厚生委員会

1994-10-25 衆議院 全139発言

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会議録情報#0
平成六年十月二十五日(火曜日)
    午前十時十分開議
出席委員
  委員長 岩垂寿喜男君
   理事 衛藤 晟一君 理事 木村 義雄君
   理事 鈴木 俊一君 理事 戸井田三郎君
   理事 井上 喜一君 理事 石田 祝稔君
   理事 山本 孝史君 理事 網岡  雄君
      荒井 広幸君    小野 晋也君
      熊代 昭彦君    近藤 鉄雄君
      塩崎 恭久君    七条  明君
      竹内 黎一君    長勢 甚遠君
      根本  匠君    堀之内久男君
      山口 俊一君    青山 二三君
      岩浅 嘉仁君    塚田 延充君
      福島  豊君    桝屋 敬悟君
      矢上 雅義君    柳田  稔君
      米田 建三君    金田 誠一君
      五島 正規君    土肥 隆一君
      森井 忠良君    三原 朝彦君
      岩佐 恵美君
 出席政府委員
        厚生大臣官房長 山口 剛彦君
        厚生省年金局長 近藤純五郎君
 委員外の出席者
        厚生委員会調査
        室長      市川  喬君
    —————————————
委員の異動
十月二十五日
 辞任       補欠選任
  藤本 孝雄君     七条  明君
同日
 辞任        補欠選任
  七条  明君     藤本 孝雄君
    —————————————
本日の会議に付した案件
 国民年金法等の一部を改正する法律案(内閣提
 出、第百二十九回国会閣法第二六号)
 派遣委員からの報告聴取
     ————◇—————
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岩垂寿喜男#1
○岩垂委員長 これより会議を開きます。
 第百二十九回国会、内閣提出、国民年金法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 この際、本案審査のため、宮城県及び京都府に委員を派遣いたしましたので、派遣委員から、それぞれ報告を求めます。第一班網岡雄君。
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網岡雄#2
○網岡委員 第一班の宮城県の派遣委員を代表いたしまして、団長にかわりまして私からその概要を御報告申し上げます。
 派遣委員は、岩垂寿喜男委員長を団長として、理事鈴木俊一君、理事山本孝史君、委員井奥貞雄君、委員桝屋敬悟君、委員三原朝彦君、それに私、網岡雄を加えた七名であります。なお、現地において、大石正光議員、千葉国男議員が参加されました。
 現地における会議は、十月二十四日午前十時より午後零時十九分まで、ホテル仙台プラザ会議室において開催し、まず岩垂団長から、派遣委員及び意見陳述者の紹介並びに議事運営の順序等を含めてあいさつを行った後、宮城県厚生年金受給者協会会長廣谷円三君、財団法人北海道難病連理事・多発性硬化症部会会長田中士郎君、連合宮城事務局長佐々木良夫君の三名の方から参考意見を聴取いたしました。
 その意見内容につきまして、ごく簡単に申し上げます。
 廣谷君からは、このたびの年金制度改正法案の内容について、厚生年金の六十歳から六十四歳の別個の給付の実施、年金と雇用の調整、ネット所得スライド制の導入等は適切で高く評価するものであり、全面的に賛成であり、国庫負担問題と切り離して早期に成立することを要望する旨の意見が述べられました。
 田中君からは、無年金障害者対策の必要性についての意見が述べられました。
 佐々木君からは、今回の改正は前向きで積極的に評価できる点はあるが、厚生年金の六十歳から六十四歳の別個の給付を、定年後働くことが困難な場合現行どおり満額の年金を支給するよう改めること、在職老齢年金の一律二割カットを撤回すること、雇用保険の失業給付受給者に対する厚生年金の別個の給付の支給停止は、六十歳前半層の雇用機会確保と公的年金制度一元化の展望が明らかになるまで実施しないこと、雇用保険の高年齢雇用継続給付と厚生年金の別個の給付の調整は撤回すること、新たな制度は次期財政再計算の際に高年齢者の雇用状況と基礎年金の国庫負担の状況を踏まえて見直すこと等の意見が述べられました。
 意見の陳述が行われた後、各委員から、年金制度の仕組みとしての社会保険方式と税方式の評価、ネット所得スライド制の導入、基礎年金国庫負担問題と介護システム問題を踏まえた今後の福祉ビジョンヘの取り組み方、障害者の福祉と生活保障及び障害者の税負担、今回の年金制度改正内容の全体的に眺めての許容範囲、年金一元化問題等について熱心に質疑が行われました。
 なお、会議の内容を速記により記録いたしましたので詳細は会議録によって御承知願いたいと思いますので、会議の記録ができましたならば、本委員会議録に参考として掲載されますようお取り計らいをお願いいたします。
 以上をもって第一班の報告を終わりたいと思いますが、今回の会議の開催につきましては、関係者多数の御協力により、極めて円滑に行うことができた次第であります。
 以上、御報告申し上げます。拍手
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岩垂寿喜男#3
○岩垂委員長 第二班戸井田三郎君。
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戸井田三郎#4
○戸井田委員 第二班の京都府につきまして、派遣委員を代表いたしまして、私からその概要を御報告申し上げます。
 派遣委員は、団長を務めました私のほか、理事井上喜一君、委員熊代昭彦君、委員山口俊一君、委員青山二三君、委員柳田稔君、委員土肥隆一君、委員岩佐恵美君の八名であります。なお、現地において、伊吹文明議員が参加されました。
 現地における会議は、十月二十四日午前十時より午後零時三十六分まで、京都センチュリーホテル会議室において開催し、まず、私から、派遣委員及び意見陳述者の紹介並びに議事運営の順序などを含めてあいさつを行った後、株式会社木下製作所代表取締役会長・島津工業会理事長木下隆徳君、無年金障害者の会代表鈴木静子君、連合京都会長代理・ゼンセン同盟京都府支部長梅本鎮雄君、年金問題研究家上西和郎君、日本福祉大学教授真田是君の五名の方から参考意見を聴取いたしました。
 その意見内容について、ごく簡単に申し上げます。
 木下君からは、改正案に全面的に賛成であり、急速な人口構成の高齢化が進む中で、年金制度の長期的安定を図るためには、年金受給世代への給付と現役世代の負担とのバランスを図ることが不可欠であり、改正が急がれる旨の意見がありました。
 なお、上西君からは、改正案に基本的には賛成だが、年金積立金の被保険者還元融資の範囲の拡大及び貸付額の引き上げ、厚生年金及び国民年金の遺族年金の支給条件及び業務上の災害補償に関する共済年金との格差是正、在職老齢年金の調整基準額の引き上げ、雇用保険の失業給付と年金支給との併給調整の緩和等について検討されるべきである旨の意見がありました。
