宗教法人に関する特別委員会

1995-11-07 衆議院 全351発言

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会議録情報#0
平成七年十一月七日(火曜日)
    午前十時四分開議
出席委員
  委員長 越智 伊平君
   理事 小里 貞利君 理事 片岡 武司君
   理事 鈴木 宗男君 理事 草川 昭三君
   理事 月原 茂皓君 理事 吹田  愰君
   理事 佐々木秀典君 理事 井出 正一君
      安倍 晋三君    石橋 一弥君
      衛藤 晟一君    小川  元君
      小此木八郎君    岸田 文雄君
      熊代 昭彦君    栗原 裕康君
      七条  明君    穂積 良行君
      松永  光君    与謝野 馨君
      愛知 和男君    石田 勝之君
      江田 五月君    北側 一雄君
      北橋 健治君    西岡 武夫君
      鳩山 邦夫君    船田  元君
      冬柴 鐵三君    山口那津男君
      北沢 清功君    輿石  東君
      畠山健治郎君    濱田 健一君
      細谷 治通君    山口 鶴男君
      山下八洲夫君    中島 章夫君
      東中 光雄君    正森 成二君
      土肥 隆一君
 出席国務大臣
        内閣総理大臣  村山 富市君
        法 務 大 臣 宮澤  弘君
        大 蔵 大 臣 武村 正義君
        文 部 大 臣 島村 宜伸君
        厚 生 大 臣 森井 忠良君
        自 治 大 臣
        国家公安委員会
        委員長     深谷 隆司君
 出席政府委員
        内閣法制局長官 大出 峻郎君
        内閣法制局第二
        部長      秋山  收君
        警察庁長官官房
        総務審査官   山本 博一君
        警察庁生活安全
        局長      中田 恒夫君
        警察庁刑事局長 野田  健君
        警察庁警備局長 杉田 和博君
        法務省刑事局長 則定  衛君
        公安調査庁長官 杉原 弘泰君
        大蔵省主税局長 薄井 信明君
        国税庁次長   若林 勝三君
        文部大臣官房長 佐藤 禎一君
        文部省初等中等
        教育局長    井上 孝美君
        文部省高等教育
        局長      吉田  茂君
        文部省体育局長 小林 敬治君
        文化庁次長   小野 元之君
        厚生省健康政策
        局長      谷  修一君
        厚生省薬務局長 荒賀 泰太君
        厚生省児童家庭
        局長      高木 俊明君
        自治省行政局選
        挙部長     谷合 靖夫君
        自治省税務局長 佐野 徹治君
 委員外の出席者
        宗教法人に関す
        る特別委員会調
        査室長     岡村  豊君
    ―――――――――――――
委員の異動
十一月七日
 辞任         補欠選任
  石橋 一弥君     安倍 晋三君
  亀井 静香君     岸田 文雄君
  村岡 兼造君     小此木八郎君
  山口 鶴男君     畠山健治郎君
  山下八洲夫君     濱田 健一君
  正森 成二君     東中 光雄君
同日
 辞任         補欠選任
  安倍 晋三君     石橋 一弥君
  小此木八郎君     村岡 兼造君
  岸田 文雄君     亀井 静香君
  畠山健治郎君     山口 鶴男君
  濱田 健一君     北沢 清功君
  東中 光雄君     正森 成二君
同日
 辞任         補欠選任
  北沢 清功君     山下八洲夫君
    ―――――――――――――
十一月七日
 宗教法人法の改正反対に関する請願(東順治君
 紹介)(第五七三号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 宗教法人法の一部を改正する法律案(内閣提出
 第一七号)
     ――――◇―――――
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越智伊平#1
○越智委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、宗教法人法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。船田元君。
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船田元#2
○船田委員 村山総理、島村文部大臣初め、これまで二日間総括質疑が行われまして大変お疲れさまでございます。これからいよいよ一般質疑が始まるわけでありますが、私ども本当に慎重な審議をお願いをしておりまして、まだまだ続くと思っておりますので、ひとつよろしくお願いをしたいというふうに思います。
 今回の宗教法人法、これは昭和二十六年に制定をされたわけですが、御承知のように戦前は宗教団体法、これは昭和十四年に制定をされたと伺っております。これは、明治憲法下でいろいろ宗教法制が幾つか出たわけですが、それを集大成したものであるというふうに聞いております。神社神道を除く宗教団体に対する統制法、一言で言えばそういうことだと思いますが、そういう内容である。ここには、団体の規制ということから、財産目録、それからその宗教の教師ですね、この氏名、住所などを提出をする、あるいは団体のさまざまな情報を開示をさせて、そして安寧秩序を妨げ、臣民の義務に背く宗教活動に対しては解散命令などの制裁規定を設けていた。非常に厳しい統制法、そういう名前にふさわしい法律だったということであります。
