保岡興治の発言 (政治改革に関する特別委員会)
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○衆議院議員(保岡興治君) 木暮先生が御指摘のとおり、野党案では当初、組織的選挙運動管理者等の買収行為は類型的に犯情が重いものとして法定刑を一般の選挙運動員よりか加重する内容のものでございました。
その理由でございますが、根本的というか実質的には、組織的選挙運動管理者は組織により行う選挙運動で、その組織でどういう選挙運動を行うかを決定したり、それをまた指示、指揮して実行せしめたりする、選挙運動において重要な地位を持っている者でございますから、一般の運動員より選挙浄化の責任も重いし、またこれらの者が一たん買収等の選挙犯罪を敢行しますとその配下の者や周辺の者など多数に影響が及んで選挙犯罪を拡大する可能性もあるし、また組織力というんでしょうか、組織をバックとする影響力で買収等を強要するような、そういうような性格を持つ危険性も高い。そういう理由から、先ほど申し上げたとおり、組織的選挙運動管理者については一般の運動員よりかは厳しく処断すべきである、そういうことで刑の加重をいたしたわけでございます。
また、実践的、便宜的な面からいいますと、連座の適用要件である、候補者等と意思を通じて行う選挙運動組織体という意思の連絡の要件、あるいは選挙運動組織体の中での管理者等の一定の地位を裏づける事実など、これを刑事裁判の過程で、構成要件の要素でございますから証拠の収集、立証をしなければならない。そういうことで、刑事裁判の手続、すなわち捜査、公判の過程で連座の適用要件が明確になるということが言えると思います。
そしてまた、刑事裁判が確定をすれば、これは連座の適用要件がほぼ立証をその段階で終わっているという状況ができますので、民事の連座裁判の手続においては主として候補者等が免責の事実を主張、立証する。もちろん候補者がみずから連座の適用要件を争う余地を残してはいますが、このように連座の適用を実効性あらしめるということも可能でございます。
そういった意味で、我々としては、この制度の趣旨を一般にも明確にしながら、手続的にも明らかにしながら、連座の適用をより実効あらしめるためにそのような内容の提案をいたしました。
それに対して与党側からは、組織的選挙運動管理者等は総括主宰者や地域主宰者、出納責任者のように選挙運動全体の中で全員が中心的役割を担っているわけではなくて、末端の管理者もその対象になっている、であるからこのような者の罪を一般的に加重することについては慎重に考えるべきだという御意見がありました。
また、「改革」の案のように、あえて重く処罰しなくても、構成要件の中に取り入れなくても、犯情などの把握のために周辺調査が行われるのであるから、その過程で収集できた証拠で連座裁判において必要な組織的選挙運動管理者であったかどうかの認定は可能であるというような御意見もありましたし、親族や秘書が重く処罰されていないということとの均衡を欠くのではないかという指摘もございました。
それに対しては我々は、組織的選挙運動管理者の中にも総括主宰者等に見られる中心的役割を担っているという立場の者もそれに近い者もあるということや、親族や秘書は一般的にその地位にあるからといって類型的に重く処罰するのは適当でないので、これの加重はしないということが適切であるという理由などを申し上げまして、我々の案の正当性については十分主張したつもりでございますが、これについては与野党で合意ができず、附帯決議において「組織的選挙運動管理者等に係る買収罪等に対する罰則のあり方については、連座制の速やかな適用のための方策を含め、今後引き続き検討するものとする」ということにいたしたところでございます。政治は妥協でございますから、まず制度を誕生させることの方が重要でございますので、そのような意味で合意に達した次第でございます。