 鈴木君からは、まず、無年金障害者救済の要望があり、老齢厚生年金の六十五歳からの支給並びに保険料率の引き上げに反対、真田君からは老齢厚生年金の六十五歳からの支給並びに保険料率の引き上げには賛成できず、もっと時間をかけて論議すべきなどの意見がありました。
 梅本君からは、六十歳から六十四歳までの別個の給仕については、働くことが困難な場合には現行どおり満額の年金を支給すること、在職老齢年金については、在職者に対する一律二割の年金カットの撤回、雇用保険の失業給付受給者に対する年金支給停止の実施を延期、高年齢者雇用継続給付と年金の調整については撤回、今回の改正による新制度については次期財政再計算時に見直すことを明記、基礎年金の国庫負担率の引き上げを明らかにすること等の意見がありました。
 以上のような意見が述べられた後、各委員から、六十歳以上の高齢者雇用の現状と今後の施策、基礎年金の国庫負担率の引き上げの場合の財源、無年金障害者の実態調査と対策、パートタイマーの女性の厚生年金の適用、第三号被保険者の基礎年金の保険料負担のあり方、最終的な保険料率を現行の二倍程度の三〇%内にとどめる方針の評価等について熱心に質疑が行われた次第であります。
 なお、会議の内容を速記により記録いたしましたので詳細は会議録によって御承知願いたいと思いますので、会議の記録ができましたならば、本委員会議録に参考として掲載されますようお取り計らいをお願いいたします。
 以上をもって第二班の報告を終わりたいと思いますが、今回の会議の開催につきましては、関係者多数の御協力により、極めて円滑に行うことができた次第であります。
 以上、御報告申し上げます。拍手
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岩垂寿喜男#5
○岩垂委員長 以上で派遣委員からの報告は終わりました。
 お諮りいたします。
 ただいま報告のありました第一班及び第二班の現地における会議の記録が後ほどでき次第、本日の会議録に参照掲載することに御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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岩垂寿喜男#6
○岩垂委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    —————————————
    〔会議の記録は本号末尾に掲載〕
    —————————————
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岩垂寿喜男#7
○岩垂委員長 この際、暫時休憩いたします。
   午前十時二十一分休憩
     ————◇—————
    〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕
  〔参照〕
    —————————————
   派遣委員の宮城県における意見聴取に
   関する記録一、期日
   平成六年十月二十四日(月)二、場所
   ホテル仙台プラザ三、意見を聴取した問題
   国民年金法等の一部を改正する法律案(第
   百二十九回国会、内閣提出)について四、出席者
 (1) 派遣委員
   座長 岩垂寿喜男君
      鈴木 俊一君    井奥 貞雄君
      桝屋 敬悟君    山本 孝史君
      網岡  雄君    三原 朝彦君
 (2) 現地参加議員
      大石 正光君    千葉 国男君
 (3) 政府側出席者
        社会保険庁次長 佐藤 隆三君
        厚生省年金局企
        業年金国民年金 小林 和弘君
        基金課長
 (4) 意見陳述者
        宮城県厚生年金 廣谷 円三君
        受給者協会会長
        財団法人北海道
        難病連理事   田中 士郎君
        多発性硬化症部
        会会長
        連合宮城事務局 佐々木良夫君
        長
     ————◇—————
    午前十時開議
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岩垂寿喜男#8
○岩垂座長 これより会議を開きます。
 私は、衆議院厚生委員長の岩垂寿喜男でございます。
 私がこの会議の座長を務めますので、よろしくお願いいたします。
 この際、派遣委員団を代表いたしまして一言ごあいさつを申し上げます。
 皆様御承知のとおり、当委員会におきましては、国民年金法等の一部を改正する法律案の審査を行っているところでございます。
 当委員会といたしましては、法案の審査に当たり、国民各界各層の皆様から御意見を聴取するため、御当地におきましてこのような会議を催しているところでございます。
 御意見をお述べいただく方々には、御多用中にもかかわらず御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。忌憚のない御意見をお述べいただくようお願い申し上げます。
 まず、この会議の運営につきまして御説明申し上げます。
 会議の議事は、すべて衆議院における委員会議事規則及び手続に準拠して行い、議事の整理、秩序の保持等は、座長であります私が行うことといたします。発言される方は、座長の許可を得て発言していただきたいと存じます。
 なお、この会議におきましては、御意見をお述べいただく方々は、委員に対しての質疑はできないことになっておりますので、あらかじめ御承知おきいただきたいと存じます。
 次に、議事の順序につきまして申し上げます。
 最初に、意見陳述者の皆さんから御意見をそれぞれ十五分程度お述べいただきました後、委員より質疑を行うことになっておりますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、本日御出席の方々を御紹介いたします。
 出席委員は、自由民主党の鈴木俊一君、改革の山本孝史君、井奥貞雄君、桝屋敬悟君、日本社会党・護憲民主連合の網岡雄君、新党さきがけの三原朝彦君、以上でございます。
 次に、各界を代表して御意見をお述べいただく方々を御紹介いたします。
 宮城県厚生年金受給者協会会長廣谷円三君、財団法人北海道難病連理事・多発性硬化症部会会長田中士郎君、連合宮城事務局長佐々木良夫君、以上の方々でございます。
 それでは、廣谷円三君から御意見をお願い申し上げます。
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廣谷円三#9
○廣谷円三君 ただいま御指名をいただきました宮城県厚生年金受給者協会の廣谷円三と申します。
 お隣の山形県から宮城県に移り住んで三十八年、満七十歳を契機に現役を退き、ようやく年金収入を糧とした生活に入り、目下受給者協会会員二万五千人とともにその力を合わせ、豊かな年金生活を実現するため、年金制度を守り立て、会員相互の福祉の向上はもちろんのこと、会員相互の融和交流を図り、さらには社会貢献型生きがい対策事業の実施などに努力をいたしておるものであります。
 このたび、衆議院厚生委員会地方公聴会に意見陳述者として指名をいただき、国民年金法等の一部を改正する法律案についての意見を申し述べる機会を賜りましたこと、まことに光栄に存ずるとともに、その責任の重大さを痛感しておるところであります。
