科学技術委員会

1996-06-13 衆議院 全207発言

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会議録情報#0
平成八年六月十三日(木曜日)
   午前十時一分開議
出席委員
  委員長 井上 喜一君
   理事 小野 晋也君 理事 原田昇左右君
   理事 村上誠一郎君 理事 上田 晃弘君
   理事 笹木 竜三君 理事 鮫島 宗明君
   理事 今村  修君 理事 渡海紀三朗君
      小渕 恵三君    古賀  誠君
      萩山 教嚴君    林  義郎君
      上田 清司君    近江巳記夫君
      斉藤 鉄夫君    藤村  修君
      吉井 英勝君    後藤  茂君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣
        (科学技術庁長
        官)      中川 秀直君
 出席政府委員
        科学技術庁長官
        官房長     工藤 尚武君
        科学技術庁科学
        技術政策局長  落合 俊雄君
        科学技術庁原子
        力局長     岡崎 俊雄君
        科学技術庁原子
        力安全局長   宮林 正恭君
 委員外の出席者
        参  考  人
        (動力炉・核燃
        料開発事業団理
        事庁)     近藤 俊幸君
        参  考  人
        (動力炉・核燃
        料開発事業団理
        事)      中野 啓昌君
        科学技術委員会
        調査室長    吉村 晴光君
    ―――――――――――――
委員の異動
五月三十一日
辞任          補欠選任
  斉藤 鉄夫君     鳥居 一雄君
  藤村  修君     渡部 恒三君
同日
 辞任         補欠選任
  鳥居 一雄君     斉藤 鉄夫君
  渡部 恒三君     藤村  修君
六月四日
 辞任         補欠選任
  藤村  修君     鴨下 一郎君
同日
 辞任         補欠選任
  鴨下 一郎君     藤村  修君
同月七日
 辞任         補欠選任
  藤村  修君     鴨下 一郎君
同日
 辞任         補欠選任
  鴨下 一郎君     藤村  修君
同月十一日
 辞任         補欠選任
  吉井 英勝君     松本 善明君
同日
 辞任         補欠選任
  松本 善明君     吉井 英勝君
同月十三日
 理事渡海紀三朗君五月二十四日委員辞任につ
 き、その補欠として渡海紀三朗君が知事に当選
 した。
    ―――――――――――――
六月四日
 高速増殖炉もんじゅ事故の徹底解明に関する陳
 情書外一件
 (第三四〇号
 )
同月十日
 鹿児島県馬毛島に無人有翼往還機HOPEの着
 陸場の誘致実現に関する陳情書
 (第三九六号)
は本委員会に参考送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 理事の補欠選任
 参考人出頭要求に関する件
 原子力の開発利用とその安全確保に関する件
 (高速増殖原型炉もんじゅにおけるナトリウム
 漏えい事故問題)
     ――――◇―――――
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井上喜一#1
○井上委員長 これより会議を開きます。
 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い、現在理事が一名欠員となっております。その補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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井上喜一#2
○井上委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
 それでは、理事に渡海紀三朗君を指名いたします。
     ――――◇―――――
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井上喜一#3
○井上委員長 原子力の開発利用とその安全確保に関する件、特に高速増殖原型炉もんじゅにおけるナトリウム漏えい事故問題について調査を進めます。
 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
 本件調査のため、本日、参考人として動力炉・核燃料開発事業団理事長近藤俊幸君及び同理事中野啓昌君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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井上喜一#4
