松浦功の発言 (宗教法人等に関する特別委員会)
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○松浦功君 第二班につきまして御報告いたします。
派遣委員は、上杉理事、釘宮委員、齋藤委員、阿部委員、中尾委員及び私、松浦の六名であり、一昨日、広島市において地方公聴会を開催し、四名の公述人から意見を聴取した後、各委員から質疑が行われました。
まず、公述の要旨を簡単に御報告申し上げます。
最初に、大阪大学文学部教授加地伸行君からは、まず本改正に賛成である旨の発言があり、大学が学校教育法等の規制を受け、管理を受けても学問の自由が侵されたという例はなく、それと同様に宗教法人法の規制によって信教の自由が侵されるとは言えない。また、日本人の神仏に対する崇敬の念は法の有無にかかわらず古来から変わっていない。ところで、我が国では法は国家のためのものとする伝統的法意識が強く、国民のためのものとする意識は希薄である。信教の自由を守ろうとするならばみずから法を守る意識を持つべきであるなどの意見が述べられました。
次に、京都仏教会評議員安井攸爾君からは、今回の法改正の動きは当初より特定の宗教団体に対して攻撃を加えることを目的としたものであり、本年三月のオウム事件、七月の参議院議員選挙での新進党の躍進が宗教法人法改正の検討を加速させることとなった。本年八月ごろからこの改正案とほぼ同様のものが内部資料として出回っており、これは今回の法改正の内容が政治主導であることをうかがわせる。このことからも今回の宗教法人審議会の結論には疑念がある。また、改正案に定める信者等の会計帳簿の閲覧請求権は、お布施が本来的に有する見返りを求めないものという性格を変えてしまうことになり、仏教の教義とは相入れないなどの意見が述べられました。
次に、広島弁護士会消費者問題対策委員会委員長、弁護士山田延廣君からは、早期に霊感商法などの被害に対して対策を講じていたならばオウム事件の防止は可能であり、このような事態を放置した政府にも責任の一端がある。宗教を利用した悪徳商法等を防止するためには財産関係の明確化は不可欠で、今回、財産帳簿の備えつけを規定するのはこの要請に合致する。また、所轄庁に一定の調査権限を与えないと実態把握は不可能で、改正案にあるような限定された質問権は必要である。なお、信教の自由との関係については、布教活動は内心の自由にとどまらず、社会的に影響を与える行為でもあり、他人の人権を侵害すれば規制されるのは当然である。このような適度の規制によって悪徳な宗教活動を防止することこそが正当な宗教活動を行っている宗教団体の名誉を高め、その活動を保護することになる等の意見が述べられました。
最後に、弁護士、自由法曹団前広島支部長高村是懿君からは、宗教法人の法的性格について、民法第三十四条に規定された公益法人の一つであり、宗教法人法は、憲法第二十条の信教の自由、とりわけ宗教上の結社の自由を受けて比較的自由に法人格を認めている。オウム事件が防止できなかったのは、所轄庁がその全体像や金の流れをつかめず、認証の取り消しや解散命令の要件に該当するか否かその実態を把握できなかったことにあるが、今回の法改正は、その反省に立って、従来の宗教法人法の基本的性格を維持しつつ、社会状況の変化に対応した必要最小限のもので、妥当な改正である。なお、政治と宗教の関係については、憲法の政教分離の原則により、政治の宗教への介入、宗教の政治への介入のどちらも禁止されていること、また、どのような宗教団体も特定政党の支持を信者に押しつけることはできないこと等の意見が述べられました。
公述人の意見に対し、各委員より、宗教法人法の基本的性格と今回の改正の影響、国民の宗教法人法に対する理解状況、現行宗教法人法の不備な箇所、所轄庁の質問権と国家の管理との関係、信者その他の利害関係人の閲覧請求権を認めることの意義、宗教情報センターの早期設置の意義、オウム事件が起こった理由と宗教法人法との関係、今回の法改正がオウム事件再発防止に資する理由、宗教と政治の関係、憲法第二十条に規定する政教分離の解釈、宗教法人の特定政党の支持と選挙の公平、法のもとの平等との関係、公述人、参考人に対する質疑が法改正の結果に直接反映されないとする新聞論説に対する見解など、多岐にわたる質疑が行われました。
会議の内容は速記により記録いたしましたので、詳細はこれにより御承知願いたいと存じます。
以上で第二班の報告を終わります。