 また、突然の指名なので、受給者協会会長の立場の御指名推薦かと心得ますが、協会としての事前協議開催のいとまがなくしたがいまして会長廣谷個人の主観による意見開陳として御理解を賜りますようお願いを申し上げるものであります。
 さて、厚生年金が誕生して五十二年、国民年金が発足して国民皆年金になって三十三年が経過し、今や年金は国民の老後生活設計になくてはならない重要な柱になっておりますことは御承知のとおりでありましょう。
 以下、改正法案に対する意見を申し上げたいと思います。
 まず第一に、本格的な高齢社会を活力ある長寿社会とするため、高齢者の雇用の場の確保を初め社会経済全体のあり方が問われる中で、年金制度もこれに対応し、人生八十年時代にふさわしいものに見直すこと。このため、年金制度を高齢者雇用の促進と連携のとれた仕組みとすることとされております。
 本格的な高齢社会にふさわしい年金制度としていくということは、人生八十年時代では六十歳引退あるいは定年社会から六十五歳現役社会への切りかえが必要とし、改正案では、六十歳代前半は賃金と年金で生活設計する期間と位置づけ、年金中心の生活となる六十五歳からの本格的な年金とは別個に、現行の半額程度の年金を支給する形へと二〇〇一年から二〇一三年にかけて段階的に切りかえていく方法とされ、まさに適切な対応と思料いたすものであります。
 雇用と連携のとれた年金制度としていく問題については、高齢者の高い就業意欲にこたえた高齢者雇用の促進を図るとともに、年金制度も雇用促進的なものにしていく考えで、これが改正案においては、六十歳代前半の雇用を促進するため、働くことによって総収入が増加するよう在職中の年金支給について改善されております。また、雇用保険の給付と所要の調整を行うとし、失業給付を受けている場合は年金の支給を停止する、また高年齢雇用継続給付を受けている場合は一定の調整を行うとして、これは政府関係各省間の適切な連携措置として高く評価をいたしたいと存じます。
 二番目に、高齢化が急速に進展していく中で、年金制度を長期的に安定させるため、将来にわたり給付と負担のバランスを図ること。
 年金受給世代と現役世代のバランスの確保の問題でありますが、将来の現役世代に過重な負担が生じないよう、必要な給付は確保しながら、最終保険料率を少なくとも現在の二倍程度の三〇%を超えないように改められるものであり、その中身は、年金額の引き上げ、あるいはネット所得スライドの導入、あるいは賞与からの特別保険料の導入、厚生年金の保険料率の改定、あるいは国民年金の保険料の改定等々であります。
 今回の改正法案は、二十一世紀の超高齢社会においても年金が老後生活の主柱として安定運営され、後世代の負担を過重なものとしないための必要な改革であり、予想以上の速さで進む高齢対応の年金分だけは保険料は徴収されておらず、いわゆる持ち出しで大きな赤字を生み出してくることになるのではないでしょうか。
 民間の個人年金だと、その分を予測して高い保険料として徴収するから赤字の心配はないが、そのかわり保険料が高額になると聞いております。公的年金と企業あるいは個人年金はおのずとその趣旨や性格は異なるものであっても、年金として老後生活の主柱の一部を目的とすることには変わりはないと思います。
 そこで、公的年金における財政対策として、いろいろと社会保険方式のもとにおける国庫負担のあり方、財源確保の方策など中長期的観点に立って十分検討する必要がありますが、今回の改正案は、国庫負担問題と切り離して早急に本案の成立を特に切望するものであります。
 終わりに、平成六年は財政再計算の年で、五年に一度の年金制度の定期点検に当たり、点検の結果、国民年金法等の一部を改正する法律案として三月十八日さきの国会へ提出、六月二十九日前臨時国会で継続審議と決定した経緯を経て、今国会においていよいよ御審議をいただく運びになりました回五年に一度の年金額の実質的な引き上げや障害年金の改善等を十月から実施することとしているので、年内に支払うには一日も早い法案の成立が必要であります。公的年金受給者二千八百万人の私たち年金生活者の五年に一度の給与改定でもあり、生活弱者の最大の期待事項でもあります。また、福祉年金受給者七十万人については十一月十一日の支払い日、二千八百万人については十二月十五日の支払い日に間に合わせるよう、成立をぜひともお願い申し上げる次第であります。
 以上をもって私の意見開陳といたします。終わります。
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岩垂寿喜男#10
○岩垂座長 ありがとうございました。
 議事の途中でございますが、現地参加の議員として、改革の大石正光君が出席されましたので、御紹介を申し上げます。
 それでは、議事を続行いたします。
 次に、田中士郎君にお願いをいたします。
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田中士郎#11
○田中士郎君 まず初めに、本日この場所で意見を開陳する機会に恵まれましたことを大変にうれしく思っております。並びに、関係者の皆様に深く感謝いたします。
 それでは、時間もございませんので早速本題に入りますが、お聞きのとおり、私は若干言語障害がございますので、お聞き取りにくい点は、お手元に配布しましたプリントをご覧いただければ大変にうれしく思います。
 では最初に、私が発病して無年金となった経過について申し述べたいと思います。
 私が発病したのは、昭和五十一年、二十四歳時、当時北海道大学大学院二年在学中でした。病名は多発性硬化症、略称でMSと呼ばれる病気です。
 当時、学生の国民年金加入は任意でありまして、その制度がどのようなものであり、また任意加入ということがどんな結果を引き起こす可能性があるかということは、当人はもとより、保護者に対してさえほとんど知らされていませんでした。さらに、当時大学卒の初任給が大体十万ちょっと切るぐらいだと思っておりますけれども、その当時の国民年金の保険料は、私の感覚ではかなり割高だったように記憶しています。実は、この九千円という数字はあいまいでありまして、当時千四百円というふうに聞きましたが、果たしてこのようなものかなと、今でも何かキツネにつままれたような思いがしております。そういうわけで、保護者にとっても国民年金の保険料はかなり割高だったような感覚があったと思っております。ですから、当時の学生はほとんど国民年金には加入していませんでした。
 御存じのとおり、今の年金制度では、未加入の状態で障害者になった場合は障害年金の支給対象にはなりません。私の場合も、発病から十九年間無年金の状態が続いています。
 次に、現在までの職業と経済状態について申し述べたいと思います。
 発病後、入院生活が五年、重度身体障害者更生援護施設が三年という経過を経て、私は昭和六十年三月に砂川市にある北海道身体障害者職業訓練校を修了しました。当時の身体障害者に開かれた職域というのは、クリーニングや印刷等の極めて狭い範囲でしかありませんでした。それは、私のように体幹に障害を持つ者にとって大変につらい状況でした。結局、職業訓練の一年間は公費によりある程度生活の保障は得られたのですが、訓練期間を終えてしまえば、後は経済的な保障は全くありませんでした。もっとも、福祉手当が一万円弱はあったのですが……。
