前田勲男の発言 (法務委員会)
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○前田国務大臣 志賀先生から世界的な視野で、特にEU中心にお話がございまして、世界が司法分野でも動いている中で、我が国もその動きをよく注視をして適切に対処してまいれ、こういう御指摘をまず最初にいただいて大変感謝をいたしておりますし、私も大事なことであろうと思っておりますし、かつまた、冷戦後の世界はある意味では人権の世界だ、こういうふうに言われている学者を初め有識者の方も多くおられまして、我が国もそうした観点に立って、この人権というものに内外ともに誇り得るべき国として取り組んでいかなければならぬ、こう思っておるわけでございます。
ただいまスウェーデンの例のお話がございまして、相互主義のもとに考えたときに、我が国の法秩序そのものが矛盾から崩壊するのではないかというような御指摘になってくると思っております。相互主義も、私の考えを申し上げれば、厳密に言えば、それでは世界じゅう同じ法律でなければならぬ、刑罰でなければならぬ、あるいは似たようなことになってくる、ということになってくると思いますが、それぞれの国に主権があり、それぞれの主権のもとにやはり判断をされておる、こう解釈をいたしております。
素人でございますので、若干私の考えておりますことを事例を挙げて申し上げたいと思います。
例えばAという国で犯罪を犯してB国へ逃亡ないしは出た、こうした場合に、当然A国からB国に対して引き渡し要求があるわけでございますが、これはやはりB国の主権による判断をされる。これは世界で最も多くあるケースであろうと思っております。このB国における判断というものは、これはB国の、法治国家として当然のことでありまして、A国は法治国家、法律維持の能力がなくなってしまうというものではない、かように考えております。
そうした観点から、その国、A国の法治権そのものが侵害をされ、混乱をされ、そのものが否定をされるというような現実の場にはない、かように考えておるところでございます。
また、もう一点、EUを例にとられまして、その地域、例えばEUでございますと、ヨーロッパ全体の文化、伝統、宗教等から一つの、刑罰等に対しても同じ意識を持つような動きがあるのではないか、こういうお話がございましたが、その分アジアという国に当てはめてまいりますと、先ほど来死刑というお話が出ておりますが、死刑そのものをアジア全体で廃止をしている国は例がほとんどございません。存置をしておる国ばかりであろう、かように思っております。