○井上委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
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井上喜一#5
○井上委員長 動力炉・核燃料開発事業団高速増殖原型炉もんじゅナトリウム漏えい事故の報告について、政府から説明を聴取いたします。中川国務大臣。
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中川秀直#6
○中川国務大臣 昨年末の「もんじゅ」の事故につきましては、地元の方々や国民の皆様に大変な不安感、不信感を与えるという極めて遺憾な結果を引き起こし、心からおわびを申し上げます。
 今回の事故については、専門家の参画を得て鋭意調査を進めてまいりましたところ、事故の原因となった温度計の破損原因の究明の見通しが立ち、他の調査項目についても明らかとなってまいりましたので、先般五月二十三日に「動力炉・核燃料開発事業団高速増殖原型炉もんじゅナトリウム漏えい事故の報告について」を取りまとめ、公表したところでございます。
 本報告書の詳細については、原子力安全局長より後ほど説明いたさせますが、特に今回、事故の経緯と寄せられた種々の批判を真摯に受けとめ、科学技術庁として深くみずからを省みて、率直に反省すべき諸点を明記しております。私を含め当庁の職員はこれらを重く受けとめ、今後の行政に反映してまいります。これに関連して、別途当庁の責任を明らかにいたしました。
 私としては、本報告書により事故の状況、原因等について相当の部分が明らかとなり、現在とり得る限りの対策の方針がかなり明確になったものと考えておりますが、なお解明すべきことが残っており、報告書にこの点を個々に明記しております。
 科学技術庁としては、引き続き残された諸点についての調査を継続しているところであり、その一環として、先週七日にナトリウム漏えい燃焼実験が行われたところであります。また、今後、本報告書で明らかにした対応及び改善策についても速やかに着手し、一つ一つ着実に実行に移してまいります。
 また、動燃事業団に対して、本報告書を踏まえ、動燃事業団としての責任を明らかにし、適切な対応を行い、地元の方々や国民の皆様の信頼を回復するため最大限の努力を尽くすよう指示しました。動燃事業団は、直ちに理事長が引責辞任し、さらに関係者の責任を明らかにしたところでございます。
 原子力安全委員会におかれては、独自の立場から、「もんじゅ」事故の原因と再発防止対策について調査審議が行われるとともに、研究開発段階の原子力施設の安全確保のあり方及び事故時の情報公開のあり方について鋭意検討が行われているところであり、それらの結果については十分に尊重して対応してまいります。
 最後に、今回の事故への対応を含め、まず安全対策を徹底するとともに、情報の公開、安全を最優先する体制や対策の確立等に努め、常に国民本位の姿勢に立って原子力行政を進めてまいる決意でありますので、委員長を初め委員各位の御指導、御鞭撻を心からお願い申し上げます。
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井上喜一#7
○井上委員長 次に、宮林原子力安全局長。
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宮林正恭#8
○宮林政府委員 引き続き御説明させていただきます。
 お手元の方に、まず五月二十三日に提出させていただきました「漏えい事故の報告について」という本文がございます。それから数葉のペーパーでございますが、「平成八年六月科学技術庁」という同題のペーパーがございます。この本文の方は非常に長うございますので、これの方で御説明させていただきたいと思います。なお、後ほど、同封しております「ナトリウム漏えい燃焼実験-Ⅱについて」という資料についても御説明させていただきます。
 まず、今回の五月二十三日の報告でございますが、これにつきましては科学技術庁全体として報告をさせていただきました。二月九日の報告は原子力安全局ということで報告をさせていただいたわけでございますが、今回は科学技術庁全体として御報告させていただくものでございます。それで、これにつきましては、いろいろな調査項目が相当程度明らかになりましたので公表することといたしましたものでございまして、引き続き調査を実施するということにいたしております。
 まず、今回の事故の受けとめ方でございますが、放射性物質によります。辺環境あるいは従事者への影響はございませんでしたし、原子炉も安定に維持されておりまして、原子炉施設の安全は確保された、こういうふうに考えております。
 次に、安全規制の観点からは今回の事故は非常に重いものである、こういうふうに受けとめているところでございます。
 一番といたしまして、高い信頼性を確保すべきものとしていたにもかかわらず、現実に漏えいが発生したこと、それからナトリウム火災の拡大に至らないように適切な措置ができなかったこと、それから情報が原子力安全局に正しく速やかに提供されなかった、また公表も速やかに行われなかったという点について、そういうふうに考えておるわけでございます。
