堀勝洋の発言 (国民生活に関する調査会)

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○参考人(堀勝洋君) 大変難しい問題でして、私は財政の専門ではないので、素人というふうに考えて受け取っていただきたいんですが、まず全般的な国全体の財政、財源確保のあり方ですけれども、特に社会保障の研究者の立場から見ると、今の税制の一番の問題点は、やっぱり自営業者の所得把握というのか、自営業者とサラリーマンの所得把握に問題がある。そのために社会保障というのは非常に大きな問題を抱えることになっている。
 というのは、例えば社会保険でいいますと、国民年金と厚生年金、それから国民健康保険と彼用者の健康保険、それが必ずしもうまく並ばないのは、本当は財政調整をした方が望ましいんでしょうけれども、必ずしも税の把握ができないために、自営業者とサラリーマンとを同じような制度にできないわけですね。そこが我が国の社会保障の二重構造になっていますし、格差も生じている。しかも財源問題が生じている。例えば国民健康保険でございますね。だから、そこを何らかクリアできるような方法ができないかというのが一つ。
 それからもう一つは、そこをクリアできるのは消費税ですね。消費税というのは自営業者もサラリーマンも平等に取るということで、そういう財源、消費税という公平な財源をもとに社会保障の財源とするということは一つの考え方であると思いますね。もう一つの財源というのは、社会保障は独自の財源を持っております。これは御承知のように社会保険料ですね。社会保険料の財源と国庫負担あるいは地方負担をどう組み合わせてやっていくかというのは、これは大きな問題でございます。
 基本的に私は、今言ったような税制上に問題がある以上、やはり社会保険料を中心とした社会保障を組み立てていくのがベターではないか、これはいろんなメリットがあります。一般的に、税金を上げるというのは国民は反対すると思うんですけれども、例えば介護のために使うとか、あるいは年金のために使うというならばある程度納得してもらえる。
 例えば、ことしの改正で年金保険料。が二・五%上がる。当面はあれですけれども。そういう合意が得られやすいので、社会保険料。しかも現在の我が国の社会保障の大半は社会保険料でやっています。ただこれは、総額で申しますと、社会保障給付費は五十三兆か五十四兆ですね。そのうち厚生省の予算というのは、これは十二兆円か十三兆円ですから、地方負担もありますから別ですけれども、いかに社会保険料の役割が大きいかということ。
 介護の問題も、お手元に配付した「介護費用の財源政策一という論文の中では、介護についても社会保険化していく必要があるのではないか、そういうことを述べています。
 したがって、結論としては、消費税を税の財源とする方向と、それから社会保障については社会保険料を中心とした財源、そこが私の考えでございます。

発言情報

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発言者: 堀勝洋

speaker_id: 20343

日付: 1994-11-18

院: 参議院

会議名: 国民生活に関する調査会