宮林正恭の発言 (科学技術委員会)
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○宮林政府委員 引き続き御説明させていただきます。
お手元の方に、まず五月二十三日に提出させていただきました「漏えい事故の報告について」という本文がございます。それから数葉のペーパーでございますが、「平成八年六月科学技術庁」という同題のペーパーがございます。この本文の方は非常に長うございますので、これの方で御説明させていただきたいと思います。なお、後ほど、同封しております「ナトリウム漏えい燃焼実験-Ⅱについて」という資料についても御説明させていただきます。
まず、今回の五月二十三日の報告でございますが、これにつきましては科学技術庁全体として報告をさせていただきました。二月九日の報告は原子力安全局ということで報告をさせていただいたわけでございますが、今回は科学技術庁全体として御報告させていただくものでございます。それで、これにつきましては、いろいろな調査項目が相当程度明らかになりましたので公表することといたしましたものでございまして、引き続き調査を実施するということにいたしております。
まず、今回の事故の受けとめ方でございますが、放射性物質によります。辺環境あるいは従事者への影響はございませんでしたし、原子炉も安定に維持されておりまして、原子炉施設の安全は確保された、こういうふうに考えております。
次に、安全規制の観点からは今回の事故は非常に重いものである、こういうふうに受けとめているところでございます。
一番といたしまして、高い信頼性を確保すべきものとしていたにもかかわらず、現実に漏えいが発生したこと、それからナトリウム火災の拡大に至らないように適切な措置ができなかったこと、それから情報が原子力安全局に正しく速やかに提供されなかった、また公表も速やかに行われなかったという点について、そういうふうに考えておるわけでございます。
また、本件につきましては、ナトリウムの漏えいというのは現実に起こらないだろう、こういうふうに地元では考えられていたようでございまして、しかしながら現実に発生をし、それがある時間継続したということから、非常に強い衝撃を地元の方々を初めとする国民に与えたという認識をいたしております。かつまた動燃によります不適切な対応がございまして、不安感及び不信感を与えることになったというのが基本認識でございます。
まず、漏えい事故の発生原因でございますが、これにつきましては、この温度計のさやの設計におきまして、当時のアメリカ機械学会の技術基準を正確に理解しないまま設計を行ったというふうなミスがありまして、そのために高サイクル疲労が細管部に生じ破損したということが判明しております。
それから、漏えい後の拡大防止でございますが、これにつきましては、異常時運転手順書の記載に問題がございましたのですが、やはり運転員の判断も適切性が欠けていた、こういうように考えております。お手元にありますような、特に五つのポイントについてそういうふうに考えているということでございます。
それから、ナトリウムの漏えいによります影響でございますが、放射性物質による環境への影響はなかったということを確認いたしております。
また建物の健全性、これは建物の内部でナトリウムが燃焼をするといいますか、火災の形をとったわけでございますが、その結果といたしましては、建物内部につきましては健全性は確保されておりますけれども、足場が損傷しているとかあるいはナトリウムとコンクリートの反応を防ぐために敷かれていた鋼板の温度上昇があった、こういうふうなことにつきましては、今後引き続き検討する要因として残っております。
それから、動燃の事故時の対外対応でございますが、これにつきましては、情報が的確に科学技術庁に提供されなかったという事実を説明しております。特に二度目の入域調査、これは十二月九日の十六時に実施されておりますが、この中身につきまして、ビデオを編集したものを本物というふうに説明をいたしました結果、事故隠しという批判を招き、信頼感が非常に失われるという結果になったという認識でございます。
それから、このような事態を招いた要因といたしましては、動燃は、信頼感あるいは安心感と情報公開が密接不可分の関係にあることについての認識が不足していたこと、あるいは事故対応を指揮する立場の者が十分その役割を果たし得なかった、それから十分な人的支援が行われたとは言えない、こういうふうなことを指摘いたしております。
それから、事故発生時の原子力安全局の対応でございますが、これにつきましては、本文に列挙いたしておりますが、これは二月九日に出しました資料を再掲しているというところがほとんどでございます。しかしながら、今回の事故につきましては、能動的対応に現地の運転管理専門官の行動などが欠ける点があり、事故の際の正確かつ迅速な情報の把握ができなかったということにつきましては、非常に反省をいたしているところでございます。
次に、科学技術庁として反省すべき点を五点述べておりまして、これらにつきましては、真摯に受けとめまして、今後の行政に的確に生かしていくということにしたいということでございます。
まず第一点は、温度計そのものの審査でございますが、これを許認可の対象とせずに、自主的活動にゆだねてきたこと。
二つ目といたしましては、先ほど申し上げました事故時の対応につきまして、科学技術庁としても能動的対応に欠ける側面があったこと。
三番目といたしまして、原子力に対する安心感と信頼感を得るための努力につきまして、十分地元の方々の御期待にこたえるような形で努力をしてこなかったのではないか。
それから、情報開示につきましては、やはり動燃の情報開示をためらわせるような雰囲気を十分科学技術庁が把握をし切れず、それについて適切な指導をしてこなかったこと。
それから最後に、経営面についての科学技術庁の監督が不十分であったということでございます。
これらいろいろと調査をしました結果につきまして、これに基づく対応及び改善策を全部で八項目挙げておりまして、一つは、二次系の温度計の取りかえと科学技術庁による審査及び検査。ナトリウム漏えい後の措置の充実。運転員が的確に判断をし、的確に行動できるような支援システム、これはハード、ソフト両方ございますが、そういうものを十分やること。事故時の対応のための体制の整備。動燃の自主保安の体制あるいは意識といったものの強化。科学技術庁によります安全性総点検。これは、安全性総点検そのものは動燃がやるわけでございます。その確認体制を整備していくこと。運転管理の充実強化。運転管理専門官の強化等でございます。それから、原子力に対する安心感と信頼感の確保というふうなポイントについて指摘しているところでございます。
以上でございます。