松永光の発言 (政治改革に関する調査特別委員会)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○松永委員長 政党交付金の交付を受ける政党等に対する法人格の付与に関する法律案起草の件について議事を進めます。
 本件につきましては、第百二十九回国会以来協議を重ねてまいりました政治改革協議会における合意に基づき、理事会におきまして御協議をいただいたところでありますが、お手元に配付いたしましたとおりの起草案を委員長から御提案いたしたいと存じます。
 ここで、起草案の趣旨及び内容の概略について、御説明申し上げます。
 議会制民主主義のもとにおいて、政党の機能及び社会的責務はまことに重要であります。また、政党助成法の施行に伴い、同法に基づく政党交付金の交付を受ける政党は、政党交付金を適切に使用すべき大きな責任を負うこととなります。このような観点から、本案は、政党の財産の所有、維持運用その他その目的達成のための業務の運営に資するため、一定の要件に該当する政党に法人格を付与するとともに、政党交付金の交付を受ける政党は法人でなければならないこととし、もって政党の政治活動の健全な発達と民主政治の健全な発展に寄与しようとするものであります。
 次に、本案の主な内容について申し上げます。
 その一は、政党の法人格の取得についてであります。
 この法律において法人格を取得することができる政党は、政治団体のうち、所属国会議員を五人以上有するもの、または所属国会議員を有するもので、直近の衆議院議員の総選挙もしくは直近の参議院議員の通常選挙もしくはその前回の通常選挙における当該政治団体の得票率が百分の二以上であるものといたしております。この要件に該当する政党は、中央選挙管理会の確認を受けた上、主たる事務所の所在地において登記することにより、法人格を取得することができることといたしております。
 その二は、法人の設立手続についてであります。
 さきに述べた要件に該当する政党は、名称、目的、主たる事務所の所在地、代表権を有する者の氏名、所属国会議員の氏名等を届け出るとともに、これにあわせて綱領、党則等の文書を提出して、中央選挙管理会の確認を受けることができることといたしております。
 中央選挙管理会の確認を受けた政党は、確認を受けた日から二週間以内に、主たる事務所の所在地において設立の登記をしなければならないことといたしております。この設立の登記には、名称、目的、主たる事務所、代表権を有する者の氏名及び住所並びに解散の事由を定めたときはその事由を登記することといたしております。なお、これらの登記事項に変更が生じたときは、変更の登記をしなければならないことといたしております。
 その三は、法人の解散等についてであります。
 法人である政党等は、任意に解散することができますが、そのほか、党則等で定める解散の事由が発生したとき、または目的の変更その他により政治団体でなくなったときは、解散することといたしております。
 次に、法人である政党がさきに述べた政党の要件に該当しない政治団体となった場合についてでありますが、このような政治団体は四年間は法人格を失わないこととし、政党の要件に該当することなく四年を経過したときに法人でなくなることといたしております。この場合において、その団体は政治団体としてなお存続することとし、一切の財産は、整理の手続を経て、当該法人でなくなった政治団体に帰属することといたしております。
 なお、法人である政党等が解散したときは解散の登記、法人である政治団体が法人でなくなったときは法人でなくなった旨の登記、法人である政党等の清算が結了したときは清算結了の登記、法人でなくなった政治団体への財産の帰属のために必要な整理が結了したときは整理結了の登記をしなければならないことといたしております。
 その四は、政党助成法の改正についてであります。
 政党助成法に基づく政党交付金の交付の対象となる政党は、法人である政党に限ることといたしております。
 以上のほか、法人の管理、清算、登記等について民法及び非訟事件手続法の所要の規定を準用することとし、法人である政党等に対する課税関係については原則として従前の人格なき社団である政党に対する課税関係と同様のものといたしております。また、この法律の規定に違反する行為に対しては秩序罰としての過料を科することとするなど、所要の規定を設けております。
 なお、この法律は公職選挙法の一部を改正する法律一平成六年法律第二号一の施行の日の属する年の翌年の一月一日から施行することといたしております。
 以上、本案の主な内容について御説明いたしましたが、最後に、本案と政党の政治活動の自由との関係について申し上げておきたいと存じます。
 政党の政治活動の自由は憲法上保障されているところであり、これがいささかでも制約されることがあってはならないことは言うまでもありません。そこで、本案の起草に当たりましては、特に行政権が政党の政治活動に介入することがないように留意したところでありまして、第一に、「この法律のいかなる規定も、政党の政治活動の自由を制限するものと解釈してはならない。」との解釈規定を設け、その旨を明文で明らかにしたこと、第二に、法人格を取得することができる政党の要件としては、客観的に明確な基準を用いることとし、具体的には国会議員の数及び国政選挙における得票率としたこと、第三に、政党が行う届け出についての確認は、国会の議決による指名に基づいて任命される委員から成る合議制の中央選挙管理会が行うこととしたこと、第四に、中央選挙管理会が行う確認については、届け出書等の形式上の不備等について行う、いわゆる形式的審査にとどめることとしたことであります。以上の措置によりまして、政党の政治活動の自由は十分に確保することができるものと判断しているところであります。
 以上が、本起草案の趣旨及び内容の概略であります。
    ―――――――――――――
 政党交付金の交付を受ける政党等に対する法人
  格の付与に関する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――

発言情報

speech_id: 113104573X00619941102_002

発言者: 松永光

speaker_id: 15760

日付: 1994-11-02

院: 衆議院

会議名: 政治改革に関する調査特別委員会