 そのようなわけで、家族に頼る生活を送っていましたが、その時期にパーソナルコンピューターの勉強を始め、昭和六十二年の秋に第二種情報処理技術者の資格を取得、六十三年から身障者仲間と小規模授産所を始めました。ただし、この時期の収入は、働いているとはいっても、一月置きに二万円とかそれぐらいでしたから、依然として経済的には家族に頼る状況は変わりませんでした。それでも平成二年ごろになると月に五万円ぐらいの収入にはなるようになりましたから、幾らかはよくなってきたと言えます。
 そうこうしているうちに、平成三年春に、TSD株式会社、これはソフトハウスですが、そこで身体障害者の募集があり、私もそれに応募して、五月に採用されました。初任給は十七万円でした。それからの二年間は、私にとって唯一経済的に安定した時期でした。それも結局、不況によるリストラで解雇され、TSDはその二カ月後に倒産しているわけですが、現在は北海道難病連で会計伝票のコンピューター入力のアルバイトをして若干の収入を得ています。ただし、定期的に仕事があるわけではなく、収入とはいっても月に七万円程度ですから、食べていくのがやっとといったところです。さらに、父が脳梗塞で入院していますし、母ももうすぐ七十歳になります。現在は弟と同居していますが、弟が独立してしまえば、定期的に得られる収入は、父の障害年金と母の老齢年金だけになります。はっきり言って、今後に明るい状況はありません。
 次に、社会保障ということについて私の個人的な意見を若干述べたいと思います。
 現在の年金額は果たして憲法の言う「文化的な最低限度の生活」を保障しているものなのだろうかというと、もちろんそうじゃない、低過ぎると思っていますが、だからといって無年金障害者の問題を放置しておくことは、私を含めて、そういう人たちには社会的な保障は必要ないんだということなんでしょうか。いや、現在の状況を見れば、老齢年金の六十五歳支給開始問題を見ても、それによって困窮する人が発生するのはわかっているのに、財源難を理由にいわゆる弱者は切り捨てられる方向に確実に向かっているように思われます。
 それでは、社会保障というのは何のためにあるのでしょうか。本来社会的な保障が必要ない人たちには、こんな話をしてもわからないかと思います。例えば、障害者が働くといっても、働く機会がまれであるのはもちろんのこと、賃金一つとっても健常者とは大変な格差があるのです。さっき私の初任給の話をしましたが、十七万円という金額が一般的に高いか安いかは別です。私のいた会社では、三十歳で三十万取る人というのは珍しくなかったのです。それに対して、障害者の中には手取りで十万円を切ってしまう人だって多かったのです。そんな中で、最低限度の生活を保障していくのが社会保障ではないでしょうか。言いかえれば、いろいろな意味で社会的な弱者をつくり出さないようにするのが社会保障の精神なのではないでしょうか。
 最後に、無年金障害者の問題について若干述べたいと思います。
 今までいろいろなことを申し述べましたが、無年金障害者の問題に関する限り、その対象というのは大体同じ世代に集中しています。ということは、年を重ねるごとに老齢化していくのです。まさかこの問題が老齢年金の問題と一体化してしまうことをねらっているわけではないのでしょうが、私たちにとってこの問題は一刻も早く解決していただきたい問題なのです。この問題はあくまで法体系の不備から生まれたものであると私は思っています。また、それを是正することもそれほど困難ではないと思っております。どうかこの問題に一日も早い解決が訪れますように、関係各位の御理解と実行をお願いします。
 以上です。
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岩垂寿喜男#12
○岩垂座長 ありがとうございました。
 次に、佐々木良夫君にお願いいたします。
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佐々木良夫#13
○佐々木良夫君 私は、本日の公聴会で日本社会党の推挙によりまして意見を申し上げることになりました連合宮城の事務局長の佐々木であります。きょうは、そういう意味で、宮城県内の勤労者、労働者を代表しての御意見を申し上げたいというふうに思います。
 実は、本題の年金問題に入ります前に、私たち労働者が全国組織でつくっております全労済といういわゆる労働者福祉事業団体があるわけですが、ここに加入をしている約四千八百人ほどの会員を対象に、現在の暮らしと老後の生活ということで、昨年の十月アンケート調査を実施をしました。
 その結果、現在一番不安なことは、また一番不満なことはという質問に対しまして、不安なことの第一位は、将来に備えた預金や保険、そして年金が不十分なことだというのが第一位でありました。第二位には、家族や自分の健康ということが答えられています。それでは不満なことはということにつきましては、税金や社会保険料が高いことだ、これが不満であるという回答が実はありました。
 それでは、これから改善あるいは充実させたいことは、こういう質問に対しまして、当然ながら、老後の備えということが約六六%でありましたし、第二に健康管理という答えであったわけであります。
 それでは、老後の生活についてどの程度不安を抱いているのかという数字的な結果を見ますと、多少不安とかあるいは身近な問題として不安がある、こういうことを合わせて七三・六%の人が老後の生活に不安がある、こういう数字が出ました。
 それでは、ゆとりある老後生活を営むためにどのくらいの生活費が必要ですか、こういう質問に対しまして、第一位は、三十万円から三十五万円というのが二三・四%です。第二位に、二十万円から二十五万円、一八%の方が答えています。平成五年の総務庁の家計調査によりますと、高齢無職世帯の実支出は一カ月二十六万四千円でありますから、ほぼ実態に近い控え目な必要金額を答えているかと思います。
 参考までに、連合本部が昨年の六月高年齢者の生活実態調査を行いましたが、その際、ゆとりある老後生活の必要経費はという質問に対しまして、三十六万六千円ということが答えとして返っています。
 一方、平成四年の厚生省の国民生活基礎調査によりますと、高齢者世帯で、所得のすべてを公的年金や恩給のみで賄っているという世帯は約四七%にすぎません。その他の方は、当然預金あるいはその他の個人年金と併用と考えられます。参考までに、公的年金だけで十分と答えられた方は、全体で一%にすぎませんでした。
 以上、これらの考え方に対しまして、現役労働者の不安材料はやはり何といっても老後の生活であり、そして、望んでいることは充実した公的年金の制度であるというふうに考えられます。そういう観点から、年金改正問題につきましては、十分御審議の上、我々労働者の意見を十分反映するようお願いを申し上げたいというふうに思います。
 まず、今回の年金改正案に対します総体的な考えてありますが、年金は世代間の助け合いによる老後の所得保障制度でありますし、その柱であると思います。私たち勤労者にとっては、年金は、できるだけ少ない負担でできるだけ多い年金を受け取れば一番いいのでありますが、今日の高齢化社会に伴って受給者も年金費用も大きく膨らみ、一方では支え手が少なくなってきていますので、将来を見据えた対応が必要だと考えます。
 今回の年金改正法案では、前回の一九八九年、平成元年の改正時に提案されました改正案とは異なりまして、私たち勤労者の意見を反映した部分もあります。その面では評価できる内容も含んでいるというふうに考えます。しかし、六十歳代前半の年金、いわゆる別個の給付について定年・雇用と年金の結合が不十分である点や、基礎年金の国庫負担の引き上げを見送っている点など、基本的課題については、残念ながら私たち勤労者の期待に十分こたえているとは言い切れない内容になっております。
