からしっかりした経済運営をしていただきまして、年金の安定にも資していただきたいというふうに思うわけでございます。
 次に、年金の支給開始年齢につきまして、一、二のことをお伺いいたしたいと思います。
 我が国の定年は、これは企業ごとの定年でございまして、実際に働く年齢とは違いますけれども、六十歳に今近づきつつある。しかし、我が国よりもはるかに雇用状況の悪いヨーロッパ各国、アメリカは大体六十五ぐらいであるということでございまして、これにつきまして二〇〇一年から一三年までかけて六十五歳にするという案が盛り込まれておりまして、これは非常に卓見であると思うのです。
 なぜ卓見であるかと申し上げますと、年金は、掛金に応じまして、貢献に応じまして、そして世代間扶養を加えまして支給されるものではありますけれども、それとともに、退職後の所得を補うというものでございますので、ある意味で、その年齢が来れば退職していただくということですね。フル年金が出ますと退職していただく、こういうシステムでございます。年金制度が六十であれば、六十を超えて雇用を続けていこうという企業はまずあらわれないということでございまして、これはやはり定年を延ばす、何らかの意味で、再雇用も含めて延ばしていくというためには、年金の支給開始年齢そのものが上がってこなければいけないのだといういわば逆の発想があると思うのです。
 鶏が先か、卵が先かという話がございますが、現在ちょっと雇用情勢が悪くなっておりますので、どうも年金の支給開始年齢と定年と乖離するのじゃないか、そういう心配が非常に大きくなっておりまして、今回も別個の給付が入れられておりますけれども、六十歳から六十五歳ないしは六十一歳の間に入れられておりますけれども、我々は非常な不確定情報下に行動しておるわけでございますから、スペースシャトルを打ち上げるような正確な計算で物事をやっているわけではございませんので、みずからの利益のためにと思って考えることがかえってみずからの利益にならないということもあるわけですね。みずからの団体の利益のためというふうに思っていることもみずからの団体の利益にならないということもありまして、私自身はこの例はそれに非常に近い例だというふうに思います。
 人口構成からいいまして、若者の数がこれから著しく減ってくる。二十歳に達する人の数をはかりますと、年々五万とか七万とか減ってくるわけですね。そういう意味で、若年労働力が非常に減るという中で、もし制度的制約さえなければ定年というのはどんどんどんどん上がっていくんじゃないかというふうに思います。それには年金がやっぱり先取りして目標を定めていかなければならないということでございます。目標を定めればそれに応じていく。
 一番困るのは、私はやっぱり経営者の方だなと思いますね。経営者の方は、ある年齢で高い給料の人にやめていただいて、それで若い人を雇った方が有利であるということでございますが、経営団体の方はそれでもやる、労働力状況から見てやらざるを得ない、それから保険料負担から見てもやらざるを得ないという二重のことでやると言っておられますので、労働組合を代表される方々にもぜひよろしくお考え願いたいと思いますけれども、そういう半面があると思います。
 私自身は、ですから、まず人口の構造の移り変わりに従いまして年金の支給年齢を動かす計画を立てる、今回の改正が非常にいい線をいっていると思いまして、さらにこれを延ばすとか、二〇一三年になりましてもさらに延ばすというのはかえってマイナスになるんじゃないか、労働者のためのマイナスになるんじゃないか、そういうような考えを持っているわけでございますが、この点に関しまして労働省さんのお考えをお伺いしたいと思います。
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太田俊明#14
○太田説明員 先生御指摘のように、年金の支給開始年齢の引き上げが先か、あるいは定年制の延長が先かというような御意見もございますけれども、私どもの、まず労働省としての高齢者雇用についての考え方を述べさせていただきたいと思いますけれども、まず一つは、御案内のとおり、今後の労働力人口の見通しを見てみますと、二十一世紀初頭には労働力人口の四人に一人が高齢者となる、そういう超高齢社会が到来するわけでございます。他方で、我が国におきましては、特徴的なことは、高齢者の就業意欲が極めて高いということがあるわけでございます。こういった二つの状況に対応しまして、今後我が国経済社会の活力を維持していくためには、二十一世紀初頭までに、希望すれば六十五歳まで現役として働ける社会、こういった社会の実現に向けて積極的に取り組んでいるところでございます。