 また、本件につきましては、ナトリウムの漏えいというのは現実に起こらないだろう、こういうふうに地元では考えられていたようでございまして、しかしながら現実に発生をし、それがある時間継続したということから、非常に強い衝撃を地元の方々を初めとする国民に与えたという認識をいたしております。かつまた動燃によります不適切な対応がございまして、不安感及び不信感を与えることになったというのが基本認識でございます。
 まず、漏えい事故の発生原因でございますが、これにつきましては、この温度計のさやの設計におきまして、当時のアメリカ機械学会の技術基準を正確に理解しないまま設計を行ったというふうなミスがありまして、そのために高サイクル疲労が細管部に生じ破損したということが判明しております。
 それから、漏えい後の拡大防止でございますが、これにつきましては、異常時運転手順書の記載に問題がございましたのですが、やはり運転員の判断も適切性が欠けていた、こういうように考えております。お手元にありますような、特に五つのポイントについてそういうふうに考えているということでございます。
 それから、ナトリウムの漏えいによります影響でございますが、放射性物質による環境への影響はなかったということを確認いたしております。
 また建物の健全性、これは建物の内部でナトリウムが燃焼をするといいますか、火災の形をとったわけでございますが、その結果といたしましては、建物内部につきましては健全性は確保されておりますけれども、足場が損傷しているとかあるいはナトリウムとコンクリートの反応を防ぐために敷かれていた鋼板の温度上昇があった、こういうふうなことにつきましては、今後引き続き検討する要因として残っております。
 それから、動燃の事故時の対外対応でございますが、これにつきましては、情報が的確に科学技術庁に提供されなかったという事実を説明しております。特に二度目の入域調査、これは十二月九日の十六時に実施されておりますが、この中身につきまして、ビデオを編集したものを本物というふうに説明をいたしました結果、事故隠しという批判を招き、信頼感が非常に失われるという結果になったという認識でございます。
 それから、このような事態を招いた要因といたしましては、動燃は、信頼感あるいは安心感と情報公開が密接不可分の関係にあることについての認識が不足していたこと、あるいは事故対応を指揮する立場の者が十分その役割を果たし得なかった、それから十分な人的支援が行われたとは言えない、こういうふうなことを指摘いたしております。
 それから、事故発生時の原子力安全局の対応でございますが、これにつきましては、本文に列挙いたしておりますが、これは二月九日に出しました資料を再掲しているというところがほとんどでございます。しかしながら、今回の事故につきましては、能動的対応に現地の運転管理専門官の行動などが欠ける点があり、事故の際の正確かつ迅速な情報の把握ができなかったということにつきましては、非常に反省をいたしているところでございます。
 次に、科学技術庁として反省すべき点を五点述べておりまして、これらにつきましては、真摯に受けとめまして、今後の行政に的確に生かしていくということにしたいということでございます。
 まず第一点は、温度計そのものの審査でございますが、これを許認可の対象とせずに、自主的活動にゆだねてきたこと。
 二つ目といたしましては、先ほど申し上げました事故時の対応につきまして、科学技術庁としても能動的対応に欠ける側面があったこと。
 三番目といたしまして、原子力に対する安心感と信頼感を得るための努力につきまして、十分地元の方々の御期待にこたえるような形で努力をしてこなかったのではないか。
 それから、情報開示につきましては、やはり動燃の情報開示をためらわせるような雰囲気を十分科学技術庁が把握をし切れず、それについて適切な指導をしてこなかったこと。
 それから最後に、経営面についての科学技術庁の監督が不十分であったということでございます。
 これらいろいろと調査をしました結果につきまして、これに基づく対応及び改善策を全部で八項目挙げておりまして、一つは、二次系の温度計の取りかえと科学技術庁による審査及び検査。ナトリウム漏えい後の措置の充実。運転員が的確に判断をし、的確に行動できるような支援システム、これはハード、ソフト両方ございますが、そういうものを十分やること。事故時の対応のための体制の整備。動燃の自主保安の体制あるいは意識といったものの強化。科学技術庁によります安全性総点検。これは、安全性総点検そのものは動燃がやるわけでございます。その確認体制を整備していくこと。運転管理の充実強化。運転管理専門官の強化等でございます。それから、原子力に対する安心感と信頼感の確保というふうなポイントについて指摘しているところでございます。
 以上でございます。
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井上喜一#9
