永井英慈の発言 (税制改革に関する特別委員会)
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○永井(英)委員 私は、ただいま議題となりました所得税法及び消費税法の一部を改正する法律案、平成七年分所得税の特別減税のための臨時措置法案及び地方税法等の一部を改正する法律案に対する修正案につきまして、改革を代表して、その趣旨を説明いたします。
政府が提出している税制改革関連法案は、哲学、理念を欠いた、抜本改革に値しない、ずさんきわまりない内容と断ぜざるを得ません。政府案は、さきの国会で全会一致で成立した平成六年分特別減税法附則の抜本的税制改革を行うという公党間の約束がほごにされ、内閣総理大臣らがあからさまな公約違反を犯すという、憲政史上まれに見る異常な形で取りまとめられたものと受けとめております。
高齢化社会の福祉ビジョン、行財政改革に関する基本的考え方や具体的な施策が示されず、何のための税制改革なのか全く不明確であります。所得減税を二階建て、二段階とし、消費税率を五%と仮置きして後から様子を見てもう一度決めるというびほう策をとるなど、法治国家にあるまじき無責任な内容が盛り込まれていることは言語同断であります。政府案が原案のまま可決されたとすれば、社会全体、国民一人一人の生活からも活力を奪い、内外ともに我が国の信頼を損ねることは必至であります。
そもそも、税制改革とは、政権や政党がいかなる国家社会をつくるかということが出発点であり、政権そのものに哲学、理念がない現内閣がかかる税制改革案を提出したことは、見ようによっては自然なこととも考えられます。二十一世紀に向かって、活力ある高齢化社会を建設し、品格と尊厳ある日本をつくり、これを国民が皆で支え合うという哲学に立って、抜本的税制改革に取り組むべきだと考えます。この認識に立って、無責任な政府案を根本から正し、真に抜本改革に値する税制改革を実現するため、私たちは修正案を提出するに至りました。
以下に、その柱をお示しいたします。
第一は、抜本的な税制改革の絶対条件として、具体的な行財政改革及び福祉ビジョンを提出するよう政府に義務づけ、その上で消費税率等について結論を出すよう法案を改めることです。
政府の税制改革案に関するバランスシートを検証してみましたが、建設国債発行に含まれる消費税分や法人特別税、自動車消費税の減税をカウントして、あたかも財源が生まれるかのような粉飾を行っていることに異議を唱えたいと思います。また、新ゴールドプランやエンゼルプランを政府が正式に決定していないのに、三千億円の歳出が想定されていることは、手続上も問題があります。また、これくらいの金額では、高齢化社会に対応した福祉政策を実施することは到底不可能であります。
また、政府・与党は行財政改革についても全く具体案を示しておりません。国民に五兆一千億もの消費税負担増を求める改革案を提示しておきながら、この段階で行革による歳出削減額が一銭も具体化されていないことに国民は憤りを感じております。国民に広く負担を求める際には、政府みずからがどれだけ汗をかくのか、明らかにすることが不可欠と考えます。
行財政改革計画、福祉ビジョンについては政府が平成七年三月三十一日までに提出することを義務づけました。当然のことながら、社会保障政策にかかわる費用、行財政改革による歳出削減額を示すことを明記いたしました。その上で初めて、消費税率について議論が行われるよう歯どめをかけ、期限をその半年後の平成七年九月三十日といたしました。また、単に税率水準のみならず、消費税の複数税率採用の可否も含めて検討するよう修正いたしました。なお、消費税改革に当たっては、消費者負担軽減の視点から、内外価格差是正についても中長期的な計画を政府が策定する必要があることを申し添えます。
第二は、中堅所得者を中心として税負担の累増感を解消するための所得減税が制度改正として恒久的に実施されるよう方途を確立することであります。
政府案によれば、平成八年からは、わずか三兆五千億しか制度減税が実施されないことになります。平成八年分の特別減税についても、景気が特に好転すれば取りやめる可能性が残されており、来年の実施については法案にも担保されておりません。三兆五千億という中途半端な減税が恒久化されれば、所得減税が小さくなり、消費税率が上がり、年金保険料は引き上げられるという、トリプル増税がサラリーマンを直撃し、社会の活力をそぐことは必至であります。連合の試算によれば、所得税、住民税と社会保険料の負担率は、年収五百万円では一二%から一三・〇%、年収七百万円では一四・四%から一五・五%とかえって上がってしまいます。これでは何のための減税なのか、全く理解できません。そのすべての原因は、所得減税が二階建てとなり、中途半端な規模になったことにあります。
消費税率とあわせて所得課税のあり方も根本から見直すこととし、平成八年からの抜本的所得減税実施のための措置を平成七年九月三十日までに講ずるよう手当ていたしました。平成七年は恒久減税三兆五千億円、特別減税二兆円の二階建て、総額五兆五千億円の減税が実施されますが、翌年以降は税負担に苦しむ働き盛りの中堅サラリーマンの負担の大幅軽減を制度改正として実施していきたいと考えております。
第三は、特別地方消費税及び自動車取得税を廃止することであります。
消費税に加えて、特別地方消費税、自動車取得税が課せられることは、まさに二重課税そのものであります。消費税導入に際して、個別間接税は原則廃止するのが筋であったのに、いまだにかかる税制が存続していることは問題であります。消費税率が引き上げられ、地方消費税が創設されるなら、なおさらこれらの税制の存続意義はなくなります。なお、消費税導入時と同様、酒税については消費税との調整併課が筋であり、今後この施策についても作業を進めていくべきであること、さらに、国際化時代に対応した法人課税の見直し、土地税制の緩和についても一定の方向性を固めておくことが必要であることを申し添えます。
以上が修正案についての趣旨説明でありますが、良識ある委員各位の御賛同をお願いいたします。
以上でございます。