 なお、この場合に、高齢者の場合には六十歳を超えますと、健康など個人差が相当広がってまいりますので、また一方で就業ニーズも多様化するということから、高齢者の企業内における六十五歳までの雇用確保につきましては、一律に六十五歳までの定年延長によることは必ずしも適当ではないということでございまして、定年延長のほかに勤務延長とか再雇用といった多様な形態によりまして六十五歳までの継続雇用を促進しているところでございます。
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熊代昭彦#15
○熊代委員 基本を六十五歳まで働ける社会をつくる、これは既に欧米諸国で実現しているわけでございますので、これはできると思います。六十歳から六十五歳まで元気に働いて社会に貢献して、年金よりもはるかによい給料を取れる、そういう社会をつくり上げる、それは人口構成からいっても可能であるということが基本でございます。
 しかし、いずれにしましても、ただいまお答えがありましたようにいろいろな細かい配慮、個人個人の特殊事情において細かい配慮はしなければならないということでございますし、将来に対する不安というのは理屈だけでは割り切れないところでございますので、六十歳から六十一歳ないし六十五歳の間に別個の給付をするということは、ある意味でこの時点ではやむを得ないというふうに思いますが、そういう私の申し上げたような議論の背景もあるということを御理解いただきたいと思います。
 今回の改正で、保険料卒はピーク時におきましてもとりあえず二九・六%、三〇%を切る水準になるということでございまして、この支給開始年齢の引き上げを行わなければ三四・八%になるということでございますので、大幅な改善でございます。この時点におきます改善といたしましては極めて大きな成果であるというふうに評価をいたしたいと思いますが、しかし、常識から考えればまだまだ、二九・六%ですから、本人の負担というのは一四・八%、健康保険料を入れますと、二〇%ぐらいにいくということでございますから、常識から考えると、ちょっとまだ高いなというようなそういう気持ちはあると思います。
 しかし、御承知のように、年金は五年に一度再計算をやっておりまして、一歩一歩進んでいくわけでございますので、この時点では非常に大きな成果だと思いますが、最終的な姿としまして、もし可能であれば幾つかのウルトラCとも言えるような施策がありまして、もし可能であれば二〇%以内に抑えるというようなことも、そうすると本人は一〇%以内になりますので、そういうようなことが、今後五年、五年を繰り返していく中でできれば大変よいなというふうに思います。
 今回の改正を、これでもうすべてうまくいったんだというのじゃなくて、一つの大きな前進としまして今後もいろいろ考えていただきたいというふうに思うわけでございますが、例えば、基礎年金の補助金を二〇〇一年から十七年とか長い期間をかけて三分の一から二分の一にするというような御意見もあるやに聞いております。これは次期再計算期の課題としましては十分検討に値する、財源問題は十二分に考えないといけないと思うのですが、財源問題を徹底的に考えまして、ならば十分検討に値することではないだろうかというふうに思います。
 それから、超高齢化社会をすばらしい長寿社会にするというためには、六十五歳を超えたらだれでも社会から支えられるんだ、そういう考え方じゃなくて、六十五歳を超えても社会を支えていらっしゃる方は幾らでもいらっしゃるわけでございますので、そういう元気で社会を支える側に回っていただくという人の比率をどんどんふやしていく、健康対策も含めまして、そういうことが非常に重要であるというふうに思うわけでございますが、年金だけは、前々回の改正によりまして、六十五歳を超えると保険料はもう払わないということになっておりまして、完全に年金世代になるということになっておりますので、その点は非常に改善ではあったわけでございますけれども、将来の人口構成を考えますと、非常にいいサラリーを取っていらっしゃる方は、やっぱり支える側にも回っていただくというようなことも検討に値することではないだろうかというふうに思います。
 それから、支給開始年齢と定年制の関係でございますけれども、これにつきましても、先ほど申し上げましたように、本当に大部分の人が間違いなく六十五歳まで働けるようなシステムがはっきり目に見えてきたならば、別個の給付というようなものも再検討するに値するのじゃないだろうかというようなことも考えております。