○井上委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。原田昇左右君。
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原田昇左右#10
○原田(昇)委員 今回の「もんじゅ」の事故でございますけれども、これは「もんじゅ」のみならず、原子力の開発利用全般に対する国民の不安感を増大させることになっておると思うのです。どうしてもこれは一刻も早く事故の実態を明らかにするとともに、反省すべきことは反省し、改善すべき点は改善して、原子力行政の立て直しを進める必要があると思うのですね。そうでなければ、国民の不信感によって原子力の開発利用というのはもう極めて制約されてくるおそれすらあるわけでありまして、全国的に今原子炉をもって発電をやっておるところ、市町村においても大変な影響が出てくる兆しがあります。
 したがって、今回の報告作成は困難であったと思うわけでありますけれども、私はこのような観点から報告書を見ますと、疑問や不十分な点がたくさんあるのではないか。まだ私は聞いていないのですが、この報告は科学技術庁の報告で、原子力安全委員会というのはどういうことになっているのですか、この報告。後でまだ報告があるのでしょうか。
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宮林正恭#11
○宮林政府委員 原子力安全委員会の方につきましては、五月二十三日に開催されました臨時会議におきまして、科学技術庁の方から、先ほど御説明申し上げました報告書の中身につきまして御報告したところでございます。
 これに対しまして、原子力安全委員会の方は、既に設置されております高速増殖原型炉もんじゅナトリウム漏えいワーキンググループにおいて、この中身について具体的に今後検討を進めていくというふうな考え方を表示しておられますほか、科学技術庁あるいは動燃両方とも、引き続き調査を行って、報告を逐次取りまとめていくように、そして原子力の安全に関する国民の技術的信頼と社会的信頼を回復するために万全を尽くすことを期待するというふうなことを述べておられるところでございます。
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原田昇左右#12
○原田(昇)委員 ちょっと、どうも明確でないじゃないですか。私が聞いているのは、原子力安全委員会は報告するのか、しないのか。
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宮林正恭#13
○宮林政府委員 原子力安全委員会の方としては、調査審議を引き続き行われまして、それで、取りまとめ時期については、これは時期を決めてやるというふうな考え方をおとりになっておりませんけれども、できるだけ早期にやりたいということで、現在鋭意ワーキンググループの方で御審議をされているというところでございます。
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原田昇左右#14
○原田(昇)委員 できるだけ早期に報告をするというように今お答えになったと理解したのですが、それでいいですか。
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宮林正恭#15
○宮林政府委員 ワーキンググループの座長の方は、二、三カ月のうちにはやりたい、ア・フユーという表現を使っておられるのですけれども、そういうア・フユーという期間の間にやりたい、こういう表現を昨日記者会見でお述べになっているということでございます。
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原田昇左右#16
○原田(昇)委員 報告するの、しないの。
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宮林正恭#17
○宮林政府委員 報告されます。報告するとおっしゃっております。
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原田昇左右#18
○原田(昇)委員 そうすると、この報告は中間的なものだというように考えていいですね。大臣、どうなんですか。
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中川秀直#19
○中川国務大臣 今原田委員お尋ねの安全委員会のことは、あくまで独立した第三者機関でございますので、私どもが言及する立場にございませんが、安全委員会から、やはり同じような分野の仕事をしておるわけですから、伺っているところでは、二、三カ月のうちに報告書をおまとめになる、このように聞いております。
