三重野康の発言 (予算委員会)
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○三重野証人 私の講演は、十月の終わりに私どもの金融研究所が主催いたしました学者、金融関係者の集まる研究会での講演でございました。
委員長の許可を得まして講演の全文を配付しておりますので、ちょっとそれをごらんいただきたいと思います。
今委員が引用されました片言隻句が、マスコミによりまして前後の文脈と関係なしにひとり歩きをして誤解を生んでいると思いますけれども、四ページをお開きください。ここにアンダーラインをした箇所が二カ所ございまして、そう長くないものでございますから、読み上げてみたいというふうに思います。
中央銀行にとって最大の関心事は、問題の個別金融機関を存続させるかどうかということではなく、そのことが金融システム全体を揺がすことになるかどうかである。金融機関といえども一個の私企業である以上、時には経営破綻の状態に陥ることもあり得るが、全ての金融機関を破綻から救うのは中央銀行の仕事ではない。個々の金融機関が破綻すべくして破綻することは、競争メカニズムに支えられた健全な金融システムを育成していく観点からは、むしろ必要でさえある。これが世の中に流布されているわけでありますが、
ただ、そうした破綻が金融システム全体を揺がすことになる場合は、それを阻止しなければならない。この前後の文章からして、私どもはやはり金融システムの破綻を第一と考えていることをここで書いてあるわけであります。
ついででございますが、一番下から、これも短い文章でございますが、
ここで、あり得べき誤解を解いておきたい。日本では「金融機関の倒産はない」という見方があるが、これは事実ではない。困難に陥った金融機関が何らかの処理により姿を消し、株主や経営者が相応の責任を取らされた場合、これは「倒産」と呼んで然るべきである。一部には、預金の払戻し(ペイ・オフ)が生じて、はじめて「倒産」とみなす見解もあるが、ペイ・オフは破綻処理の一方式であって、どのような処理方式を選択すべきかは、金融システムへの影響やコスト等を慎重に勘案して、ケース・バイ・ケースで決定すべきものである。
この後段は、委員が最初に御質問になりました救済ではなくて、今回の場合は二つの信用組合は解散して、清算に入っておりますし、経営者は、両理事長を含めて全部退任を迫られまして、かつ両理事長は私財の提供あるいは刑事法上の訴追も受けております。出資金はゼロになって、これは損失の補てんに充てられている。そういうようなことから、倒産とみなすかどうか、とにかくつぶしたというのがこの後段の趣旨でございます。