 いろいろありますけれども、今回の大きな改正を高く評価するとともに、これは、さらなる改革に対しての一里塚でもあるということを私は思うわけでございますが、この点に関しての大臣の御所感をお伺いしたいと思います。
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井出正一#16
○井出国務大臣 厚生省の先輩である先生から今回のこの改正案の趣旨や必要性をるるむしろ御説明いただいて大変ありがたく思っております。
 おっしゃるとおり、よりよい年金制度を常に求めていかなければならぬと思っております。その意味で、一里塚であるという認識も私も同感であります。
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熊代昭彦#17
○熊代委員 大臣どうもありがとうございました。ぜひ一里塚としてさらに前向きに進んでいただきたいと思います。
 次に、年金を支える若い世代の問題といたしまして、高齢者対策といたしましてはゴールドプランができまして、さらに新ゴールドプランも今非常に積極的に御検討いただいているようでございますが、若い世代、特にこれから生まれてくる子供の世代、そして幼児などにつきましてエンゼルプランが検討されております。これにつきまして、いろいろ私どもも事務当局の案もあるいは連立与党の案も勉強させていただいているわけでございますけれども、中身としましてなかなかすばらしいアイデアが盛り込まれている原案が今検討されているところでございますけれども、一つだけ、財源的に非常に無理があるというようなことで、事務当局主導の案ではどうしても出せないというようなものがあると思います。
 それは児童手当の抜本的な改正でございまして、数年前の改正で中身は充実されましたけれども、財源的な観点からやはり三歳で打ち切らざるを得ないということになっております。私は、かなり大胆なことではございますが、一人三万円、十八歳まで児童手当を支給しなければこの少子化現象はとどめられないというふうに言っております。これはざっと計算しますと八兆円ぐらいのプラスが必要なんでございますけれども、今一般歳出というのは四十一、二兆でございますから、その五分の一ぐらいが必要なんだということでございます。しかし、本当に日本の国の将来はこれでなければもたないということがかなり確実だと考えられれば、八兆円ぐらいの予算は大したことはない、消費税にすれば三%ぐらいですね。こういう大切なことなら消費税で支えようではないか、そういう国民のコンセンサスもとれるんじゃないかというふうに思います。とれるというのは大変に僭越な言葉で、国民のコンセンサスもいただけるのではないかというふうに思います。そしてまた、働く女性の方々の保育所対策、非常に機能的にやる、いろんな需要に応じられるようにする、これは既に計画に盛り込まれておると思いますが、これも大変大切なことであると思います。
 それから、統計資料を見ますと、やはり大学生になったときに大変金がかかるんじゃないか。東京に、特にいい大学に、東京に出しまして毎月仕送りをしなければならない。これは三人欲しいと思っていたけれども、もうとても三人じゃもたない、二人に制限してしまおう、あるいは一人じゃないとうちは無理だというようなことで、欲しい子供の数を限定してしまうというようなことがございまして、先進諸国では大学生になれば奨学金ですべての自分の教育費を賄うことができる、若干のアルバイトをするかもしれませんが。そういう状況になっております。
 そういうことでございまして、奨学金も現在がなり限定的に出されております。年々拡大はしていただいておりますけれども、思い切った拡大をしていかなければならないというふうに思います。今の三、四倍ぐらい出して、もう大学生になったら奨学金だけでやれるんだ、そういう認識が社会一般に広がる必要があるんじゃないかというふうに思うわけでございまして、最初に、エンゼルプランにつきまして、この奨学金問題につきまして文部省さんの御見解をお伺いしたいと思います。
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北村幸久#18