 したがいまして、今回の改正案に対しましてこれから申し上げます五つの修正と三つの補強について、ぜひ御検討の上、実現していただければ幸いというふうに考えます。
 まず、その修正の第一には、六十歳から六十四歳の別個の給付につきましては、定年後に働くことを希望しても働く場所がないなど、働くことが困難な場合には現行どおり満額の年金を支給する措置をとっていただきたいという内容であります。
 昨年八月、労働省調査の六十歳から六十四歳までの有効求人倍率は〇・〇八であります。つまり、定年後働き続けたいと思っていてもなかなか仕事が見つかりません。したがって、新制度の導入は、希望すれば少なくとも六十五歳まで働けるような社会の仕組みが整うまで実施すべきでないというふうに考えます。今回の改正案では、六十五歳になるまでの年金は現在の半分程度、四十年加入で月十万前後になっているわけですが、これでは老後のゆとりある生活は送れないということにつきましては、先ほどアンケート調査の結果で申し上げた数字からも明らかだろうというふうに思います。
 第二に、在職老齢年金については、在職者に対する一律二〇%の年金カットを撤回していただきたいということであります。
 改正案は、賃金の増加に応じて賃金と年金の合計額が増加するよう改善されることは評価できるものの、就労時の所得保障のあり方や就労促進への諸対策などを踏まえて十分検討を加えるべきというふうに考えます。在職者の二〇%の年金を停止することは、短時間労働や小日数労働への誘導効果が働き、フルタイム労働など多様な選択を阻害することにつながり、現行制度の持つ問題点を引き継ぐおそれがあるものであります。したがいまして、一律二〇%カットは撤回していただきたいというふうに考えます。
 第三に、雇用保険の失業給付受給者に対する年金の支給停止については、少なくとも六十歳代前半層の雇用機会の確保と公的年金制度の一元化の展望が明らかになるまで実施しないでほしいという修正であります。
 改正案では、平成八年、一九九六年四月から、雇用保険の失業給付を受けていると年金がストップされます。失業給付と年金とでは受ける理由が相反することになりますし、また、社会保障財政の適正化という観点からも、併給調整をするという考えそのものは合理的と言えます。しかし、定年後働く場が少ない現状の中では、多くの勤労者にとっては定年後の唯一の生活費となっているのが現実であります。こうした現状を御理解をいただき、少なくとも今日の雇用環境の改善が見きわめられるまで、また公的年金の一元化の展望が明らかになるまでは実施を見送っていただきたいということであります。
 第四に、雇用保険制度に新設される高年齢雇用継続給付と年金の調整については撤回をしていただきたいという点であります。
 雇用保険改正により、来年四月から、定年後の賃金が定年時より一五%以上低い場合には、六十五歳になるまでの間、賃金の一定割合が雇用保険から支給されることになりました。しかし、この高年齢雇用継続給付を受けていると、年金は賃金の一〇%分カットされてしまいます。これでは定年後の賃金に雇用保険で足し算をして年金で引き算をすることになり、高年齢雇用継続給付を新設した意味が半減してしまいます。したがいまして、雇用保険の高年齢雇用継続給付との調整は撤回していただきたいというふうに考えます。
 第五に、新制度については、次期財政再計算(一九九九年までに実施)時に、高年齢者雇用と基礎年金の国庫負担の状況を踏まえて見直すことを明記をしていただきたいということであります。
 新年金制度は六十五歳まで働くということが前提になっていますが、まだ、だれでも六十五歳まで働けるという環境にはなっていません。特に、労働省調べの有効求人倍率も先ほど申し上げましたし、あわせて、宮城県の平成五年の調査によりますと、六十歳定年がまだ七六・一%にしかなっていません。それから、五十六歳から五十九歳の定年が八・一%、五十五歳以下がまだ一〇・六、一割以上もあります。六十一歳以上の定年は五・二です。こういうことから考えましても、まだ六十歳定年すらも固定されていないという現状を踏まえて、ぜひ御検討いただきたいというふうに思います。
 また、年金財政の安定度合いは国庫負担の割合に大きく左右されます。したがって、新制度は、一九九九年に予定されている次期財政再計算時に高年齢者雇用と国庫負担の状況を踏まえて見直すことが不可欠であり、このことを法の中にはっきりと明記することが必要というふうに考えます。
 以上が五つの修正をお願いする部分です。
 続きまして、三つの補強する部分でありますが、まず第一に、基礎年金の国庫負担率の引き上げを明らかにしていただきたいという点であります。
 現在の基礎年金の国庫負担率は三分の一になっているわけですが、少なくともこれを二分の一程度に引き上げていただきたい。そのことによって将来の保険料率は二六%台になろうというふうに思いますし、国庫負担率をさらに三分の二まで引き上げますと、三二%台に抑えられることにもなるわけであります。そのための財源などについては、確実に減少していく恩給財源の組み入れや間接税の重点投入などによって確保することが可能だろうというふうに考えますので、今回の改正では国庫負担率引き上げの目標と道筋を法律の中にしっかりと明記するように求めていきたいというふうに思います。
 第二に、福祉ビジョンの明示であります。
 去る三月に厚生省は二十一世紀福祉ビジョンを発表しまして、福祉社会への理念と方向性を明らかにしましたが、基礎年金の国庫負担の引き上げや具体的な介護システム、総合的な子育て支援の内容などは盛り込まれていません。これからの年金のあり方を決めるに当たっては、社会保障の給付と負担の具体的な将来推計や社会保障全体の中での年金制度の位置づけなどについては、一省庁としてではなく、政府全体として国民が納得できるようビジョンを示すことが不可欠であろうというふうに思います。
 第三に、高年齢者雇用ビジョンの明示であります。
 去る六月に労働省は中期雇用ビジョンを発表しましたが、高年齢者雇用ビジョンという観点からは不十分であります。年金改正に当たって、政府は、二十一世紀初めには希望すればだれでも六十五歳まで働けるようになる高年齢者雇用ビジョンを国民に示す必要があるのじゃないかというふうに考えます。
 以上が三点の補強の内容であります。
 最後に、年金問題の国会審議が国民の目に見える、重要な法案にふさわしい十分な審議を尽くされるようお願い申し上げまして、私の発言を終わりたいと思います。
 以上であります。
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岩垂寿喜男#14
○岩垂座長 ありがとうございました。
 以上で意見陳述者からの意見の開陳は終わりました。
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岩垂寿喜男#15
○岩垂座長 この際、議事の途中でございますが、現地参加議員として、改革の千葉国男君が出席されましたので、御紹介を申し上げます。
 それでは、議事を続行いたします。
 これより委員からの質疑を行います。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。鈴木俊一君。
