小平忠正の発言 (世界貿易機関設立協定等に関する特別委員会)
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○小平委員 おはようございます。改革の小平忠正です。
各大臣におかれましては、当委員会、今日まで連日まことに御苦労さまでございます。数回質疑を続けまして、この一協定七法案等々について同僚議員含めて多々質問がございまして、幾つかの問題点、疑問点、また政府の答弁によってそのあいまいさというか、不透明点等々が噴出いたしております。
そこで、私はきょう質問の機会を与えられましたので、許された時間、私が問題とする点も含めまして、重複する点もあるかと思いますが、ぜひ関係大臣からの御答弁をいただきたいと思います。
まず、この六年有余にわたる今回のウルグアイ・ラウンドの外交面でのいろいろな議論の経緯、また国内においても種々行われました問題点の指摘等々、これを思い起こしまして、私は、なぜ今回我が国がこのウルグアイ・ラウンドを受諾せざるを得なかったか、そこの点を考えますときに、言うならば我が国は、皆さん御指摘のように貿易立国である、したがって、このいわゆる自由貿易を推進する立場上、今回我が国はどうしても避けて通れない、受諾せざるを得ない、そういう御意見が大勢を占めました。
そのときに当たって、私は二つの点を特に指摘をせざるを得ないと思うのであります。その一つは、言うならば、どうこう言っても今日の我が国はアメリカという存在を無視しては国際政治経済は語れない、これが一点であると思います。もう一点は、この自由貿易を推進するためにWTOを成立するためには、そういう意味において特に農業の分野に犠牲が伴う、したがって、農業界に対して十分なるラウンド後の対策を講じる、この二つが私は言うならば大きなポイントではなかったか、こう思います。
そこで、まず最初にお話ししたいことは、アメリカという国の政治の面における特徴というか、そんなことを、私が感ずるところを少しく指摘をさせていただきますが、アメリカという国は我が国とは政治システムというか、非常に違っております。
私の考えでは、アメリカは大きく三つの特徴がある。その一つは、御承知のようにツーパーティー・システム、二大政党制ですね。これはもう論ずるまでもありません。
もう一点は、ノンディシプリンというか、言うならば規律性がないということ。我が国ですと、議院内閣制で与党、野党という状況がございます。しかし、アメリカの民主党、共和党という中においては、日本流に言うと、党議拘束がないわけでありますね。したがって、民主党であろうと共和党であろうとどうであろうと、その議員の個々の信条、信念によってすべての案件に対して判断が自由であるということ、例えて言うならば、一般的に言うと、アメリカは、民主党が一般的に言ってリベラルである、しかし、共和党はコンサバティブ、こう言われますね。
しかし、それは地域によってであり、また個人差によってでありまして、一つの例を言いますと、過去にもあったことですけれども、東部の民主党の議員のグループと南部の共和党のグループが往々にして意見が一致することが多々ございました。特にアメリカ南部の民主党の皆さんは非常にコンサバティブである、そんなこともここにあり、したがって、そこのところは政党政治であるけれども、ツーパーティー・システムで政党政治であるけれども、しかし、政党がないということも言えるのではないかと思う。そういう中で、大統領府と議会とがちょうちょうはっし渡り合って、今までのいろいろな案件の処理がなされてまいりました。そういうことが二つ目。
それからもう一つは、ディセントラリゼーション、言うなれば非中央集権化というか、日本とは違ってアメリカという国は、連邦議会、州議会、まああれだけ広い国ですからこれも必然的にそうなったことでしょうけれども、そういう州議会が非常に健在である。したがって、時としては連邦議会と州議会がまるっきり相反する法律をつくったことも過去にはあった。そして、幾ら連邦政府が外交的に事を進めていっても、州レベルではそれを敢然と拒否をしてその州内の権益を守るということ、これが堂々とまかり通ってきたという、そういうことももう既に御承知のとおりであります。
そういうような状況がアメリカ政治の私は特徴ではないかと思います。
さて、そういう中において、先般十一月に中間選挙がございまして、日本で言うならば野党である共和党が大躍進した。そうなると、普通ならば政権がかわるはずでありましょうけれども、アメリカは連邦議会と大統領は別でありますので、そこのところは今のクリントン政権、この状態が続いております。しかし、言うならばこれはレームダック議会でありますね。もう一つおもしろいことに、アメリカという国は選挙があっても年内は選挙前の議員構成で議会が運営される。ですから、新しい議会は来年一月からのスタートになりますね。
そういう中で、今盛んに外務省を中心にこのWTOのことに関して、アメリカは予定どおり十一月の下旬には下院、そして上旬には上院がこれを通します、そういうことを、手をかえ品をかえてそういう情報を流し、また、我々にもそういう文書が流れてきております。マスコミにもそういう報道があるのも事実であります。しかし同時に、これについて疑義的な、懐疑的な、そういう情報があることも、これも事実であります。
しかし、不思議なことに、このWTOの通過が難しいという、そういう情報はどういうわけか余り、比べてみるとそちらの情報がちょっと弱いようには感じられますが、したがって、一般的にマスコミやあるいは政府の情報をそのまま受け取りますと、このWTOはアメリカにおいては問題なく通過する、そのように受け取られる節があるようには感じられます。しかし、私は、今申し上げた観点から、果たしてそれがうまくいくのか、そんなことをいまだもって懸念をしておる一人でございます。
外務大臣、そういう状況はもう私が申し上げるまでもなく先刻既に御承知のことと思いますけれども、大臣は本当に、アメリカ上下両院はこのWTOをクリントン政権の希望どおり粛々と日程にのっとって通していくのだと、いまだもってそう信じておられますか。そこのところはいかがですか。