齊藤曉の発言 (逓信委員会)
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○参考人(齊藤曉君) 新しい映像文化を構築するという観点から申し上げますと、ハイビジョンにふさわしい番組の開発、それからハードウエアの開発、つまり廉価な受信機あるいは機動性にすぐれた制作機器の開発、この二つが両輪となりましてハイビジョンの本格普及が達成されるというふうに考えております。
平成六年の十一月二十五日から開始されました独自免許によるハイビジョン実用化試験放送、これは本年の四月から一時間の放送時間の拡大を行いました。現在は一日六時間放送しております。今後も放送時間の拡大を検討しております。
ソフト面から申し上げますと、ハイビジョン独自番組、いわゆる紀行番組あるいは美術番組等々、魅力ある番組の内容充実に努めておりますけれども、そのほかにニュース、情報番組、こういった分野への取り組みも徐々に強化していきたいというふうに考えております。
二十一世紀に向けて高度な映像文化を切り開くための放送という御質問でございますが、現在、ハイビジョンソフトの開発につきましては三つの方向で取り組んでおります。
まず一点は、表現力の追求。現行のテレビの五倍の情報量という高画質と、視野が三倍広いワイド画面、これをどう生かすか。今までのテレビにはない臨場感、迫力ある番組づくりということでございます。
それから二点目は、電子映像の追求。コンピューターグラフィックや特殊撮影あるいは特殊合成など、ハイビジョンのディジタル画像処理のすぐれた能力、こういうものを駆使した映像世界の開発。
三番目に、マルチメディアへの可能性の追求。ハイビジョンテレビはパソコン用のディスプレーを上回る精細な画像を表示することが可能でありまして、マルチメディア時代における家庭内の映像表示装置として大きな潜在能力を持っております。そうした時代にどういうソフトが展開できるか、可能性を追求しております。
また、普及にとって具体的に大きなポイントとなる二つの点がございます。一つはアトランタのオリンピック、それからその後に控えます長野の冬季オリンピック、こういったビッグスポーツイベントも普及には大きなかぎとなると考えております。さらに、長野のオリンピックに合わせて登場いたします壁がけテレビ、これもハイビジョン普及という観点からは大きな力になるだろうというふうに期待しております。
NHKの中長期経営方針でお示ししましたように、ハイビジョンは、高画質、高音質の特性を生かして新しい番組の開発に資するという点で、国民生活を豊かにし、高度情報社会の中核的なメディアというふうに位置づけております。
NHKは、公共放送の先導的な役割として、現行の衛星放送を二十一世紀の早い時期にハイビジョン化することを目指しまして、ハイビジョン放送の早期普及に積極的に取り組んでいきたいというふうに思っております。