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鈴木俊一#16
○鈴木(俊)委員 自由民主党の鈴木俊一でございます。
 きょうは、公述人の皆様方には大変お忙しいところ御出席をいただきまして、貴重な御意見を開陳を賜り、本当にありがとうございます。特に田中公述人には遠く札幌からおいでをいただきまして、本当にありがとうございます。心から感謝を申し上げます。
 年金制度というものは社会保障の中で特に所得保障ということでありまして、国民の老後生活の支えという意味で大変重要なものでございまして、そういう観点から今回の年金法改正というものも国民各層から大変な注目を集めている、そんなふうに思っております。特に今回は、これから超高齢化社会、少子化社会、そういうものが間違いなくやってくるわけでありますから、そういう中においてもこの大切な年金制度というものを将来にわたって安定的なものにしていかなくてはいけない。そのために、いわば今までの五年ごとの改正とは違いまして、ある意味では枠組みを大きく変えるような、そういう重要な年金法の改正であると思っております。
 そういう意味では、私は、個別の改善というものもございますけれども、それよりも、例えば六十歳から六十五歳への支給年齢の引き上げとか、あるいはその間の六十歳代前半の雇用と年金の関係でありますとか、そういうものが重要であろうかと思います。しかし、さはさりとて、やはり一方において、現実に年金の受給をして実際に年金生活でお暮らしの方々につきましては、この個別の改善というものも大変重要な注目点であろうと思うわけであります。
 日本の年金制度というのは、昭和三十六年に国民皆年全体制というものが確立をいたしまして、逐次個別の改善事項についてもいろいろ手を加えられてきたわけでありますけれども、昭和四十八年には物価スライド制、標準報酬の再評価、それから前回の改正時には完全自動物価スライド制の導入、国民年金基金の創設、こういうように逐次充実を図っているわけであります。
 今回の改正に当たりましても、それら枠組みの中で基礎年金額の改善でありますとか、それから、これは新たになるのだと思いますけれども、遺族年金の改善、障害者年金の改善等々改善がなされるわけでありまして、現に年金受給者の方々は年内にこの改善による支給を望むというような、そういう早期成立についての御要望というものも、一万現実の問題として大変強いものがあるということを伺っております。
 そこで、まさに年金受給者の団体であります宮城県の厚生年金受給者協会の会長であります廣谷公述人にもおいでをいただいているわけでありますが、私の地元岩手県の年金受給者協会の方からも早期成立というものを大変陳情を受けました。恐らく本日御出席の厚生委員の各委員に対しましても、それぞれの地元からそうした御要望があったかと思います。そういうような早期成立の御要望というものはいわば一対一で伺っているわけでありますが、年金の審議をするこの地方公聴会におきましても、一応公式な形で、その辺の生の声、生のお気持ちというものをお伺いしたいと思いますので、廣谷公述人には、今回のこの個別の改善、それの評価と、それと同時に、早期成立の希望についての生のお気持ち、会員のお気持ち、そういうものをお聞かせいただきたいと思います。
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廣谷円三#17
○廣谷円三君 先ほどの開陳でも申し上げましたように、せっかくの本日の開陳について、うちの会員の代表である理事あるいは役員の総意のまとまった意見として聴取はしてまいりませんでしたが、ふだんから役員会、その他行事等で会員と接する機会が多うございます。その場合の話というものは、やはり年金をもらうこと。
 いろいろと問題はあって、我々が一番感じているのは、いろいろな条件が備わってみんなが長生きをするようになった。俗に高齢化と言われるわけですが、かつての人生五十年から八十年になって、もちろん国においてもこういった年金制度、恩給から始まりまして今の制度になって、先ほども何十年になりましたというようなことを申し上げましたが、これは人間として非常に幸せな先取りをしていると私は思います。五十年から八十年になった場合に、三十年の長生きという幸せをつかみ得た。これに対して金の手当てというものは、我々在職中にこういった手当てというもの、掛金というものはそう掛けないで、しかも年金を終身いただくという、それぞれ感じられないいいことが、みんなが享受できる長生きの世代になったわけです。そういう意味合いでは、年金は若い世代と年寄りの支え合い、あるいはそういう意味合いのことを言われているわけですが、そういった手当てもしない状態で終身金をもらえるということは、本当に幸せを先取りしていることだと私は思っております。
 そういうことを今度は、先ほど私は、国庫負担のあり方については別に切り離して、まず五年に一回の我々のベースアップを先に考えてください、あるいは早期に成立をお願いしますということを申し上げましたが、これらはいつも会員の話し合いに出てくる問題でございます。
 しかしながら、今、年寄りが一番金を持っているということをよく言われます。もちろん、現役時代に備蓄した金もあれば財産から生まれる貯蓄もあるだろうし、あるいは最たるものは年金の収入でございますけれども、やはり年寄り特有の計画的な金の使い方によって今までためてきた。それを今出す時期になって、孫どもに出すというふうなことで、気前よく出せば金持ちだと言われるかもしれませんが、生涯にわたって生きていくためにはやはり計画性のある金の使い方をしていかなければいけない。それと、万が一亡くなった場合にはこれを一緒に持ち帰るわけにはいきませんので、我々の後を担ってくれる若い人に残す分も考えながらやっていかなければいけないのじゃないか。
 こういうふうなことで、ふだんから我々会員同士では、五年に一回のベースアップを含めた年金の改定、いろいろ国の事情もございまして国会においては現在は継続審議ということになってきたわけですが、この辺はメリットいっぱいでよろしくお願いを申し上げたい、こう思っております。
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鈴木俊一#18
○鈴木(俊)委員 早期の成立ということで、我々もそのことを重く受けとめまして、金曜日の日には一日十時間という審議をいたしましたし、何とか、十一月十一日福祉年金の支払いも迫っておりますので、そういう気持ちでまた頑張りたいと思っております。
 次に国庫負担の問題でございますが、これは安定的な年金制度を考えますときに、将来きちっと考えていかなくてはならない、避けて通れない問題であると思っております。佐々木公述人におかれましてもこの問題に触れられたわけでございますが、一方において、今の年金制度というものは社会保険方式が基本でありまして、国庫負担の増大というものは、それが税方式にもやや踏み込んでいくということでございます。
 国庫負担の話をするときに、よくデメリットといたしましては、税方式に近づきますと、将来の景気の動向等によってそういう財源が不安定であるとか、あるいはほかの社会福祉施策との兼ね合いで年金財源にきちっと取れるかどうか、そういうデメリットも強調されるわけでありますが、この辺の御意見を佐々木公述人にお伺いいたします。