 この宗教団体法と治安維持法、これが割と近い時期に制定をされたようでありますが、この両方が相まって宗教弾圧というものがその後相次いだという歴史があります。その結果として、我が国においてあの不幸な時期を迎えてしまった、歴史を迎えてしまったということも、これも偽らざる事実であって、我々は決して忘れてはいけないというふうに思います。
 今回の宗教法人法の改正案がよもやこのかつての宗教団体法を目指しているとは思っておりませんけれども、ただ、改正の中身によっては、また改正のやり方によっては変質しかねない、宗教法人法そのものの立法の趣旨が変わりかねないという危険性を持っているんじゃないか、こういうことで、私どもとしては慎重にも慎重を期した審議、そして冷静な議論をしなければいけない、このように思っております。私としても幾つかの疑問点をこれからただしていきたいと思っております。
 まず、基本的な質問でございますけれども、有識者の意見の中には、宗教法人法は憲法二十条の信教の自由、政教分離の原則を具体化するためのものである、あるいは宗教団体が法律上の人格として誕生する上で必要な手続を定めたものである、このように言い切っている方々も多いわけであります。本当に基本的なことで恐縮ですが、総理からこの宗教法人法そのものの立法の趣旨、もう一度御披瀝をいただきたいと思います。
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村山富市#3
○村山内閣総理大臣 今委員から、戦前戦中の治安維持法あるいは宗教団体法等の問題についてお触れがございました。私も全く同じように受けとめて理解をいたしております。
 そういう反省の上に立って、二度とこういう過ちを繰り返してはいかぬという意味で、私は、憲法も新しくつくられた、新憲法ができたというふうに思いますし、その新憲法の二十条では、今委員からもお話がございましたように、信教の自由とそれから政教分離の原則というものがしっかり確立されているわけですね。この憲法で確立されておる二十条の条文というものを前提にして今の宗教法人法がつくられておる、私はそう思っております。
 ただ、お話もございましたように、二十六年につくられた法律で、それ以後宗教団体のあり方も変わっていますし、社会全体も変わってきておる。したがって、そうした変化に対応して、もう少し適正に信教の自由が保障され、同時に政教分離の原則が守られるといったようなものにしていくためには、やはり最小限度必要な改正は行うべきではないかという大きな声もありますし、そういう世論の背景というものも十分踏まえた上で今回の改正案というのは提出されておる、私はそういうふうに理解いたしておりますから、御心配のような、戦前に逆戻りをするようなそういうことは全然考えていませんし、そんなことはあり得ないというふうに申し上げなければならぬと思います。
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船田元#4
○船田委員 私も、全く戦前に戻るというそういうことを言うつもりはないのですが、ただ、全体の傾向としては、少しずつ趣旨が変わっていっているのじゃないか。特に、これから申し上げますけれども、所轄庁の権限ではないのですけれども、所轄庁の役割ということについても、これはじわじわと何か監督に近いような状況になりはしないか、いろいろ心配の種は尽きない、そういう状況でありまして、今後の質問でさらに詳しくお聞きをしたいと思っております。
 そこで、文部大臣にお尋ねをします。
 たしか昭和二十六年の法成立の際の国会審議、大変古い資料で、なかなか読みにくいところもあったのですが、政府の答弁の中に、宗教法人法は、宗教団体に法人格を与えることを目的としており、宗教法人の宗教活動を規制したり監督するためのものではありません、したがって、宗教法人の所轄庁には、社団法人等の主務官庁に与えられているような監督権限はありませんというふうに明確に政府答弁が行われております。
 したがって、これが守られていると思いますけれども、今回の改正案の趣旨の中にも、決して政府として所轄庁に監督権限は与えないのだ、あるいは本来監督権限はないのだということをもう一度文部大臣に確認をしていただきたいと思います。
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島村宜伸#5
○島村国務大臣 お答え申し上げます。
 一般には、公益法人につきましては、所轄庁等の一般的な監督権限が法律上規定されているところであります。しかし、宗教法人につきましては、宗教法人の自由と自主性を尊重するという基本的な考え方に立ちまして、一般的な監督権限は規定されておりません。しかしながら、宗教法人法は、収益事業の停止命令あるいは認証の取り消し、解散命令等についての所轄庁の権限を規定しておるところでありまして、所轄庁が宗教法人に対して何らの権限も有していないわけではありません。
 なお、今回の法改正についておただしがありましたけれども、所轄庁はこれらの権限を適正に行使することができるようにし、宗教法人法の適正な運用を図る等の観点から必要最小限の改正を行うものでありまして、宗教法人の監督のための新たな権限を設けようとするものでありません。
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船田元#6
○船田委員 今の御答弁で、新たな監督権限を与えるものではない、こういうことでありますので、このことをしっかり我々も確認をさせていただきたいと思います。
 次に、政教分離の問題。これも既にきのうあるいは先週木曜日、総括質疑の中で相当議論されておりますが、しつこいようですが、改めてちょっと確認をさせてほしいと思っております。
