村山富市の発言 (宗教法人に関する特別委員会)
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○村山内閣総理大臣 そこはやはり非常に大事なことだと思いますね。オウム真理教を取り締まるために宗教法人法が改正されるのではないのだということは、これはもうたびたび申し上げているとおりですね。これは、刑法があって、犯罪行為に対しては刑法に基づいて徹底的な捜査がなされておる。
ただ、認証という手続をとるわけです。認証という手続をとった後、その宗教団体、宗教法人がどういう活動をしておるのかというようなことについて全然把握できないというようなことでは、やはりオウム事件のようなことが起こる一つの要因にはなっておったのではないかということは、私は否定できないと思うんです。
これは現に山梨県の上九一色村にああいう建物が建てられて、いろいろ問題が起こったわけです。起こったけれども、これは東京都と山梨県と所轄が違うものですから、なかなかそこらのところはうまくいかなかったという点もあったのではないかと思いますし、そういう意味では、認証したと言われる東京都なりあるいは文部省なりが行政的に国民に対して責任が持てる範囲のものは、やはりきちっとしておく必要があるのではないかということは、私は言えるのではないかと思うんですね。
そういう意味で、例えば今お話もございましたけれども、東京都が認証しておるけれども実際にその宗教団体の活動というのは山梨県でもやられているし、同時に熊本県でもやられておる、全国各地区で行われておる。外国まで手を伸ばしておる。こういう実態について東京都だけで責任が持てるのかということになりますと、やはりそこは文部省が全体として管轄することが必要ではないかというのは当然だと私は思うんです。
ただ、東京都が所管をしておるから、あるいは文部省の所管になったから権力の支配が強化されていくというようなことは全然考えていませんし、そんなことはあり得ない。ただこれは東京都が所管するか文部省が所管するかだけの違いであって、内容については変更はない、私はそういうふうに承知をいたしております。
それから、今お話もございましたように、七十九条、八十条、八十一条というような法の手続がありますね。その手続で例えば解散命令を出そうと思っても、解散命令に値するだけの中身があるのかどうかというようなことについて、全然所轄する東京都なりあるいは都道府県なりあるいは文部省が把握できないというのでは、これは解散命令の出しようがないわけですよ。
したがって、検察庁が調査をしたいろいろな犯罪行為について、それをお借りして、そして手続をとらなきゃならぬというようなことでは、私は、認証した都道府県なりあるいは文部省が国民に対して責任を持てないのではないかというようなことを考えた場合に、その程度のことはやはり必要ではないかというふうに思いますね。信教の自由とかあるいは政教分離の原則を侵すようなことがあってはならないということは、これはもう憲法で保障されていることですから、それを前提にしっかり守っていくということを踏まえた上で、最低この程度のことはやはり必要ではないか。
私はむしろ、宗教団体が信教の自由と政教分離の原則を守って、世間から認められるような意味の正しい宗教活動を行っていくためには、逆にこの程度のことはあった方が皆さんのためにもいいのではないかというふうに考えているぐらいでありまして、決して逆のことを考えているわけではないということだけは御理解をいただきたいというふうに思います。