○北村説明員 国の奨学事業でございますけれども、日本育英会を通じて実施いたしているところでございますが、国家社会に有為な人材の育成に資する、それから教育の機会均等に寄与する重要な教育施策と考えております。その拡充に逐年努めてきたわけでございますが、先生御指摘のように、現状は先生の御提案のとおりというところにはいっておりません。しかし、その充実につきましては、平成六年度予算におきまして、近年の大学院生の数の急増、そのようなことを踏まえまして、大学院生の貸与人員について、博士課程一千五百人、修士課程二千人、合計三千五百人の増員を図りました。また、大学学部・短大の貸与人員につきましても四千二百四十五人といった増員を図ったところでございます。
 なお、平成七年度予算概算要求におきましては、学生生活費の上昇等を勘案いたしまして、高校におきましては月額一千円、大学・大学院につきましては月額三千円の貸与額の増額を図るということにいたしています。また、大学院博士課程で奨学金をさらに必要といたします。部の学生に対しましては、三万円の増額貸与を行うための経費を要求いたしております。
 さらに、貸与人員につきましては、大学院博士課程二千五百人、修士課程三千人、合計五千五百人の増員、大学の学部・短大でございますが、四千百四十五人などの増員の経費の要求をいたしております。
 今後とも、財政事情等、大変厳しい中ではございますが、育英奨学事業について、授業料等の修学費や家計の経済事情等を考慮いたしまして、修学援助を必要といたします学生生徒の実態に応じまして制度の充実に努めていきたいと考えております。
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熊代昭彦#19
○熊代委員 奨学金についても着々と拡大はしていただいておりますけれども、申し上げましたように、思い切った三倍、四倍というような飛躍をぜひ今後の課題としまして検討していただきたいと思います。
 エンゼルプランにつきまして、先ほど児童手当のことを申し上げましたが、児童手当につきましても、かかる大きな構想につきましては御感想をいただけるだけというふうに思いますが、それとともに、一つ一つの小さい中身でございましても非常に人の琴線に触れるようなことがございまして、例えば現在、保育所に子供を預けられまして働いておられるというような方々で、特にもう勤めをあきらめるというのは、お子さんが病気になられたときですね。病気になられたときにだれも面倒見てくれる人がいないということで、本当に使命感を感じて働いているんだけれども、これはもうやめざるを得ない。特に看護婦さんとか保母さんとか、勤務のローテーションがはっきりしているというような人は、人に頼むわけにもいきませんし、これで職場からリタイアされるというようなケースがございます。
 そういうときに子供を安心して任せられる、病児保育と一般的に言われておりますが、病後児保育とか、あるいは新しい名前で検討されているというふうにも伺っておりますけれども、これは金銭的にはそれほど大きなものではございませんけれども、実に配慮の行き届いた中身であると思います。そういうことについてエンゼルプランでお取り上げいただけるのかどうか、児童手当の件とあわせてお伺いいたしたいと思います。
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佐々木典夫#20
○佐々木政府委員 エンゼルプラン、ただいま検討を急いでいるところでございますが、先生の方から多くの示唆をちょうだいしました。
 お話のございました児童手当の問題、それから保育の問題、いずれも今エンゼルプランの検討過程で大きな課題でございます。子育て支援策の核の一つでございまして、それぞれ、先ほど文部省さんからお話のございました奨学制度等も含めて、一つは子育てに関する経済的負担の軽減方策というふうなことで、いろいろな角度から御意見も賜りながら積極的な検討をしたいと存じます。
 それから、保育対策につきましては、まさに仕事と子育ての両立支援というものが大きな柱でございますが、低年齢児を中心としました保育需要というものはなお大変強いものがございますので、基礎的にそこの拡充を図りながら、さらに今お話のございました病児保育といったようなもの等につきましても、多様な需要に対応できるようなきめ細かな方策につきましてこの際積極的な検討を加え、エンゼルプランの中にもぜひ織り込んでいければいいなというふうに今思っておるところでございます。
 いずれにいたしましても、いろいろ今御示唆をちょうだいしましたが、御質問は、ひとつしっかりしたエンゼルプランをつくれという御激励と受けとめさせていただきまして、私どもとしましては、関係省庁とも連携をとりながら、できるだけ早くその内容を詰めてまいりたいと思っております。