 去年、平成六年の十月に予算委員会がございまして、大出内閣法制局長官が御答弁をされました。質問はいたしませんが、その大出長官のお話の中に、政教分離の意味は、国または国の機関が国権行使の場面において宗教に介入し、または関与することを禁ずる、こういう定義を述べていただいております。すなわち、国が宗教に働きかけることを禁ずる、ノーコントロール・ノーサポート、この原則を再確認をしていただいたわけであります。
 これはもうほとんど多くの皆さんが御理解をしていただいている、有権者の皆さんにもわかっていただいているとは思いますが、しかし、その逆のケース、つまり、宗教が政治に関与するのはどうなのかということについて若干いろいろな誤解が生じているのじゃないか、こう私は思っております。
 例えば、その典型的な例としまして、自由民主党の加藤紘一幹事長、当時は政調会長でございましたが、ソウルの発言で、これは産経新聞の九月四日号に出ております。宗教人が政治にかかわるときは、自制、遠慮が必要である。また毎日新聞では、宗教は一人の教祖の言うことを絶対視し従うのだから民主主義と相入れない、宗教団体が政治に関心を持つのは許されるが、政治の中心に迫るのは許されない、こういう言葉を発せられているようであります。
 私は、宗教が民主主義と相入れないというのは大きな間違いだと思っております。宗教もやはり民主主義の中に存在をし、民主主義を助長するものの一つとして積極的に評価をしなければいけない、こう私は思っております。この問題については、まあ御本人がそこには座っておりませんので、これ以上のことは申し上げませんが、反省をしていただきたいというふうに思います。
 私は、憲法において信教の自由が保障される、同時に参政権が一緒に保障されているわけでありまして、これは、宗教を持った者であろうと、どのような宗教を信じていようと、あるいは宗教を持っていない人であろうと、その人たちが政治に関与する、政治に参画をするということは一向に構わない、一向にこれはいいのであるというふうに思っております。宗教者が民主主義のルールを守る限り、例えば選挙違反をしない限り、選挙に参加して政治に影響力を与えるということは、決して政教分離を侵すことにはならない、こう思いますが、総理はこの点についてどうお考えでしょうか。特に、宗教者の政治へのかかわりの是非ということについて御意見を伺いたいと思います。
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村山富市#7
○村山内閣総理大臣 今委員の意見の中に、政治と宗教との関係においてノーコントロール・ノーサポートという発言がありましたけれども、私は答弁の中で、これは法制局長官もそうですが、そうは申し上げていないわけです。
 政治が関与してならぬことは、信教の自由と政教分離の原則を侵してはならない、そういう意味で関与してはならないという意味であって、もう何もかも治外法権的にコントロールも一切のサポートもできないんだというものではない、私はそういうふうに思っておりますから、その点は誤一解のないように御理解を願いたいと思いますね。
 それから、今御質問のございました中に、それぞれ政治家が個人の見識に基づいて発言されたことについてここでまたコメントするようなことは、真意がはかりかねますから無責任には申し上げられないと思いますけれども、しかし、御質問にございましたように、個人があるいはまた宗教団体が政治活動を行う、選挙活動を行うという自由は、私は保障されておるというふうに考えています。
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船田元#8
○船田委員 ノーサポート・ノーコントロールの部分ですが、この場合のノーコントロールというのは、要するに、宗教団体、宗教法人であれば何をやってもいいということでは全くないわけで、それはやはりこの法律の中にもありますように、もし公共の秩序を乱すというようなことがあれば、それはその他のすべての法律に基づいてきちんと処罰をされ、きちんと処置をされることは当然である、こういうことをちゃんと宗教法人法の中に書いてありますので、そういう意味でのコントロールということはあってもしかるべきだ、こういうふうに思いますが、一般論としてのノーサポート・ノーコントロールというのは、国が恣意的にコントロールを行う、こういうことだと思いますので、その辺は誤解のないようにしていただきたいというふうに思っております。
 次に、オウムとの関連でございます。これももう既に同僚議員からも質問等があったわけでありますが、若干私の方で、捜査の問題と少し絡めて議論していきたいと思っております。
 まず、最近の世論調査で、この宗教法人法改正に賛成か反対か、こういう質問をよく新聞等でされて、その結果が出ているわけです。七割から八割というふうなことなのですが、実は私は二つの意味で、質問の前提というところあるいは背景に若干問題があるのじゃないか、こう思っております。
 一つは、オウムの犯罪の再発を防ぐには宗教法人法改正は必要であるという考え、もう一つ、宗教法人法が不備であったからオウムの犯罪のようなものが出てきたのだ、こういうやや短絡をした考え方、もう少し突っ込んで考えていただきたいのでありますが、そういう短絡的な考えや誤解というものが一般的にあるのじゃないか、こういうふうに思っております。こういう問題は、やはり国会の議論等を通じてきちんとわかっていただかなければいけないということであります。
 それともう一つは、国民の間に、今回この宗教法人法の改正をしても、信教の自由を侵すことにはならないという甘い認識を持っているのじゃないか、こう思うんですよ。これはもう表面的ないろいろな議論がなされておりますが、私は、突き詰めてどんどん考えていけば、そういうおそれもなしとはしないということで、ここは本当に慎重な審議が必要である、こういうふうに思っております。