 それから、私どもの五月二十三日に報告したものは、今お尋ねのとおり、最終報告ではございません。この時点でわかったことを二月九日に引き続いて報告をさせていただいたということでございまして、まだまだ五、六点、調査、実験、いろいろなことを分析をしなければならぬ点がございますし、また改善策も四十数項目にわたっておりますけれども、この具体化についてもまだまだいろいろ検討を加えていかなければならぬこともございます。あくまで中間的なものでございます。
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原田昇左右#20
○原田(昇)委員 それでは、少し細かくなりますけれども、今度の事故の内容について触れておる点を読みますと、要するに、このナトリウム漏えいの原因として、温度計のさやの設計に問題があった。すなわち、参考にした当時の米国機械学会の技術基準を正確に理解しないままに設計を行ったということを挙げておられるわけですが、この設計者はだれなのですか。つまり、動燃の人なのか、だれが設計したのですか。
 それから、勘違いしたということで、チェック体制はできているのか、できていないのか。上司がチェックしているのか、していないのか。読売新聞の社説では、「折れた温度計を指して、「わざわざ壊すために作った試験材料のよう」」なものだと学者に指摘されておる。もう全くぼろくそですよね。それで、「原子力部品を手掛ける町工場の経営者からは「機械屋としての常識に欠けた設計」」だ、町工場のおやじさんがそう言っている、酷評されておるわけであります。私は、これはだれが見てもわかるようなミスではなかったのかな、それをチェックできなかったのはどういうわけかな、こういうように思うのです。
 今の点、設計者はだれなのか、そしてチェック体制はどうなっているのだ、二つについて明快に答えてください。ぐだぐだ答えないで、質問は単純ですから、単純に答えてください、明快に。
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中野啓昌#21
○中野参考人 中野でございます。
 先生の今お尋ねは、最後に確認されましたが、二点かと存じます。設計はだれがやったのか、そしてそのチェック体制はどうなっているのかということかと存じます。
 一義的には、設計はメーカーが実施いたしております。この実施に当たりましては、動燃がこの仕様を提示いたしまして、その仕様に基づきメーカー側が、特に機械的な強度とかそういったものを勘案しつつ設計を行ったわけでございます。
 そこで、そのチェック体制がどうなっているのかというところに移りたいと思いますが、私ども、まず動燃事業団の中に「もんじゅ」の設計、製作、施工管理に当たりましては、まず品質保証管理規程というものを大枠として設けております。そして、そのもとに「もんじゅ品質保証計画書」というものを定め、これに従いまして各種の規定とか要領書などをつくっておるわけでございます。この設計に当たりましても、当然こうした要領書を参考にしつつやったわけでございます。
 この要領書と申しますのは、軽水炉の実績とかあるいは日本工業規格、JISでございますね、そういったものを取り入れてつくっておるわけでございます。
 そのほか、高速炉用の構造等の技術基準に従って動燃の側で、そういう品質保証体系の中でそれぞれの情報が出され、それをチェックしそして確認していくというやり方をしておるわけでございます。もちろんその体系の中に、各メーカーの品質保証体系もそのもとにつくられておりまして、そこで一つ一つ管理していくことになっておるわけでございます。
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原田昇左右#22
○原田(昇)委員 要するに、メーカーがやったのだ、設計したのですよ、それで、メーカしにもチェック体制があるし、こっちにもあるのだ、こういうことだと思います。
 では、メーカーはどこですか。この際、メーカーの名前を明らかにしてもらいたい。このような初歩的なミスをやるようなメーカーというのはどういうメーカーですか。
 それから、チェック体制。こういう事故があると、すぐ科学技術庁なり監督官庁は、許可制にするとか、一つ一つ科学技術庁でチェックして許可しなければつけられないようにするとか、そういうことになりがちなのですが、私は必ずしもそれはいいとは思わない。むしろ自主的な責任を持つ体制にして、そのチェック体制を監督官庁の基準でチェックするというようなことが望ましいのではないか。余りがんじがらめに規制を強化するというのは、必ずしもいいことにならないと思うのです。
 その辺も含めてこれから検討されると思いますけれども、いずれにしても、今のチェック体制についてはもう少しきちっとしないと、町工場のおやじさんが見てもこれはおかしいな、折れるよというようなものを外へ出してしまうというのは、余りにもおかしいのではないかと思うのですね。
 第一、東海村か何かで試験をやっているわけでしょう、もう事前に。そのときになぜこれをやらなかったのかな。それから、同じ設計のさやはなぜ一カ所だけ壊れたのでしょうかね。ほかにもあるのでしょう、ずらっと。これだけが壊れたというのは、それもわからない。ちょっとその辺、御説明いただけますか。
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中野啓昌#23