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熊代昭彦#21
○熊代委員 病児保育につきましても前向きに積極的に取り組んでいただけるというふうな理解で受けとめさせていただきたいと思います。
 児童手当、そのほか、エンゼルプランは今申し上げたことに尽きないわけでございまして、子供を健やかに産み、育てる環境づくりというのは本当に広い、あらゆることを考えなければならないことでございますので、ぜひゴールドプランに負けないすばらしい計画をつくっていただきまして、高齢化社会をしっかり支える若い世代をしっかり育てる計画にしていただきたいと思います。
 次に、少し具体的なことをお伺い申し上げたいと思います。
 今回の改正案には盛り込まれておりませんが、近い将来の検討課題としてお伺いいたしたいわけでございますが、それは、第三号被保険者、サラリーマンの奥さんが典型的な例でございますが、国民年金の基礎年金の加入者でございます第三号被保険者の国民年金基金の適用問題でございます。国民年金基金の現在の制度につきまして初めに御説明願いたいと思いますが、加入者の実態とかあるいはどういう税制上の優遇措置があるのか、それから男女別にはどのような加入者になっているのか、実態につきましてお伺いいたしたいと思います。
    〔委員長退席、戸井田委員長代理着席〕
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近藤純五郎#22
○近藤(純)政府委員 先ほどは失礼いたしました。
 育児休業の関係で、厚生年金の保険料とか健康保険の保険料がどの程度軽減されているのかということでございますが、育児休業の期間におきます保険料免除につきましては、先ほどエンゼルプランのお話もございましたけれども、年金制度においても少子化対策というのは大変重要なものでございまして、育児支援というのを年金制度においても環境づくりに一役を買おう、こういう趣旨で今回の改正案の中に盛り込ませていただいたわけでございます。
 その金額でございますけれども、標準的な女性の平均の年金、標準月額が二十万五千円でございまして、これによって本人の保険料負担ということは厚生年金が一万六千九百円、それから政府管掌健康保険では八千四百円でございまして、二万五千三百円の免除ということに相なるわけでございます。
 先ほど御質問がございました国民年金基金の関係でございますが、これは前回の年金法の改正で創設されたものでございまして、自営業者の上乗せの年金制度として発足をいたしたわけでございますけれども、これは公的年金として位置づけられているわけでございます。掛金につきましては、社会保険料控除があるわけでございまして、一人につきまして月額六万八千円を限度とする税制上の優遇措置が置かれているわけでございます。現在国民年金基金に加入されている方は、平成五年度末でございますけれども、約六十六万人でございまして、そのうち女性は約三十万人と見込まれております。
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熊代昭彦#23
○熊代委員 厚生年金、健康保険の保険料につきまして、育児休業とそれから今御回答いただきましたが、二万五千三百円ですか、大変に大きな額、月々でございますので大変に大きな額だと思いますので、ぜひ早急に実現していただきたい。
 我々が実現すべきことでございますが、早急に法律案を通して実現いたしたいというふうに考えているわけでございますけれども、第三号被保険者につきまして、国民年金基金の被保険者にできないだろうか。女性の年金権を確保したわけですけれども、さらにもう少し、今度六万二千円から六万五千円に思い切った引き上げをしていただきますが、しかし、さらにもう少しその上乗せを欲しい、保険料をさらに払ってもと、そういう女性の方がいらっしゃいまして、サラリーマンの配偶者の方々でもたくさんいらっしゃるはずでございまして、月々六万八千円の所得控除もあるということでございますから、若干働いておられて収入があるというような方は非常に大きな特典だと思います。
 昨日、大蔵省に出席要求を出しまして、しかし、事前に説明にこられまして、大蔵省の財政的な観点からすれば特にそれは問題がない、適用するには、ということがございましたので、お忙しいので出席要求を取り下げましたけれども、事柄は、厚生省の年金保険体系のプロパーの問題であろうというようなことでございますので、第三号被保険者に国民年金基金加入を拡大して、女性の年金権の拡大、女性の年金権の実質化のためにぜひそのような改正を行っていただきたいと思いますが、これについての御所感をお願いいたします。