 それと同時に、廣谷公述人にお伺いいたしますけれども、将来、税方式、国民負担というものが上がりますと、今は世代の助け合いということで、現役世代が払い、そして年金受給者の方が給付を受けるということでありますけれども、年金を受ける方もいろいろ購買活動とかするわけでありますから、税方式に近づくと、これからだんだん税体系も、消費税、間接税が上がってまいりますと、受給者も消費税を払うというようなことで、ある意味では負担を分け合う。現役世代だけに任せるのでなしに、受給世代もそういう活動を通じて納税をするわけでありますから、負担を分け合う、こういうことにもなろうかと思うのでありますけれども、その辺のお考えをお伺いしたいと思います。
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佐々木良夫#19
○佐々木良夫君 確かに財源問題については国民的な合意が大前提だろうと考えています。そういう面で、私たちは今回のこの国庫負担率について、ことしからすぐに二分の一にしろということについても、それは極めて困難な部分があろうかというふうに思いますので、次期財政再計算時期の一九九九年でありますか、その時期までにひとつ財源問題も十分検討の上考えていただけないだろうかというふうに考えています。
 その場合、総合課税化の問題や不公平税制の是正の問題、当然益税の解消などもありますし、あるいは行政改革などぎりぎりまでひとつ詰めていただきながら、消費税の財源なども当然その中に考えるべきだろうというふうに思いますので、そういう観点からぜひひとつ御検討いただけたらという考えで申し上げています。
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廣谷円三#20
○廣谷円三君 今鈴木先生からの質問はネット所得スライドの導入の件だろうと思いますが、私どもの協会ではクラブ活動がございまして、年金問題研究会というクラブがありまして、月一回の勉強会をしております。その際に社会保険事務所の専門官にお越しを願いましていろいろと勉強した範囲内でしか私中身がよくわかりませんが、厚生年金の再評価の方式の変更ということで、現役世代の賃金の上昇率というような問題のこのネット所得スライドの導入ですが、現行改定方式による再評価率が一・一七%で、手取り収入に基づく改定方式による再評価率が一・一六とした場合に、現役の方に若干多く、年寄りのもらう方は少し減るというようなことだろうと思いますが、これは年寄りの我慢限度額が、一七%と一六%でいきますと一%の差でございますが、仮に現役が十万で一%にしますと、我慢する方が一千円、この程度になる。
 それから、ことしの春に税調のヒアリングがございました。そのとき私も参加をさせていただいたわけですが、消費税の値上げの問題等について、これは年寄りだから負担しないとか、あるいは若い人だけだというわけでなくて、これは国民全体が負担をする税金であるという建前から、当然老齢者であっても納めなければいけない税金は納めるべきだということを私もはっきりと申し上げた記憶がございますけれども、そういう意味合いの一%の世代間の支え合いであれば、当然そのくらいなものは、我々同志の二千八百万人の受給者という方々はこの辺の理解はされるであろうというふうに思います。その辺よろしくお願いしたいと思います。
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鈴木俊一#21
○鈴木(俊)委員 質問時間が参りましたので、田中公述人にお伺いをしようと思いながら質問できなかったことは大変残念でございますが、田中公述人からは大変切実なお話をお伺いいたしました。福祉国家日本を目指していく中で、田中さんのようなお立場にある方のしっかりした年金あるいは福祉という全体の中で考えていかなくてはいけない、そういう思いを大変強くいたしました。これから田中公述人にも他の委員から質問があると思いますので、その質疑をお聞きしながら、私も大いにこれから考えさせていただきたいと思っております。
 それでは、時間が参りましたので、以上で私からの質問を終わります。
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岩垂寿喜男#22
○岩垂座長 続いて、井奥貞雄君。
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井奥貞雄#23
○井奥委員 私は、改革の井奥貞雄でございます。
 お三方の先生方には、早朝からお越しをいただきまして、多面的な御意見をちょうだいいたしまして大変ありがたく感謝を申し上げる次第でございます。
 鈴木委員からの御質問もございましたし、一部重複するところがあろうと思いますが、今回の改正法案というのは、二十一世紀の高齢社会に向けての年金制度を長期的に安定したものにしていくということが大前提でございまして、お話がありましたように五年に一度の改正案でございます。それぞれの先生方からお話がございましたが、この年金制度というのは、世代と世代間の助け合いの仕組みというのは当然でございますけれども、現世代の負担と年金受給世代への給付のバランス、これが確保されている必要があります。
 それで、廣谷公述人にお伺いをいたすわけでございますが、このような観点から、今回改正において厚生年金の年金額の改定のルールというものが変更されたわけでございますけれども、名目賃金に応じたものから、税、社会保険、この料率の負担を除いた実質賃金に応じたものとする、こういうことになっているわけでございます。このことは、年金受給世代にとっては厳しい内容でございますけれども、受給者を代表される廣谷公述人の御意見をまずお伺いをいたしたいというふうに思っております。
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廣谷円三#24
○廣谷円三君 それは、先ほど回答したネット所得スライド制の導入の問題と絡む問題なんですよ。ちょっとその辺が私も理解しないで、そのまま聞き足りなかったのですが……。であるとすれば、先ほど鈴木先生の問いにちょっとあるいはピントが外れた回答をしたのかもわかりませんが、そういう意味合いで、十万対千円というような立場からすると、この辺の負担は支え合いの趣旨からすれば当然な問題でないかなというふうに考えております。
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井奥貞雄#25
○井奥委員 ありがとうございました。
 佐々木公述人にお伺いをいたします。
 けさの日本経済新聞にも「年金国庫負担率上げで賛否両論」と、こういうふうに推進派と慎重派に分けて一つの記事が出ておったわけでありますが、先ほどもお答えになられましたし、また御意見でも述べておられましたけれども、連合さんは基礎年金の国庫負担率を三分の二に引き上げるべきだという御主張を今もちょうだいをいたしましたが、仮に国庫負担率を三分の二に引き上げた場合には、現在約三兆九千億円の国庫負担が二〇二五年には現在価格でも十六兆円、現在と比較いたしましても約四倍にはね上がるわけでございまして、額にいたしましても十二兆円以上の増加が見込まれるわけでございます。連合はその財源をどういった形で賄おうとしておられるのか。御意見陳述の中には、それは一部間接税によって賄っていく、税方式、これを財源として、間接税を引き上げることによってそれを賄っていくのだ、こういったお話も伺ったわけでございますが、もう一度、これが二〇二五年にかなりの額になるわけでございまして、将来消費税の問題というものはこれは避けて通れない問題でございますが、この問題につきまして一点お伺いをしたいと思います。