○中野参考人 お答えいたします。
 まず、先生最初に御質問ございました、どこがこの設計を行ったのかという点でございますが、この二次系のナトリウムの配管部分につきましては、全体として株式会社東芝が受注いたしてございます。特に、この温度計の部分に関しましてはIHI、石川島播磨が担当して設計をいたしました。
 それから先生お尋ねの、大洗等であらかじめ実験を――先生今東海とおっしゃいましたが、主体的には大洗工学センターというところでやっておりますので、やらなかったのかということでございます。
 私ども、この施工、設計に当たりましては、特に高速炉の場合、注意しなければならない重点項目として、これはまた高速炉の特徴でもあるわけでございますけれども、熱応力に対する十分な配慮、それから溶接部に対する十分な配慮、この二点に非常に重点的に視点を置いて設計、施工をやってきたわけでございます。もちろんカルマン渦等についても、今回の事故の原因になりました渦等についても検討はいたしましたが、当時の知り得る情報の中で、ASMEの情報をもとに設計をいたしたわけでございまして、そのASMEの方法といいますのが一般的に使われておりましたので、特に取り上げて試験をするという必要もなかろうということで、試験は実施いたしておりません。
 それから、この一個だけなのか、そのほかはなぜ壊れないのか、こういう御質問が最後にあったかと存じますが、今後残された問題、先ほど来、大臣それから宮林局長からもございましたが、今後まだまだいろいろ検討していかなければならないということの一つでございまして、なぜこの一つだけが壊れたのかということは、これからの我々の課題だというふうに思っておるところでございます。
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原田昇左右#24
○原田(昇)委員 今のお答えで十分ではないのですけれども、ともかくこれからどういうように改善するかということが一番問題だと思うのです。
 いいかげんな仕事をしているメーカーには今後ペナルティーを科す必要もあると思うのですね。そんなところに仕事をやらないということだって、一つの方法だし、メーカーに依存するのなら、そこにきちっとした改善策をとらせることも必要だし、そういう点も含めて、動燃だけがやるわけではなくて、恐らくはかの部分もみんなメーカーに発注するのでしょうから、その辺をどういうように考えるかということがこれから非常に大事ではないかなと思います。
 それから、損害賠償の問題も生ずるのだろうと思うのですが、そういうのはどういうように考えておられるのか。
 以上、お伺いをしておきます。
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中野啓昌#25
○中野参考人 先ほど申し上げ足りなかった点でございますが、いずれにしろ、そういう品質保証体制をつくって、それなりに体系をつくってやってきたわけでございますけれども、結果としてああいう事故を起こしたわけでございまして、今後は、破損に至った品質保証上の問題点を摘出し、品質保証上の監査等によって、再発防止のために、今先生御指摘のように、メーカーの品質保証システムの改善も、我々の改善も含めて実施していきたい、まずそう思っております。
 そこで、いわゆるこういったメーカーに続けて発注するのかという先生の御指摘もございますが、こういった考えもあろうかと存じますが、先ほども申しましたように、まだ原因につきましては全部究明し切れたわけではございません。現在究明中でございます。したがいまして、すべての解明が終わりましてから改めてメーカーの対応について総合的に判断したい、かように現在のところ考えておるわけでございます。
 それから、損害賠償上の問題について先生最後にお尋ねであったかと思いますが、本契約は瑕疵担保期間内における損害賠償責任について定めがございます。本事故は実は瑕疵担保の終了後に起きたものでございまして、具体的に申し上げますと、設備の引き渡しが平成四年十二月十六日、それで、そこから瑕疵担保が発生いたしまして、終了いたしましたのが平成六年十二月十五日でございます。こういったこともございますので、先ほど申しましたように、いずれにしろ原因究明に関するすべての解明が終わった時点で再度総合的に考えていきたい、そのように思っておるところでございます。
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原田昇左右#26
○原田(昇)委員 しっかりやってください。
 それから、先日行われました、何かナトリウム漏えい実験というのを拝見したのですが、これは大変ショッキングなんですね。鉄板まで穴があいてしまうのですね。これ、どうなんでしょうか。今までなぜそういうことをやっていなかったのか。床を鉄板にしてその下にコンクリートがある、穴があいてコンクリートまで入ってしまったらこれは大変な始末になることは明らかでありまして、そういう点を、材料は、いや、これはいろいろテストしてこれならもう大丈夫というような材料を使わないのかなという点とか、あるいは窒素を封入しておけば大丈夫だとか、そういうようなことについてはどういうふうに考えておられるのですか。
