穂積良行の発言 (地方行政委員会)

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○穂積委員 今の問題も含めまして、新制度を早く国民の皆さんに理解いただいて、そのもとでの次の選挙では正々堂々の選挙を行うということが肝心だと思う次第であります。
 ただ、こうした新制度で、これは言うなれば我が国政治の中での壮大な実験でありまして、これがうまくいくかどうか、これは先ほど申しましたように、私ども政治家の努力も当然必要であります。
 しかし、そもそもこの制度をやってみて、やはりここはおかしいとか、ここは見直すべきではないかということが、民主主義の生々たる発展という見地から、これはやはりそうしなきゃならぬというようなことが出てくるかもしれない。そのときには、また決まった制度にとらわれて、変な政治体制が長く続くというようなことにならないような心構えを国民、政治家は持っている必要があると思います。
 そうしたことで、私は、この新制度の中でもなお今後に問題を残す一つの問題があるということを例として出したいと思います。
 それは、今回の新しい制度で導入された衆議院の比例代表区、ブロックで比例代表衆議院議員を選ぶという制度が導入されたわけですが、これについて、これは既に導入されている、実施されている参議院の全国区比例代表制との比較においても、似たようだ、要するに各党の名簿によって当選人が確定したら、一たん当選したら、その党を離脱、離党等をしても、その議員の身分は失わないということになっていますね。私は、これは大きな問題が残っていると思うわけであります。
 極端な例で言いますと、自由民主党の東北ブロック比例代表制で当選した衆議院議員が、翌日自民党を脱党して共産党に入党する。まあこれは一番極端な話かもしれませんがね。それでも、比例代表区で当選した衆議院議員の身分を失わないで、次の総選挙まで活動できるというようなことは理論的にあり得るわけです。現実にはあり得ないと思いますがね。
 ただ、あり得る話としては、比例代表で当選した自民党議員が、無所属でやりたいとか、あるいは保守系の他の政党にくらがえしたいなんというような不心得者が出るかもしれない。それでも、その場合には議員の身分を失うということでなしに、しかも自民党としては、一人あるいは何人か脱党組で議席を減らしても、名簿によって繰り上げ当選ということでなしに、議席配分の変更が事後において行われるなんということが制度上やむを得ないということになっているのは、やはりおかしい、これは常識的には。私はそう思っているのです。
 それで、これは実は五十七年の参議院について比例代表制を導入するに際して一議論あったということは承知しておるのですが、憲法第四十三条で、国会は全国民の代表ということで選ばれるんだという規定、それを根拠に、選ばれたら、その信条に基づいて自由に、比例代表名簿はどの政党所属で当選させてもらったかなんということとは関係なしに、身分保持するのはやむを得ないんだという話になっておるのですが、私はこの立論は見直すべきだと思っているのです。
 憲法第四十四条で、国会議員の資格についても法律で決めるということになっている。だから、立法問題だと思うのです。憲法の解釈と、いかなる法律による制度が、今のような私の提示した極端なケースで、あるいはそうでないとしても、道理に合わないようなことを許すような制度であってはならないということで立法すべきじゃないかと思うわけであります。
 そういう意味では、今国会で成立した比例代表区導入においては、これは参議院の比例代表区の制度との見合いにおいてそのまま似たような制度にしたということはありますが、いずれの機会にか、これはしっかりした見直しをして、例えば私の考えからすれば、比例代表の名簿で、ある政党で当選した者がその党を離脱した場合には、議員の資格を失う、議員の資格を失ったら、憲法に保障される議員の特権等も当然消滅するというふうな制度にこれをすべきじゃないか。そのときには、その政党は、不心得者が出た後は、ちゃんと名簿の順位に従って補充当選をさせるというようなことにすべきじゃないか。
 また、政党が分裂したりあるいは脱党組が出たというような場合、これは新しく制定された政党法等の関係をきちっとして、その名前を変えようが何しようが、政党法で法人格を取得した政党が包括承継する新法人に所属する場合にはその身分は継続するとか、そのようなことも含めて、これは今後継続検討すべき課題だと思います。
 この問題について、実はこれをどこにお聞きし、相談したらいいかということを、きのうから実は私、個人的にあちこち当たってみました。
 当初自治省は、それは参議院の比例区を導入した場合の、これは議員立法の法案、事務担当した参議院法制局じゃないか。では今度はどうだ、これは政府提案だから内閣法制局呼び出すかと言ったら、これは自治省がな、衆議院の法制局もある。それでは、衆議院法制局はこの問題についてどういう勉強をしているか、こういうことなどを聞いてみたんですが、政府、これは内閣法制局、それから参議院法制局、衆議院法制局、この法制上の、憲法あるいは法律論を詰めるべきセクションがありますけれども、これらについては、関係当局、私のきょうのこの今後の検討課題ではないかということを踏まえて、勉強を続けていただきたいと思うわけであります。
 今申したことについての自治省当局のお考え方を聞かせていただきたい。

発言情報

speech_id: 113104720X00419941129_009

発言者: 穂積良行

speaker_id: 28174

日付: 1994-11-29

院: 衆議院

会議名: 地方行政委員会