 宗教法人法の八十六条でしょうか「この法律のいかなる規定も、宗教団体が公共の福祉に反した行為をした場合において他の法令の規定が適用されることを妨げるものと解釈してはならない。」先ほどのノーコントロールのところで言いましたように、宗教法人が犯罪を犯した場合には、それは個人であれ組織であれ、きちんと刑法、民法あるいは税法、その他あらゆる法規の適用を受けることを明示しているわけですから、宗教法人だからといって現行の法規では手が出せないということは、これはまずないはずであります。
 改めて政府として、総理にお伺いしますが、現行の宗教法人法が不備であるためにオウムの犯罪が発生した、あるいはオウムの犯罪の捜査がおくれたのではないのだということを確認をしたいと思いますし、したがって同時に、宗教法人法改正の目的がオウム犯罪やその類似事件の再発を防ぐというためではないのだということを確認をしたいと思いますが、いかがでしょうか。
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村山富市#9
○村山内閣総理大臣 そこはやはり非常に大事なことだと思いますね。オウム真理教を取り締まるために宗教法人法が改正されるのではないのだということは、これはもうたびたび申し上げているとおりですね。これは、刑法があって、犯罪行為に対しては刑法に基づいて徹底的な捜査がなされておる。
 ただ、認証という手続をとるわけです。認証という手続をとった後、その宗教団体、宗教法人がどういう活動をしておるのかというようなことについて全然把握できないというようなことでは、やはりオウム事件のようなことが起こる一つの要因にはなっておったのではないかということは、私は否定できないと思うんです。
 これは現に山梨県の上九一色村にああいう建物が建てられて、いろいろ問題が起こったわけです。起こったけれども、これは東京都と山梨県と所轄が違うものですから、なかなかそこらのところはうまくいかなかったという点もあったのではないかと思いますし、そういう意味では、認証したと言われる東京都なりあるいは文部省なりが行政的に国民に対して責任が持てる範囲のものは、やはりきちっとしておく必要があるのではないかということは、私は言えるのではないかと思うんですね。
 そういう意味で、例えば今お話もございましたけれども、東京都が認証しておるけれども実際にその宗教団体の活動というのは山梨県でもやられているし、同時に熊本県でもやられておる、全国各地区で行われておる。外国まで手を伸ばしておる。こういう実態について東京都だけで責任が持てるのかということになりますと、やはりそこは文部省が全体として管轄することが必要ではないかというのは当然だと私は思うんです。
 ただ、東京都が所管をしておるから、あるいは文部省の所管になったから権力の支配が強化されていくというようなことは全然考えていませんし、そんなことはあり得ない。ただこれは東京都が所管するか文部省が所管するかだけの違いであって、内容については変更はない、私はそういうふうに承知をいたしております。
 それから、今お話もございましたように、七十九条、八十条、八十一条というような法の手続がありますね。その手続で例えば解散命令を出そうと思っても、解散命令に値するだけの中身があるのかどうかというようなことについて、全然所轄する東京都なりあるいは都道府県なりあるいは文部省が把握できないというのでは、これは解散命令の出しようがないわけですよ。
 したがって、検察庁が調査をしたいろいろな犯罪行為について、それをお借りして、そして手続をとらなきゃならぬというようなことでは、私は、認証した都道府県なりあるいは文部省が国民に対して責任を持てないのではないかというようなことを考えた場合に、その程度のことはやはり必要ではないかというふうに思いますね。信教の自由とかあるいは政教分離の原則を侵すようなことがあってはならないということは、これはもう憲法で保障されていることですから、それを前提にしっかり守っていくということを踏まえた上で、最低この程度のことはやはり必要ではないか。
 私はむしろ、宗教団体が信教の自由と政教分離の原則を守って、世間から認められるような意味の正しい宗教活動を行っていくためには、逆にこの程度のことはあった方が皆さんのためにもいいのではないかというふうに考えているぐらいでありまして、決して逆のことを考えているわけではないということだけは御理解をいただきたいというふうに思います。
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船田元#10
○船田委員 このオウムの問題、その捜査という問題について、宗教法人の所轄が違うからこれができない部分もあったというふうに聞いたのですが、それはちょっとすりかえじゃないかなというふうに思うんですね。
 これは極めて組織的で、極めて凶悪で、今までに例のない犯罪である、これはもうだれが見ても当然なんですけれども、やはりそういう問題にあって、とりわけ、この後ちょっと質問いたしますけれども、オウム事件の捜査のあり方、これが各県警の間で十分に連絡をとられていたのかどうかあるいは連係プレーがとれたのかどうかというむしろそちらの方であって、私は、所轄庁が違うからということで動けなかったということでは、それはないというふうに思うんですが、どうなんでしょうか。
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村山富市#11
○村山内閣総理大臣 誤解があるといけませんから申し上げておきますけれども、刑事事件の犯罪捜査に対して、宗教法人法が私は障害になったとは余り思ってないのです。ただ、もう少し管轄する都道府県なりあるいは文部省が宗教団体の日常の活動というものを把握できておれば、こんなことにはならなかったのではないかこういうことが起こり得なかったのではないかというふうには思いますけれども、現行の宗教法人法が刑事事件を捜査する上で支障になったというふうには考えていません。
