井上哲夫の発言 (予算委員会)
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○井上哲夫君 私は、新緑風会を代表してきょうは質問をさせていただきます。
後ほど関連で磯村委員も加わりますが、まず大蔵大臣に二点ほど重ねて、東京共同銀行設立に伴う東京協和、安全、二つの信用組合の整理といいますか、その件についてお尋ねをいたします。
これまで私も何度も大臣にはお尋ねをしてきましたので、きょうは一つは、モラルハザードというような英語の言葉が言われますが、金融機関におけるあるいは関係者における倫理が欠如していく、その倫理の欠如が拡大、蔓延していくとすると、これもまた大臣がこれまで本当に強調されました日本の経済の動脈である信用秩序維持のために、あるいは金融システムの安定のためには今回の措置はやむにやまれぬ措置であったんだというようなことも逆に危なっかしくなると。ビールスの蔓延ではありませんが、そういうモラルハザードという言葉、英語でなくて、金融機関あるいは関係者の道徳の退廃といいますか、そういう問題についてどのような見解、所感をお持ちかをお尋ねしたいと思います。
と申しますのは、実は一つは、十三日に帝国データバンクが二月の倒産件数を発表しました。日本の企業の倒産についてはこの二月に非常にふえております。前年度の同月比では一〇・七%増の千百四十件の民間企業が倒産をしている。そして、その負債総額はやはり前年度比で九・六%増、五千五百六十二億余円。こういう倒産がふえて、その中には二十二件、阪神大震災に基づく倒産関連も含まれているようであります。
これらの倒産企業は、その債権者はほとんど配当がなく、労働債権とか国税とか優先債権がわずかに配当されるだけで、やはり自己責任で泣くわけですね。そういう観点から見ますと、今回の東京共同銀行設立に伴う件については、あれほどの乱脈の、とりわけ協和の前理事長の高橋さんですか、衆議院の証人喚問では、私は何も悪いことしていない、背任容疑はもってのほかだと、一生懸命利益を上げるためにやったんだと。
しかし、法務当局の見解もありますが、法令違反というのは一つじゃないんですね。大口貸し出しの規制を大幅に四倍ぐらいはみ出している。員外の人に貸し出し、あるいは預金も大幅にやっている。自己取引とも思われる取引を理事会の承認も得ずやっているという、法律違反は平気でやっている。そうしますと、あの証人喚問での高橋さんの証言は必ずしも私も信用できないわけですが、まさに開き直りとも受けとめられるわけですね。
一方、大蔵官僚がお二人、きのう大臣が発表されましたように処分をされました。内規の規律では最高であると。しかし、そういう意味では、この事件というのはだんだん道徳の退廃といいますか、倫理の欠如がビールスの蔓延のように広がりつつあるのではないか。そうしますと、片や倒産してやはり自己責任でやっている多くの企業や商店主がおりながら、片やこの件で金融システムの安定化のためということで公的資金を導入して、どうも倫理の後退が否めないようになっていくんじゃないか。これもまた大きな問題で心配されるところでありますが、いかがでございますか。