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宮林正恭#27
○宮林政府委員 御説明させていただきます。
 まず、ナトリウム漏えい燃焼実験の結果でございますが、同封をしてございます資料をごらんいただきたいと思います。
 ちょっと図面の方で一番最後の図を見ていただきますと、実験前の床ライナーといいますか床の状況はこういう図にありますような状況で、熱電対の保護管とかサンプリングポットといったものが置かれているところでございまして、その後ライナーなどが破損した部分が下の図面でございます。こういうふうなことでございますので、この中身につきましては今後タスクフォース等で検討させていただきたい、こういうふうに考えているところでございます。
 それで、窒素封入という件につきましては、こういう御意見が専門家の中にあるということは私ども十分承知をいたしております。これにつきましては一つの改善方法であろう、こういうふうに私ども感じているところでございますけれども、今回の、先ほど申し上げましたような実験におきましては、これは必ずしも当該部分につきまして、特に床ライナーの部分につきましては「もんじゅ」の実態とは必ずしも一致しないような状況の中で行われているということがございますので、そのあたりのところも十分吟味をいたしまして総合的に今後タスクフォースの中で判断をさせていただくということで、窒素封入ということも必要かどうかということにつきましては十分検討をさせていただきたい、こういうふうに思っておるところでございます。
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原田昇左右#28
○原田(昇)委員 動燃に聞きたいのですが、どうも今の局長の話はふわっとしてしまっていてわからない。私が聞いたのは、鉄板に穴があくような状態で鉄板を使っていいのですか、もっと新しい材料を使ったらどうですか、それから、新しい材料が見つからなければ窒素封入したらいいんじゃないのか、そういうことを少し端的に、どう考えているのか、専門家としての話を聞かせてもらいたい。素人はそう思って来るわけだから。
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中野啓昌#29
○中野参考人 先生お尋ねでございますので、技術屋としての視点からお答えをさせていただきますと、そういうような実験を過去にやったのかという御質問が最初にあったかと思いますが、私ども、ナトリウムの漏えい燃焼試験に関しましては、十年ほど前から大体百二十ケースぐらいについてやってございます。非常に大量のナトリウムを外に漏出させること、一方非常にわずかなナトリウムしか出さないということまで含めまして、幅広くやってきたわけでございます。
 この百二十回の間にかなり、百五十トン規模ぐらいで出したこともあるのですけれども、それでも当時床に穴があいたという実験例はございませんでした。今回の実験では、今宮林局長からもございましたけれども、これまで見られなかった現象、例えば床ライナーの温度が極めて高くなったとか反応生成物の異なった堆積状態、下にたまったものが「もんじゅ」のときのようにこんもりとたまらないでほとんど流れた状態になったとか、実際の場合とかなり違った現象が見られました。したがいまして、実際の原子炉でこのような現象が起こり得るのかどうなのか、それから実機とこういった実験の場合とではどういうような差が出てきたのか、この辺を今詰めておるところでございます。
 したがいまして、今後、得られましたデータを詳細に分析いたしまして、タスクフォースの御指導を仰ぎつつ解析していきたい、これがナトリウムに関することでございます。
 それからもう一点先生御指摘の、窒素雰囲気などにして封じ込めたらどうだ、こういう御指摘であったかと思います。
 先生御案内のように、「もんじゅ」の場合にはナトリウムの冷却系として一次系と二次系がございます。一次系の場合は、これはすべて、ナトリウム系統を含めて窒素雰囲気の中に存在してございます。それから、二次系のナトリウムは、これは今先生おっしゃるように普通の空気の状態の中に置いてあるわけでございます。もともと、原子炉を運転し原子炉を管理していく上で我々としてはできるだけ保守点検がしやすいような状況に設計し施工していくというのが基本でございます。
 そういう意味から、二次系を先生御指摘のように窒素雰囲気にいたしますと、通常の点検が実はできなくなるといったような反対側の効果も出てまいります。そのあたりを考えながら、一次系は通常近づきにくい、一次系は放射能が非常に高うございますから近づきにくい、だけれども二次系は普通放射能が含まれておりませんので、現在の設計ではそういう考え方でできておるわけでございます。
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