 刑事事件は法と証拠に基づいて厳正に捜査が行われておるというふうに私は思っておりますから、これはもう宗教団体であろうと個人であろうと、いかなる団体であろうと差別はない。平等に法と証拠に基づいて刑事事件として捜査を行われるのは当然であって、私は、そこは区別してはっきり分けて考える必要があるというふうに思っています。
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深谷隆司#12
○深谷国務大臣 今総理からお答えになりましたからそれで十分であろうと思いますが、ただいま先生御指摘の、所轄が違うから捜査に支障を来したという話もあったという件については、そういう発言は私の知る限りだれもいたしておりません。
 捜査に関して申し上げれば、特定の宗教団体であろうと個人であろうと、犯罪の疑いがあれば当然厳正に捜査を行う、それが進むべき道であり、それをきちっと守ってきたと思っております。
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船田元#13
○船田委員 今、国家公安委員長からもお答えいただきましたけれども、改めてこの捜査の経緯ということについて簡単にちょっと検証してみたいと思うんです。
 古くは平成元年、あの坂本弁護士一家が十一月の三日に失踪されています。その事件が発生いたしました。それに対して神奈川県警が十一月の十七日に捜査本部を設置をいたしました。それから平成二年、翌年の十月二十二日、熊本県阿蘇郡の波野村における国土利用計画法違反事件、これで熊本県警が捜査に着手をしております。次に、ずっと遅くなるわけでありますが、平成六年の六月二十七日、例の松本サリン事件の発生、これに対しては六月二十八日に長野県警が捜査本部を置いております。七月九日、山梨県上九一色村教団施設付近で異臭事件発生ということであります。これに対して山梨県警、長野県警も多分合同で行ったと思いますが、九月に現場付近の土を採取して、科学警察研究所でしょうか、そちらに依頼をして鑑定をしたところ、平成六年の十一月十六日にサリンの副生成物、残留物でありますが、これが検出をされております。
 この時点で、捜査当局としてはこのサリンのこととオウムのことがどうも一つの線に結びついてきたのではないか。相当な疑いを捜査当局はお持ちだったはずであります。
 しかし、この段階までも実は東京都内でのオウムの事件はほとんど発生をしていない。したがって、警視庁が関与する状況にはまだなっていないと思いますが、そういうことでよろしいのでしょうか。
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深谷隆司#14
○深谷国務大臣 今委員御指摘のような経緯であることはそのとおりであります。ただ、それぞれの担当の警察が、これは犯罪の疑いがあるというので直ちに捜査本部を設けて、全力を挙げて捜査をいたしたという経緯がございます。
 この件に関しましては、全体的にまず言えることは、証拠物件が非常に乏しかったということ、それから、宗教団体であって、いわばカルト集団のような、尊師を中心としたマインドコントロールまで行われているような状態でございましたから、証拠隠滅であるとかあるいは偽証だとかそのような状況があったために、極めて捜査は厳しい状況に追い込まれていたわけでございます。しかし、一つ一つ証拠を積み重ね、警察官の努力が実りまして、ついに今日のような大捜査と方向性というものが打ち出されたわけでございます。
 今振り返りますと、一体もっと早く動きがあってよかったのではないかという御指摘が折々聞かれることを承知しておりますけれども、当時の状況としては、あくまでも証拠と法に基づいて捜査を行うというそういう前提でまいりますと、非常な苦しい捜査であったという点で御理解をいただかなければならないというふうに思っているわけであります。
 私どもは、宗教団体だから捜査を差別するということはありませんが、あのような宗教団体がテロ集団であるとは想像もつかなかった。宗教団体という名前をかりてテロ集団があんなことをやっていたというのは、当時としては全く想像できなかった。想像できないことが起こるということも前提にして深く考えていくという点では、極めて大きな参考になったなと思っております。
 なお、後半おっしゃられた警察の体制でありますが、委員御承知のように、我が国は都道府県警察ということになっております。それぞれの都道府県の警察本部が中心になりまして、そこの地域の捜査を担当するわけであります。ただ、広域にわたるような場合には、当然警察庁が報告を受けて、そして指示をいたしまして協力体制をつくっていくというようなやり方を今日まで進めてきたわけでございます。
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船田元#15
○船田委員 これまで申し上げた、各県警が本当に必死の捜査をして全力を尽くしてこられたということは、私もそれは否定するものではありません。本当によくやってきたし、また今でも頑張ってやっていただいている、このことには敬意を表したいと思います。
 ただ、私が言いたいのは、個々の県警それぞれ全力を尽くしているのだけれども、もう少し各県警間の連携、とりわけ警視庁がこの一連の事件に初めて関与したというのが平成七年のあの目黒公証役場の仮谷事務長拉致事件からでございますから、これはやはり余りにも遅いというか、余りにももったいないことだったなというふうに思っているのです。
 これに関連をして警察庁國松孝次長官は、九月二十四日付の中日新聞に出ておりますが、これは共同通信の取材に対しておっしゃった言葉のようでございます。警察制度の基本、これは先ほど国家公安委員長おっしゃるように、都道府県主義を崩す必要はない、このように述べながらも、オウムの教訓を踏まえて「重大事件の際には、日本警察の総力を挙げて捜査に取り掛かる広域システムを築きたい」とお述べになり、さらに「管轄権の問題から日本警察で最大の組織と体制を持った警視庁が、この事件」つまり仮谷さんの事件ですが、「この事件が起きるまで捜査に加われなかったことを、今後もそのまま放置しておいていいのか」ということを率直に述べられております。
