小川是の発言 (大蔵委員会)
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○政府委員(小川是君) ただいまの点につきましては、かつて昭和三十年代、四十年代におきましては、課税最低限を論じますときに生活のレベルの問題、それから物価の上昇の問題ということが大変大きく議論の対象となっておりました。昭和五十年代以降は、この物価の問題については、物価が上がったから所得税の構造を手直しするというよりは、数年に一度といいますか、ある程度の期間の中で所得税負担のあり方を見直す、その中で課税最低限、控除のあり方を手直ししていく方が税負担を適切に求める形をつくる上で適切であるというふうに議論が進んでまいりました。
また今回は、さらにそれに加わり、むしろ課税最低限を引き上げることは避けるべきではないか、こういう我が国の経済情勢あるいは負担の状況からすれば、今やそういう状況ではないかというのが税制調査会での御議論でございます。また、先般来のいろいろなところの御議論の中には、むしろ課税最低限を引き下げて納税者の方に広く負担を求めるという考え方があってもいいのではないかというような御議論すらあらわれているというのが実態でございます。
今回の税制調査会は、そういう意味におきましてはやや歯切れが悪いという面があるかもしれません。課税最低限を引き上げるのは適当ではないと言いながら、一つは、下げるというのはしかし現実的ではないだろうということと、やはり消費税率の引き上げに伴って少額納税者層に対する配慮というもののためにある程度引き上げることもやむを得ないという言い方で答申をいただいておりまして、それなりの配慮が必要ではないかということでございます。
冒頭の物価との関係で申し上げますならば、こういった議論の展開、あるいは所得税に対する、あるいはその他の税を含めての負担の受けとめ方からいたしますと、必ずしも物価の上昇に合わせて自動的に、あるいはそれとの正確な対比で課税最低限を考えていくというのは今やいかがかなと、長い目で見てそこは対比をしながら進んでいくのが適切な道ではないかと考える次第でございます。