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近藤純五郎#24
○近藤(純)政府委員 先ほど申し上げましたように、国民年金基金は自営業者の関係の上乗せの年金ということで創設されたものでございまして、被用者年金におきましては、被用者の妻でございます第三号被保険者も含みました世帯全体、そういう世帯用ということで水準を設定しているわけでございまして、これ以上にプラスアルファの年金を出すことについて、しかも、それについて税制上の配慮をするということについては、なかなかバランス上難しいのかなという感じをいたしているわけでございます。
 さらに、よく言われておりますのは、サラリーマンの妻は基礎年金の保険料を直接には納付されてないわけでございまして、被用者保険全体の中でプールされて納付されているというふうな事情もございまして、自分の土台になる保険料については納付しないでその上の保険料を納めて税制上の控除を受ける、これについてはなかなか感情的に納得できないようなものもあるわけでございまして、したがいまして、先生せっかくの御指摘でございますけれども、そういう年金制度上の体系からするとなかなか難しいのかな、こういうふうに思っております。
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熊代昭彦#25
○熊代委員 保険料につきましては、第三号被保険者も年金を受け取るときには頭数として計算をされまして、厚生年金の保険料、プールされた積立金からお金を出していますので、感情的にはともかく、現実問題としては、夫ないしは、夫だけではないでしょうけれども、厚生年金のプールから保険料を具体的に払っているところでございます。
 それから、年金の姿といいますけれども、これは追加した保険料を払っていくわけでございますので、所得控除上は若干あるかもしれませんが、大蔵省はそこは余り言いませんでしたので、それにしましても、女性が、例えば別れた場合、離婚した場合ですね、あるいはひとりになった場合につきましての女性の年金権といったら大きなことがございまして、自己負担の上に成り立つものでございます。かなりの保険料を払ってするものでございまして、人によっては全然所得控除の恩典もないという人もあると思いますが、それでも公的年金を信頼してやりたいということがある場合には、今回の改正では問題になりませんけれども、次回の改正あるいは近い将来の改正ではぜひ前向きに御検討をお願いしたいと思います。
    〔戸井田委員長代理退席、委員長着席〕
 いろいろ申し上げましたけれども、時間が迫ってまいりましたので、今回の改正は、いずれにいたしましても、冒頭に大臣にお答えいただきましたように、非常に大きな改正であるということでございます。そして、老齢基礎年金を六万五千円に上げるあるいは厚生年金を平均二万円近く引き上げるというようなことでございまして、被保険者、年金受給者の方々も改正を大変待っておられるというようなこともございます。いろいろな問題もございましょうが、これを我々の責任といたしまして速やかに討議して、前向きに進めてまいりたいというふうに私自身も決意を固めているわけでございますが、先生方にもよろしくお願い申し上げます。
 最後に、厚生大臣の今後の年金制度運営に当たっての御決意をお伺いして、質問を終わりたいと思います。
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井出正一#26
○井出国務大臣 年金制度は、冒頭申し上げましたように、国民の老後生活の所得を支えるものとして極めて重要な役割を果たしてきております。特に、国民の長寿化が進み、老後の期間が長くなっていることから、年金の果たすべき役割はますます大切なものとなっているわけでございます。
 また、年金制度は、現役世代が高齢世代を支える世代間扶養により成り立っているものであり、国民連帯の制度であると思うわけであります。このような大事な年金制度を、急速に人口の高齢化が進む中で、将来にわたり長期的に安定した制度として確立していくことが何よりも重要だと考えます。その意味で、今回の改正は二十一世紀の超高齢社会にふさわしい制度とするため不可欠なものでございまして、また、今先生お述べになられましたように、今月分から五年ぶりの年金額の実質的な引き上げも予定しているところでございます。一日も早い法案の成立をぜひお願いしたいわけであります。
