廣谷円三の発言 (厚生委員会)
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○廣谷円三君 ただいま御指名をいただきました宮城県厚生年金受給者協会の廣谷円三と申します。
お隣の山形県から宮城県に移り住んで三十八年、満七十歳を契機に現役を退き、ようやく年金収入を糧とした生活に入り、目下受給者協会会員二万五千人とともにその力を合わせ、豊かな年金生活を実現するため、年金制度を守り立て、会員相互の福祉の向上はもちろんのこと、会員相互の融和交流を図り、さらには社会貢献型生きがい対策事業の実施などに努力をいたしておるものであります。
このたび、衆議院厚生委員会地方公聴会に意見陳述者として指名をいただき、国民年金法等の一部を改正する法律案についての意見を申し述べる機会を賜りましたこと、まことに光栄に存ずるとともに、その責任の重大さを痛感しておるところであります。
また、突然の指名なので、受給者協会会長の立場の御指名推薦かと心得ますが、協会としての事前協議開催のいとまがなくしたがいまして会長廣谷個人の主観による意見開陳として御理解を賜りますようお願いを申し上げるものであります。
さて、厚生年金が誕生して五十二年、国民年金が発足して国民皆年金になって三十三年が経過し、今や年金は国民の老後生活設計になくてはならない重要な柱になっておりますことは御承知のとおりでありましょう。
以下、改正法案に対する意見を申し上げたいと思います。
まず第一に、本格的な高齢社会を活力ある長寿社会とするため、高齢者の雇用の場の確保を初め社会経済全体のあり方が問われる中で、年金制度もこれに対応し、人生八十年時代にふさわしいものに見直すこと。このため、年金制度を高齢者雇用の促進と連携のとれた仕組みとすることとされております。
本格的な高齢社会にふさわしい年金制度としていくということは、人生八十年時代では六十歳引退あるいは定年社会から六十五歳現役社会への切りかえが必要とし、改正案では、六十歳代前半は賃金と年金で生活設計する期間と位置づけ、年金中心の生活となる六十五歳からの本格的な年金とは別個に、現行の半額程度の年金を支給する形へと二〇〇一年から二〇一三年にかけて段階的に切りかえていく方法とされ、まさに適切な対応と思料いたすものであります。
雇用と連携のとれた年金制度としていく問題については、高齢者の高い就業意欲にこたえた高齢者雇用の促進を図るとともに、年金制度も雇用促進的なものにしていく考えで、これが改正案においては、六十歳代前半の雇用を促進するため、働くことによって総収入が増加するよう在職中の年金支給について改善されております。また、雇用保険の給付と所要の調整を行うとし、失業給付を受けている場合は年金の支給を停止する、また高年齢雇用継続給付を受けている場合は一定の調整を行うとして、これは政府関係各省間の適切な連携措置として高く評価をいたしたいと存じます。
二番目に、高齢化が急速に進展していく中で、年金制度を長期的に安定させるため、将来にわたり給付と負担のバランスを図ること。
年金受給世代と現役世代のバランスの確保の問題でありますが、将来の現役世代に過重な負担が生じないよう、必要な給付は確保しながら、最終保険料率を少なくとも現在の二倍程度の三〇%を超えないように改められるものであり、その中身は、年金額の引き上げ、あるいはネット所得スライドの導入、あるいは賞与からの特別保険料の導入、厚生年金の保険料率の改定、あるいは国民年金の保険料の改定等々であります。
今回の改正法案は、二十一世紀の超高齢社会においても年金が老後生活の主柱として安定運営され、後世代の負担を過重なものとしないための必要な改革であり、予想以上の速さで進む高齢対応の年金分だけは保険料は徴収されておらず、いわゆる持ち出しで大きな赤字を生み出してくることになるのではないでしょうか。
民間の個人年金だと、その分を予測して高い保険料として徴収するから赤字の心配はないが、そのかわり保険料が高額になると聞いております。公的年金と企業あるいは個人年金はおのずとその趣旨や性格は異なるものであっても、年金として老後生活の主柱の一部を目的とすることには変わりはないと思います。
そこで、公的年金における財政対策として、いろいろと社会保険方式のもとにおける国庫負担のあり方、財源確保の方策など中長期的観点に立って十分検討する必要がありますが、今回の改正案は、国庫負担問題と切り離して早急に本案の成立を特に切望するものであります。
終わりに、平成六年は財政再計算の年で、五年に一度の年金制度の定期点検に当たり、点検の結果、国民年金法等の一部を改正する法律案として三月十八日さきの国会へ提出、六月二十九日前臨時国会で継続審議と決定した経緯を経て、今国会においていよいよ御審議をいただく運びになりました回五年に一度の年金額の実質的な引き上げや障害年金の改善等を十月から実施することとしているので、年内に支払うには一日も早い法案の成立が必要であります。公的年金受給者二千八百万人の私たち年金生活者の五年に一度の給与改定でもあり、生活弱者の最大の期待事項でもあります。また、福祉年金受給者七十万人については十一月十一日の支払い日、二千八百万人については十二月十五日の支払い日に間に合わせるよう、成立をぜひともお願い申し上げる次第であります。
以上をもって私の意見開陳といたします。終わります。