日下部禧代子の発言 (国民生活に関する調査会)
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○日下部禧代子君 ありがとうございました。
それでは次に、権利の問題でございますけれども、私はたびたび外国の例を出させていただいて恐縮ではございますが、昨年イギリスのケント州に参りまして、これはイギリスの中でも非常に精神障害者の社会復帰を進めている地域でございますが、そこで社会復帰計画の、法律ではございません、計画、プランでございますね、それを見ますと、もうどのページを開いてもというぐらいに個人の権利、それから個人のディグニティー、個人のプライバシーを尊重するとか、そういうふうな言葉の羅列のような私は印象を受けたわけでございます。そして、その対象となる方々のことは、クライアントとも患者とも呼ばないで、コンシューマーという言葉で呼ばれていたわけでございます。
実際に、私はたまたまその方のおうちを訪問するのに少し交通事情でおくれて参りました。二十分ぐらいだったと思うんですけれども、私は日本的な感覚でもってそれでもすぐもう行けるのかと思いましたら、市当局の方が、いや二十分おくれたから、彼女があなたとのアポイントメントの時間を別の方とのアポイントにしているかもわからないからちゃんと確かめますというふうに言われまして、私はがんと頭を殴られたような感じがしてしまった記憶がございます。この方はもう一牛をほとんど病院、施設で過ごした方で、やっと人生の最後においてひとりで家に住むという、その家は市の衛生局が提供しているというふうな、そういう生活の方でございましたので、私はもう自分が視察、見学、さっと行って、もうアポイントもとってあるのだから当たり前だというふうな感覚。ところが彼女のプライバシーということをいかに尊重していなかったかという大反省をさせていただいたんですが、そういうイギリスなんかの現状がございます。
日本の場合に、例えば老人ホームの入所者の問題でございますが、養護だとか特養の場合とそれから軽費老人ホームの場合と、これはその成立のプロセス、歴史的な背景が違うということから、法律の性格が違うわけでございますね。特養、養護の場合ですと、これはいわゆる行政権による措置でございます。したがって、入所者の利用権、選択権というものが狭められております。一方、今度は軽費の場合ですと、これは個人契約でございますから、自分の選択権というものが確保される、このような今の状況。つまり、老人ホームの仕組みというものが並立されていて、どこに入所するか、そしてお金を少し持っているか持っていないかというふうなことで入所者の権利というものが束縛されていく、拘束されていくという、これは措置制度の問題とも関連することでございますが、これはどのように先生はお考えになっていらっしゃるでしょうか。
老人ホームというのは言うまでもなく生活の場であるわけでございますが、果たしてそれが今生活の場であるのかどうかというふうな、こういう問題、かなり私は権利の問題から見るとあるのではないかなというふうに思います。そしてまた、ホームに入っていらっしゃる場合、入院なさいまして三カ月以上ホームにいらっしゃらないということになりますと、退院なさったとしてもそのホームに戻ってくることができないというふうな、そういう現状がございますが、入所者の権利ということ、そしてその法という問題、その二つの点からどのようにお考えでいらっしゃいますでしょうか。