 警察法というのがありまして、この都道府県主義というものを基本的に規定をしている。その精神が警察法には流れていると思います。もちろんそれは、国家警察ではなくて、都道府県警察というものが主体的にさまざまな事案に対応していくという民主警察の基本でありますから、これを崩すことはまかりならぬとは思いますが、今申し上げたような警察庁長官、國松長官のその問題意識、これは非常に私は的を射ているというふうに思っております。
 この警察法をとこか改正をするか、あるいはその解釈を変えるか、解釈論で対応するか、いずれにしましてもこの警察法の問題、改正問題というのはその後検討を始めているのでしょうか、それとも何らかの一定の結論が出ているのでしょうかその辺をお伺いしたいと思います。
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深谷隆司#16
○深谷国務大臣 ただいまの御指摘は大変重要な事柄だと私たちは思っております。近ごろの犯罪が特定の単独の地域だけで起こるのではなくて広範囲にわたるということを考えますと、合同捜査ということの重要性というのは非常に高まっているというふうに思います。
 御案内のように、昨年警察法を改正させていただきまして、例えば二つの地域で捜査を行った場合の指揮権をどうするかとか、そういうような整備もいたしました。ですから、それでやれる範囲のものはこれからもそれでやっていこうと思っているわけであります。
 また、御指摘の警視庁とか大阪府警というのは、規模においても非常に大きいものがございますし、装備やあるいは経験等々につきましてもかなりの力を持っていると思われます。そういうところがいざというときに出動するのは一体いいことかどうなのか、現在の法律でも出動することは可能でございますが、もっとそれをしやすくする必要があるのではないだろうかといりたようなことについて、オウム真理教事件の反省の中から今警察庁の内部で検討を進めているところであります。一体変える必要があるかということも含めて、ただいま検討中であるというのが状況でございます。
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船田元#17
○船田委員 少し細かくなりますが、警察庁はおいででございましょうか。――警察法の第五条、これは国家公安委員会の任務を書いてあるわけでございますけれども、例えば今国家公安委員長がおっしゃったような、広域で対応するあるいは連携をとって対応するという点については、その第五条の二項の十五号ですね、「警察行政に関する調整に関すること。」これが国家公安委員会にゆだねられている、任務としてあるのだ、これが根拠法になるのだと思います。
 ただ、私はこれはそれの根拠としてはちょっと弱いのではないかというふうに思っておりまして、例えばでございますけれども、その第五条の中に追加をいたしまして、都道府県における公安の維持に重大な支障を生じるおそれのある事案または特殊の犯罪であって、一の、つまり一つのですね、一の都道府県警察においてその処理を行うことが困難と認められるものに係る警察行政に関する調整に関すること、これを国家公安委員会に付与するというような条文といいましょうか、号を一つつけ加えたいと思うのであります。例えばそういうことについて、感想といいますか、当然これは今後検討しなきゃいけないことだと思いますけれども、現状における感想、できればお聞かせいただきたいというふうに思います。
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深谷隆司#18
○深谷国務大臣 担当の総務審議官が来ておりますので、答弁させます。
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山本博一#19
○山本(博)政府委員 お答えさせていただきます。
 その問題につきましては、先ほど大臣からも御答弁させていただいたところでございますが、極めて事件が大規模、複雑、広域にわたっておるところでございます。これに対しまして現在、先ほど先生が御説明のありました警察法五条の調整規定によりまして、また、昨年改正していただきました都道府県相互の関係の規定を活用いたしまして必要な相互調整を行っておるところでございますが、さらには、新たな問題も今回の捜査を通じまして散見されたところでございます。
 先ほど大臣が申しましたように、警視庁や大阪府警がもっと早い段階から出動することができないのかどうか、また、それに対しまして警察庁はどのような対応をしていけるのかどうか、こういうことにつきまして現在総合的に検討しておるところでございまして、先生御指摘の案につきましてもその中でいろいろ検討させていただきたい、このように思っておるところでございます。
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船田元#20
○船田委員 これは大事な問題でありますから、ぜひ真剣に検討していただきたいというふうに思います。宗教法人法の改正ということにちょっと目が奪われ過ぎているところが私はあると思うのですね。やはりこういう捜査の結果としていろいろな教訓が出てきていますから、こういう問題についても私は真剣にやるべきだという感想を強く持たせていただきました。
 それともう一つですが、これは外国の例なんですが、アメリカでRICO法というものが一九七〇年に制定をされています。これはマフィアなどの組織犯罪、これを主に、それを組織として罰していくための法律というふうに聞いております。
