赤城徳彦の発言 (農林水産委員会)

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○赤城委員 まさに農、林、水一体で、しかも今申し上げたような三点、これをどうやって確保していくかということではないかと思います。
 そこで、自民党では大阪会合に向けて議員団を組織しましてAPEC加盟各国へ行ってまいりました。私は韓国、中国、フィリピンに行ってまいりました。また、ほかの議員団もマレーシア、インドネシア、タイへ、またアメリカ、オーストラリアと行ってまいりましたが、その中で、マレーシア、インドネシア、タイの議員団の一員として、私どもの同僚であります大塚清次郎先生に行っていただきまして、我が国の主張や幅広く議論をしていただきました。実は大塚清次郎先生、その現地で体調を崩されてそのまま急逝をされてしまいましたが、私たちは、その大塚先生がこれまで農業、農村のことを一生懸命考え、取り組んでこられたその姿勢に心から敬意を表したいと思いますし、その御遺志を外しながらAPEC大阪会合にしっかりと我々は対応していかなければいけない、そんなふうに思っております。
 それで、その訪問してきた結果をちょっとかいつまんで御報告させていただきたいと思います。
 まず、韓国、中国、フィリピンには、二田先生、私、太田先生と行ってまいりました。韓国では日本とほとんど同じような考え方で、各国の多様性に配慮して差別的な扱いも必要である、農林水産分野の例外的な扱いが必要である、ウルグアイ・ラウンドの前倒しはできない、そういう立場で協調していきたいということでありました。中国も、APECは合意できるものについて合意すべきであるし、意見交換の場であって自主的な場であるから、押しつけや圧力があるべきではないという見解でありました。
 ちょっと注目すべきはフィリピンです。フィリピンは自由化推進を提唱している国だと思われますが、行ってみましたら、やはり日本と同じようにフィリピンにおいても農業はセンシティブな分野であって、そういう分野については特別な扱いが必要である、これはフィリピンのナバロ貿易工業長官がそういうふうに言っております。また、ウルグアイ・ラウンド合意の前倒しは機微な問題であって自発的な申し出を尊重すべきだ、APECの決定は拘束力を持たないものだと理解している、これはシアゾン外務大臣です。ちょっと我が国で考えていたのとは違うな、現地へ行ってみたら違うなと。ただ、そうは言いながら、ケアンズ・グループの一員であるからそういう立場もあります、こういうことでありました。
 それから、マレーシア、インドネシア、タイには、塩川先生、桜井先生、谷津先生、そして亡くなられた大塚先生でございましたが、マレーシアでは、やはり同じように、APECは交渉の場ではない、自由化は自主的に行うべきだ、ボゴール宣言は何ら拘束力を有するものではない、アブドラ外務大臣が発言しておられます。また、各国が事情に応じ個別的な留保を行うことには問題はない、カーク貿易産業副大臣。APECではウルグアイ・ラウンド合意を先走ったり超えるものであってはならない、アブドラ外務大臣、カーク貿易産業副大臣。こういう発言でありました。
 インドネシアでは、APECではウルグアイ・ラウンドより前進することが重要だが、どういうふうに進めるかは各メンバーが選ぶことができる、日本がどうしても農林水産分野に問題があるということであればほかの分野を選べばよい、スマディ外務省貿易総局長。それから、APECは強制の場ではない、自主的に行っていく場だ、スマディ外務省貿易総局長、ユドノ商業大臣。
 タイは、APECにおいて包括的に自由化を進めるべきだということでありましたけれども、その程度についてはそれぞれ知恵を出すべきだということでありました。また、APECは交渉の場ではなくて協調の場であるということはカセム外務大臣から発言がありました。
 続いて、アメリカですけれども、武藤嘉文先生、堀之内先生、山口先生、岩崎先生で行ってまいりました。アメリカは、もうこれは極めて原則どおり、ボゴール宣言で包括的に二〇一〇年自由化ということでコミットしているではないかということで、そのボゴール宣言から離れることはできない、そういう原則論の応酬になりました。
 オーストラリアですが、武藤嘉文先生、堀之内先生、山口先生、岡部先生と行ってまいりまして、ここもかなり原則論の応酬でありましたけれども、その中でマクマラン貿易大臣が、日本が農業について二〇〇〇年まではウルグアイ・ラウンド合意を守り、その先のことは改めて交渉する、今の段階では約束できない、そういう発言、日本の立場については理解する。理解するというのがどういう外交用語なのかちょっと定かではありませんけれども、理解を示したということです。また、自由化のタイミングは日本に任せてよい、キーティング首相ですが、ただ二〇一〇年までにすべてが自由化されることが確保されなければいけない、これは原則論。
 ちょっと走っての報告でしたけれども、こうして見てみますと、日本の主張に香港会合等々では韓国、中国、台湾は同調した、しかし残り十四カ国は反対であるというふうなことで伝えられておりますが、私どもが行ってまいりますと、必ずしもそうではない。各国とも、APECの性格は柔軟なものであるし、各国の自主性は尊重すべきであるということを言っております。
 私どもが主張しているのは非常に簡単なことで、交渉の場であるウルグアイ・ラウンドで各国が合意したぎりぎりの結果があるのだから、そのとおりやればいいではないか、APECはそれをオーバーライドしたり曲げたりするようなことがあってはならない、そういう各国の自主性は尊重されるべきである、このことは非常に素直な、ごくごく無理のない主張ではないかと思います。
 そこで、まず伺いますが、各国ともこういうふうに、APECというのは自主的、自発的なものである、強制を伴うものではない、そういうことではほとんどの国がそのとおりだと、こう言ってくれております。そういうAPECのそもそもの性格、アジア・太平洋方式といいますか、そういう精神をこれから行動指針の中でも、また大阪会合で出す宣言の中でも、まずAPECというのはこういうものなんだよ、自発的、自主的なものなんだよ、強制力を伴わないものなんだよと、そういうことをうたうべきではないかと思いますけれども、外務省、いかがでしょうか。

発言情報

speech_id: 113405007X00219951108_018

発言者: 赤城徳彦

speaker_id: 7544

日付: 1995-11-08

院: 衆議院

会議名: 農林水産委員会