村山富市の発言 (地方行政委員会,大蔵委員会連合審査会)

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○国務大臣(村山富市君) これから日本の社会は急速に高齢社会を迎えるわけでありますが、その高齢社会を迎えると同時に、一方では少子化というのが懸念されておると。こういうこれからの日本の現状というものを考えた場合に、その高齢社会の要する経費というものをだれがどういう形で負担をしていくかということは大変重要な問題だと私は思いますね。しかもそれを支える力というのは、日本の経済なり生産というものがどういう状況で活力を持っておるかということがやっぱり支えになると私は思うんです。
 そういうことを前提にして考えた場合に、今の所得税というものについて検討してまいりますと、昭和六十二年に税制改革をやりましたけれども、そのときには比較的所得の低い方々に対する減税を中心にして行われた、そのために税率のカーブが中堅所得者層に向かって大きく上向いてきておると。そういうギャップが生まれてきておりますから、この際はひとつこの中堅サラリーマン層を中心にした減税をしてできるだけ税率構造をなだらかにする、そして平均的なサラリーマンがサラリーマン生活を終えるまでの間に二〇%程度ぐらいの税率でもって終われるような状況をつくることが、生産に携わっている皆さんに重税感を余り感ぜさせずに活力を持って働いてもらえるのではないかと、こういう配慮をする必要があるということが一つです。
 もう一つは、その中堅サラリーマン層と言われる人々の年齢というのは大体考えてみますと五十歳前後ですから、子供さんがもう高校から大学に入るという年齢で子供の学費にも金がかかると。恐らく、両親があればその両親も一定の年齢になって介護を要するぐらいのものになっていくんではないかと。そうしますと家庭的な負担も大変大きいわけですから、したがって、そういう方々に大変な重税感があるということも配慮してなだらかな税率に変えていこうというので所得税の改革をやったわけです。
 同時に、それだけでもいけませんから、可能な限り所得の低い方々にも配慮するという意味で課税最低限も引き上げて若干の手直しをすると。そして、可能な限り金のかかる福祉の方に充当する必要があるというので、特別養護老人ホームの施設の拡充のために、あるいはまた少子化のために保育所の改善をするとかという面について歳出的な配慮も行っていく必要があるのではないかと。
 ですから、よく所得に対する逆進性というように言われますけれども、できるだけ逆進性を解消する努力をすると同時に、歳出面でもってそういう配慮をしていくためのやっぱり税のあり方というものも十分考えていく必要があるんではないかというような意味で今回の税制改革は行われたというふうに御理解を賜りたいというように思います。

発言情報

speech_id: 113114723X00119941116_013

発言者: 村山富市

speaker_id: 16399

日付: 1994-11-16

院: 参議院

会議名: 地方行政委員会,大蔵委員会連合審査会