 内容を簡単に申し上げますと、一つは、不法活動によって手に入れた資金で企業を経営することや不法活動によって企業から利益を得ることを禁止するという内容、あるいは、日本でもありますけれども、マネーロンダリング、資金洗浄、これを規制をすること、それから秘聴、これは電話傍聴、こう申し上げてもいいと思いますが、そういう傍聴を行う、あるいはおとり捜査などの捜査手法を駆使して組織犯罪の壊滅を図る、こういう内容であります。もちろんこれは捜査令状を裁判所からとって、そういう手法を使うということは言うまでもないことなんですが、なかなか日本ではこのおとり捜査のようなものは、議論はありますけれども、まだまだ克服すべき課題があるのではないかというふうに思っています。
 ただ一方では、日本でも麻薬の密輸の捜査などでいわゆる泳がせ捜査、コントロールドデリバリー、この手法というものはある程度これは認められまして、そしてその効果を上げているというふうに聞いております。RICO法というのは、そういうものをすべて合体をして、非常に組織犯罪というものに効果的に作用している、このように伺っているわけであります。
 また、日本では暴対法が成立をして、これも大変大きな効果を上げていると聞いておりますが、こういう組織犯罪について何か新規立法、新たな立法をして、これをやはりオウムの教訓として前に進めていくべきではないか、またその検討をすべきではないかこう思っておりますが、国家公安委員長、いかがでしょう。
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深谷隆司#21
○深谷国務大臣 委員御指摘のように、RICO法というのは、主としてマフィア、ギャング集団組織を撲滅するためにアメリカでつくられた法律でございますが、後にカルト集団等に対してもこの法を適用するという、そういう状態になったわけでございます。
 日本の場合にはそのような法律はございませんが、例のオウム真理教事件が起こりまして、例えばサリンというような今まで全く考えなかったような、新しく大量に人を殺りくするようなそういう毒ガスまで使われたわけでありますが、これも国民の皆さんの御理解と国会の御理解をいただきましてサリン人身被害防止法という法律を制定させていただいて、今これを十分に駆使して努力をしてまいっている最中でございます。大量殺りくの兵器として使用される可能性のある物質の法的規制の強化なども今図られているところでございます。
 今回の一連の経緯を踏まえて、このような凶悪犯罪、テロ集団が横行するようなことのないようにあらゆる角度から検討していかなければなりませんし、これらの問題は、諸外国のさまざまな制度や例にも照らしまして、十分検討していく課題だと心得て、ただいまそのような研究を進めているところでございます。委員の御指摘はまことに適切でございます。
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船田元#22
○船田委員 ひとつその観点でよろしくお願いいたしたいと思います。
 それで、宗教法人法改正の少し細かい中身にちょっと触れていきたいと思っているんですが、まず、これも本当に基本の基本というところなんですが、所轄庁の権限ということでこれまで相当いろいろな議論がなされてきました。私たちは認証という言葉と、それからほかの公益法人では認可という言葉を使っておりますが、この認証と認可というものがどう違うのか、文部大臣、御説明をお願いします。
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小野元之#23
○小野(元)政府委員 御指摘ございました宗教法人法で言う認証とほかの公益法人等で言う認可とどう違うのかということでございますが、宗教法人法におきましては、宗教法人となるために、法律に定める宗教団体の要件に該当いたしまして、かつ団体の規則や設立の手続が適法であって、所轄庁により規則の認証を受けるということが必要になっているわけでございます。
 この認証でございますけれども、この認証につきましては、法律で定めている要件を備えているかどうかを所轄庁が審査いたしまして、所定の要件を備えているというふうに認めた場合に行われるものでございまして、いわゆる確認行為であるというふうに従来から解されているものでございます。この認証を得ることが宗教団体が宗教法人としての法人格を得るための要件となっているわけでございます。
 一方で、講学上の概念ということで認可というものがあるわけでございますけれども、認可は、第三者の法律行為を補充してその効力を完成させるという性格のものでございまして、例えば学校法人の設立認可といったようなものがあるわけでございますけれども、これと認証とは性質上の違いがあるというふうに考えているところでございます。
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船田元#24
○船田委員 さすがに正確なお答えでございました。したがって、認証に当たっての所轄庁というのは、その宗教法人なら宗教法人の信仰の内容とか思想の是非というのを審査するものではない。これはもう政教分離の原則、信教の自由の保障という憲法からの要請でもあるわけです。
 この認証という手続は、決して所轄庁が宗教法人を管理監督する権限は持たない、これはいいですね、ということなんですが、島村文部大臣は、大変有名な書物があります。文芸春秋の七月号の「宗教法人見直しを阻むもの」という大変有名なものがあります。その中で、「国が所轄官庁になる場合、一度都道府県に申請し認証を受けている宗教法人でも、そのまま国に移管するのは無理な点が多い。その時は、再申請を提出し、国が認証決定の再審査を行い、宗教法人として管理、指導を行い易いようにしたほうがよい。」というふうに書いてあるのです。今の説明から考えますと、再審査であるとかあるいは管理、指導であるというのは、これはちょっと違うのではないかなと思うのですが、いかがでしょう。
