志賀節の発言 (法務委員会)

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○志賀委員 私は、きょうは余り死刑問題については触れるつもりではなかったんでございますが、御答弁の方が御答弁の方でございますので、私、そういうことになると、ちょっとまた承らなければいけないことになってくる。
 私は、はっきり密行主義だと思っているんであります。余りにも秘密主義である。したが、って、年末であるか年度末であるかの収容確定者数の昨年比によってある程度頭数がわかるとかどうとかということは私も聞いておるわけでございますけれども、いつ幾日こういうことが行われたということはないんであります。わずかにマスコミの人たちが、やはり人間社会のやっていることでありますから、どこからかリークされる、それをもとにして書いて報道する、こういうふうに私は理解しておりますけれども、私は依然としてこれは密行主義だと思っているのでございます。
 なるほど処刑される人、その遺族あるいは受刑者の精神的な問題等々を配慮するということも、私もそれなりにわかります。しかし、そのことをおっしゃるならば、同時に、無知、未知の状態に一般の人たちを置いておいて行われる世論調査の是非というものとのバランスを考えてみて、どっちの方に重きを置いたらいいのか。極端なことを言えば、悪いことをやった人の方をそれだけ配慮して、一般の人たちの死刑問題に対する判断というものを狂わしていいのか、そういうバランス問題があると思うのですね。ですから、そういうことも念頭に置いておかなければ法務行政というものはしっかりしたものにならない。
 それから、なるほど総務庁がやっていることには間違いありませんが、あれは法務省の委託か委嘱か相談かによるんじゃなかったでしょうか。そういうようなこともございますから、そうすれば当然世論調査の項目というものは、いわば一種のつくり方によっては誘導尋問もできるのです、多少のテクニックは使えるのです。そういうことを考えれば、こういった点でも非常に厳正なものが必要になってきて、それを大義名分として、だから死刑制度は存置すべきなんだということにつなげていいのかどうか、この説得力にもかかわってくると私は考えるのでございます。
 私は、まだまだこういう問題についてお話しすればしたいことは山ほどありますけれども、時間がだんだん迫っておりますので、このことはこのことといたしまして、もう一つ教えていただきたい、一緒に考えてまいりたいと思うことがございます。
 それは、この刑法の一番大事な問題に罪刑法定主義というのがございますね。罪刑法定主義というのは事後法の反対でございますね、荒っぽい表現を使えば。要するに、その条項によらずして罪に問われることはないということももう一つ言われるわけでございます。この罪刑法定主義、言えばそれこそ時間が幾らあっても足らない。この題目で、私も読んだ単行本もございますから、それだけの多くのものを蔵していることは私も承知しておりますが、今日の文明社会ではこの罪刑法定主義によらなくては裁判は、少なくとも刑事裁判は行われてはいかぬ、これは罪刑法定主義によらなくてはならないのですということになっておると私は理解をしておりますが、それでようございますでしょうか。

発言情報

speech_id: 113105206X00319941109_028

発言者: 志賀節

speaker_id: 23231

日付: 1994-11-09

院: 衆議院

会議名: 法務委員会