 そして、二点目でございますが、保険料の拠出に応じて給付が行われる社会保険方式という今の年金の仕組みというのは一公平で我が国に定着をしているというふうに私は考えるものでございますが、こういう社会保険方式のメリットと国庫負担率の引き上げとの関係というものはどういうふうに考えておられるのか。特に、二分の一ということであれば、これは二〇二五年には二六%、三分の二では二二%、こういうことでございますけれども、そういう面を考えましても今一番大切な時期だろうというふうに思っておりますので、この二点につきましてお答えをいただきたいと思っております。
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佐々木良夫#26
○佐々木良夫君 先ほども若干お答えしましたが、特に財源問題につきましては当然重要な課題だろうというふうに理解をしております。そういう面では、総合課税化の問題あるいは資産課税など、行政改革も含めたぎりぎりの努力は当然していただかなくちゃならないというふうに考えています。特に、そういう面では、消費税だけでやるということについてもかなり厳しい状況が当然あろうというふうに思いますので、いわゆる可処分所得のスライドの導入だとか、あるいは将来の保険料率の問題も当然考えなくちゃならないということはもちろん一つに入ろうと思います。
 それから、私たち連合では、部分就労、部分年金の導入などもやはり考えていく必要があるのじゃないか。現在の状況でいくと、働きながら年金を併給をされるということで、今までも多分そうだろうと思うのですが、ややもすると働く意欲が低下されるような特に今回のこの改正案、それを、意欲を持って働けるようなそれなりの制度というものが当然あっていいのじゃないかというふうに思います。
 ただ、あと後者の質問の中に関係すると思うのですが、一般的に私たち労働者の場合、特に私たち民間の場合のことを考えた場合、高卒であれば十八歳ないし十九歳で会社に入る、大卒であれば二十二歳なり二十三歳で会社に入って、厚生年金をいや応なくといいますか、言ってみれば本人の意に関係なく支払わなくちゃならない。大方の労働者は、少なくとも十八歳ないし二十二歳から定年の六十歳まで厚生年金を掛けたのだから、払ったのだから、自分が掛けた、払った分から当然貯金を引き出すかのごとくに支給されるものなりというふうに私は理解していると思うのですね。つまり、その時点時点でのいわゆる年金受給者に現在働いている現役の労働者が年金を支給するというふうには逆に余り理解をされてないのじゃないかという気がしてならないわけですね。
 実は、私自身も、ここ二、三年前ぐらいまでは、少なくとも自分が掛けた年金、いわゆる厚生年金が自分の掛けた金額に応じて支給されるものなりというふうに理解していた一人でもありましたので、その面がこれから特に少子化の問題とあわせながら、いわゆるピークになる二〇二〇年代でありますか、現在労働者十人で一人の年金生活者を賄っているのがピーク時にいずれ四人に一人ぐらいになるだろうという、このことを想定してのやはり安定した年金制度ということでしょうから、それとあわせて、今前段で申し上げましたような勤労者の考え方、と同時に年金を受けられる方々何人を賄えるかとなると、十人が四人になる、その先どうなのかということが全然わかりませんけれども、いずれ、これまた少子化の問題と無関係な問題でないだろうというふうに思いますので、そういう意味では、関連して申し上げてみましたいわゆる福祉ビジョンの問題だとか二十一世紀の問題を含めて、やはり真剣に考えないと取り返しのつかないことなども出てくるのじゃないかというふうに考えます。
 そういう意味では、私たち労働者の立場からいえば、ある程度納得のいく給付と納得のいくいわゆる支給、年金制度ということであれば、当然負担することについては何ら異論はないというふうに考えています。
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井奥貞雄#27
○井奥委員 ありがとうございました。
 納得のいくというところが大変大切でありまして、納得のいくという方法というものをこれからもまた御議論をさせていただきながら、やはり負担と給付の問題というのは大切な問題でございますから、お互いが逃げて通れない、避けて通れない問題でございますので、さらにまた何かの機会で佐々木さんとも御議論をさせていただければありがたいというふうに思っております。
 時間が限られておりまして、あと四分しかないわけでございますので、田中公述人にお伺いをしたいと思っております。
 障害をお持ちになられて大変な御苦労をされておられる、そしてまた、こうしてここで意見の陳述をなさるそのお姿を拝見していても、まだ田中さんのような方は恵まれておられる方ではないかな。もっともっとそういった形で、こういったところで意見陳述もできない、あるいはもっと陰の分野でしっかりと、しかし支え合って生きておられる方々がたくさんいらっしゃるというふうに思うわけでございます。しかしまた、こういった障害のあるなしにかかわりませず、すべての人が平等に社会生活を送れるようにするということが私たちに課せられた大きな使命であるわけであります。そのためには、福祉とか医療とか、あるいは厚生行政にとどまらなくて、町づくりとかあるいは交通、教育、すべての分野における取り組みが今必要であります。
 所得保障は障害を持った方の生活を支えるものとして大きな役割を担っているということを承知をいたしておりますが、年金受給権のない方々にとって所得保障問題への要望が切実なことはもっともであると私も考えているわけであります。しかし、社会保険の仕組みというのでしょうか、その仕組みをとっている年金制度としては、加入していなかったり保険料を滞納していた場合に年金を支給することはできないというこの原則も、なかなか崩しがたいものがあるわけでございます。大変矛盾をしているということもあるわけでありますが、この点について今田中公述人の御意見をお伺いをしたいと思います。
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田中士郎#28
○田中士郎君 社会保険方式というものを考えれば、確かにおっしゃるとおりになると思いますけれども、無年金障害者の解消という視点だけに絞りますと、社会保険方式というものが果たしてそのまま当てはまるのかなという気はしています。というのは、いわゆる所得保障だとかそういうことは、あくまでも社会の行動としてそれを保障していかなければならないものだという考え方に立って私たちは行動をしているわけです。その中で、社会保険方式はもともと基本的に社会が持つものだろうかなという疑問があるのですね。その中で、やはり我々無年金者の所得保障というのはどうも社会保険方式で賄われるものではないような気がしています。そういう意味で、ぜひ公的な負担というのをお願いしたいなと思う次第であります。
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井奥貞雄#29
○井奥委員 委員長、ありがとうございました。
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