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島村宜伸#25
○島村国務大臣 本件に関しましては、昨日でしたか、貴党のどなたか委員の御質問にお答えしたところですが、なるほど今おっしゃるように、私も文芸春秋というのは非常に社会的評価の高い権威ある月刊誌である、こう受けとめておりますが、急に原稿の依頼があって、にわかにぱっと書いた文章であって、そういう権威あるものに書くについてはもう一つ話の詰めをしておけばよかったな、こう考えておるところであります。
 しかし、現在私どもがお諮りしているのは、先般来いろいろ御説明いたしてもおりますように、宗教法人審議会において慎重に御審議いただいた結果を踏まえての法改正でございますので、この私の発言は一政治家として、当時文部大臣になることを全く予測しなかった時点の文章でございますから、その点については訂正をいたしたところであります。
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船田元#26
○船田委員 大臣、いみじくもおっしゃったわけですが、文芸春秋、これは固有名詞を挙げて申しわけないのですが、大変権威のある雑誌であります。大臣になるかならないかわからないというお話ですが、やはりそれは人格は同じでございますから、人格が変わるわけではないのですから、そこは私はこの問題については……ヤジ後ろで相当おっしゃっていますが、やはり修正なり何か、もちろんこの国会での御答弁で、ここは修正したい、こうおっしゃっても結構なんですけれども、何かそういう手だてはとらないのですか。
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島村宜伸#27
○島村国務大臣 先ほどもちょっと申し上げたつもりでおったのですけれども、実はその表現は適切でなかったということは訂正いたしました。
 ただ、特に御理解をいただきたいのは、これは御専門の方々が長い時間をかけて御検討いただいたその結果を踏まえての法改正であるということでありますから、文部大臣としては当然に一個人の私見にどうこうすべきものではない。そういう意味では、今回はまるっきりそういうものを離れて文部大臣としてお諮りをしている、こういうことなのであります。
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船田元#28
○船田委員 よしということはちょっと言えないので、この点についてはなおまたよくお考えをいただきたいというふうに思っています。
 次に、少し細かくなるのですが、境内建物の問題なんです。これは外形的な要因というのでしょうか、これによって一つの県内にとどまるものなのか、あるいは二つ以上の県にまたがるものなのかということを決めて、その違いによって所轄がかわる、こういうことになっているわけですが、例えばこういうことはどうなのでしょうか。
 これまで同一県内、つまり、一つの県の中に境内建物がとどまっていた宗教法人が新たにほかの県に境内建物を取得する、あるいはそちらに拡大をするというときに、その都度、境内建物を取得しましたということを提出させるということになるのでしょうか。
 つまり、どういうことかというと、この法の改正案の中では、二十五条の四項にもありますように、書類の提出の義務というのは、毎会計年度の終了後四カ月以内に提出をしなさい、こういうふうになっていますが、その都度出しなさいというふうにはなっていないわけですね。ただ、やはり文部省、文化庁あるいは政府として把握をしたいということであれば、どのような宗教法人であれ、境内建物の変更があった場合にそれを届け出をする、提出をするというふうなことに発展をして、そして、その所轄庁が逐次宗教法人の動向を把握するというふうに発展するのではないかということを懸念される方が非常に多いのです。その辺、いや、それはそうではないんだ、それは毎年毎年の書類の提出によって事足りるのだということなのか、その辺の確認をちょっとしたいのです。
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小野元之#29
○小野(元)政府委員 宗教法人が境内建物を取得するたびにその都度所轄庁に報告が必要なのではないかという御指摘でございますが、今回の法改正によりまして、ほかの都道府県内に境内建物を備える、そういう宗教法人の所轄庁は、都道府県知事から文部大臣に変更になるわけでございます。この場合に、所轄庁といたしましては、所轄庁が変更になるような事態であればそのことは的確に把握をいたしまして、所轄庁の変更をきちんと円滑に行うということが必要でございます。
 したがいまして、これは従来都道府県知事所管の法人についてでございますけれども、この法人がほかの県の中に初めて境内建物を持つというときにおいては、所轄庁の変更を伴いますので、速やかにその旨を旧所轄庁を通じて文部大臣に届け出るようにお願いをしたいというふうに思っております。これは、お認めいただいた後に、通達になりますか通知になりますかあれでございますけれども、通知でそのことは明らかにお示しをしたいというふうに思っております。
 それ以外の、例えば現在既に県内に境内建物をお持ちでございますけれども、さらに県内にもう一つお持ちになったといったような場合は、所轄庁の変更を伴わないわけでございますので、これにつきましては毎会計年度四カ月以内に境内建物に関する書類を今回の法改正でお出しいただくようになりますので、その手続でお願いしたいというふうに思っているわけでございます。
 最初に申し上げました所轄庁の変更を伴うものについての通知による取り扱いでございますけれども、現在、県内だけの包括宗教法人が県をまたがった包括宗教法人になる場合に国の所轄になるわけでございますけれども、この場合の取り扱いと同じでございます。
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