中川秀直の発言 (科学技術委員会)

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○中川国務大臣 委員には広範な見地からの御意見を賜りましたことは、心から感謝をいたします。
 まず、今度の事故に何を教訓として得たかということでございますが、現地へ参りましても、また当委員会におきましても、また、さまざまな場でも申し上げていることは三点ございます。
 やはり、原子力政策を進めていくためには、地元の皆さんの御理解なしには進められぬぞという意味で、原子力施設と背中合わせで暮らしておられる方々の立場に立って、地元重視ということで物事を考えていかなければならぬというのが一点。
 二点目に、これはもう就任当初から申し上げておりましたが、これは全般もそうでございましょうけれども、これからの日本の発展というものも、やはり健全でダイナミックな市民社会の発展にかかっておるわけで、そういう意味で、原子力のみならず、情報公開、説明する責任、義務というものは、行政や、また事業者や、そういうものに一層求められている。特に原子力の場合は、安全は市民のものでございますので、命にかかわる、そういった心配というものについては、できる限り正確な情報をわかりやすく、正しくお伝えをしないとまた信頼を得られないという意味で、情報公開の重要性ということを二点目に申し上げております。
 また、先般のモスクワの原子力安全サミットでも宣言として確認されておりますけれども、やはり技術開発、特に原子力開発には絶対ということはあり得ないわけでありますが、しかし、そういうことを謙虚に受けとめて、何よりも安全を最優先に物事を考え臨んでいくという認識に立って、事故の発生を抑えるべく技術者の良心に基づく英知を結集して、最大限の努力を傾注するということが重要であるという、そういった技術に対する安全最優先の謙虚さといいましょうか、そういうものが私の教訓でございます。
 最後に、原子力研究開発あるいは原子力開発そのものに、あるいは発電のシステムそのものに本来的に絶対安全ということは、委員御指摘のように、ないわけでございます。常に潜在的な危険性を持っておるわけでございまして、それをありとあらゆる技術的手段で安全にするという努力を続けていく、これが原子力の宿命であろう、このように思います。その意味で、あくまで技術的な安全というものは、発電所周辺に放射能被害を及ぼさないということを目標に多重の安全対策を講じていくということであろうと思います。
 しかし、また、人は誤り、機械は故障するということを多重防護の積み重ねで防止する、そういう技術的安全性と、一方、一切の故障を許さないという社会的な安心みたいなものでしょうか、そういう社会的な安全みたいなもの、この落差をどう埋めていくかということが今問われているような気がしてなりません。その落差を埋めるありとあらゆる努力を続けていく、そういうことが今求められているのだろうと思いますけれども、それをどう総合的に判断していくか。また、よく申しておりますけれども、何かあればすぐとめますよ、あるいはまたすぐお知らせしますよ、絶対うそはつきませんよというような、そういう中から信頼をまたいただく。その落差をどう埋めていくかという努力を今円卓会議でも御議論もいただきながら、また関係者みんなで真剣に取り組んでいかなければいかぬというふうに考えております。非常に抽象的ですが。

発言情報

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発言者: 中川秀直

speaker_id: 765

日付: 1996-06-13

院: 衆議院

会議名: 科学技術委員会