 ありがとうございました。
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熊代昭彦#27
○熊代委員 ありがとうございました。終わります。
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岩垂寿喜男#28
○岩垂委員長 山口俊一君。
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山口俊一#29
○山口(俊)委員 それでは、引き続きまして年金問題について質問をさせていただきたいと思います。
 今回の法改正によりましていろいろな議論が沸き起こっておるわけでありますが、国会に提案をされてから、さきの国会は継続というふうなことで結構時間の経過がありましたので余計そういうふうな議論もあったのかな、そんな感じもするわけでありますけれども、ただお願いをしておきたいのは、御存じのとおり老齢福祉年金の支給は十一月というふうなことであって、厚生年金、国民年金は十二月、まさにタイムリミットぎりぎりの、ある意味で綱渡り的な質疑を今やっておるわけであります。そういった意味で私どもも、きょうこれ、かなりハードなスケジュールでありますが、一生懸命相努めておるわけですから、政府におかれましても、大臣におかれましても、一日も早い成立を目指して、我々にお願いをするというだけではなくして、どうか一生懸命頑張っていただきたい。数多くの年金受給者にそれこそ落胆を与えないように、御努力をお願いをいたしたいと思う次第でございます。
 いろいろな議論があるのですけれども、例えば昨日の公聴会で、ある公述人の方などは、しきりに、今回いわゆる給付年齢が上がるというふうなことで、相当雇用問題とリンクをしてお話をなさっておられた方もおいでになるわけであります。ただ、果たして年金というのがそこまで、いわゆる雇用の補完的なものだろうか、年金とは果たして何なのだろうかというふうな気持ちもいたしたわけであります。実際、本来的には雇用の問題というのは労働政策に属するものであろうというふうに実は私思っておりますので、いわば、何から何まで年金に頼るというふうなのでは年金がそれこそ迷惑をするのじゃないか、そんな感じもいたしまして、あえて申し上げるわけであります。
 いずれにしても、年金財政の現状、あるいは二十一世紀のそれこそ超高齢社会、あるいは世代間のいわゆる公平性、世界の趨勢等々から考えてみましても、今回の給付年齢の引き上げといいますか、これはおおむね妥当かな。ただ、もっと労働へのインセンティブを、働くということへのインセンティブを高めるような配慮も、次の課題としてぜひともお願いをいたしておきたいと思う次第でございます。
 雇用問題につきましては労働政策が本来やるべきであると申し上げましたけれども、ただ、雇用状況が大変厳しいというのもこれは事実であります。御存じかもわかりませんが、先般の総務庁の調査を拝見いたしました。男性の高齢層のいわゆる離職総数、これは過去最高の二十七万人に達したというふうなお話でありました。うち、再就職をできた人はたったの三三・三%の九万人にとどまった。しかも深刻なのは、実はバブル時の、いわゆるバブルの景気のときには四割から五割以上の方が再就職をしておった。ところが今やこういう状況であって、まさに雇用環境の悪化というのは明らかなわけであります。
 それだけに、今回の改正に伴ってやはり厚生省としても、そうした労働環境をもう少しよくしていく、六十代前半の方々の、いわゆる高齢者層のためのいろいろな努力というものもしていかなければいけない。それがなければ今回の改正も、なかなか皆さん方が温かく迎えてくれるような改正にならないというふうな気もいたしますので、そこら辺の御努力も是が非でも期待をさせていただきたいと思う次第であります。
 今回、私は、基礎年金の国庫負担について特にお伺いをいたしたいと思っておったわけでありますが、御案内のとおり、基礎年金の財源につきましては、いろいろな議論といいますか、以前からあった議論でありますけれども、いわゆる保険料による社会保険方式とでも言うのですか、それといわゆる税財源、税金による税方式、この二つの大きな考え方があるわけでありますけれども、この両方式について厚生省としてはどのようにお考えになっているか、まずお伺いをいたしたいと思います。
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